蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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はいはい、キャリバー編とは名ばかりのギャグMAXのハイテンションストーリーが始まるよ!つまりは何時も通りの馬鹿騒ぎなんだけどね!ちなみに上に出てる第四章のタイトルは誤字じゃありません♪


第四章 極寒の大地と彩りの道化(バーカーサー)
第一説 年末だろうと関係ない!取り敢えずは鍋を囲もう!!


「ふわぁ〜……冬休みになると気が緩むなぁ〜……」

 

時期は偉い人も走り回るとされる師走の終盤。和人は眠気を感じながらも、寝巻き姿のままで、一階の台所に向かう

 

「スグちゃん。この食パン、すごくパサパサしてるんですが」

 

「あれ?おかしいな……昨日の夜に買ってきたばっかりなんだけどなぁ〜…」

 

「ああ、間違えました。これは僕が持参したウエハースでした」

 

「間違えないよねっ!?ワザと!?ワザとやってる!?」

 

「あっはっはっはっ、そんな訳あるじゃないですか」

 

「肯定したっ!?」

 

台所で我が物顔で居座る眼鏡の少年は今日も幼馴染弄りに勤しみ、朝食に舌鼓を打っていた

 

「何してんだ!!カレーメガネ!」

 

「おや、これはネボスケオさん。おはようございます」

 

「変な名前つけんなっ!!質問に答えろ」

 

「やれやれ、朝ご飯くらい静かに食べられないんですか?これだから、ぼっちは駄目なんですよ……ねぇ?リーダー」

 

「全くだな。このピーナッツバターご飯に比べたら、些細なことだ。なぁ?我が妹よ」

 

「ホントだよ。それにスペインでは食事の時には静かにするのがマナーなのを知らないの?和人は」

 

「…………何でいるんだよっ!?」

 

自然な流れで会話に加わっていたのは、幼馴染にして親友でもある傍迷惑迷子の蒼井さん宅の双子。彼等はピーナッツバター掛けご飯を掻っ込みながら、堂々と桐ヶ谷家のリビングに居座っていた

 

「だって、朝メシねぇんだもん」

 

「昨日の夜に炊飯器のスイッチを押すのを忘れてちゃったの………というか、ぶっちゃけると朝ご飯とか作るのめんどい」

 

「開き直ってんじゃねぇよ。スグ、何時もの辣油を出してくれ」

 

「お兄ちゃん。またあの訳のわからない辣油を使うの?早死にするよ」

 

開き直る双子に対し、呆れた眼差しを向けながらも和人は直葉に辣油を出す様に要求するが彼の普段の過剰摂取を知るが故に早死にすると突っ込まれる

 

「まぁ、ホントの理由はコイツだ」

 

「あ?MMOトゥモローがなんだよ」

 

「一番上の記事を読んでみてよ」

 

何処からともなく取り出したタブレット端末を見せる天哉に寝ぼけながらも和人が問うと、琴音が一番上の記事を指差す

 

「なになに………遂に発売!シリカのファーストアルバム……」

 

「いやそっちじゃないから。こっちの記事だよ、【最強の伝説級武器《聖剣エクスキャリバー》、ついに発見される!】ってヤツ」

 

何を思ったのか、指を差しているのとは別の記事を読み上げる和人の頭を引っ叩くと改めて、本来の記事を読むように促す

 

「ああ、そっちかー。そうか、発見されたか〜…………なんだとォォォォ!?何処のどいつだ!俺のエクスカリバーを発見したとか言ってやがるのは!抗議の手紙を書いてやる!しかも赤ペンを使った手書きで!」

 

「地味な嫌がらせだっ!!!」

 

狙っていた伝説の武器が発見された事を知った和人。メモ用紙に赤ペンで抗議の手紙を綴り始める兄に直葉は驚愕する

 

「落ち着きな。厳密には発見されただけだ、入手には至ってねぇんよ」

 

「マジでっ!?」

 

「マジもマジ、それも大マジ。どうするよ?ちょいと暴れるか?親友(カズ)

 

「…………ああ、暴れてやろうぜ。兄弟(テン)

 

天哉と和人の瞳が交差し、道化師の笑みと剣士の微笑が直葉たちの視界に焼き付く

 

「「死んでもいいゲームなんて、温過ぎるぜ」」

 

拳を突き合わせ、不敵な笑みを浮かべる二人の少年。長年の付き合い故に視線を合わせずとも、互いの考えを理解しあえる関係性にある彼等には言葉等は不用だった

 

「でもどうやって、取りに行くかがネックだよね」

 

「確かに。極寒の大地である《ヨツンヘイム》では翅を動かすことも容易ではありませんからねぇ」

 

「大丈夫だよ!なんたって、あたしたちには《トンキー》がいるからね!」

 

「トンキー…ああ、いましたね。そんな名前のキモいゲテモノが」

 

