EX1 夏だ!水着だ!プールだ!ナイスハレンチ!
「それじゃあ、追試はここまでだ。良いか?お前たち…今後も騎士である事を忘れるなよっ!」
「ふぅ……ようやく、落ち着いた」
「ああ、これでようやく……」
「「レッツエンジョイ!サマーバケーション!!」」
「テン、カズ……まさかだけど、その格好で追試を受けたの?」
深澄の言うその格好、其れは水着とサングラスを身に付けた馬鹿二人の姿だ。手にはビーチボールとパラソル、更に浮き輪という明らかに追試に臨む格好とは言い難い姿に呆れたような視線を、深澄は向けていた
「ああ、この後はスグっちに泳ぎを教えるからな。先に準備を済ませておいたんよ。どうだ?気配りの出来る彼氏だろう」
「ううん、彼氏以前に人として恥ずかしいわ」
「「‼︎」」
まさかの直球意見、天哉と和人が目を剥き、驚愕する。思いの外、響いた言葉は二人の心を容赦なく抉る
「人として恥ずかしいわ」
「「二回言われたーーーっ!!!」」
追い討ちを掛ける深澄に、天哉と和人は完全に真っ白な灰のように燃え尽き、床に崩れ落ちる
「…………何があったの?」
「お兄ちゃん……恥ずかしい……」
「テンちゃん、お夕飯用にトルティーヤ買っておいてね」
何時もと変わらぬ光景にため息を吐く明日奈、兄の痴態に顔を逸らす直葉、お使いを頼む琴音という三者三様の反応を示すのであった
「そーいや、何でプールに入ることになったんだっけ?」
「もう忘れたの?テン。クジラを見たがってるユイちゃんの為にクエストを受ける準備をするって、何度も説明したわよ?相変わらず、頭の中も迷子なのね」
「迷子じゃない」
「無理もないさ、ミト。相手はテンだからな。百の説明で一すらも読み取れないようなヤツなんだよ、コイツは」
「そうね。期待した私が馬鹿だったわ、ごめんね?テン」
「気にすんな……って!その優しさが逆に傷つくわっ!」
目的地のプールに向かう途中で行われる恒例のやり取り。何故、こうなったのかは数日前に遡る
『クジラが見れるクエストがあるらしいんですっ!みなさんで参加しようと思います!どーですかっ!』
『どーですかって参加すればいいじゃない』
『参加すればいいじゃないとは何ですかっ!!』
『ぎゃぁぁぁぁ!目がァァァ!!!』
というやり取りの果てにクジラを見に行くクエストを受注する事になり、その準備という名の水泳教室が催されたのである
「そう言えば、深澄さん。今日はやけに薄着ですね」
「ああ、これ?実はね……中に着てきたのよ、水着を」
「「「ブホッ!!!」」」
着ていた服の下から、セパレートタイプの水着を見せる深澄。その姿に天哉と和人、純平が一斉に鼻血を噴き出す
「公衆の面前で、水着になるとはな。ヘル子、さてはハレンチだな?貴様」
「良いじゃない、別に。ベルさんみたいに全裸になった訳じゃないんだから」
「「「ナイスハレンチ……!!」」」
茉人からの問いに、深澄は真顔で答える。その背後では鼻血を垂らしながら、三馬鹿がサムズアップしている
「キリトくん?明日からのお昼は梅干しオンリーね」
「お兄ちゃん……サイテー」
「カズさんの変態」
「カズさん。シベリアに行っても、手紙を送ってくださいね」
「和人さんの醜態を呟いておきますね」
「俺限定っ!?まあ、俺は用事があるから、みんなは先にプールに行っててくれ」
自分だけが罵倒されるという状況に陥りながらも、和人は用事を済ませる為に校舎の中に消えていく。余談だが、彼の格好は水着である
「そう言えば……今日、水泳のコーチが来るって聞いたけど……誰なの?まさか、ディアベルじゃないわよねぇ?」
「ああ、そーいや言ってなかったな。コーチは……おっ。丁度いるじゃねぇの、おーい!!!」
里香の問いに答えながら、周囲を見回していた天哉が視界に捕らえた誰かに呼び掛ける。すると、その人物はプールサイド越しに手を振りかえす
「待ってたわよ〜、テンちゃ〜ん」
「あら、誰かと思えば……メイリンさんだわ」
「メイリンさんがコーチ?大丈夫なの?」
「何をおっしゃる、彩葉くん。メイリンさんはその昔、水泳界にその人あり!と言われた程の水泳選手だったんですよ」
「うぇっ!?そうなのっ!?てっきり、あたしは小さい頃から変な料理を作り続けてる変人だとばかり!」
「圭子ちゃん、露骨に失礼よ?」
「圭子は素直なんだよ」
「明音さんかぁ……確かに、あの人なら安心かも!」
メイリン、本名は竜胆明音。彼女は天哉達が世話になっている定食屋の看板娘であると同時にVRMMO内で入り浸っている食堂の女店主である仲間の一人だ
「そいじゃあ、スグっちを頼むよ。明音さん」
「ええ、任して。今日一日でカリブ海を自在に泳ぎ回れるレベルにしてあげるわ」
「普通でいいんですけどっ!?」
教える気持ちが先走り、常軌を逸した決意を宣言する明音。彼女も天哉達と関わる辺り、人とは違う変な一面があるのは明白だ
「そう言えば、明音さん。あのヒゲとは上手くやれてる?」
「ヒゲ?あぁ〜遼太郎さん?それなら大丈夫よ〜、今夜もお食事に行くのよ〜」
「ふむふむ、中々にやりますね。あのヒゲも」
「だな、ヒゲのくせに」
「あいつが明音さんを泣かしたら、みんなで殴るしかないねぇ」
「「「全くだ」」」
本人不在の中で進む会議、彼の言動故の発言ではあるが深澄までもがその輪に居るのは、最早、見慣れてしまった光景であり、唯一の常識人とも呼べる明日奈は深く肩を落とす
「はぁ……バカばっかり……」
「明日奈……ホントに同情するわ……アンタには…」
「…………キリトくん、僕は君にSAOでの出来事を聞こうと思ったんだが……一つ聞いても構わないか?」
「なんだ?菊岡さん」
「君のその格好はなんだ……どうして、水着なんだい?」
和人を呼び付けた張本人である男性、お忘れの方も居るかもしれないが彼は《総務省SAO事件対策本部》に所属している菊岡という人物だ。彼の目的は、SAO内で起きた出来事を和人から聞き出すことにあるのだが……目の前に立つ彼の姿に違和感を感じていた
「良い質問だな、菊岡さん。この後直ぐにプールに直行する為だ」
直葉に泳ぎを教える明音、その傍で遊びまくるバカたち!夏でも奴らはおふざけ全開!
NEXTヒント 半身浴って、そうやるの?
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気