「おやまあ……随分とでけぇ扉だ。インターホンは何処かにゃ?」
「テンちゃんってば知らないの?最近はカメラとリンクしてたりとか、スマホやスマートウォッチからも来客者を確認出来ちゃう時代なんだよ」
「なぬっ!そんなハイテクが当たり前になってたんか!」
「ホントに時代に疎いなぁ〜。年齢を重ねた時にパパみたいな機械音痴になるよ?」
「ならん、あんな電子レンジにゆで卵をぶち込む様なアホンダラと同じにすんな」
「仕方ないよ、だってパパだよ?エリートの割には頭の八割がテンちゃんみたいに迷子なパパなんだよ?」
「そうか、そいつは仕方………おいコラ、誰が迷子だ。訴えるよ?そして勝つよ」
最深部のボス部屋を前に頓珍漢な会話を繰り広げる
「お……おおっ……」
扉を潜った先に待ち受けていたのは、金銀財宝で溢れ返った大広間。誰もが圧倒される中で逸早く動きを見せたのは
「いやん♪なにこれっ!お宝ちゃんがこんなにたくさん!もらっていいの!?というか、もらう!」
「おやまあ、ねーさんの目が分かりやすく¥マークに変わってるよ?とーさん」
「昔から我が妹ちゃんはお金と落花生に目がないからねぇ」
その瞳を¥マークに変化させ、宝の山を前に分かり易い態度を見せるのはトレジャーハンターらしいとも言えるが客観的に見れば、がめついだけにも見える
「ちょっとアマツ!これ!総額で何ユルドくらいあるのよっ!フランチャイズも夢じゃないわっ!」
「フランチャイズか……悪くはないな」
その背後でリズベットとアマツは店舗拡大という夢を語り合い、此処にある宝を普通に盗む気であった
「小虫が………飛んでおる。ぶんぶんと煩わしい羽音が聞こえるぞ。どれ、悪さをする前に、一つ潰してくれようか」
刹那、広間の奥から重低音の様な声が響き渡ったかと思えば、声の主は座していた玉座から立ち上がった。床に響き渡るのはその者が歩く音だろうか、重く、鈍い音が確実に迫って来るのを感じ、
「ふっ、ふっ……アルヴヘイムの羽虫共が、ウルズに唆され、我が城に潜り込んだか。どうだ、いと小さき者共よ、あの女の居場所を教えれば、黄金を持てるだけくれてやるぞ?」
「ホント!?」
「フィー……黙れ」
「あい……」
「盗人と言われても可笑しくない状況にも関わらず、素敵な提案をしてもらって悪いが………其奴はちょいと出来ねぇ相談だ。俺は一度でも受けた依頼は何があろうと完遂するのがポリシーでな………」
声の主からの提案に乗ろうとする妹の頭を引っ叩き、道化師は蒼き衣を棚引かせ、槍を担ぎ、真っ直ぐと前方を睨み付ける
「テメェ如きの財宝になんざ興味はねぇんだよ!!!ヒゲジジイ!!」
最深部に居るということはクエストの黒幕、巨人の王。然し、彼はその巨体に物怖じする事もなければ、後退する素振りも見せない。それどころか、明確な敵意を放ち、啖呵を切った
「おお、フレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がつい────」
「耳になんか詰まってんのか?テメェと話してんのは俺だろ」
巨人がフレイヤに気付き、彼女に呼び掛けようとした瞬間、投擲された槍が頬を掠める。其れを放ったであろう仮面の道化師は槍を放った
「礼儀を知らぬ羽虫がおるようだ……」
「ちょいと育ちが悪くてな……どうも長い話は苦手でいけねぇ………だからよ、道化師と遊んでくれや」
仮面から覗く蒼き眼は万物を見透かすかのように、不敵に笑う姿は道化そのもの。スリュムは知っている、この妖精と似た笑みを持つ者を、神を、然し彼は妖精。同じである筈がない、それでもそう思わずにはいられなかった
「貴様………
「加護だぁ?んなもんは受けてねぇよ。俺は泣く子も笑わせる《
「「「了解!リーダー!!」」」
その言葉と共に戦いの火蓋が切られ、
「ヌゥンッ!!!」
「どわっ!?んだこの発勁!!一撃でこの威力かよっ!?」
「狼狽えるなっ!グリスよ!我々は己が役目を果たすのだっ!」
