「………ぐっ!?中々にやるではないか!テンチョウ!我が斧をこうも容易く躱すとは……相当な武人であると御見受けする」
「はっはっはっ、お褒めに預かり光栄だ。して?今迄に其方の斧を躱した者は如何程なのだ?」
「十人だ」
「割といるんかいっ!?」
レンタルショップヨツンヘイム、其処は知る人ぞ知る穴場とも名高い伝説のレンタルショップ。そして、今この伝説のレンタルショップにて、
「そうだな……割といる。否!貴殿はその中でも最弱だがな!」
「なんだと?聞き捨てならんな、その言葉は。我こそは四本槍が一人!霜の店長の呼び名を持つテンチョウ!」
「其れは二十分程前に聞いた。だがな…貴殿が如何に名だたる名将であろうと私の知る武人たち……
「押し通る?猿の妖精よ、其れは死を覚悟したと捉えてよいのだな?」
ぎりっと奥歯を噛み締め、前方のコーバッツを見据え問いを投げかけるテンチョウに対し、彼は斧を握り直す
「まさか……貴殿を叩き潰すという意味だっ!!!」
予想もしていなかった返答、その顔には不敵な笑みが浮かび、まるで《蒼の道化師》と呼ばれるギルドリーダーを彷彿とさせるその表情にテンチョウは息を飲む
「倒すだと?我を…世迷言を!!」
「世迷言上等!!我が生涯にて尊敬する者は如何に道に迷っても、自分らしくある事を忘れぬ
嘲笑いながらもテンチョウが駆け出すと同時に、コーバッツは啖呵を切りながらも自らが尊敬してやまない道化師と共に歩み続ける事を宣言し、テンチョウを天高くに放り投げ、体制を崩したのを見逃さず、懐に入り込む様に飛び上がる。頭から落下するテンチョウの上付近に飛び上がったコーバッツは体を螺旋回転させる
「ハジケ奥義・突貫ネジマキ螺旋!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」
まるで貫き通す螺子の如く、コーバッツの放った螺旋回転はテンチョウを貫き、響き渡る断末魔と共にその姿を四散させていく
「勝利のバナナスムージーは美酒に勝るとはこの事だな!今行くぞ!家族たちよ!!」
かくして、レンタルショップヨツンヘイムでの戦いはコーバッツの勝利に終わった。後に彼がハジけを極めた教師、ハジケティーチャーと呼ばれることは、今はまだ誰も知らない
「レンタルショップにクッキングスタジアムの次はレーシングサーキットだと……!?」
「このゲームはファンタジーなんじゃないの?何処にも要素が見当たらないんだけど、なに?迷子なの?」
「総長さんもシノンさんも落ち着いてよ。ほら、あっちは落ち着いてるよ?」
レンタルショップとクッキングスタジアムよりも先の階層に進んだキリトたち。その先に待ち受けていたレーシングサーキットに困惑するツキシロとシノン。然し、二人に落ち着きを促すレンは困惑している事に変わりはないが視線の先にいたキリトたちを指差す
「レーシングサーキットか。前にみんなでやった配管工カートを思い出すな」
「ああ、キリトくんが自分で自分の罠に引っかかった挙句にミトに完膚なきまでに負けてたゲームだよね」
「リーダーは逆走してた」
「仕方ありませんよ、
「というかスタートした瞬間に逆走っておかしくない?まぁ、リーダーさんだから今に始まったことじゃないんだけど」
「テンくんもだけどフィリアも変だよ。だって、同じ道を行ったり来たりしてたんだよ?」
「なにせ、兄が
「迷子の子は迷子」
「ヒイロくん?それを言うなら蛙の子は蛙よ」
レーシングサーキットの話題から一瞬で脱線するのは当たり前の光景とも呼べる。如何なる時も変わらずにふざける、其れが彼等の持ち味と呼ぶべき
「ほう………」
「どうしたのよ?アマツ」
唯一、騒ぎに参加していなかったアマツは
「このレーシングサーキットだが……由緒あるモンテカルロ市街地を参考にしているようだ。子ども時代に親父に連れて行ってもらったレースで観た経験がある……確かバルバジュアンという料理が美味だった」
「料理しか覚えてないじゃない!?」
「記憶とは料理の思い出だからな」
「ヴェルデ。職人は今日も意味分からないね」
「職人ですからねぇ。スグちゃんみたいに心までが筋肉な訳ではないだけを良しとしましょう」
「そうそう、あたしって心までが筋肉だから、昔を懐かしむ気持ちが………って!誰が心までが筋肉よっ!!!」
「本日二度目にも関わらず、ノリツッコミがお上手ですね」
「だから褒められても嬉しくないっ!!」
