「「死んでもいいゲームなんて、
拳を突き合わせ、不敵な笑みを浮かべる二人の少年。彩られたら、彩り返すを代名詞とする最強ギルド《
「其れでは景気付けに気合いを入れていこうじゃねぇの」
「よっしゃあ!打倒妖精王!」
「ごばっ!こんにゃろう!打倒妖精王!」
「ぐもっ!?なんのっ!打倒妖精王!」
「テンちゃん、キリト!グリスさんに何するのっ!」
「「ぐもっ!?」」
「春のバームクーヘン祭り開催中!!!」
「あたしの歌を聞けぇ!!!」
「焼き鳥美味」
「あら、鍋が煮えたわ」
「バナナ万歳っ!!!」
「朝露に濡れ、佇む君に、降り注ぐ包丁。ふむ……中々に良い句だ」
「さっきまでのシリアスはなんだったの!?グランドクエスト開始早々で、いつも通りにっ!!」
真剣な雰囲気から一転し、開始早々に繰り広げられる何時も通りの状況にリーファの突っ込みが飛ぶ。バカトリオは気合い注入を名目に殴り合い、フィリアはグリスに加勢し、ディアベルはバームクーヘンを焼き始め、シリカはマイク片手に歌い出し、ヒイロとミト、コーバッツは其々の好物に舌鼓を打ち、アマツに至っては自作の句を読み始める。余りの危機感の無さにリーファが呆れ果ていると、彼女の肩を誰かが叩いた
「スグちゃん」
「きっくん……そうだよね、みんなもああ見えて真剣なんだよね。あたしも協力するから、頑張ってグランドクエストをクリアしようねっ!」
「いえ、今日の夕飯は何かを聞こうとしていただけなんですが」
「あたしの期待を返せっ!このカレー眼鏡っ!!!」
「カレーを馬鹿にするとはっ!スグちゃんには、どうやら……カレーの生い立ちから話さなくてはならないようですね」
「いらんわっ!そんな話っ!」
「おやまあ、グランドクエスト中に痴話喧嘩とは何を考えてんだ」
「全くだ、恥を知りなさい。リーファにヴェルデ」
「教育がなってねぇんじゃねぇか?キリト」
「「おめぇらが始めたんだろうがっ!バカトリオっ!!!」」
「「「ぐもっ!?」」」
自分達の事を棚に上げ、咎め役に回るバカトリオにリーファとヴェルデは喧嘩する程、仲が良いという関係を体現したように息ピッタリに飛び蹴りを放つ
御決まりの叫びを挙げ飛んでいく三人、その行く末に白く光る窓があり、白銀の鎧を纏う騎士が姿を見せる
「お兄ちゃん!テンくん、グリスさん!」
「おろ?」
「ん?」
「あん?」
リーファの呼び掛けに、飛びながらも三者三様の反応を示すソウテン、キリト、グリス。目の前には見慣れない騎士の姿がある
「ソイツが言ってた
「「「ふぅん……?」」」
「ぶちかますぜっ!!どっせい!!!」
パワー全開のハンマー攻撃により、守護騎士の頭上から三連撃を叩き込む。其れは彼が浮遊城時代に得意としていたハンマーソードスキル《ミョルニル》そのものに他ならない、システムアシストが無いが故に、彼は自分の手で再現したのだ
「ゴガァァアア!!」
白銀の騎士が絶叫し、攻撃を放とうとするがその構え中に僅かな隙を生じたのを見逃さなかったキリトは黒い大剣を仕舞い、アイテムストレージから二対の片手剣を呼び出す
「次は俺だっ!職人が打ったこの二つの剣により、復活した二刀流を喰らえっ!」
黒と白、二対の剣を携え、上位剣技《スターバースト・ストリーム》の十六連撃を放つキリト。多少の姿の違いはあるが、其処には浮遊城の魔王を打倒し、英雄となった黒の剣士の姿があった
「負けてらんないねぇ、こりゃあ。そいじゃあ、俺もコイツをプレゼントしようかねぇ」
そう告げ、不敵に笑う道化師は。既に遥か上空で全ての準備を終え、無数の槍が守護騎士の頭上を捉えていた
「永遠にadieu」
仮面越しの不敵な笑みと別れの言葉。その二つが守護騎士の見た最後の景色となった。刹那、頭上から無数の槍が雨のように降り注ぎ、体を貫き、仕上げに槍最上位ソードスキル《アルティメット・サイン》を放ち、ポリゴンの破片になり、爆散する
だが、相手は一体ではない。無数の窓から大量に湧き出す守護騎士、学習したのか二体同時に襲い掛かり、連携攻撃を許さない状況を作り出す
「くそっ……!」
「私たちを忘れないで欲しいわねっ!」
「秘技・マイクナックル!!!ピナっ!巨大化いっくよ〜!」
「きゅるる〜……グォォォォ!!!」
「ヤキトリ……派手にやって」
「ぴよぴよ………コカァァァ!!」
襲い来る守護騎士の剣をミトが振り払い、シリカを乗せた巨大ドラゴンとヒイロを乗せた巨鳥が大量に蹴散らしていく
「賢者とは、常に勇者を守護する者……故に僕はその役割を真っ当しましょう。光の剣よ、全てを貫け!!!」
