蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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アホの子ユイちゃん…書いてると楽しいのは自分だけだろうか?


第四問 可愛い子にはお使いをさせよ

「今日はママがごちそうを振る舞ってくれるそうなので、お使いに行こうと思います!どーですかっ!」

 

ある日の昼下がり。ギルドホームで寛ぐソウテン達を前にユイが高らかに宣言する

 

「どーですかって行けばいいじゃない」

 

「行けばいいじゃないとは何ですかっ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!目がァァァ!!!」

 

投げやり気味に放たれたソウテンの発言に対し、ユイが容赦無く目潰しを繰り出す。余りの痛みに床を転げ回る迷子を気に留める者は誰も居ない

 

「良いですか。ごちそうを美味しく食べるには準備が大切なんです、クッキーを食べる前に手を洗うのと同じですね」

 

「なるほど、確かに準備は大切だな。パスタを茹でる前に湯加減を見るし」

 

「ええ、カレーを作る前に野菜を切りますからね。スグちゃんもそう思いますよね?ほら、脳筋なスグちゃんに必要不可欠なプロテインにも準備は大切ですし」

 

「そうそう、脳筋なあたしにはプロテインが必要不可欠…………って!!誰が脳筋よっ!!!」

 

「ノリツッコミがお上手ですね。相変わらず」

 

「だから褒められても嬉しくないよっ!?」

 

ユイ、キリトの意見に賛同しながらもリーファを弄る事を忘れないヴェルデの姿も見慣れた光景だ

 

「でもユイちゃんだけだと心配だな」

 

「ああ、ユイは可愛いからな。誘拐されたら大変だ」

 

「やっぱり、そうだよね。ユイちゃんは君に似て好物に異様な執着があるから、クッキーをあげるって言われたら、付いてきそうな気がする……」

 

「うむ、ユイはクッキー大好きだからな」

 

「えっ?タダでクッキーくれる人がいるんですか?ちょっと行ってきま--あうっ!」

 

「「やめなさい!」」

 

好物が貰えると聞き、出掛けようするユイを両親が物理的に制止し、簀巻きにする

 

「そうだ。ロトについて行かせればいいんじゃない?あの子が一緒なら安心よ」

 

「駄目だ。パパは反対だからな、我が家の可愛い長女を嫁に出すなんて」

 

「キリトくん、今はそういう話じゃないのよ?ちょっと黙ってて」

 

「そうだよ、娘の恋愛に口を出すとかナイワー。身内の縁切るよ?お兄ちゃん」

 

「今日からは別々のお部屋で寝ましょうね。最近のパパはちょっと匂いますから」

 

「まさかの家庭崩壊っ!?いやァァァァァァ!!」

 

妻(恋人)、妹、娘からの辛辣な態度にキリトは絶叫する。例によって相変わらずな光景には目もくれないミトは未だに転げ回るソウテンを小突く息子に視線を向ける

 

「おやまあ、父さん。寝るにはまだ早いんじゃないかにゃ?」

 

「これが寝てるように見えんのか?息子よ。明らかに両眼を潰されて、何も見えない状態だろう」

 

「おろ?そうなんか。僕はてっきり、昼寝するから目を閉じてるかと思った」

 

「私はてっきり、テンがバカだから床を転げ回ってんだと思ってたわ」

 

「はっはっはっ。その鎌、だいぶ傷んでるな?貸してみな、手入れしてやろう」

 

「い・や♪」

 

両手をわきわきさせ、詰め寄るソウテンを綺麗な笑顔で拒絶するミト。そのやり取りを見ていたロトは茶を啜っている

 

「なんか不安だから、エスちゃんも一緒に行ってあげてくれる?」

 

「かしこまりました。マスター・フィリア」

 

こうして、ユイwithロトとエストレージャによるお使いは幕を開けたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……買うものは確かクッキーでしたよね」

 

「違うよ。ピーナッツバターだよ」

 

「ユイさま、ロトさま。何方も違います」

 

《プライベート・ピクシー》から少年少女の姿になったユイ、ロト、エストレージャは買物カゴを片手に街中を歩いていた。余談ではあるがメンタルヘルスケアプログラミングではないエストレージャが人型の姿になれるのは、《ザ・シード》のデータから抽出された副産物から生み出された《アップデート》の結果だ。元来、純粋な《プライベート・ピクシー》には人型となる要素は備わっていないが、自らの主人と行動する中で《学習》を繰り返し、感情を理解した《プライベート・ピクシー》は人型となる能力つまりは《シンギュラリティ》へと達するのである

