蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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嘘だろ……初めて、まともなタイトルだ!はてさて、知られざる赤狼の真相とは……!そして、そして!祝!SAO公開!待ってましたァァァァァァ!初日舞台挨拶予約してやったぜ!


第九弾 赤狼は駆ける。

「…………さてと、行くか。なぁ?相棒」

 

「ガウッ!」

 

準備時間が迫る中、六角形パネルの上に立つツキシロは足元に寄り添う機械仕掛けの狼に呼び掛ける

 

「俺は飢えている……満足という名の御馳走にありつける日まで。我が乾きが満たされる事は無い………我が名は《赤狼(ヴォルフ)》也」

 

紅き衣が棚引き、白いマフラーが風に靡く。その瞳に宿るは飢えた獣の闘争心、転送されたステージである荒野に吹く風が頬を撫で、彼が持つ獣らしさをより一層に引き立たせる

 

CHAOS(カオス)、お前が相手とはな。驚きだぜ」

 

足音を響かせ、姿を見せたのは一人の男性。荒野に似つかわしくないスーツを着込み、目深に被った帽子の鍔を銃口で上げる彼は、真っ直ぐとツキシロを見据える

 

「満足出来そうだぜ。相手してもらおうじゃねぇかよ、ヨミ」

 

「ヨミ……懐かしい名を呼んでくれるな。今の俺は死を告げる黒猫……又の名を早撃ち(クイックドロウ)……さぁ、地獄を楽しみな!!!」

 

「極楽に行かせてやるよっ!!!」

 

地を蹴り、走り出すツキシロとクイックドロウ。《FPS》では異例とも言える銃を使用した近接格闘(ガン=カタ)に寄る接近戦が展開される

何方も《GGO》では名の知れた猛者。その実力は拮抗し、クイックドロウが蹴りを放てば、ツキシロが軽やかに去なし、逆もまた然り。拳を放つツキシロに対し、クイックドロウが紙一重の差で回避行動を取る。正に一進一退の攻防戦、手に汗握る、火を見るよりも明らかにファイヤー!である

 

「体術は互角だな」

 

「ああ、次は(コイツ)()りあおう」

 

「言われなくても、そのつもりだぜ」

 

クイックドロウは、その名の通りに正に早撃ち(クイックドロウ)。実にその速度0.3秒。装飾銃から放たれる弾丸総数は六発、的確な腕と動体視力が無ければ不可能な芸当である

避けようと回避行動に移るツキシロだが、その先には既にクイックドロウが待ってましたと言わんばかりに待ち構える

 

「ちぃっ!」

 

CHAOS(カオス)、相変わらずだな。動きが単調だ」

 

「うるせぇ!俺はやりたいようにやる!満足出来るならなぁ!」

 

「………嫌いじゃない、お前のその性格。死ぬ気で来い」

 

「言われなくてもっ!出番だぜっ!相棒!」

 

「ワォォォォン!!!」

 

本気、その言葉にツキシロの目付きが変わる。彼の叫びに呼応し、機械狼が飛び、空を駆ける

 

「獣を纏いて、突き進むは明日への覇道!その遠吠えは次元を超える!銃弾の雨を潜り抜け、手にした勝利は俺を満たす!俺を誰だと思っていやがる……俺は!最強にして満足の覇者!その名を刻め!我が名は《赤狼(ヴォルフ)》也!」

 

機械狼が展開し、ツキシロを覆う紅き全身装甲に姿を変える。天高くを指差す姿、其れは正に獣。野生に解き放たれた獣そのものである

 

「来たか。《赤狼(ヴォルフ)》」

 

「お前の運、試してやるぜ」

 

「上等っ!!!」

 

地を蹴り、走り出すクイックドロウと《赤狼(ヴォルフ)》。誰もが息を呑む世紀の一戦、ぶつかり合う力と力、互いを認め合うが故の本気。土煙はやがて砂埃となり、砂塵を巻き起こし、そして、一つの巨大な砂嵐を生み出す

《FPS》では異例とも言える名勝負、この戦いは「荒野の決闘」と後に語り継がれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからな、俺は言ってやったんよ。それは俺のピーナッツバターだってな」

 

ドヤ顔のソウテン。今彼が話しているのは彼の持つ鉄板ジョークの一つである欧米風漫談であるが、その話を聞くキリトは視線は冷め切っている

 

「アホだな」

 

「そうだろう、そうだろう」

 

「いや、お前が」

 

「んだとコラァ!」

 

「やめんかぁ!!毎度毎度!!」

 

「「ぐもっ!?」」

 

