「みんなー!がんばってるー?さー、戦闘開始だよ!」
強敵を前に動き出そうとした瞬間、ソウテンたちの目の前に眩いばかりの瞬きと共に銀髪の少女が姿を見せた
「ミュージックスタート!」
その言葉と共に、プレイヤー全員にバフが発生し、同時にカウントが始まり、《カガチ・サムライロード》も動き出す
「ユナが歌い始めた!」
「おお…!」
「ボーナス付きのスペシャルステージだぜ!やっぱりARアイドルが一番だなっ!」
「う〜む、ユナの人気は上限を知らねぇな。これを
「多分だけど、あの子の場合はステージと名のつく全てが舞台だと思ってる節があるから、勝手にライブをやりかねないわ。自分以上のアイドルは金輪際現れないとか断言してるほどの筋金入りのバカドルだもの」
「ああ。あの
「ちげぇねぇ」
此処で説明せねばなるまい、ボーナス付きスペシャルステージとはキャンペーンキャラクターを務める歌姫のユナが登場するイベントの事だ。彼女が出現し、歌を歌い始めるとプレイヤーたちのステータスに上昇される、即ちバフが与えられるのだ
「来るぞっ!テン!」
「分かってるっての。ミトは後方から観察して、指示を飛ばしてくれ。キリトは攻撃パターンをミトに教えた後でアスナと一緒に前線へ、ディアベルは他のプレイヤーのまとめ役を、グリスとコーバッツはタゲ取りを頼む。キッドはディアベルと行動してくれるか?」
「「「了解!リーダー!!」」」
「アイアイ!ギルマス!」
的確に飛ばされたソウテンの指示で各々が役割の配置に着く。此処で更に説明せねばなるまい、キッドがソウテンをギルマスつまりはギルドマスターと呼ぶには理由がある。彼女が《GGO》で所属するスコードロン《
「正直……ARは好きじゃないんだけどな……」
「あん?なんでだよ、キリト。体動かせるし、一席似鳥じゃねぇか」
「一石二鳥な、それを言うなら。喧嘩の時は何時もは木刀メインだろ?俺って。拡張現実とはいえ、剣を扱うのは割と難しいんだよ……テンみたいに足技で無双出来たら別だけどな」
「確かに……現実で武器ってのもやりにくいかもなぁ。俺も知らねぇ間にぶん殴っちまいそうだぜ」
「問題は当たり判定が近接格闘で出るかだな。ちょいと……試してみるか!あらよっと!」
プレイヤーたちに囲まれた《カガチ・サムライロード》に素早く肉薄したソウテンは頭上から蹴りを叩き込み、当たり判定が出るかの検証を行う。これが《ALO》のプレイヤーとのデュエルならば、ダメージが入るが、今はARがメインの《オーディナル・スケール》。故に検証には意味がある
「ありゃ、やっぱ無理か」
「当たり前でしょ!というか!いきなりボスを前に蹴りをしない!これが《SAO》だったら、どうなってると思ってるのよ!バカテン!」
「ぐもっ!?」
当たり判定が出ない事を確認したソウテンが残念そうに呟くのを聞いていたミトは、彼の行いに御約束を放つ。然し、これも大切な恋人を思うが故の行動、言うなれば愛の鞭である
「取り敢えずだ、肉弾戦での当たり判定が入らない事は確認できた。鉄砲玉役をGracias」
「やりたくてやったんじゃねぇよ………ディアベル。彼処のプレイヤーについての情報を集めてくれるか?ちょいと動きが怪しい」
キリトからの労いに答えを返そうとしたソウテンであったが戦闘に参加せずに傍観者に徹する一人のプレイヤーを視界に捉える。即座に情報を集める為にディアベルに呼び掛けた
「分かった。少しだけ時間は掛かるけど…調べてみるよ」
「すまねぇな」
ディアベルはそう言い残すと離脱し、情報収集の為に何処かに向かう。元々、彼の役職は仲介人つまりはギルドと依頼者を繋ぐ架け橋の様な役割、故に情報収集には打って付けの人材なのだ
「あっ!やべっ!流れ弾が!」
刹那、虎男風のプレイヤーが放った弾が歌っているユナの方に弾道が逸れる。それに気付いたソウテンが駆け出そうとした瞬間、彼よりも速くに駆け出したプレイヤーがいた
「…………あの速度は……何かがおかしい……こっちに関しても調べる必要があるな」
そのプレイヤーとは傍観者に徹していた青年、頭上に表記されたプレイヤーネームは《エイジ》。更に彼のランキングナンバーは第二位、かなりの実力者である事が理解できるが、ソウテンは彼の何かに違和感を感じ、瞳を細めた
「大技が来るぞっ!タンクのヤツはついてこい!!」
果敢にも《カガチ・サムライロード》目掛け、走り出すエイジ。人間離れした動きは更なる違和感を加速させる、ソウテンは喧嘩に明け暮れる毎日で他者の動きを観察する癖が身に付いている。然し、エイジの動きは彼が今までに見た誰よりも常軌を逸していた。観察を続けていると戦闘も佳境を迎える
「よおし!今ならッ!!」
「……スイッチ」
「はァッ!!」
聞き慣れた言葉が彼女の耳に届く。