アマツの意味不明な言動に難色を示すヒイロを咎めながらも、ヴェルデは恒例とも言えるリーファ弄りに勤しんでいた
「全く……仕方ない奴らだ。なっ?プルー」
「ププ〜ン」
弟分たちの姿にため息を吐きながらもプルーの頭に手を置き、同意を求めるキリトであったが本日三度目のあしらいを受ける
「なにしやがんだァァ!駄犬!」
「プルーは駄犬じゃないよ。リーダーがしっかりと躾けてる」
「でも前にとーさんがキリトの写真を見せて、「ほ〜ら、こいつがぼっちだ。よぉ〜く覚えろよ?いいな?プルー」とか言って、何かを仕込んでたよ」
「そうか………後で彼奴にはピーマンを鼻に詰め込むの刑に処してやらないとな」
「パパがテンにぃに嫌がらせしようとしてますよ!ママ」
「テンくんが愛されてる証拠だよ」
突然の反乱にプルーに空手チョップを叩き込みながらも、親友が自分を嫌う様に躾けていたと知るや否、彼の嫌いなピーマンを鼻に詰め込むことを誓うのであった
「それで?貴様は何処の誰だ」
「我が名はサーキットヨツンヘイムの守護を任された四本槍が一人!霜の整備士長の呼び名を持つセイビシチョウ!我が最強のレーシングカートとデッドヒートを繰り広げようぞ!」
「なっ……なんだと!?」
「今迄の変な人たちよりも割と真面なヤローが現れやがった!!」
「突然変異だ」
「違うよ、ヒイロ。突然変態だよ」
「名前が安直なのは変わらないんだね……」
「手抜きよ!手抜きだわ!」
「リズは落ち着いて……うん、まぁ手抜きだとは思うけど…」
アマツからの問いに答えたツナギ姿男性基セイビシチョウ。何時の間にか紛れ込み、他の階層の刺客とは異なる良識ある彼にキリトたちは戦慄し、リズベット、リーファ、アスナは呆れていた
「良いだろう………そのレース、このアマツが引き受けよう。ヴェルデ、ヒイロ!ついでにグリの字!協力しろ!」
「「「お任せを。職人」」」
「アマツが燃えてる……!」
「こんな職人さんは見たことがありません!」
突然の豹変を見せ、ヒイロとヴェルデ、グリスに呼び掛けるアマツ。その今までに見た事ない姿にキリトとシリカが驚愕する
「今こそ……アップデートで手に入れた新たな力を見せる時だ………其れではご唱和ください!桃栗三年柿八年!」
「タヌキ寝入り狐の嫁入り!」
「来たりて姿を見せたもう!」
「おいでませませ」
「「「ウィンド・フルレー号!!!」」」
「「機関車が出たーーーーっ!?」」
口上と呼ぶには余りにも締まりと纏まりがない謎口上に導かれ、時空の壁を破壊するかの様に機関車が出現する
「我が駆動式蒸気機関車の前に塵芥となりやがれ!行くぞ!」
「暴れるぜ!」
「わくわく」
「道なき道を進みましょうか」
「ほう、この俺を相手にレースを挑むか…….その意気やよし!!」
セイビシチョウを相手にウインド・フルーレ号に乗り込み、レースを挑むアマツとグリス、期待に胸を躍らせるヒイロの隣ではヴェルデが眼鏡をくいっと上げる
「職人……」
「キリの字。剣を折るなよ」
「すまん!行こう!みんな!」
「ヒイロ!頑張ってね!」
「オーケー」
「まあ、俺に寝かしとけ!」
「グリスさん?寝てはダメですよ」
「きっくん……死なないでね!」
「えぇ……ご武運を」
アマツとグリス、ヒイロとヴェルデを残し、次の階層に走り出すキリトたち。去り行く仲間の声を背に受け、彼等は手にした得物を手に、不敵に笑う
「示すべきは道化の真骨頂!」
「走り抜けるは爆速機関車!!」
「誰が呼んだか知らないが……!」
「泣く子も笑う《
((((レース開始じゃぁぁぁぁ!!!))))
「それで?なんとか第四階層に来た訳だが………どうなってるんだ?これは」
第四階層に足を踏み入れたキリトたち。然し、其処に待ち構えていた光景に彼等は驚きを隠せない。其れは何故か?今までの時間が何だったんだと言わんばかりの光景が広がっていたからに他ならない
「「ヌヴォォォォォォォォ!!」」
「「普通の階層ボスがいるぅぅぅぅぅ!!」」
そう、其処には巨大な牛の化け物がいたのです
突然のマトモな展開に戦慄するキリトたち!然し!其処に乱入者が!御通し?んなもん知らん!喰らわせてやろうぜ!ハジケ超奥義!階層すらもぶち抜け!
NEXTヒント これが漢の生き様じゃい!!
ソウテンたちの愉快さに笑ってもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気