「世界樹内部に突入し、キリトをアスナが待つ上層部へと送り出すことに成功した《
女子高生だったからです」
刹那、暗闇からいつの時代の女子高生だよっ!!と突っ込みたくなるようなルーズソックスを履き、コギャル化したソウテン達が姿を見せる
「また変な説明してるっ!!!」
「というかコスプレしとるっ……!!!」
例によって、唐突な意味不明なあらすじにリーファが突っ込み、更に珍妙な格好をする兄達にフィリアまでもが突っ込みを飛ばす
「マジヤバイんだけど〜、やっぱり〜トレンドはルーズソックスよね〜」
「「やっぱり犯人はおめぇかよっ!!!」」
その犯人は、愛用の眼鏡をくいっと上げる仕草をしながら、段ボール箱を机に原稿用紙と向かい合い、ギャル口調で説明するヴェルデであった
「超ウケる〜タマネギさんって名前〜」
「マジヤバイですよね〜アイドルらしいですよ〜、あの人〜」
「ハジケバトル開幕マジヤバイ#竜使いちゃんで、拡散希望」
「バナナこそが世の主食!この食バトルは我々が制するぞっ!グリスよっ!」
「おうよっ!腹が鳴るぜっ!」
「鳴るのは腕ですよ。グリスさん」
「バームクーヘン流を教えてくれた貴方には感謝している……だが、敵として立ちはだかるならば、俺は貴方を打つ!其れが
「我が刃の錆となる幸福を噛み締めやがれっ!」
其々が相対する敵に、明確な闘志を燃やす《
「お前たちはなんだ?バカなのか?」
「コラっ、失礼よ?スメラギくん。この人たちはバカなんじゃないわ、ちょっとだけ人よりも個性的で自己主張が激しいだけよ」
「そうは言うがな、セブン。どう考えてもあれは変態の類だ」
「おやまあ、変態だとよ」
「んだとぉ?変態?」
『そんな褒めんでくれよ』
「褒められてないわよっ!!!こんのバカどもっ!真面目にやれっ!!!」
「ぐもっ!?」
変態を何故か、褒め言葉に受け取ったソウテン達が照れていると騒ぎに参加していなかった最強のツッコミ担当こと、ミトが愛鎌を振り下ろし、騒ぎを終息させる
しかしながら、忘れてはならない。バカたちの服装は女子高生である
「そいじゃあ、対戦形式の提案をさせてもらおうじゃねぇか。変則形式の3狩リア、6vs6のバトルロイヤルを提案する」
本来の装備を着直し、仮面越しに不敵に笑う道化師が対戦形式に対する案を提示する
「6vs6だと?我々は五人なのが見て分からないのか?お前は」
「いいや、6vs6だ。おめぇさん等の六人目は妖精王、俺たちの方はキリトだ。コイツをカウントすんなら、6vs6になんだろ?」
「良かろう……しかし、妖精王とキリトとやらの勝敗はどのように審議を確かめる」
「なーに……簡単さ。おーい、プルー」
スメラギの疑問に対し、不敵に笑うとソウテンは指を数回鳴らす。その動作が魔法発動の条件だったらしく、空中に画面が映し出され、小刻みに震える
「プルー。そっちはどうだ?」
『ぷぷ〜ん、ぷんぷぷ〜ん』
「ほう………なるほど、分からん」
『分からねぇのかよっ!!!バカリーダー!!!』
「ぐもっ!?」
必死に状況を説明しようとするプルーは身振り手振りと鳴き声で、目の前の現状を報告するが
『なるほどな、妖精王とかオベイロンとか恥ずかしいネーミングセンスしてると思ったら、須郷だな?アンタ』
『ほぅ?僕を知っているのか?有名人だなぁ、サインでもやろうか?』
『サインよりもアスナを返せ。彼女は、俺の恋人で、ユイの母親で、俺たちの家族だ』
『………そうか、君はあの時のガキだな?僕を魚で殴ったり、城の模型を投げ付けたり、眼鏡をフライにしたり、鍋をぶん投げたりしたあのガキだな?』
『其れは俺じゃねぇ。俺がやったのはパイプ椅子で殴り付けたくらいだ』
「…………おめぇさん等は人が居ないとこで何をしてるんよ」
「してるんよ」
「してるんですか」
「「「「ムシャクシャしてやった。反省も後悔もしていない」」」」
「おやまあ、完全に開き直ってるねぇ」
「リーダーさんの悪影響ですよ。きっと」
「彩られたんだな、テンのバカな色に」
「うむ、嘆かわしい限りだ」
「テンの字。貴様には更生という言葉の意味が分からんのか?」
「言っとくけど、おめぇさんたちもその一味に所属してんだよ?事の次第では訴えるよ?そして、勝つよ」