「バナナを世界の主食に!!」
「我が騎士道は仲間たちと共に、有り続けること。我がバームクーヘン流の剣技を喰らうがいいっ!」
「コーバッツ、ディアベル。お前らは戦う気があるのか?」
武器と呼ぶには疑わしい巨大バナナと丸太クラスのバームクーヘンを片手に突っ込むコーバッツ、ディアベルにアマツが包丁を片手に冷静に突っ込む
「フィリア!あたし達は魔法でサポートよっ!」
「任せてっ!」
「マスター・フィリア。そのスペルは攻撃魔法ではなく、索敵魔法です」
「えぇっ!?」
「フィリア!ドジっ子も大概にしてっ!今は集中しなさいっ!」
「わたしが悪いんっ!?」
攻撃魔法ではない索敵魔法を使用しようとするフィリアに、エストレージャが空かさず指摘し、リーファも彼女のドジ振りを咎める。当の本人は兄と同じ口調で突っ込みを放ちながらも、改めてスペルを唱え始める
「キリト……おめぇさんは先に行け」
「テン……」
「そうね。悔しいけど、私は誰かを助ける勇者にはなれない……だから、キリト。貴方に託すわ」
「ミトまで…」
「ぶちかましてやれっ!」
「グリス…」
「妖精王を打ち果たし、この戦いに終止符を打ってください。キリトさん」
「信じてる。キリトさん」
「新曲の題名は決まってますよ!名付けて、『彩り世界』です!デビューシングルにしますねっ!」
「ヴェルデ……ヒイロ…シリカ…」
「この様な時、何と声を掛ければいいかは分からん……。しかしながら、これだけは言える。私は仲間たちを……否!家族を、守る為ならば、例え相手が百獣の王であっても、牙を向こうっ!」
「騎士道精神は常に我が剣に宿る…騎士の俺が出来るのは、勇者であるお前に道を作ってやるくらいだ。だから、迷わず進めっ!お前の背中は俺たち家族が、請け負った!」
「せっかく、拵えられてやった剣を折ってみろ。その時は説教だけでは済まさんからな」
「コーバッツ……ディアベル…アマツ…」
「お兄ちゃん。絶対にアスナさんを連れ戻してね、あたしもきちんと挨拶したいし」
「あの店のピーナッツバターサンド奢りで、大目に見てあげるよ」
「リーファ……フィリア…」
親友、仲間たち、妹たち、この表情を彼は知っている……否、知っていた。黒の剣士の行く末を信じる希望の灯だ
「パパ!絶対にママを助け出して、ユイの所に戻って来てくださいね!道は空けておきましたからっ!」
「まあ、心配かもしれんけどユイの事は僕に任せてよ。絶対に守るから」
棚引く黒髪を揺らし、細剣を携える
「ゴーカイに行ってくださいっ!」
「其れも何時も以上にね」
「ああ……分かったよ。ありがとな…
『往けっ!!!』
全員で、背中を押す言葉を放った。その言葉を背に、
「さーて…そいじゃあ、本腰を入れて行きますかねぇ。いるんだろ?八人衆さんよぉ」
ソウテンが語りかけると、守護騎士の動きが止まり、その内の五体の中から、五人のプレイヤーが姿を見せる
「一人は逃したか……だが、お前たちは先には行かせん。このスメラギが相手をしてやる」
「おやまあ、タマネギさんか。よろしくな」
「
「アイドル……いいでしょう、貴女の挑戦状はこの彩りアイドルであるあたしが受けます!アイドルを舐めないでくださいっ!」
「恋人が激おこナウ。#竜使いちゃんで、拡散希望」
「きゅうりこそ至高の食材!きゅうりが世界の主食じゃぁぁぁぁ!我が名はカンバー!人は我が輩を胡瓜の探求者と呼ぶ!」
「んだとコラァ!主食はバナナに決まってんだろうがっ!」
「全くだ!バナナを蔑ろにするんじゃない!」
「久しぶりだな……我が弟子よ」
「あ、貴方は…!バームクーヘン流師範のバウムさんっ!?」
「いや、バームクーヘン流ってなんですか」
「鈍を作ったのはテメェか?あぁん?テメェみたいなヤサ男が鍛えた鈍なんざ、たかが知れてるぜっ!最強の鍛冶屋はこのムラマサ様だぜっ!!ヒャハハハハハ!」
「ふむ…口の聞き方を知らんヤツがいるようだ……久方ぶりに沸いてきたな。我が刃の錆にしてやろうじゃねぇかぁ!!!!」
姿を見せた
((ああ………この光景、嫌な予感しかしないっ!!!))
八人衆最強の五人が《彩りの道化》と相対する時、其れは世界の終焉が迫る序章であった
そして、キリトもまた因縁の相手を前に剣を握る
NEXTヒント 目には目を、歯には歯を、多勢には多勢を
一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?
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