「ようやくだね、キリトくん」
「ああ……ようやくだ。今日から遂に俺たち家族の新生活が始まるんだ」
「嬉しいです!また前みたいにパパやママと一緒に暮らせるんですね!」
青く澄み渡る空に宝石のように、きらきら、と光る水面が特徴的な湖が広がる静かな湖畔地帯。其処に佇む一軒のログハウス、家族三人で暮らした懐かしの場所にキリト、アスナ、ユイはいた
「やっぱり………良いね、家族水入らずの時間って……テンくんたちと騒ぐのも悪くないけど、偶には三人だけになれる場所も必要だもん」
「ああ……何があっても、俺たちは三人一緒だ。家族だからな」
「パパ!今のなんかちょっとテンにぃみたいです!」
「あんな迷子と一緒にするんじゃありません」
笑い合い、語り合い、時間が経つのも忘れる様に三人は家族水入らずの時間を満喫する
「なぁ、ミトさんや?こたつはなして、人をダメにするんだろうね」
「それはね?人類が鍋を囲む為にこたつを生み出したからよ、テン。寒い日にこたつに入りながら、鍋を囲むのは銀河系の真理よ」
「銀河系の真理?えっ?なに?ミトは何を言ってるの?」
「おやまあ、今日もかーさんの鍋は
「「って!なに!人の家で普通に寛いでんだっ!!」」
「あっ!ロトくんにミトさん!フィリアさん!ついでにテンにぃ!」
突如、聞こえた声に振り返る。その先では、見覚えのある仮面の道化師と、これまた見覚えのある薄紫色のポニーテール少女、その息子と黒髪の少女が、炬燵を入りながら、何時も通り鍋を突いていた
「おう、邪魔してんよ。というかユイちゃんは何故に俺の扱いが酷いん?泣くよ?泣いちゃうよ?」
「泣いちゃ駄目よ?テン。きっとユイちゃんは反抗期なのよ。だから、暖かい眼差しで見守りましょう、ねぇ?アスナ」
「いやいや!当たり前のように挨拶返されても、反応に困るんだけどっ!?いつの間に来たのよっ!?だいたい!鍵はどうしたの!?またテンくんの仕業っ!?」
「失礼だな、今日はちゃんと正規の手順を踏んだぞ。其処の窓から入ったんよ」
「戸締りが甘いわよ。これがテンじゃない誰かなら、確実に何かしらを盗まれてたわよ?まぁ、泥棒もテンも大差はないけど」
「ミトはなに?俺に恨みがあんの?次のデートは法廷に行くことになるよ?」
「大丈夫だよ、テンちゃんは有罪判決決定だよ」
「はっはっは、フィーさん?ちょいとお兄ちゃんとオハナシをしようじゃないか」
「やだ」
「そうか、そうか。せっかくの家族水入らずの時間に文字通りの水を差してくれてありがとな。どうだ?鍋に追い出汁をするか?」
「なんだ、キリト。随分と気の利いた真似をするじゃねぇの」
「キリト…暫く見ない間に気の利いたぼっちになったんだね」
「なら、今日は甘めの出汁だから次は辛さが欲しいわね。少し甘辛い出汁とかも興味があるわ」
「…………」
新たな出汁に夢を馳せるミト、その隣でピーナッツバターライスを掻っ込むソウテンとフィリアの頭上にキリトが無言でコチュジャンスープを注ぐ
「からっ!!体中が燃える!!魔女狩りならぬ妖精狩りの火炙りになるっ!!」
「あぎゃぁぁぁぁ!なんか口がヒリヒリするっ!お肌が荒れるぅぅぅぅ!!」
「あぎゃぁぁぁぁ!!目がァァァァ!目がァァァァ!!もうちょい、まろやかにしてくれんとリアクションが取りづらい!!」
「大丈夫だ、リアクション芸人もビックリなリアクションが取れてるから」
「ユイとアスナも食べる?美味しいよ」
「わぁ!いただきます!」
「ミトって鍋だけにスキル全フリしてるよね……あっ、具材に出汁が染みてて、美味しいかも…」
コチュジャンスープを頭から被り、床を転げ回るミトとソウテン、フィリアの三人を見ながら、冷静に対応するキリト。其れを見ながら、ユイとアスナはロトが差し出した鍋を突いていた
「ヒイロ!大変だよ!あっちに防音室があった!」
「其れは大変。よし、これからは此処がシリカのボイストレーニングルームだ」
「そうだね!あっ、お土産のベイクドチーズケーキです。新居祝いにどうぞ」
「ありがとう、シリカちゃ………って!!なんで普通にいるのよっ!?」
「え?今日は確か、引っ越しパーリィの二次会でしたよね?」
「だからどんなパーリィよ!?というか一次会もやってないわよ!!」
何の前触れもなく、姿を見せたシリカとヒイロ。新居祝いにベイクドチーズケーキを差し出し、笑いかけるシリカにアスナは突っ込むが彼女は意味が分からないと言わんばかりに首を傾げる
「キリトさん。このお茶碗ですけど、何処に置けば?」
「きっくん!駄目じゃない!しっかりとお箸も準備しないと!」
「おいコラ、何をしようとしてるんだ?眼鏡に我が妹」
「見て分かりませんか?お泊まり用に自分の茶碗とお箸を片付けようとしてるんです」
「そうだよ、お兄ちゃん。何か問題あるの?」
「あるわっ!!ここは俺とアスナ、ユイの家だっ!!」
真顔で問うヴェルデとリーファにキリトが突っ込んでいると、誰かが肩に手を置く
「はっはっは、そのように殺気立つのはいかんぞ?キリトよ。そういう時にはバナナを食べると良い」
「バームクーヘンもあるぞ」
「帰れ、ゴリラに全裸騎士」
「「やんのか、ぼっち」」
当然のように姿を見せるコーバッツとディアベル、諦めの境地に行き着いたキリトが普通に帰宅を促すと、彼等は拳を構える
「閃子、当たり前のように押し掛けて申し訳ない。引っ越し祝いに包丁セットを持ってきたんだが………」
「ありがとう、アマツくん。君だけは大歓迎よ」
「私もエプロンを作ってきたわよ!!」
「ありがとぉー!リズのそういうとこだいすき!」
包丁とエプロンを受け取り、喜ぶアスナ。その彼女を他所にキリトは辺りを見回し、誰かを探す
「どうかしたか?キリの字」
「グリスを知らないか?あのバカ騒ぎにアイツが居ないのは不自然だと思ってな」
「グリの字ならば、風呂上がりにバルコニーで整おうとしているところだ」
「バルコニー?何処の?」
「無論、この家のバルコニーに決まっているだろう」
「………アマツ。アスナとユイを暫く頼む」
「構わんが、お前はどうするんだ?」
アマツが問うと、キリトは良い笑顔を浮かべ、愛剣をストレージから取り出す
「ゴリラ狩りに行ってくる」
「そうか、気をつけてな」
バルコニーに向かい、テラスで日光浴をしながらも整う一匹を発見し、愛剣を振り被る
「こんのゴリスゥゥゥゥゥゥ!!」
「なんだっ!?カチコミかっ!!もしくは討ち入りか!?なっ!キリト!てめぇ!バルコニーで何してんだっ!?」
「其れはお前だっ!!このゴリラ!!!」
「あぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
静かな湖畔沿いのログハウスに悲鳴が木霊するのであった
「あー………星が綺麗ね、ミト」
「そうね、アスナ」
次回は遂に本編!絶剣を相手に如何なる彩りを見せるのか!!必見!!
NEXTヒント 勉強会がなんぼのもんじゃい!
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もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気