「シグルド」
鏡に映し出され、
[さ、サクヤ!?]
「ああ、そうだ」
[なぜ……いや………か、会談は……?]
絞り出すような声で、鏡の向こう側で不敵に笑うサクヤに問う。その背後では、ミト達に手を振るソウテン達の姿があるが、今は関係ないので割愛しておくことにする
「条約の調印はこれからだが、無事に終わりそうだ。そうそう、予期せぬ来客があったぞ」
[き、客……?]
「ユージーン将軍が君によろしくと言っていた、ユージーンだけに友人なのだろう?(ふふん、決まった!今のは百点満点のギャグだ!)」
[なっ!?]
((何で、勝ち誇った顔してんのっ!?この人はっ!!))
「だはははははっ!!!アネキのギャグは最高だなぁ!やっぱ!」
「そうだろう、そうだろう」
((弟にはウケとるっ!!!))
渾身のギャグが決まり、ドヤ顔を決めるサクヤと、彼女の隣で腹を抱えながら大笑いするグリスにミト達と鏡の向こうからソウテン達は、心の中で突っ込みを放つ
[無能なトカゲ共め………!…………で、俺をどうするんだ、サクヤ?懲罰金か?それとも、執政部から追い出すか?だがな、軍務を預かる俺を追い出したらお前の政権はそこまで!真実がどうであれ、お前は自分の都合で同胞を斬り捨てる独裁者になるんだ!]
[無能な迷子め……!真実がどうであれ、お前は一生目的地には辿り着けない傍迷惑迷子なんだ!]
サクヤに自らの行い対する罰を、協議するシグルド。その背後では、彼と同じような声量で、ソウテンを罵倒するキリトの姿があった
[なるほど、てことは俺と一緒にいるおめぇさんも迷子なワケか]
[だれが迷子だコラァ!!お前と一緒にすんなっ!!
[んだとっ!ぼっち!!表に出ろコラァァ!!]
[上等じゃぁぁぁぁ!!!]
正に売り言葉に買い言葉で、一触即発した二人は執務室を飛び出していった
[パパ!育児放棄は良くありませんっ!!ママに言いつけちゃいますっ!]
[おろ?僕は置いてかれたんか?]
その後を追随するようにユイが、呑気に首を傾げるロトの手を引き、追っていた事で、騒がしさという
[………ふんっ!奴等を嗾けた意図は理解出来んが、何も言えないみたいだな!所詮お前は、俺が居なければ何もできないお飾りの領主なんだよ!]
「いや、あんな二人は知らない。なぁ?ルー」
「ウン、誰だったノ?あの二人は」
「…………すいません、うちのバカコンビが。後できつく叱っておきますんで」
見覚えのなければ、存在も知らなかった二人組との協力関係を指摘されたサクヤは首を傾げ、アリシャも把握していなかったようで、疑問符を浮かべる。すると、彼女達へ申し訳なさそうに眉を下げたミトが謝罪を述べ、頭を何度も下げる
「ミトさんは二人のお母さんなの?」
「あんな変なのはうちの子じゃありません」
「いや、片方は恋人でしょうに」
「………私の知るテンは旅に出たの。アレはその抜け殻のバカよ、間違っても私の恋人じゃないわ」
「誰が抜け殻だ。その鎌を貸してみな?傷んでるみたいだから、手入れしてやる」
「いや♪」
そう言って、瞳を潤わせるミトの隣に何時の間にか姿を見せた道化師は、両手をわきわきとしながら、彼女に詰め寄る
「………って!何時からいたのよっ!!!」
「ぐもっ!?」
突如、現れたソウテンに、ミトは顔を真っ赤に紅潮させ、頭に御約束を叩き込んだ
「あの騒動後に訳の分からない転移魔法陣を踏んじゃってな、気付いたら此処にいたんだ」
「あっ、僕の召喚魔法です。呪符無しでしたが上手くいきましたね」
『お前の仕業だったんかよっ!!!』
気絶したソウテンの代わりに、同じように何時の間にか合流していたキリトが説明し、さらっと自身の魔法である事をヴェルデは自白する
「君は確か、シグルドを拷問していた仮面くんと黒いツンツン頭くんだな?私はサクヤだ」
「これは御丁寧にどうも。俺はソウテン、通りすがりのピーナッツバター評論家だったりする道化師だ、
「ああ、よろしくな。ソウテンくん」
堅い握手を交わすソウテンとサクヤ。すると、今度はキリトの方に彼女は視線を向けた
「俺はキリトだ」
「そうか。よろしくな、キリトくん」
「ああ、やらし……いや、よろしくな」
「目潰しっ!!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!目がぁぁぁぁ!!」
肌けた着物から、見え隠れする揺れるたわわに実った二つの果実へ、
「大丈夫なノ?この人」
「うん、気にしないで。根本的にどうしようもないバカだから」
「リーファさんっ!?」
「あっ、触らないでくれます?キリトさん」
「いやぁぁぁぁ!!!妹が冷たいぃぃぃ!!」
爽やかな笑みで拒絶する妹に対し、キリトの精神が破壊され始める隣では。
「兎に角だ、シグルド。お前を追放する」
[何で今の流れでそうなるっ!!!正気か、貴様っ!?]