「むぅ…キモくないもん!可愛いもん!きっくんのいじわる!」

 

移動手段を考えていた菊丸。その声に反応した直葉が何時ぞやに助けた象クラゲ型邪神の《トンキー》の名を出すも、異業な個性的生物を思い出し、菊丸は苦笑するが直葉はぷくっと頬を膨らませる

 

「なぁ、カズ。偶に思うんだけどよ……スグっちの美的感覚って可笑しくね?」

 

「だよね。眼科を受診するべきだと思う」

 

「う〜ん…まぁ……仕方ないさ…。というか、琴音だけには言われたくねぇ。お前、純平とデートしてたろ」

 

「なにが?素敵な人じゃん」

 

「琴音!?許さんよっ!お兄ちゃんは許さんからなっ!!!ゴリラが交際相手なんてっ!」

 

「あっ。おかわり」

 

「きっくんは図々しい自覚ある?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はエクスカリバーを取りに行くので気合いを入れて行こうと思います!どーですかっ!」

 

ある日の昼下がり。新生アインクラッド第22層の湖畔エリアに新設された《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》のギルドホーム。キリトとアスナが暮らした思い出の家からも近く、リズベットとアマツの武具店も併設される《ALO》屈指の巨大ギルドホームに響き渡るのはキリトの声、それに気付いたソウテンは薄目を開き、親友に目を向ける

 

「どーですかって行けばいいじゃない」

 

「行けばいいじゃないとは何だゴラァ!!発端はテメェだろうがァァァァ!!」

 

「ぐもっ!?頭が割れた!?脳味噌が深刻なダメージを受けたァァァァ!!」

 

投げやり気味に放たれたソウテンの発言に対し、キリトが頭上に踵落としを放つ。余りの痛みに床を転げ回る迷子を気に留める者は誰も居ない

 

「あ〜………ようやくのお正月です……年末は引っ張りだこですよ……まぁ!あたしが可愛いアイドルなのがいけないんですけどね!」

 

「おうおう、シリカっちは相変わらずだな。ウチの会社にもお前のファンけっこういるぜ?流石はアイドル様だな」

 

年の瀬が迫る中、久方振りの休みに項垂れるシリカにクラインが同僚に彼女のファンが居ることを教えれば、彼女は自慢気に慎ましい胸を張る

 

「とーぜんです!あたしは可愛いですからね!ゆくゆくは世界を!そして銀河系をあたしのファンで埋め尽くしてやります!ねっ!レンちゃん!」

 

「私はVRの中だけで満足かなぁ」

 

隣でキャロットケーキを突くウサ耳の相方に同意を求めれば、彼女は目線を明後日の方向に向けながら、頬を掻く

 

「つーか!年末に呼び出すんだから、其れ相応の見返りはあるんだろうな!次は俺の《雷槌ミョルニル》を探すのを手伝え!情報が一つもはねぇけど」

 

「おうおう、グリの字。抜け駆けは良くねぇな。次は俺のために《霊刀カグツチ》取りに行くの手伝えや」

 

「情報が不確かな武器とイカれた暑さのダンジョンにある武器なんか取りに行きたくないから却下だ」

 

「「やんのか、ぼっち」」

 

自分たちの私欲に塗れた対価を要求するグリス、クラインを相手に呟きにも似た悪態を吐く和人に対し、眼の色を変えた二人が喧嘩越しの態度を取る

 

「おいおい、喧嘩はやめないか。ほら、バームクーヘンを食べろ」

 

「毎度のことだが…言わせてくれるか?おめぇはなにをナチュラルにバームクーヘンを焼いてんだよっ!!」

 

「バームクーヘンを馬鹿にするな。いいか?バームクーヘンは俺の騎士道そのものだ」

 

「そんな騎士道は捨てちまえ。それで?ツキシロ……お前は何故、頭に大量の矢が刺さってんだ」

 

間違った騎士道を迷走するディアベルに突っ込みながら、キリトが次に視線を向けたツキシロは頭に大量の矢が突き刺さった状態であるにも関わらず、平然と生きていた

 

「良い質問だな。あれは今から数時間前の話だ、シノンの素晴らしい尻、又の名をシノケツとも言う世界の宝を見ていた俺は----………」

 

「黙ってなさい、変態狼。それはそうと私も欲しいモノがあるのよ…《光弓シェキナー》なんだけど」

 

相も変わらず、シノンの尻についての熱弁を語るツキシロの脳天に矢を突き刺し、物理的に黙らせると彼は腰掛け椅子のような体制で倒れ、その上にシノンは腰を下ろし、伝説武器を要求する

 

「流石はシノンのねーさん。キャラを作って二週間足らずで伝説武器を御所望とはスルメも逆立ちレベルの欲深さだ」

 

