蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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番外編だと思った?実は本編!久々に道化師が大暴れ!!さぁ!降り注げ!槍の雨!


第二十一弾 闇と光は表裏一体!見せるぜ!道化師の真骨頂!

「流石に深海よりも深い俺の懐も限界だ………潰してやるから、来いよ」

 

小柄な見た目は変化し、荒野に吹く風に棚引く“蒼き衣”。その姿を知っている、其れはある世界で名を馳せた仮面の道化師、彼は静かに其処に佇んでいた

 

「あの姿は一体……!」

 

「そうか、ツキシロは初見だったな。あの姿がテンのアバターとしての本来の姿なんだ。ナーブギアを使い続けている影響からなのか、テンのアバターには不具合が起きる事が多々あるんだ……だけど、ある裏技を使えば、本来の姿を取り戻せるんだ。それがあの仮面の道化師にして、俺たちのリーダーであるソウテンだ。そして……俺も」

 

ソウテンの姿に驚きを示すツキシロに対し、ディアベルが長々と説明口調で解説する。そして、彼は手にした仮面を身に付ける

 

「な、なんだっ!?今度はディアベルが!」

 

仮面を身に付けたディアベルにも変化が起きた。一瞬の眩い光が消えると紺の皮装備コートを棚引かせ、右手に盾、左手に片手剣を携えた騎士が其処に佇んでいた

 

「《SAO》きっての最強プレイヤーと揶揄される《道化師(クラウン)》と《騎士(ナイト)》にお目に掛かれるとはね。使えない道具にしては良い仕事をしましたね」

 

「…………久しぶりに暴れたい気分なんだよ、俺は…。テメェを潰す」

 

モルテの軽口に反応しながらも、槍を片手に潰すと発言する姿にディアベルの表情が歪む。あの姿を彼は知っている、慣れ親しんだ姿とは異なるもう一つの姿。血に塗れた道化師、殺戮者と呼ばれた槍使いが佇んでいた

 

「テン!分かっていると思うがこの世界は《SAO》とは違うぞ!」

 

「理解してるよ。其れにだ、俺はもう闇を恐れない……安心してくれよ」

 

「なら、久しぶりに見せてもらうよ。お前のやり方を」

 

闇を歩み続けていた頃とは違い、仲間たちとの出会いと日々という光を知った彼は不敵に笑う。この笑みは何時如何なる時も、絶望を希望に変え、世界を己の色に彩ってきた。誰が呼んだか、《道化師(クラウン)》の名を持つ彼は其処に立っている

 

「綺麗事を……お前がいなければ……お前さえ!いなければ!!俺はまだあの世界で死を楽しめた!!」

 

怒気を放ち、両手に構えたナイフを振るモルテ。この世界で銃器を使わない姿は正に異質であるが、二対の武器を振るう者を誰よりも知るソウテンにとっては赤子の手を捻るかのごとく、紙一重の差で躱し、躱しきれない剣撃は槍で弾く

 

「何を楽しむかは人それぞれだ……でもな……命ってのは弄ぶ為に、奪う為にあるんじゃねぇ!命ってのは守る為に、育む為にあんだ!テメェに分からせてやるよ……!命の重みって奴を!」

 

命、其れは誰もが持つ最高の宝。死を楽しむということは其れを軽んじるという意味、世界を自由に彩るを志に掲げてきたソウテンにとっては正に忌むべき行為。故に彼は高く、誰よりも高く、飛んだ

 

Estamos listos.(準備は整った)

 

その道化師は、不敵な笑みを浮かべ、蒼き衣を棚引かせ、誰よりも高く舞った

 

「永遠にadieu」

 

仮面越しの不敵な笑みと別れの言葉。その二つはモルテの視界に鮮明に焼き付いた。刹那、頭上から無数の槍が雨のように降り注ぎ、体を貫き、止めの槍最上位ソードスキル《アルティメット・サイン》を放つ

 

「また負けるのか……?何故、どうして…どうして!!俺はあのモルテだぞっ!?泣く子も殺す《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》のモルテだ!なのに!どうして!」

 

体に傷を負いながらも、喚くモルテ。一度は仲間と呼んだ男の末路にソウテンは冷たい眼差しを向けた後、軽くため息を吐く

 

「簡単な話だ、おめぇさんたちが泣く子も殺すなら……俺たちは泣く子も笑う《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》だ。おめぇさんたちが殺した数だけ、俺たちは誰かを笑わせる。彩られたら、彩り返すのが俺たちのやり方だ」

 

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!だまれぇぇぇぇ!!!」

 

「滑稽だな。いいか?かつて、因幡の白兎は自らの欲望の為に鰐を騙し、傲慢にも鰐を嘲笑った仕返しに皮を剥かれた。お前は其れと同じだ、他者を騙す事で自分を正当化し、周りが見えなくなっちまったんだ。此処がお前の人生の幕引きだ」

 

「黙れと言ってるだろうがァァァァ!!」

 

モルテは拾い上げたナイフを手にソウテン目掛け、走り出す。しかしながら、冷静さを失くした者の思考は脆い。其れを長年の喧嘩漬け生活で知るソウテンは、ナイフを握る手を蹴り上げ、即座に軸足の代わりの槍を地に突き刺し、遠心力を加えたを蹴りを叩き込んだ。余りの衝撃にモルテは気を失い、事切れたようにポリゴンとなり、四散していった

 

現実(リアル)だろうが、仮想現実(バーチャル)だろうが……俺の蹴りに抗える野朗はいねぇよ。いや一人だけいるか……なぁ?勘助」

 

哀れな末路を眺めながら、頭を掻き乱す彼は背後に控えていた紅き全身装甲に身を包むツキシロに呼び掛けた

 

「本名で呼ぶんじゃねぇよ。てことはあの愉快極まりない奴らは和人たちか…やっぱり」

 

「それはお互い様だろ?あの変態さんたちは桔花ちゃんたちだろ?」

 

「あー……最悪だ。手を組んだのがよりにもよって、世界で一番嫌いなヤローだったなんてな……言っとくが!約束は守れよな!天哉!」

 

「へいへい…わーってるよ」

 

適当に相槌を返しながらも不敵な笑みを崩さない彼は深々と頭を下げる

 

Déjamelo a mí(お任せを)、その依頼。この道化師(クラウン)が承りました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方。死銃を追うキリトとヴェルデ、彼等は目的地とは異なる場所に居た

 

「ヴェルデ!ここはどこだ?」

 

「知りませんよ。やれやれ、これだからキリトさんとのタッグは嫌なんですよ」

 

見渡す限りの薄暗い洞窟。最早、荒野と呼べない場所でヴェルデは兄貴分の醜態に肩を竦める

 

「おいコラ、なんだ?今のため息は」

 

「いえ別に。明日は晴れますかね」

 

「ああ、きっと日本晴れだ!………って話を逸らすなっ!!」

 

「なら真面目にやってもらえます?スグちゃんに言いつけますよ」

 

「反抗期っ!?」

 

果たして、彼等が死銃の元に辿り着くのら何時間後の話であろうか……其れは誰も知らない




遂に死銃と対峙するキリトとヴェルデ、其処に突っ込んできたのはまさかまさかの機関車と迷子に騎士!最強の馬鹿騒ぎが今、幕を上げる!!

NEXTヒント 何時だって、あの言葉

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もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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