蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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えっと……お待たせしまして申し訳ありませんでしたぁぁぁ!違うんです!サボってた訳じゃないんです!ちょっと体調を崩してだけなんです!!

ソウテン「そうなんか、なら仕方ねぇな」

ほっ………分かってくれたのなら何より……アレ?何故に吊るされてるの?ねぇ?ちょいと?テンさん?

ソウテン「お前が更新サボって、ハイラル王国で暴れ回っていた事は把握済みだ。よって、今から全身に味噌を塗りたくる」

やめてェェェェ!味噌だけは!それだけはやめてェェェェ!!

ミト「はじまるわよ♪」


第九問 夏を吹っ飛ばせ!祭の夜に響き渡る狂乱の出囃子!

「賑やかだね、何時もこんな感じなの?」

 

「ああ。この辺は特にな、商店会長さんが力を入れてるからな」

 

夏祭り。夏休みにおける最大の行事の一つで子どもから大人まで童心に返って遊びまくる日のことだ。そして、其れは彼も例外ではない。恋人の明日奈と共に地元の入間市で行われる夏祭りに来ていた

 

「そう言えば、テンくんたちは?」

 

「ん……ああ、彼奴等は商店会長からの頼みで屋台のバイトだ」

 

「……………大丈夫なの?其れは」

 

見慣れた面々が居ない事を問い掛ければ、返ってきたのは彼等が屋台のバイトをしているという不安しか感じない答え。表情を引き攣らせ、明日奈は彼基和人に問う

 

「大丈夫………ではないだろうな」

 

不安そうにため息を吐く和人。出囃子が鳴り響く夏祭り会場を歩いていると聞き覚えのある声が耳に入る

 

「おいコラ!誰に断って、此処に屋台を出してやがんだぁ!?クソガキ!」

 

「あぁん?んだコラ、やんのか?ヒゲむしるぞ」

 

「テン?揉め事はダメよ。ヒゲはむしるんじゃなくて、燃やしなさい」

 

「いや燃やすのもダメだよ?」

 

焼き落花生屋という聞き慣れない屋台の前で絵に描いたような極道系の男性と青い羽織を来た少年が揉めている。その隣では紫色の浴衣を着たポニーテールが特徴的な美少女が的外れな突っ込みをし、その彼女に少年と瓜二つの容姿をした少女がやんわりと突っ込んでいる

 

「おっ?なんだ、可愛いじゃねぇか。俺と遊ぼうぜぇ〜姉ちゃんたち」

 

「お客さん。ちょいと裏で話しようや」

 

彼基天哉は恋人の深澄と妹の琴音に言い寄ろうとする男性に対し、瞳の奥が笑っていない笑顔で対話を求める

 

「ず……ずび……ば…ぜ…ん…」

 

数分後、顔面が腫れ上がった男性が天哉たちに何度も頭を下げ、逃げる様に去っていく。其処でようやく近くに和人と明日奈が居たことに気付き、三人は二人に視線を向ける

 

「あら、明日奈に和人。夏祭りデート?」

 

「ああ。其れで?なんだこの屋台は」

 

「ふっ……見て分からねぇんか?」

 

「分からん、微塵も分からん。というか、分かりたくもない」

 

「今、メキシコとスペインで話題の焼き落花生をメインに販売している屋台だ。焼いた落花生から香る香りが素晴らしいと評判なんよ。という訳で、一つどうだ」

 

「生憎だが、夏祭りに来てまで残飯を食う趣味はない」

 

「んだとゴラァ!?おめぇに焼き落花生の何が分かる!」

 

「テンちゃんの言う通りだよ!焼き落花生よりも美味しい食べ物がある訳ないじゃない!」

 

例によって、騒ぎ始める幼馴染三人組に対し、明日奈は親友を横目で見る。彼女は焼き落花生を片手にその光景を見守っているが、焼き落花生を口には含もうとはしない

 

「深澄……結局、焼き落花生はどういう味なの?」

 

「そうね……簡単に言うと食えたものじゃないわね、売り上げも赤字よ」

 

「バカなのかな………あの双子は……あれ?あそこに居るのは……」

 

呆れた眼差しを向けていた明日奈は焼き落花生屋の三件先から、声が聞こえた事に気付く

 

「焼き鳥とチョコバナナ………意外な組み合わせだから、受けると思ったのに一つも売れないのは何故?」

 

「バナナの良さを理解できてねぇんだな!」

 

「純平くん、彩葉くん……えっと二人は何の屋台を?」

 

聞き覚えのある声の主である二人の元に近付き、明日奈は問いを投げかける

 

「焼き鳥&チョコバナナ屋だ。普通に売るんじゃ芸がねぇからな。こうやって、一石二鳥な売り方をしてんだ」

 

「…………焼き鳥の間にチョコバナナが刺さってる!!!」

 

純平から手渡された串には確かに焼き鳥が刺さっていた。然し、その間に主張の激しい食材が一つ、黒い光沢を帯びた南国産の果物のバナナが其処には刺さっていた

 

(な、なんて斬新なアイデア!!素敵すぎる……!)

