蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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え〜、今回は日常回でありますのでギャグ全開になっております。反省はしません!何故ならば、これがその作品だから!!!


第二十八奥義 大円団!帰ってきた日常!

「え〜、このように戦国時代はほぼゴリラが歩き回り、バナナ狩りにより、全てのバナナが一度は日本から消えた訳だが……おっと、今日はここまでのようだな。課題ファイルの18と19を転送するので来週までにアップロードしておくのだぞ?其れではっ!私はバナナの出荷作業をしてくる!君も来たまえ!灰沢君っ!」

 

「おうよっ!高良先生!」

 

歴史の授業……とは呼ぶに値しないバナナの歴史という意味不明な授業は鐘の音と共に終わりを告げる。担当教諭の高良は生徒の一人である純平を連れ、勢いよく教室を飛び出す

 

「おやまあ、あの二人は現実でも変わらんね」

 

「全くだ……だいたい、担任が高良先生で、副担任が教育実習の鈴代先生……更にクラスメイトはお前に純平、茉人、其れに歳上の筈の深澄や歳下の彩葉、菊丸、圭子……なぁ?可笑しくないか?明らかに」

 

その様子を見ていた天哉、和人は明らかに身内しかいない空間を見回しながら、溜め息にも似た息を吐き、苦笑を浮かべる

 

「まあ、可笑しいと言われたら可笑しいねぇ……俺らみたいな問題児を一挙に集めたってことなんだろうけど…」

 

「こうも身内ばかりだと味気がない……って言いたそうね?テン」

 

「おやまあ、お見通しってことか。深澄には」

 

背後から天哉を抱き締める様に話に参加してきた深澄は、妖艶さを思わせる笑みを浮かべる

 

「そーいや、カズ。今日の昼は?」

 

「ん、悪いな。先約があるんだ」

 

先約、明らかに浮き足立つ和人の様子から察するに相手が明日奈である事は明白だ。しかしながら、他人の幸せをぶち壊すことが生き甲斐の彼等は目付きを変化させる

 

「そうか……よし、おめぇさんたち。コイツを血祭りにあげろ」

 

「「了解!リーダー!」」

 

「大人しくしてなさいっ!」

 

「「ぐもっ!?」」

 

隠し持っていたスコップを手に和人に襲い掛かるバカたち(天哉たち)の頭上を深澄のハリセンが一閃。御決まりの叫びを挙げる彼等を放置し、和人は明日奈が待つ庭園へと走り去った

 

「全く……」

 

「やっぱり、こっちでもバカ全開ですね」

 

「ああ、ふざけ過ぎだ」

 

簀巻きにされた天哉達を引き摺りながら、深澄は圭子と茉人と共にカフェテリアに向かう。指定席とも言うべき西側の窓際に近付くと、茶髪の少女が手招きする

 

「来たわね、深澄。其れに圭子と茉人も」

 

少女の名は篠崎里香。SAOではリズベットの名で、茉人と鍛冶屋を営んでいた少女である

 

「ごめん、ごめん。ちょっとバカたちを無力化するのに時間が掛かったのよ」

 

「ホントにあのまんまなのね……あれ?で、肝心のテンたちはどうしたのよ?」

 

「何を言ってるんですか、里香さん。皆なら……あれ?いませんね」

 

「だから、そう言ってんでしょっ!?ちょっと!茉人!あのバカたちは何処よ!」

 

少し前までは確かに居たはずの天哉達が姿を消した事に気付き、里香は湯呑で茶を啜る茉人に問いを投げ掛ける

 

「奴等なら、其処に居る」

 

「其処……って!」

 

「「何やってんのよっ!!!」」

 

茉人の言葉通りに視線を動かした深澄と里香の視界に飛び込んできたのは、ホットプレートを囲み、菜箸を構える天哉の姿だった

 

「見て分からんか?昼飯の焼き肉を始めるところだ」

 

「食堂で何をしてんのよっ!?普通に売店行きなさいよっ!」

 

「知らんのか?スペインではランチに焼き肉をするのが由緒正しい食事法なんよ」

 

「スペインが誤解されるでしょうが!」

 

「よし、バームクーヘンを焼こう」

 

「では僕はカレーパンを」

 

「焼き鳥」

 

「チーズケーキを焼きましょう」

 

「見よっ!これぞ沖縄産のバナナだ!」

 

「すげぇ!流石はオッさん!」

 

「おいおい、タレのピーナッツバターを忘れんなよ?」

 

「焼き肉はどうしたのよっ!!!マトモな食材が焼き鳥以外に見当たらないじゃないっ!!」

 

焼き肉とは言い難い、相変わらずな食材のラインナップに深澄の突っ込みが冴え渡る。茉人は蕎麦を啜り、里香は突っ込む気も失せたのかいちごヨーグルトを呑み始める

 

