では、新年の挨拶をこの人にしてもらいましょう!
ミト「新年あけましておめでとう、今年もよろしくね。昨年は私たちの馬鹿騒ぎに沢山の応援ありがとう。今年もより一層、彩っていくつもりだから、期待しててね」
「集まってもらって悪いな」
「どうしたの?今日は」
「実はな、おめぇさんたちにやってもらわなきゃならん仕事が舞い込んだ。こいつは全員が一丸になってやらなきゃならん仕事だ」
ある日の昼下がり。溜まり場の《ファミリア》に集められたのは、カラーギャング《吏可楽流(リベラル)》のメンバーに彼等と縁のある数人。窓の外を眺め、真剣な表情を浮かべるリーダーである天哉に全員の視線が集中する
「どんな仕事なんだ?俺たちだけじゃなく、鈴代と高良先生も呼んでるなんて珍しいな」
「おいコラ、桐ヶ谷。俺にも先生を付けなさい」
「教師(笑)が何を言ってんだ」
「テン。今日の夕飯の買い物に付き合ってくれる約束だったじゃない。私、嘘吐きなテンは嫌い」
「深澄。この前、欲しいって言ってたゲームが初売りセールで安かったから買っといたぞ」
「気配りの出来る男性はポイント高いわよ」
和人と阿来が睨み合う隣で、例によって嫌い発言を繰り出す深澄。しかし天哉の気配りという名の買収で即座に掌を返し、彼の味方に周る
「明日、町内対抗草野球試合に出る事になった」
「「ちょっと待て!バカリーダー!!!」」
何の脈絡も無く、放たれた天哉の発言にメンバー全員が突っ込を入れる。其れもその筈、彼等の繋がりといえばVRMMOであり草野球は微塵も関係しない、にも関わらず、天哉は『野球をする』という理解不能な発言をしたのだ
「なんで野球しなきゃならねぇんだ!?」
「町内会長がどうしてもって言うからだ」
「意味がわからない」
「リーダーさん、アホも大概にしてください。あたしのマイクが火を吹きますよ」
「いやマイクは火を吹かんぞ。綾野くん」
「苗字で呼ばないでください」
「リーダー。何故、町内会長の言うことを聞いたんですか?いつものリーダーなら、町内会長に飛び蹴りを喰らわせてから、パイルドライバーをした後、真顔で断る筈ですよ」
「確かに。どういう風の吹き回し?テン」
「町内会長は良い人だ、悪く言うんじゃない」
何時もの天哉とは違い、他人を褒める姿に誰もが疑問を抱く。普段の彼であれば他人の不幸は蜜の味と言わんばかりに嫌がらせを行う筈、だが今の彼は町内会長を庇い、悪く言われる事を嫌がっている。誰もが疑問に思う中、弟分の彩葉が何かに気付く
「リーダー。ポケットから紙切れがはみ出てる」
「なにっ…!俺の当たりくじが!…………あっ」
「「買収されてんじゃねぇかっ!!!」」
「ぐもっ!?」
ポケットからはみ出ていたのは宝くじの当たりくじであり、その額は不明だが明らかに彼が買収されていた事は明白。全員から鉄拳が飛び、御決まりの叫びと共に壁に減り込んだ天哉を他所に深澄は宝くじを拾い上げる
「仕方ないわね。乗り掛かった船よ、野球大会に出てやろうじゃない」
そう告げる深澄の顔には、天哉がよく見せる不敵な笑みが浮かぶ
「見てください、あの顔。リーダーみたいですよ」
「悪い顔してる…」
「凶悪ヅラだな」
「シバくわよ、アンタら」
「「「すいません、調子こきました」」」
土下座を繰り出す一同にため息を吐きながら、人数分の御茶を用意してきた琴音は背後で未だに壁に減り込んだままの兄を指差す
「盛り上がってるところ悪いんだけど、いい加減にテンちゃんを助けてあげてくれない?」
『あっ!忘れてたっ!!!』
「「うぉぉぉぉぃい!!!」」
自力で復活した天哉と琴音に突っ込まれた後、深澄達は彼等を連れ、野球大会の行われる河川敷に向かうのであった
同刻。埼玉県入間市河川敷野球グランドに辿り着いた天哉たちは目の前の対戦相手に視線を向ける。するとキャプテンであろう一人の男性が目を点にしていた
「何故お前たちが……!!!」
「誰じゃ?知り合いか?近藤」
「私は知らないです」
「まあ!変わった格好の人たちよ。皇くん」
「落ち着け、七色。アイツらはきっと変態だ」
「ヒャハハハ!どうだって構わねぇ!さっさと試合しようぜっ!」
「相変わらずだのう、鈴代よ」
「キューカンバー!!!きゅうりこそが最強だぜぇぇぇぇ!」
見覚えのある風貌と口調、深澄達は理解した様な表情を浮かべるが天哉は首を傾げ、隣に立つ彩葉に何かを耳打ちする
「どちらさんでしたっけ?ってリーダーが言ってる」
「俺を忘れたのかっ!?八人衆のコンドリアーノだ!!!」
「………………こしょこしょこしょ」
「まさか、幼稚園の時にかけっこで戦ったお前に再会するなんてねぇ?久しぶりじゃねぇのって言ってる」
「誰の話だぁぁぁぁぁ!!!」
コンドリアーノ基近藤の事等、頭に無い天哉。首を何度も捻り、その末に答えに行き着く
「思い出した!あの時の変態野郎かっ!」
「お前にだけは言われたくねぇわっ!!!布留!お前もなんか言ってやれっ!」
「その節は兄が御迷惑を。今日はよろしくお願いします」
「礼儀正しいっ!いや違う違う!敵に挨拶すんなっ!」
「近藤!七色の研究の邪魔をするんじゃない、髪を抜くぞ」
「身内の暴力!」
「はっはっはっ!愉快だな!相変わらず!お前たちに勝ちは譲らんぞっ!」
高笑いと共に姿を見せたのは、痩せこけた頬が特徴的な男性。見覚えのある姿に天哉たちの苛立ちが表情に現れる
「なんだ、蔵田か」
「どっから沸いたのよ」
「職質される前に帰れ」
「足臭い」
「鼻毛がこんにちはしてますよ」
「やっぱり嫌いだ!お前らなんかっ!」
矢継ぎ早に放たれる罵倒の嵐に、涙ぐむ蔵田は自分が彼等を嫌いである事を再確認する
「取り敢えずだ、シリカは司会を頼む」
「良いでしょう!あたしのアイカツで鍛えた実況能力をお見せします!」
「メンバーは俺にカズ、純平に彩葉、菊丸と深澄、琴音にスグっち、あとはパンツバームクーヘンで行こう。高良先生と茉人は控えで良いか?」
「仕方あるまい」
「うむ!頑張るのだぞっ!教え子たち!」
「パンツバームクーヘンって誰だ?」
「おめぇだ」
自分の姿を棚に上げ、聞きなれない呼び名に疑問符を浮かべる阿来に彩葉の乱暴な突っ込みが飛ぶ
「よしっ!キックオフ!」
「「ルールガン無視じゃねぇか!バカリーダー!!!」」
「ぐもっ!?」
かくして、草野球大会が幕を開ける。晴れ渡る空に似つかわしくない混沌を彩る最強の潰し合いが幕を開けた
河川敷に吹き荒れる嵐、それはカオスな彩りと共に最強を呼ぶ!
NEXTヒント バットは武器じゃありません
一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?
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