「テン。途中から参加してなかったわね、どうしたの?ディアベルの姿も見当たらないけど」
「うん?ちょいと調べたい事があってな。それよりもミトに聞きたい、あのエイジってプレイヤーには見覚えはあるか?《SAO》のプレイヤーだ、多分」
「そうね……血盟騎士団に似た雰囲気のプレイヤーがいたのを見かけた事があるわ。アスナに会う為に足を運んでた私が言うんだから、間違いないわ。恐らくは……
「ふぅむ……不本意だけど……頼ってみるかね……現実の
《オーディナル・スケール》を終了させると天哉は愛車に跨り、深澄と共に帰路に着く。和人は明日奈、純平は高良やクラインと共に帰路に着いた
「で?ディアベル。収穫は?」
同日の《ALO》のギルドホーム、ディアベルと合流を果たしたソウテンは情報収集の結果を問う
「結論から言うとだ、あのエイジってプレイヤーは大学で工学系のゼミに所属しているみたいだ。そのゼミの教授が重村徹大……《オーグマー》の開発者だ」
「なるほど……助かるよ、ベルさん。そのゼミについてはアルゴのヤツに調べてもらってる」
「流石はリーダー。仕事が早いな」
「「「うそぉ〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」」」
情報交換をしていたソウテンとディアベルの耳に届いたのは、二つの声。何事かと思い、ホームの中に戻るとソファに項垂れるリーファ、壁を叩くクラインの姿があった
「何の騒ぎだ……こいつは?」
「ユナのライブチケットをエギルとシノンが当てたんだけど、クラインとリーファは応募を忘れてたみたいなのよ。そういえば、メイリンさんは当てたの?」
「私?そうねぇ〜当てたには当てたけど〜、クラインさんはいらないかしらぁ」
「お供します」
事情を話しながらも、的確なパスを出したミトの問いにメイリンは優しく笑う。刹那、素早い動きでクラインは彼女の前に傅く
「プライドないんか?こいつは」
「俺は当てたけど、いらねぇからキッドにやった」
「ありがとな!総長!ディアベルちゃんが外しやがったから、助かるぜ!」
「ふふん、ありがたく思えよ?俺はシノン以外に興味がねぇんだ。なにせ、ARではシノンの素晴らしいケツと尻尾のマリアージュが拝めねぇからな!やはり、シノケツは尻尾があってこ-----…………」
旧友のプライドの無さに呆れるソウテンの背後で、ライブに興味がないツキシロがキッドにチケットをあげたと告げながら、安定の発言を繰り出した事で脳天に鏃が突き刺さる
「私のリーファにあげるわね。このバカはいらないみたいだし」
「やったああ〜!Gracias!シノンさ〜ん!」
「きゃっ!」
「スグちゃん。人にのしかかるとは、はしたない……潰れますよ?シノンさんが」
「そんなに重くないもん!きっくんのいじわる!」
「ぐぬぬ!あたしを差し置いての人気ランキング一位……許すまじ!セブンちゃんとかレンちゃんあたりならまだしも!ぽっと出の新人に抜かれるなんて……!」
「人気あるんだ。でも俺はシリカの歌が一番かな」
「ありがとぉ〜!ヒイロ〜!」
シノンに飛び付くリーファをヴェルデが相変わらずの意地悪発言で罵倒している隣では、ユナに対抗意識を燃やすシリカを慰めるヒイロが仲睦まじくいちゃつき始める
「あ……あたし……来週は剣道部の部活だった…」
「はい!じゃあ、わたしにちょうだい!なんかよく分からないけどすごいライブなんだよね!行きたい!というか!テンちゃんみたいな音楽素人が無料招待されるのにわたしだけ仲間はずれなんて悔しい!」
「フィーの夕飯はピーマンのピーマン詰めだ」
「それは最早ピーマンそのものよ?テン」
剣道部の合宿で参加できないリーファの代わりにチケットが欲しいと懇願するフィリアの言い分が気に入らなかったソウテンが彼女の夕飯を決めるが、それはピーマンに他ならないとミトが突っ込みを放つ
「今日も平和だなぁ…ねぇ?プルー」
「ぷぷ〜ん」
「クッキーがおいしいですね!エスちゃん!」
「はい、美味です。ユイさま」
その光景を傍観していたロトは愛犬に話しかけ、ユイは親友のエストレージャと共にクッキーを頬張るのであった
情報を集めていく中で天哉は《オーディナル・スケール》に隠された秘密に近付き始める……そして、深澄はかつての学友と再会を果たす
NEXTヒント 高笑いがデフォルトなお嬢さま
ソウテンたちの愉快さに笑ってもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす(コラボする方は事前にキャラ崩壊の承諾を願います♪シリアスな雰囲気とか書けるタイプじゃないんで♪)
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気