「無論だ、お前は
「楽しみというとプチプチつぶしでしょうか」
「いやきっとデュエルだよ」
「全く分かってないねぇ?チビたちは。楽しみといやぁ……」
「彼女がいるヤツを裏山に埋めることだな、きっと。俺はいつも大学の友人をそうして亡き者にしている」
「あたしのライブに間違いありません」
「バナナを育てることに違いないなっ!」
「包丁を研ぐことだな、恐らくは」
「何を言ってるんだ?お前たちは。パスタパーティだろ」
「バカね、鍋に決まってるじゃない」
「………人の台詞を遮って、何を頭の可笑しいことを言ってんの?おめぇさんたちは。あとベルさんは、どういう生き方をしたら騎士らしかぬ発言が飛び出すんよ」
「ふっ…褒めないでくれ」
『褒めてねぇわっ!!バームクーヘンバカっ!!』
矢継ぎ早に台詞を遮る仲間たちの中でも、極めて物騒な発言したディアベルを咎めたが彼は嬉しそうに笑みを見せた。その行動に仲間全員からの突っ込みが放たれるも、彼の表情は変わらなかった
[こんなの不当だっ!GNに訴えるぞっ!そして勝つぞっ!]
「やれるものなら、やってみろ。特別にお前は私の友人である変わり者が住む辺境に追放してやろう」
[は?変わり者って----]
全てを言い終わる前に鏡が砕け散り、シグルドが何処に飛ばされたかは不明なままに騒動は終わりを告げた
「改めて私はアリシャ・ルーだヨ!こー見えても
「ほう、アリシャさんか。さっそくで悪いけどバスとか出してくんない?」
「貴女はなんのフレンズかしら?私は鍋のフレンズよ」
「いやいや、何をナチュラルに訳の分からない事を言ってるノっ!?バスなんか出さないヨッ!?ていうか鍋のフレンズってなにカナ!?」
シリアスは何処にと言いたくなるような、唐突に放り込まれたソウテンとミトのボケにアリシャはリーファにも負けない突っ込みを放つ
「すまないな、見苦しいうえにむさ苦しいヤツに君たちの貴重な時間を無駄にしてしまって。領主として、謝罪する。誠にすまない」
「気にしないでくれよ、おっぱ………サクヤさん」
「お兄ちゃん?サクヤの顔は、そこじゃないからね?もっと上を見ようか。さもないと、今日からお兄ちゃんの部屋は外に……しておいたからね」
「過去形っ!?」
「パパ、今度からはわたしと一緒のお布団に寝ないでくださいね。くさいですから」
「くさいっ!?えっ?くさいのっ!?俺っ!」
「はい、超くさいです」
「いやァァァァァァ!!!娘がグレたぁぁぁぁ!!!」
妹と娘からの容赦ない精神攻撃にキリトのメンタルは悲鳴を上げ、空高くに叫ぶしか出来ない彼は涙を流す。やがて、彼が鎮まるのを待ち、ソウテン達はサクヤとアリシャに大金を譲渡し、彼等の協力を仰いだ後、《蝶の谷》を後にした……
「ふむ……何故にこうなったのかねぇ?不思議だ」
『おめぇのせいだろうがっ!!!バカリーダー!!!』
「ぐもっ!?」
氷に覆われた世界、果たして永久に閉ざされた世界で道化師一味を待つ新たなる波乱とは……!
一方で、その頃のシグルドは
「男よぉぉぉぉ!!!」
「抜け駆けはナシよっ!カルゴちゃん!」
中立域のにある、サクヤを除けば一定のプレイヤーしか知らない森林地帯に居た
「んもぅっ!分かってるわよっ!タイコちゃん!!!」
「「お待ちになってぇぇぇぇ!シグルド様ぁぁぁぁ!!!」」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!来るなぁぁぁぁ!!!」
カタツムリ的な装備を纏った屈強な男性とたい焼きの着ぐるみを着た網タイツ男性に追われ、シグルドは逃げ惑う
「誰でもいいから、助けてくれェェェ!!悪さもやめますからぁぁぁぁ!!!」
「「いただきまー---ごばっ!?」」
カルゴちゃん、タイコちゃんの毒牙が迫る瞬間。何かが彼等の頭上に降り注ぎ、辺りを白い翼の羽が舞う
「………ま、まさか……神さま……」
その神々しき姿は、シグルドの瞳に安寧を齎した。その白き翼の主は、白き装備を纏い、ゆっくりと、口を開く
「降臨、満を持して……我が女神よっ!今、貴方様の剣であり盾である最強の護衛が救いに参りますからなぁ!!!おい貴様っ!誰だか、知らんが私の道案内をさせてやろうっ!さぁ!行くぞっ!!」
「……はい?ぎゃぁぁぁぁ!!!離せぇぇぇぇ!」
かくして、
「お待ちくださいませっ!アスナさまァァァ!!!」
雪に閉ざされし、極寒の世界に足を踏み入れたソウテン達一行の前に現れたのは巨大なゾウ?いやクラゲ?あり?これが可愛いって、リーファさん?おめぇさんマジですかい……
NEXTヒント 正気か?お前ら
一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?
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