「そーいや、アンタ達は今日のオフ会は来るの?」

 

por supuesto(勿論)

 

「当たり前じゃない」

 

「メイリンさんがごちそうを作ってくれるから、行く」

 

「僕は我が家に伝わる秘伝のカレースパイスを持参しましょう」

 

「あたしもセカンドリリースの曲を披露しますっ!」

 

「ふっ、俺の1000項目はある騎士目録から伝説のバームクーヘンについての話を語ってやろう」

 

「バナナこそが主食だぁぁぁぁぁ!」

 

「その通りだ!バナナ万歳っ!!!」

 

「静かにしろっ!!!バカどもっ!!」

 

「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」

 

耳元で繰り広げられる騒がしいやり取りに痺れを切らした茉人がプラスチック製包丁を片手に乱心、その様子に天哉達は逃げ惑う

 

「駄目だわ……カオスな食卓になる気しかしない…」

 

「深澄。アンタも大変ね……」

 

重いため息を吐く深澄の肩を叩きながら、里香もため息を吐くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。オフ会の会場であるエギルの店に天哉は深澄、和人、菊丸、明日奈の四人に加え、妹の琴音と幼馴染の直葉を連れ、向かっていた

 

「おろ?また行き止まりだ」

 

「全くテンちゃんは仕方ないなぁ。ほら、わたしに地図を貸して?えっと……こっちかな」

 

「逆だ、迷双子」

 

「「変な造語を付くんじゃねぇよ!ぼっち!」」

 

「誰がぼっちだコラァ!!!」

 

喧嘩を始める双子と和人を他所に深澄は何時もと変わらない冷静な判断で、地図を片手に《Dicey Cafe》に足を進める

 

「そう言えば、スグちゃんはエギルさんと面識はあるんですか?」

 

「うん。向こうで二回くらい一緒に狩りしたよ、おっきい人だよね」

 

「本物もあのくらいありますよ」

 

「でも良いのかな……関係ないあたしや琴音も参加して…」

 

「別に構わないわよ。どうせ、呼んでもない人が大量に来るんだし」

 

「あ〜……つまり、何時も通りなのね…直葉ちゃんも覚悟はしておいてね?」

 

「えっ…明日奈さん…それはどう----きゃぁぁぁぁ!!!」

 

《Dicey Cafe》の扉を開き、中に足を踏み入れた直葉は明日奈の苦笑混じりの問いに疑問を投げ掛けようとするが直ぐに視界に飛び込んだ状況に悲鳴を挙げる

 

「ふざけ過ぎだ」

 

「「ず……ずび……ば…ぜ…ん…」」

 

「純くんは可愛いなぁ!お姉ちゃんがスリスリしてやろうっ!」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!やめろコラァ!!!」

 

「ねぇねぇ、彩葉。この鳥さんたちに名前はあるの?」

 

「ある。これがぼんじり、こっちがすなずり、あれがかわ、そっちがもも」

 

「えっ?それって部位じゃない?焼き鳥の」

 

「だ、大惨事だっ!!!」

 

中は既に大惨事となっていた。茉人の足元には大量の瘤だらけの阿来と高良が転がり、純平は姉の湖咲に頬擦りされ、彩葉は圭子にペットの鳥たちを紹介していた

 

「おやまあ、早速始めてんのか。俺の道案内が良い時間稼ぎになったみたいだねぇ」

 

「どういうことだよ?テン。俺たちは時間通りに来た筈だろ。しかも、お前の迷子を見越して一時間前に出発した筈だ」

 

「そうだよ、テンくんはただでさえ迷子なんだから」

 

「テンくん。迷子に良く効く薬が出来ると良いね」

 

「スグちゃん。其れは手遅れです」

 

「訴えるよ?そして勝つよ……まぁ、主役は最後に登場するからな。実はおめぇさんたちに伝えた時間は嘘だ」

 

「「マジでっ!?」」

 

矢継ぎ早に罵倒されながらも天哉は不敵に笑い、事の真相を明かす。其れに和人達は声を揃えて驚愕するが深澄、琴音は理解していたようで既に店内に入店している

 

「そいじゃあ……グラスを掲げろっ!野朗どもっ!!!」

 

和人と明日奈を壇上に上がらせ、天哉が高らかに号令を挙げる。其れに続くように深澄を筆頭に参加メンバー全員がグラスを掲げる

 

「「キリト、アスナ!SAOクリアおめでとーーーーーっ!!!」」

 

乾杯しながらも状況を読み込めない明日奈は困惑するが和人は違う。不敵な笑みを崩さない親友に目を向ける

 

「よし、カズ。スピーチをしてくれ」

 

すると、マイクを手にした天哉が和人にスピーチをするように促す

 