「おうよっ!」
破壊力に特化した一撃を喰らいながらも、
「ヌゥンッ………小癪な真似を……羽虫如きが!!我が兵の前に塵芥と消えよっ!!」
その言葉と共に巨人の王基スリュムが生成したのは氷のドワーフ。単体でも厄介な強敵に配下が生まれ、更なる苦戦を強いられる
「シノン……レン………暴れるぜっ!!」
「「アイアイ!総長!!」」
刹那、後方から聞こえた頼もしい声。赤き獣はぎらりと上顎から犬歯を覗かせ、女神と兎に呼び掛ける。其れと同時に答えを返した彼女たちは弓と杵を構え、ドワーフを蹴散らしていく
「ツッキー!其方は任せていいか?というか任せた!」
「へっ……狼を顎で使うたぁ、マジモンの
「私はチョコミントパフェをお願いするわ」
「あっ!じゃあ、私もキャロットパイ!」
「ツッキーの以外は聞いたこともねぇんだけど!?」
援護の対価に好物を要求するツキシロに続き、シノンとレンも聞いたことがあるようでないスイーツを要求するのに対し、ソウテンは両目を見開く
「ヴェルデ!何処を狙えばいいかを指示してくれ!」
「お任せを………
「きっくん……それはノープランって言うんだよ」
「違いますよ?プロジェクトトツゲキです」
「喧嘩してる場合かっ!!どうする………どうすれば……」
「
「あいよっ!」
何処を狙えばいいかも不明なスリュムを前に思考を巡らせていたキリトが何かを思い付くよりも前に、名を呼ばれたグリスはハンマーに乗せた道化師を天井目掛け、かち上げる。その道化師は、不敵な笑みを浮かべ、蒼き衣を棚引かせ、誰よりも高く舞った
「
刹那、頭上から無数の槍が雨のように降り注いだ。突然の状況にスリュムは防御姿勢を取り、攻撃を中断、その隙を見逃さなかったキリトが駆け出す
「ミト!左脚は任せた!」
「仕方ないわね……任されたわ!」
呼び掛けられたミトは鎌を手に、全速力で前方に飛び出す。後方支援特化であるにも関わらず、元が戦闘主体であるが故に切り替えが効くミトはキリトとの戦闘時のコンビネーション率が高く、適切な対応が可能なのだ
「くっ……!このままでジリ貧だ!何か策はないのかっ!」
「兎に角!ヴェルデが言ったみたいに叩ける所をぶっ叩くしかないっ!!」
「だけどジリ貧なのに変わりはない。どうするかを考えるべきだと思う」
「そうですよ!ディアベルさん!ただ単に叩いてるだけじゃ倒せないです!」
「………スリュム………フレイヤ……なるほどな、理解したぞ。フレイヤさん、貴女に聞きたいんだが…望みはあるか?」
猛攻に耐えかねたコーバッツが吠えるのに対し、ディアベルとヒイロ、シリカが彼を宥めながらも思考を練ろうとしていた時だった。唐突に、アマツが後方でアスナと支援に徹していたフレイヤに問う
「望みはただ一つ……我が一族の秘宝を取り戻すことにあります。
「「「
問いに答えたフレイヤの言う
「この位の大きさの、黄金の金槌です」
「………おろ?聞き間違いかな?金槌とか言わなかった?今」
「ああ、きっと聞き間違いだ。テンの耳は可笑しいからな」
「だよなぁ〜、金槌なワケねぇもんな」
自分たちの聞き間違いと思い、軽口を叩き合いながらも笑い合う三人。然し、フレイヤの表情は真剣そのものだった
「金槌です」
「「「せーの!なんだってェェェェェェェェ!!!」」」
声を合わせ、叫ぶ三馬鹿。この叫びヨツンヘイムを超え、アルヴヘイム全体ひいてはアインクラッドまでに木魂したと後に伝えられる
お宝の山から金槌を探す?それならわたしの十八番!トレジャーハンターの名は伊達じゃない!
NEXTヒント 蒼き狩人
ソウテンたちの愉快さに笑ってもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす(コラボする方は事前にキャラ崩壊の承諾を願います♪シリアスな雰囲気とか書けるタイプじゃないんで♪)
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気