蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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絶剣とアスナの戦いは書きません、何故かって?だってアスナの話だよ?これは。テンたちにはテンたちのマザーズ・ロザリオがあるんだよ、他所は他所!ウチはウチ!


第三の太刀 全てを知ってるようで何も語らないのは美学であると誰かが言った

「じゃあ……お姉さん、やる?」

 

そう言って、笑い掛けた《絶剣》は、彼女は自分の前に姿を見せたアスナに何かを感じた。それはアスナも同様、知らない筈の彼女の姿に戸惑いを見せながらも口を開いた

 

「えーと………じゃあ、やろうかな…」

 

「オッケー。じゃあルールを簡単に説明するね、お姉さんは魔法やアイテムをばんばん使ってオーケーのルールありあり………でも、ボクは……」

 

軽い口調で説明しながらも、彼女は軽やかにステップを踏むように動き回り、不敵に笑う。その姿は道化師と呼ばれる仮面のプレイヤーを彷彿とさせるが僅かに幼さが残った無邪気な少女の様にも見えた

 

「〝(これ)〟だけだけどね」

 

腰に帯刀した一対の片手直剣に触れ、笑う彼女。魔法が当たり前の世界観で剣のみに頼るというのは明らかに異質、自分の周囲にも割と存在しているが彼女は仲間たちとは違った雰囲気を持っているような気がしてならないのだ

 

「テン。この勝負は何方に勝利の女神が微笑むと思う?」

 

親友の行く末を見守っていたミトは、隣でピーナッツバターサンドに齧り付く道化師に問う。すると、彼は口をもごもごとさせながら、持っていたピーナッツスムージーを流し込み、彼女の方に向き直る

 

「おろ?ん〜………そうだなぁ……多分だけど、決着はつかない(・・・・・・・)かな……俺の答えは」

 

「そう…………はい?ちょっと待って?今なんて?」

 

耳を疑う発言にミトは自分が聞き間違えたのか?と言わんばかりに目を丸くし、再び聞き返した

 

決着はつかない(・・・・・・・)って言ったんだよ。なにせ、《絶剣》の目的は勝ち続けることじゃないからな」

 

「勝ち続けることが目的じゃない?益々、意味がわからないんだけど」

 

「昨日も言ったろ?ゲームを楽しむだけじゃなく、その世界で生き抜くことにも全力なんだって………この決闘の決着に意味なんか最初からなかった。《絶剣》は必要としていただけなんだよ、自分を高みに導いてくれる誰かをな」

 

「…………それがアスナだって言いたいの?テンは」

 

遥か彼方に広がる澄み渡る空を見上げ、何かを知っている素振りで語る彼にミトは、疑問を抱きながらも自分の親友がその誰かに成り得るかを問う

 

así es(その通り)

 

不敵に笑い、好物に齧り付く彼の横顔。見慣れた表情にミトは「なるほど」と小さく呟き、何かに納得したらしく、目線をアスナの方に向けた

 

「そう言えばさ、前にテンが格闘オンラインゲームをプレイしてた時に互角に渡り合ったプレイヤーがいたよな?」

 

次に話しかけてきたのはパスタ片手に口をもごもごと動かすキリト。ソウテンがVRMMOをプレイするよりも前にプレイしていた格闘オンラインゲームで互角に渡り合ったプレイヤーのことを想起していた

 

「ああ……メリダ(・・・)ね。それがどうしたんだ?」

 

「いやなんか分からないけど、《絶剣》を見てたら急に思い出したんだ。βテストで一度だけ対人戦をしたことがあったんだけどさ、何でだろうな………《絶剣》の中に彼女を感じるんだよ。それ以外にも二人……彼女の中にはたくさんの想いが詰まってる様に感じる」

 

何故だろう、疑問に思いながらもキリトは《絶剣》の姿を視界に焼き付ける。彼女の振るう剣は、《メモリークラウン》の様に自分以外の誰かの想いが乗っている、そう感じていた。何故かと問われれば、即答する事は出来ない、それでもキリトの眼にはそう映ってたのだ

 

「リーダーが最初に戦ったんだよね?確か」

 

次に話しかけてきたヒイロは焼き鳥を頬張り、《絶剣》の初陣の時の出来事を想起し、ソウテンの肩に肩車の体勢で腰掛ける

 

「そっ、模擬戦最初にして初陣の相手。いわゆる初めての人。つまりは……十一連撃(・・・・)を喰らった唯一の相手だ」

 

「ふぅん……リーダーが負けたのは見てたけど、最初の相手になろうと思ったのはどうして?」

 

「う〜ん……なんでかと聞かれると答えに困るんだけど……一番の理由は彼女の真意を見極めたかったからな?誰かを知る為には刃を、拳を交えるのが一番のやり方だってのを誰かさんに教えてもらったからな。ぶつかんないと伝わらねぇこともあんだろ?」