 

「琴音!?許さんからなっ!ゴリラと交際なんて認めんからなっ!?」

 

「この間に焼き落花生を挟むのはどう?」

 

「迷子みたいな料理はいらない」

 

「料理の迷子ってなんだよ……ん?あそこに居るのは……」

 

純平の斬新と呼ぶには余りにも血迷った発案に妹が鼻血を出す姿に迷子が騒ぐ隣で、深澄が焼き落花生を串に足す事を発案するが彩葉からの返事は否定、その際に使った語句が明らかに意味不明である為に突っ込みを放った和人は向かい側の屋台に見覚えのある後ろ姿を見つける

 

「きっくん……なんの店なの?これは」

 

「焼きカレー屋です」

 

「なんで夏祭りで焼きカレー!?誰も食べないよっ!!」

 

「何故ですかっ!?こんなにも美味だというのに!焼きカレーの何がダメだというんです!」

 

「なら、焼き落花生を中に入れたら良いんじゃねぇかな」

 

「違う。焼き鳥を入れる」

 

「チョコバナナに決まってんだろうが!」

 

「すみません、警備員さん。不審者です」

 

焼きカレー屋を開店したは良いが客足が伸びない事に何色を示す菊丸。其れに呆れた様に突っ込みを放つ直葉、その様子に気付いた天哉たちが自分の屋台料理を持ち込むが即座に菊丸は警備員を呼び寄せる

 

「不審者の情報があったのは此処だな。揉め事は騎士である俺が許さ………あれ?テンたちじゃないか」

 

「おやまあ、誰かと思えば。鈴代ちゃん」

 

「何してんだ?アンタは」

 

「見て分からないか?」

 

「分からん、微塵も分からん。というか、分かりたくもない」

 

警備員として姿を見せたのは阿来。まさかの人物の登場に天哉は目を丸くし、和人は呆れた眼差しで問い掛ける

 

「見ての通りだ、警備員をしている」

 

「パンツ姿の警備員とか聞いたことねぇよ!!」

 

「何を言ってるんだ。海水浴場では当たり前だろ」

 

「此処は夏祭りの会場だ」

 

「なにっ!?通りで海がない筈だっ!!」

 

「バカなんですか?アナタは」

 

安定の下着姿で警備員を名乗る阿来。しかし、そのバイトは夏祭り会場とは違う海水浴場であるという事実を叩き付けられ、驚愕する

 

「騒がしいと思えば……やはり、お前たちか」

 

「おろ?茉人じゃねぇか、里香とデートか?」

 

「ああ。偶には労ってやらぬばと思ってな」

 

「相変わらずのバカ騒ぎね〜、アンタらは」

 

「最初は和人くんと二人きりだったんだけど……知らない間にね」

 

騒がしさを増す声を聞き付け、浴衣姿の茉人と里香も合流を果たす。益々の賑やかさに諦めた表情の明日奈は盆踊り会場に、マイク片手に佇む見覚えのある少女を見つける

 

「レディ〜〜〜〜ス!ア〜〜〜ンド!ジェントルメ〜〜〜〜ン!!!今日は入間市にお邪魔します♪みんなのアイドル!綾野圭子でーす!!よろしくねっ☆」

 

『シリカちゃーーーーーん!!!』

 

軽快なステップと卓越したマイクパフォーマンスを披露する圭子。その御決まりの姿に、天哉達は苦笑を浮かべる

 

「アイツは何をしてんだ……」

 

「商店会長が圭子のファンらしくて、呼んだらしいよ」

 

「大丈夫なのか?この商店街は……」

 

「知らね」

 

ある夏の日の一頁。今宵も騒がしいバカたちの狂乱の夜は過ぎて往く。出囃子が鳴り響く夜空を見上げ、彼は不敵に笑う。まるで宴を楽しむかの様に、彼は笑うのであった




次回は本編を更新出来たらなと思います。其れでは今宵はこの辺りで幕引きと致しましょう

一周年記念!もう一度読みたい再編集話は?

  • 夜のバーカウンターwith ALO
  • テニスwith ALO
  • 闇鍋with ALO
  • 行列with 現実
  • ナイスハレンチwith 現実
  • カンニングwith 現実
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