対戦カード表に注目が集まる中、喧嘩を始めるバカコンビ(迷子とぼっち)にミトの制裁が命中。相も変わらずな彼等はある意味で注目の的である。然し、その注目は他にもあった。現在、彼等は決勝戦に勝ち上がった最強組に数えられているのだ

 

「アンタ達……何時もこうなの?」

 

「慣れたわ」

 

「そう、ミトも苦労してるのね」

 

「リッパー……何度も言うがな、シノンの魅力は尻だ。見ろ、あの素晴らしいまでの引き締まった曲線美を。正に芸術だ」

 

「いやいや、へそだぜ。あのちらっと覗くのがまた………くぅ〜!たまんねぇ〜!」

 

「シノンちゃ〜〜ん!今日も脚が綺麗だぜぇ!」

 

「不敬な奴等だ。ワキが一番に決まってるだろう。後で構わない、脇汗を採取させてくれないか?シノン」

 

ミトに同情するシノンの背後で、生クリーム大福を頬張るツキシロ、ワインを嗜むリッパー、白米を掻っ込むキッド、紅茶を片手に変態発言を放つクイックドロウ。四人の額に銃剣が突き刺さる

 

「やかましいわぁ!!変態四重奏(カルテット)!!!」

 

「「「ず……ずび……ば…ぜ…ん…」」」

 

「殴るわよっ!!」

 

「「「いやもう殴ってんよね!?」」」

 

怒り心頭のシノンに、ソウテンとミト、キリトの突っ込みが飛ぶ

 

『大熱戦のバレット・オブ・バレッツ予選トーナメントもいよいよ大詰め!』

 

『残すは決勝戦だけになったよ〜!対戦カードはこれだァァァァァァ!!!』

 

今日も今日とて、始まったシリカとレンこと《ロリットズ》の解説タイム。勝利者、脱落者、観戦者などが見守る中、彼女たちの声が響き渡る

 

『えっ〜、大したプレイヤーが居ないブロックは割愛しちゃいま〜す♪紹介はFブロックとNブロック、Pブロックで〜す』

 

『えっ!?私、聞いてないけどっ!?』

 

『うん、あたしが決めたからね。今さっき』

 

『理不尽な暴挙!!』

 

突然のシリカの発言に、把握していなかったレンの突っ込みが放たれる

 

『先ずはFブロック!《冥界の女神》と呼ばれるシノン!そして相手は………えっ?尻神?なに?これ変態?ツキシロ〜〜!』

 

『うわぁ……』

 

壇上に上がり、スポットライトを浴びるシノンとツキシロ。然し、尻神と呼ばれるツキシロを見る目は冷淡である

 

『気を取り直して……Nブロックは一回戦で女性対決を気合いと根性で突破し、合体という新たな力を手に快進撃を見せるこの女!その実力は天井知らず!正に天元突破!《紫の死喰い》!ミト〜〜〜!』

 

『相手は最強にして至高!私の武器は是非もなし!絶対領域(バレットライン)を求める美脚評論家!キッド〜〜〜!』

 

スポットライトを浴びる二人の幼女。その愛らしさは最早、天元突破!特にミトの可愛さは止まるところを知らない、ソウテンは湧き上がるミトコールを前に「俺のミトちゃん」という幟を掲げ、着ている法被には「ミトは俺の奥さん」、仮面の上に巻いた鉢巻には「ミトさんギザカワユス」と書かれ、ソウテンのミトに対する想いが大爆発中である

 

『そして、そして!ぶつかり合う最強カード!仮想世界を股に掛け、解決した事件は幾星霜!仮面に隠した蒼き眼は万物を見透かす!その不敵な笑みが代名詞!誰が呼んだか、《道化師(クラウン)》!今こそ見せるは、不撓不屈の色彩道!《蒼の道化師》!ソウテ〜〜〜ン!』

 

『対するは!新たな時代に誘われて、熱狂生み出す斬撃飛ばす!斬って、切って、切り続けて、それでも斬れぬは人の(えにし)!己の魂その胸に!《黒の剣士》!キリト〜〜〜!』

 

『じゃあ、今日も!』

 

『せ〜のっ!』

 

『『がんバレット☆』』

 

御決まりの合言葉と共に撃ち抜くポーズを決めるロリットズ。そして、壇上に上がった全てのプレイヤーたちがスポットライトに照らされる中で、二人。彼等は、《蒼の道化師》と《黒の剣士》は不敵に笑う

 

「「死んでもいいゲームなんて、(ぬる)過ぎるぜ」」

 




槍と剣、再び交える刃は本気の証!俺たちの喧嘩に言葉はいらん!勝つか、負けるかの真剣勝負!「「俺たちを誰だと思っていやがるっ!!!」」

NEXTヒント 友情

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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