 

「しかしまぁ、あれだねぇ。美人さん二人に囲まれるのも悪くないねぇ」

 

「そ、そんな……美人だなんて……えへへ……」

 

「………なるほど、これが照れという感情……興味深いです…」

 

「おやまあ、どしたんよ?顔が赤いよ」

 

「「ナンデモアリマセン」」

 

唐突に放たれたロトからの「美人さん」という言葉にユイは湯気が出そうな勢いで顔を紅潮させ、エストレージャも顔を伏せてはいるがその頬は赤く染まっている

 

「おやまあ、我が息子ながら天然の女キラーですな」

 

「息子がモテる姿は目の保養になるわね」

 

「エスちゃん……大きくなったわね」

 

「いや、エスちゃんはフィリアの子どもじゃないでしょ」

 

「ロトくんなら、テンくんとミトの息子とは思えないくらいにしっかりとしてるからユイちゃんを安心して任せられるよ」

 

「アスナ?それだと私がしっかりとしてないみたいじゃない」

 

「おろ?ミトがしっかりとしてた事なんかあったか?」

 

「ねぇな、一度も」

 

「ありませんね」

 

「しっかりとしたミトさん……見たことない」

 

「ミトさん。しっかり者はあたしみたいに洗練されたアイドルを言うんですよ」

 

「うむ。ミトはテンに匹敵するバカだ」

 

「んだとコラァ!!!」

 

「やれやれ、仕方ない奴らだ。あれ?キリトはどうしたんだ?職人」

 

「キリの字ならば、そこにいるだろう。ところで、ディアベル。貴様は何故、パンツ一丁なんだ」

 

矢継ぎ早に放たれる悪口の嵐にキレたミトがソウテン達を追い回す隣で、ディアベルは姿の見えないキリトについての質問をアマツに投げ掛けるも、その姿はパンツ姿であった

 

「すみません」

 

「あいよ!いらっしゃい!」

 

「一口で成人が昏倒するような毒魚を一匹もらえるか?」

 

「ねぇよ、んなの」

 

「ぐもっ!?」

 

毒魚を探す一名の馬鹿、彼の姿に騒いでいたソウテン達は騒ぎを中断させた後、全員で駆け寄り、至極当たり前に蹴りを放っていた

 

「なにしやがるっ!人の買い物を覗き見するなんて、趣味が悪いぞっ!この迷子!!」

 

「毒魚を買おうとしてたくせに威張んなっ!ぼっち!」

 

「「そうだっ!そうだっ!」」

 

(ホントに……この人たちは……)

 

(バカばっかりだなぁ………相変わらず……)

 

(あぁ………怒るグリスさんの横顔…素敵すぎる…)

 

((なんか、鼻血出してるのがいるっ!!!))

 

騒ぐ中にグリスを見つけ、鼻血を出すフィリアにアスナとリーファは心中で突っ込みを放つ

 

「おやまあ、騒がしいと思ったらとーさん達だったんか」

 

「よぉ、息子よ」

 

「母さんね、今日は張り切ってピーナッツバター鍋にしようと思うから残さず食べるのよ」

 

「「マジでっ!?」」

 

「娘の後をつけるなんて、パパにはドン引きしました。これからは口を聞いてあげません」

 

「いやァァァァァァ!!娘がグレたぁぁぁぁ!」

 

「マスター・フィリア。発情期ですか?鼻血が出ています」

 

「発情期じゃないよ、これはね恋が起こす純粋な現象なんだよ」

 

「うん、絶対に違うよね。単なる変態だよね」

 

「なるほど……類は友を呼ぶですね」

 

「そうそう、あたしも変態だからよく鼻血を……って!誰が変態よっ!」

 

「本当にノリツッコミがお上手ですね」

 

「褒められても嬉しくないっ!!」

 

その日、《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》のギルドホームからは何時も通りに騒がしい、否…何時も以上に騒がしい宴の声が響き渡っていたのは言うまでもない




天哉達の学校に新たな教師が赴任してきた、その男はまさかのアイツ!?理不尽な授業に不満爆発したバカたちの毒牙が迫る!

NEXTヒント はらわたが煮えくり返るっ!!!


注・うちのミトさんはめでたい事があると赤飯の代わりにピーナッツバター鍋を作ります

一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?

  • 夜のバーカウンターwith ALO
  • テニスwith ALO
  • 闇鍋with ALO
  • 行列with 現実
  • ナイスハレンチwith 現実
  • カンニングwith 現実
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