「リズが造ってくれた弓とアマツの造ってくれる矢も素敵だけどさ、できればもう少し射程が……」

 

「リズは兎も角として、職人に意見しやがった………!!死ぬ気かっ!?」

 

「明日はシノンさんの命日?リズさんは言われても仕方ないけど」

 

「グリスさんもヒイロも失礼だよ!確かにリズさんはお金に汚いけど、割と職人気質だから信用は出来る…………多分だけど」

 

武器の扱いに厳しいアマツに意見するシノンに戦慄するグリスとヒイロ。其れに突っ込みを放ちながらも、シリカは自信なさ気にリズベットを擁護する

 

「あのねぇ、この世界の弓ってのは、せいぜい槍以上、魔法以下の距離で使う武器なの!モンスターを百メートル離れたところから狙おうなんて、普通はしないの!何処ぞの迷子じゃあるまいし、無茶なことを言わないでくれる?」

 

「リズの言う通りだ、何処かの迷子ピーナッツの様に非常識極まりない発言は控えた方が貴様の身の丈に合っている。理解したか?ヘカ子」

 

「ねぇ?おめぇさんらは俺を交えないとマトモに喋れないの?」

 

「「なんだ、いたの」」

 

「おろ!?さっきから居ますけどっ!?」

 

元より、眼中に存在していなかった道化師が居た事に真顔で言い放つ鍛冶屋コンビ。その扱いの悪さに彼は突っ込みを放つ

 

「取り敢えずだ、景気付けに鍋でもやるか」

 

「おやまあ、ぼっちにしてはナイスアイデアだ。確かに寒い日は鍋に限るからなぁ」

 

「よっしゃ!そうと決まればだ、ストレージにあったのを適当に放り込もうぜ!」

 

「つまりは何時も通りですね」

 

「もぐもぐ……」

 

例によって、定番とも言える鍋を囲み始めるソウテンたち。しかしながら、料理スキル皆無である彼等には明らかに不可能だ。少しでも高いスキルを持っていたなら、別だがミト以外のメンバーが上げている筈も無く、味見係のヒイロが口に運ぶ

 

「ヒイロ。味はどうだ?」

 

「リーダーの足の裏みたいな味がする」

 

「おやまぁ、最悪じゃねぇの」

 

「なら、チーズケーキを入れようよ!」

 

「ついでにバームクーヘンもな!」

 

「生クリームも入れとこうぜ」

 

「総長さんもそっち側?」

 

「諦めなさい……手遅れよ、レン」

 

そう言うと二人のバカと一人の獣がストレージからチーズケーキ、バームクーヘン、生クリームを取り出し、鍋に投入。再び、味見係のヒイロが口に運ぶ

 

「どうです?ヒイロくん」

 

「今度はキリトさんの靴下みたいな味」

 

「おやまぁ、これまた最悪じゃねぇの」

 

「仕方ねぇな!このクラウンバナナを提供してやるぜ!オッさんの力作だ!」

 

「うむ!最高傑作とも言える!」

 

「バカだろ、お前等。限りなくバカだろ」

 

「バナナ好きも極めるとアホだねぇ」

 

「「んだとゴラァ!!迷子にぼっち!!」」

 

「「やんのかゴラァ!!ゴリラブラザーズ!!」」

 

売り言葉に買い言葉、最終的には鍋を囲んでいた全員で乱闘に発展する。刹那、扉が開き、買い出しに出ていたミトとアスナ、リーファの三人が姿を見せた

 

「ただいま。私が居ない間に変なことして…なにしてんのぉ!?」

 

「見て分からねぇの?鍋だ」

 

「鍋なのは見たら分かるわよ。私が聞きたいのは何を入れたのかってことよ」

 

「ピーナッツバター的な調味料」

 

「落花生そのもの」

 

「パスタ的な麺類」

 

「「バナナ」」

 

「フライドチキン的な揚げ物」

 

「その辺の草を少々」

 

「チーズケーキです」

 

「バームクーヘンだ」

 

「一つもマシな食材が入ってないじゃない!!バカどもっ!」

 

「「ぐもっ!?」」

 

ソウテンたちの頭上に鎌が振り下ろされ、彼等は何時もの様に御決まりの叫び声と共に床に減り込む

 

「とーさんたちもかーさんもいつも通りだなぁ」

 

「マスター・フィリアに思考能力の低下を確認しました」

 

「パパはやっぱりおバカさんですね!」

 

「はぁ………何時もと変わらないなぁ……みんなは…」

 

「ですね…」

 

安定の変わらなさを見せる仲間たちにアスナは苦笑し、リーファも吊られる様に乾いた笑いを浮かべていた




いざ、聖剣を目指して極寒の大地へ!しかし!彼等の道中には危険が盛り沢山!えっ?なぜに?何故、ダンジョン内部にこんな場所が!?

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