 

「納得。リーダーはやっぱり……すごいね、しっかりと先を見てる」

 

「ふふん、そうだろう」

 

「迷子だけど」

 

「ヒイロくんや、お兄さんとオハナシしようか?」

 

「やだ」

 

真剣な雰囲気から一変、道化師は弟分の上げて落とすを体現した行いに、じりじりと詰め寄り、最終的には有名なネコとネズミのコンビにも匹敵する追いかけっこを始める

 

「ディアベル、お前はどっちに賭けた?アスナか?」

 

「《絶剣》だな。グリスは?」

 

「俺もだぜ。というか、この賭けって成立してんのか?」

 

「均等は取れている筈ですよ?なにせ、相手は《バーサクヒーラー》基……我等が《閃光(アスナさん)》ですからね」

 

「だよなー、そうなるとしくじったか?最初からアスナに賭けときゃ---ぐもっ!?」

 

「グリスが死んだ!!」

 

「一体誰が!」

 

「私の親友を賭けの対象にするとは良い度胸ね?ちょっと、ツラを貸しなさい?答えは聞いてないわ」

 

「「イヤァァァァ!!」」

 

親友が賭けの対象になっていたと知り、グリスの頭上に鎌を振り下ろした彼女はトレードマークの紫色の尻尾(ポニーテール)を靡かせ、優しく笑う。それはもう優しく、妖艶の一言が似合うレベルの綺麗な笑顔、死神の笑みで笑い掛けた

 

「グリスさーーん!?大丈夫ですか!死なないでェェェェ!」

 

「リーダー。お墓はどうする?バナナの苗?」

 

「焼き鳥の串でよくね?めぼしいもんがねぇし」

 

「ぷぷ〜ん」

 

目を回すグリスの体を揺するフィリアを見ながら、ヒイロが墓石の心配するとソウテンは手頃な物で済ませるというなんとも罰当たりな発言をする。その時だ、足元にいた彼の愛犬がコートの裾を引っ張った

 

「おろ?なんだ、プルー。キャンディーの棒なんか差し出して……まさか、これを墓にしろと?」

 

「ぷん」

 

好物の食べかすとも呼べる棒を差し出す愛犬に、意図を理解した飼い主が問い掛ければ、そうだと言わんばかりに首を縦に振る

 

「勝手に殺すなっ!!生きてるわ!ボケがっ!!」

 

「「ちっ………」」

 

「舌打ちしてんじゃねぇよ!!」

 

結束力って何?と言いたくなる様な騒がしい雰囲気。本来の目的も忘れ、何時もと変わらないハジけを見せつける《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》の面々。その時だった

 

「うーん、すっごくいいね!道化師さんに依頼して良かったよ!お姉さんにきーめた!」

 

剣を下ろした《絶剣》はアスナに迫り、花が咲いた様な笑顔で彼女に話しかけた

 

「え………デュエルの決着は?」

 

「こんだけ戦えば満足だよ!それとも、お姉さんは最後までやりたい?」

 

「う………」

 

デュエルの決着を気にするアスナに対し、《絶剣》は悪戯を思いついた様に無邪気に笑い、意地の悪い質問を投げかける

 

「ずっと……ぴぴっとくる人を探してたんだよ。ボクと一緒に来てください」

 

差し出された手、それは初めてVRMMOに、デスゲームに、仮想世界に触れた日。親友が連れ出してくれた手に似ていた

 

「アスナ。行ってあげて、それもまたゲームの醍醐味よ」

 

「ミト……ありがとう……後で連絡するね!」

 

二人で共に駆け回った数日間に交わした懐かしい言葉に背中を押され、アスナはその手を取り、空に飛び立つ

 

「アスナが誘拐されたーーーっ!!てぇへんだ!てぇへんだ!」

 

「そうだな、お前は人間の底辺だ。キリト」

 

「んだとコラァ!!!」

 

「やかましいっ!黙っとれ!!!」

 

「「ぐもっ!?」」

 

慌てふためくキリト、それに間髪入れずに悪口を放つソウテンの頭上にミトは鎌を振り下ろし、空を見上げる

 

「いってらっしゃい」




絶剣と共に飛び立ったアスナを見送ったソウテンたち、そこに依頼が舞い込む。如何なる理由があろうと、大切な誰かを傷付けることを許さない道化たちがその仮面を手に取る時、それは世界を彩る時だ!!

NEXTヒント 大胆不敵

ソウテンたちの愉快さに笑ってもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす(コラボする方は事前にキャラ崩壊の承諾を願います♪シリアスな雰囲気とか書けるタイプじゃないんで♪)

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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