自分等の事を棚に上げ、全てをソウテンに擦り付けるシリカ達へ真顔で告訴宣言をするも、彼女達は気にも止めない
「此方側の面子はこの六人だ」
「八人衆が五人……なるほどねぇ、やりがいがありそうだ。そいじゃあ、ウチからは俺と」
「あたしも出ます!」
「この食バトルを制するのは俺だっ!」
「口の利き方を知らんヤツを我が錆にしてくれるわっ!」
「俺の騎士道……見せてやるっ!」
『オベイ…ぶふっ!お前を止められるのはただ一人……俺だっ!』
「という感じの六人かな」
其々が因縁を持つ相手を前に得物を構え、戦闘体制を取る。役一名だけは相対する敵の名前に吹き出しているが、其処は言及しないでおこう
「貴様は何の為に戦う」
「さぁ……何の為だろうねぇ。考えたこともねぇや」
「俺はセブンを守る為に戦ってきた。例え、妖精王が何をやろうと興味はない」
「そうかい……なら、敵だ」
愛槍を手に飛び出すソウテン、彼を迎え討つ為に刀を手にスメラギも走り出す。甲高い金属音が響き、互角の鍔迫り合いが繰り広げられる
元来、ソウテンは無数の槍を使役し、対象を弱らせた後にトドメを刺す一撃必殺型のプレイヤーである。しかしながら、その対象は相手がある程度の数であること、巨大な対象であった場合に限定される。故に対人戦では圧倒的に不利なのだ
しかし、其れは
「今宵の天候はご存知で?」
「天候?ふんっ、仮想世界に天候システムなどは存在しない」
「いいえ、御座います」
「なにっ?はっ…!!!」
不敵に笑う道化師、その遥か頭上には無数の槍が好機を窺うように降り注ぐ瞬間を待ち侘びていた
「スメラギくんっ!みんなっ!スメラギくんを助け----いやァァァ!」
相方のピンチに気付いたセブンが他の面子に呼び掛けながら、振り返るが彼女は視界に映る大惨事に甲高い悲鳴をあげた
「言ってみろ、誰の刀が鈍だ?」
「うぅ………ず、すび……ば…ぜん……」
「おのれっ!猿ガキがっ!きゅうりの良さを知らんのかっ!」
「誰が猿だコラァ!てめぇこそ、バナナを舐めんなっ!」
「我が師よ、バームクーヘン流はこの俺に委ねていただきたいっ!」
「これ程までに見事なバームクーヘンを作るとはっ!!!免許皆伝じゃな……」
「彩られたら、彩り返す〜。塗りたくって、塗りたくって〜」
「
ミト達が危惧していた通りに大惨事のカオス空間を瞬間的に創り出すバカたちに、セブンは慌てふためく
「ほっほっほっ、これしきに動じるとは……アナタのアイドルとしての戦闘力が知れますね」
「な、なんですって!?よくもまぁ!そんな変な格好をしながら言えるわねっ!」
セブンに対し、アイドルの戦闘力という意味不明な単語を投げ掛けるシリカの姿は、何処かの軍を率いているのか?とでも言いたくなるような帝王宇宙人の様な姿であった
「おやりなさい。グリボンさん、ディアリアさん」
「「ははっ!シリーザ様っ!」」
「ふざけるんじゃないっ!」
「「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」」
遂に連続の馬鹿騒ぎに痺れを切らしたアマツの包丁が敵味方を問わずに、降り注ぐ。おふざけに全振りしている彼等とは違い、あくまでもボケ殺しである彼は唐突に諌める側に回る。しかも、その対象は敵限定ではない、ふざけていたならば、味方さえも彼には対象となるのだ
『使えない奴らだ……所詮は有象無象か』
「「っ!?」」
刹那、凄まじい重力がキリトは勿論ながら、ソウテン達を、配下である筈のスメラギ達を襲う。辛うじて、片膝を突いているキリトの目線の先には嘲笑うように捻た笑みのオベイロンが立っている
『この魔法は? 次のアップデートで導入する予定なんだけどね、ちょっと効果が強すぎるかねぇ?』
『須郷………お前は本当に残念なヤツだ。力の使い方を知らない、力がある人は誰かを守る為にその力を使うんだ。俺の親友は、普段は馬鹿騒ぎばっかしてるくせに、大切な家族を守る為なら、進んで悪役になろうとする……でも、そういうヤツだから、そんな
オベイロン、否!須郷は目を疑う。管理者権限の元に使用した筈の未実装の重力魔法を、跳ね除け、立ち上がったのだ。両手に握られた愛剣を空高くに掲げ、ゆっくりと口を開く