「スピーチ!?うぅむ……えっとだな、アレは確か--ぐもっ!?」

 

「話が長えよ、ちょいと」

 

「「話始める前に終わらせたーーーっ!!!」」

 

語り始めようとした和人を瞬間的に黙らせる天哉の蹴りに全員が戦慄にも似た突っ込みを放つ

 

「何すんだコラァ!迷子っ!」

 

「誰が迷子だっ!このぼっちめっ!」

 

「喧嘩なら混ぜろやゴラァ!!!」

 

「「何時の間に脱ぎやがった!!!ゴリラァァ!!!」」

 

直ぐに何時もの戯れの喧嘩を始めるバカトリオ。その様子に誰もが笑い、段々と店内は騒がしさを増していく

圭子がデビューシングル曲を歌い始め、茉人の包丁が飛び交い、深澄がグラス片手に明日奈にゲームを教え、高良やリンド達と飲み比べをしていた阿来がパンツ一丁になっていたりと中々にカオスな光景が繰り広げられる

 

「全く、あんのコント集団は何処でも賑やかだな」

 

「ホントにな。でもまあ、変わらないのがアイツらなりの持ち味なんだろうな」

 

「うふふ、私も作り甲斐があるわぁ」

 

「メイリンさんの料理が現実でも食えるなんて、このクライン感激っす!ああ…貴女という料理を盛り付ける皿に俺はなりたい…」

 

「アスナ様!私の弟子を紹介しましょう!ほら、挨拶しろ!シグルド!こちらがアスナ様だ!」

 

「お前の弟子になった覚えはないっ!!!そもそもアスナ様って誰だ!サクヤ!この変態をどうにかしてくれっ!」

 

「明日奈さん。このバナナパフェだが中々に美味いぞ?食べないか?」

 

「ありがとうございます、湖咲さん。こっちの具なしペペロンチーノもどうですか?キリト君が作ったんですよ」

 

「「無視されたっ!!!」」

 

「え〜、そもそもですな。私が釣りと出会ったきっかけは…今から実に四十年ほど前の夏の出来事で…」

 

傍観者を決め込むエギル、笑顔で料理を振る舞うメイリン、料理の美味しさに感動し訳の分からない事を口走るクライン、崇拝する人物の側で騒ぐも無視されるクラディールとシグルド、釣りと自分の出会いを語るニシダ。若者に負けないくらいに大人たちも騒いでいた

 

「そーいや、エギル。《種》は順調に芽吹いてるか?」

 

「ああ、今、ミラーサーバがおよそ50……ダウンロード総数は10万、実際に稼働している大規模サーバが300ってところだな」

 

「おやまあ、順調順調。この調子で増えるといいねぇ…」

 

《種》。其れは茅場明彦が開発した、フルダイブ・システムによる全感覚VR環境を動かす為のプログラム・パッケージだ

四ヶ月前、天哉は茅場から《ザ・シード》と名付けられた其れを託された。しかしながら、そういう分野は管轄外である彼は和人に事情を話し、エギルに依頼し、《ザ・シード》を全世界にばら撒きサーバにアップロードし、個人でも落とせるように完全開放させた。その結果、死に絶える筈だったVRサーバーに革命()が芽吹いた

数多くのカテゴリーサーバーが次々に参入し、今では生活の一部にVRが歩み寄っているのだ

 

「なぁ、テン。俺は今でも夢を見てんじゃねぇかと思うんだ……だってよ、新しい世界の創生に立ち会ってるってことだろ?これが夢じゃねぇのが信じられねぇよ」

 

「夢か現か、其れを決めるのは常に自分自身さ。だからよ、クライン。今をおもいっきり楽しめばいいんよ」

 

そう言う天哉の表情は年相応の笑みを見せる。その姿にエギルも、クラインも、メイリンも自然に笑みを浮かべる

 

「はっはっはっ、テンらしいなっ!だそうだぞ?クライン」

 

「ったく……相変わらずだな、おめぇは」

 

「ふふっ、テンちゃんだもの。当たり前じゃない…あっ、二次会だけど予定に変更は無いのよね?」

 

por supuesto(勿論)

 

「今夜十一時、イグドラシル・シティ集合よ。こっちは時間厳守よ?主役さん」

 

背後を振り返り、和人に深澄は笑いかける

 

「ああ」

 




新たな芽吹き、其れは妖精達の世界も例外ではなかった

NEXTヒント ハジケ伝説よ!永遠に!

次回!遂にALO編最終幕!その後、暫くはギャグ回を挟んでいきます

一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?

  • 夜のバーカウンターwith ALO
  • テニスwith ALO
  • 闇鍋with ALO
  • 行列with 現実
  • ナイスハレンチwith 現実
  • カンニングwith 現実
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