蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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最近、分かった。ギャグを挟まないと文章量が少なくなるということに…!!!


第十五弾 同盟成立?道化師と赤狼の休戦協定!

「ミト。近くに反応は?」

 

「この近くにはいないわ。さっきのモルテみたいに迷彩で離れたみたいよ」

 

廃ビルから、鉄橋方面に視線を向けるソウテンは隣で《サテライトスキャン端末》を見るミトに声を掛けるも、既に位置情報からも姿を消していた死銃の姿は無かった

 

「シノンたちの誰かと行動してるヤツは居るか?」

 

インカムの先に居る仲間たちに問う。既に死銃一味の目星はついてる為に更なる味方を増やそうと考えたソウテンは、《GGO》古参プレイヤーの誰かと行動しているものは居ないか?と問い掛けたのだ

 

『俺がシノンと一緒だ』

 

『僕はリッパーさんという方が一緒にいます』

 

『さっき望遠鏡でシノンさん?とかいう人のお尻を見てた変態さんが近くに居る』

 

『俺とオッさんはクイックドロウってヤツがいるぜ』

 

『キッドが近くにいる』

 

「オーケー。おめぇさん達は其々の相手に話せることを話して、協力してもらってくれ」

 

『了解!リーダー!!!』

 

状況把握の後、的確な指示を飛ばすソウテン。久方ぶりに見る仮面越しの横顔は最強ギルドを率いた《蒼の道化師》そのもので、ミトは彼の心意を理解し、その手を握る

 

「テン。私たちで、死銃の(プライド)をへし折ってやりましょう」

 

「言われんでも………ゴーカイに行くぜっ!」

 

「了解よ」

 

 

 

 

 

 

「人が死ぬ?何を言ってんだ、お前は」

 

「事実だよ。おにーさんも見たでしょ?」

 

此処は森林エリア。鉄橋付近から一番の近場である。この場所に潜伏していたツキシロは、同じように潜伏していたヒイロから死銃に関する情報を聞き、自分の耳を疑う

 

「じゃあ、何か?あのペイルライダーってヤツが死んだってのか?」

 

信じ難い話だ、あの世界でない限りは有り得ない。しかし、目の前の彼が嘘をついてるようにも思えないのも事実だ

 

「そうなるね。外の仲間に確認してもらったから」

 

「外の仲間って……サツか?お前」

 

「はずれ。寧ろ、おにーさんと同じ捕まる側の人間だよ」

 

無表情ではあるが僅かに綻ぶ口元、不思議と初対面の感じがしないヒイロにツキシロは何かを感じていた

 

「何処まで知ってやがる。お前もそうだが、あのソウテンとミト、キリト……何者だ?テメェ等は」

 

「答える気はないよ。少なくとも自分の実力を隠してる人にはね」

 

「………なっ!」

 

一握りしか知らない筈の本性を見透かされた様で、即座に飛び退いた。本能が感じ取っていた、彼の前で事実を明かせば、隠してきたもう一つの姿、本来の姿である《赤狼(ヴォルフ)》の秘密が露見すると本能が告げていた

 

「………それで?何をすればいい……」

 

「話が早くて助かるよ。詳しい事はウチのリーダーに聞いて、俺は仲間たちと合流してくるよ」

 

『ツキシロ。インカム越しで悪ぃが、このままで失礼させてもらう』

 

乱暴に投げ渡されたインカムから聞こえるソウテンの声。其処に、普段の呑気にピーナッツバターサンドを食らっていた時の巫山戯た態度は微塵も感じられず、冷静な声色が続く

 

『おめぇさんの事は昔馴染みの腕利きぼったくり情報屋のオネーサンに調べてもらったから、大体は把握してる。ギルド………《GGO》ではスコードロンだったな。その中でも最強の《荒野の獣人(ウィルダー・セリアン)》を率いる総長、《赤狼(ヴォルフ)》がおめぇさんだな?』

 

「………ああ、そうだ」

 

一瞬で全てを看破され、面を食らうツキシロであるが今は状況が状況である為に肯定するしかなかった

 

『キッド、リッパー、クイックドロウはそのメンバーである《黒鷲(ヴェルグ)》、《鉄騎》、《暗殺者》。以上がフルメンバーだよな。そんでシノンはフレンドではあるけど部外者……ここまでに不備はあるか?』

 

「いいや、特には無い。でもなシノンには言うなよ?アイツには此方側(・・・)に来てほしくない……」

 

『了解、シノンには言わん。そいじゃあ……単刀直入に言う』

 

《シノンには秘密》という対価を承諾したソウテンは不敵に笑う。インカム越しでは解らないがツキシロは、この向こう側で笑う道化師の姿がある事を理解していた

 

『奴らを引き摺り出す策がある。同盟と行こう……《赤狼(ヴォルフ)》』

 

「…………その策、乗ってやるよ。《道化師(クラウン)》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処だと思ったよ……パパ」

 

ログアウトした琴音が訪れたのは、一軒のショットバー。カウンター席に腰掛け、グラスを傾ける男性、天満に呼び掛ける

 

「琴音。此処はお前みたいなヤツが来る場所じゃねぇ、帰れ」

 

「帰らないよ。テンちゃんに危険な事をさせてるのは……パパなんでしょ?」

 

「だったら、どうする」

 

「今すぐにやめさせて」

 

兄が危険な状況に首を突っ込んでいる事に納得のいかない琴音は、天満に依頼取り消しを申し出る

 

「却下だ」

 

「パパっ!!!」

 

だが、食い気味に放たれた天満の言葉は冷たいものだった。感情を露わにした琴音は声を荒げ、トレンチコートの襟に掴み掛かる

 

「お前は母さんにそっくりだな……天哉の心配ばっかりだ」

 

「当たり前だよっ!テンちゃんはわたしのお兄ちゃんなんだよっ!?パパも知ってるでしょ!ずっとずっとテンちゃんは暗い闇の中に居て、茨の道を歩き続けて、やっと自由になれた……なのに!どうしてっ!パパは心配じゃないの!?」

 

「心配してねぇ訳あるかっ!!!」

 

娘からの訴えに対し、声を荒げる天満。軽く咳払いをすると頭を掻き乱し、罰が悪そうに口を開く

 

「………天哉が自分から言いやがったんだよ。VRMMO関連の事件は回せってな。何があったかは知らねぇが、あのゲームから帰ってきてからアイツは変わったよ。まぁ根っ子は全然だけどな……ったく、誰に似たんだかなぁ」

 

その後ろ姿からは琴音の知らない哀愁が漂っていた、エリート主義である筈の父から感じる雰囲気、彼女はこの雰囲気を知っている

 

「パパって、テンちゃんに似てるよね。やっぱり親子だね」

 

「あんなピーナッツバタージャンキーと一緒にすんな。まぁ、俺はいつでも動けるようにしておいてやるから、お前は天哉の側に居てやれ」

 

手をひらひらとさせ、バーから去る父の後ろ姿に、琴音は不敵に笑う

 

「大丈夫だよ、今のテンちゃんには………沢山の仲間が居るからね。バカばっかりだけど」




死銃一味を倒す為に同盟を結んだ《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》と《荒野の獣人(ウィルダー・セリアン)》+シノン、果たして彼等の策とは…!

NEXTヒント オーケー!機関車加速しろ!

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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