『俺は……娘が反抗期を迎えようが、妹に冷たくされようが、親友に記憶を消されようが、大抵の事は笑って許してやる。その方が楽だからな……でもな………
その言葉は、彼の親友が明確な敵意を抱いた際に発する決まり文句。自分よりも一回りも歳下の少年が発する異様な空気にたじろぎながらも、須郷が指を鳴らす
『キリトくんっ!』
『アスナっ!』
瞬間、玉座の間が暗転し、暗闇の世界に姿を変え、手足を鎖で拘束され、吊るし上げられたアスナが姿を見せた
『ひっひっ、いい眺めだねぇ』
『何するのよっ!変態っ!オベ…ぶふっ!ダサい名前のくせにっ!』
『そうだっ!恥を知れっ!変態眼鏡!オベ…ぶふっ!ダサい名前のくせにっ!』
『黙れぇぇぇぇ!!!』
『ぐ………ッ!』
『君は観客だ。大人しく這いつくばっていろ』
力を誇示する身勝手な妖精王を前に、勇者は無力だ。乗しかかる重力はキリトの仮想の肉体を押し潰そうとする
「………ソウテンだったか。俺は正直言って、妖精王のやり方が気に食わない」
「ほう?そいで、俺にどうしろと?」
「バウムから聞いた話では依頼されたら、必ず遂行する最強ギルドがあのデスゲームには存在していたらしい……お前たちなんだろ?なら、依頼したい。妖精王を、あの人の研究を盗んだ泥棒の王を、玉座から引き摺り下ろしてくれ」
スメラギが頭を下げると、仮面から覗く蒼き眼が不敵に光る。そして、道化師は深々と頭を下げ、不敵に笑う
「………
「んじゃあ、派手にぶちかますか」
「えぇ……目には目を、歯には歯をと言いますからね」
「命燃やす」
「これぞアイカツ!」
「例え、NPCが相手でもプライドをへし折ってあげるわ」
「俺たちの騎士道を舐めるなよっ!」
「大人になれんヤツは置いていくっ!」
「既に全ての武器を研ぎ終わった」
「「システムログイン・ID:ヒースクリフ!アバターチェンジ!!!」」
高らかに宣言された魔法のスペルとは異なる謎の言葉。刹那、《
『な、なんだっ!そのIDはっ!其れにその姿はっ!なんなんだっ!お前たちはっ!』
光に包まれ、次々に妖精とは異なる姿となり、佇む十人の勇士。その姿はこの世界には削ぐわない程に異質、しかしながら、威風堂々足る佇まいは、不思議と活力を与える
「おやまあ、我々を御存知ない?良いでしょう……其れでは、御耳を拝借し、聞かせて御覧にいれましょう、我等が名を」
唐突な異変、支配者である自分も知らないIDに困惑する須郷に対し、道化師は不敵な笑みを浮かべる
「道化師の仮面、ソウテン!」
妖しく光る仮面、棚引く蒼き衣、肩に担がれた槍
『勇者の仮面、キリト!』
闇に映える黒き衣、両手に握られた二対の魂
「死喰いの仮面、ミト!」
「野猿の仮面、グリス!」
灰色の衣、身の丈はあるハンマー
「賢者の仮面、ヴェルデ!」
緑の衣、美しくも繊細な細剣
「獣使いの仮面、ヒイロ」
赤き衣、肩に乗る小鳥、腰のブーメラン
「アイドルの仮面、シリカ!」
片手にはマイク、肩には小竜
「職人の仮面、アマツ」
名は体を現す和装、利き手に握られた包丁
「騎士の仮面、ディアベル!」
紺の皮装備コート、右手に盾、左手に片手剣
「農家の仮面、コーバッツ!」
黄色の鎧コート、巨大な斧
「「彩られたら、彩り返すが流儀!我等っ!泣く子も笑う《
最強と呼ばれたギルドが、この世界には存在しない筈の彼等が、其々の特徴である仮面を持つ勇士が、其処には立っていた
「更に……多勢には多勢をっ!さあ!出番だ!」
「「その言葉を待っていたっ!!!」」
ソウテンの呼び掛けに応え、リーファ、フィリア、ロトとユイの前にサクヤが率いる
「ゴーカイに行くぜっ!」
「「了解っ!」」
今まさに、ゲームクリアを目指す即席最強チームが此処に集結した。此れは、その記録の全てを書き記した手記である(著者:緑川菊丸)
最強戦力vs妖精王!果たして、世界を待つのは終焉か?其れとも救済か!
次回 オレツエーさん(団長)の帰還
一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?
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