蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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今回はふざけなし!つまりはシリアス!まあでもボケは放り込みます♪ギャグ作品を書きたい方は相談に乗りますよ〜


第四曲 再会したクラスメイトは意外と覚えてないのが当たり前

「《オーディナル・スケール》の根幹的なプログラムは《ソードアート・オンライン》に酷似している………このデータはホントか?ロト」

 

「ホントもホント。元が《SAO》のメンタルヘルスケアプログラムAIである僕が言うんだから間違いないよ。にしても……最近はとーさんと二人の時間が増えたねぇ…」

 

彩りの道化(カラーズ・クラウン)》ギルドホーム。情報交換を行いながら、ソファに寝転がるソウテンの頭上に寝転がったロトは染み染みと呟く

 

「《O S》が渦中の代表タイトルだからな、今は。最近は依頼も無いくらいに随分と落ち着いてる…‥偶には静かなのも悪くねぇさ」

 

「でもさぁ、最近のとーさんは物足りなさそうだよ?」

 

「おろ…そうか?」

 

「うん。なんていうか翼をもがれた鳥みたいな感じがする」

 

「はっはっは、そいつは散々な言われようだな。まぁ……そのうちに嫌でも動かなきゃならん時が来るよ」

 

そう告げ、仮面越しに笑う彼の笑みは何時も以上に不敵で何かを知りながらも隠していた様に見えたと、後にロトは語った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?なんで……私も行かなきゃならないのよ。明日奈」

 

「ごめんね?深澄。一応、他のみんなに声は掛けたんだけど……やっぱり忙しいみたいで…」

 

夜遅くに呼び出された深澄がため息混じりに呟くのを聞き、乾いた笑みを浮かべた明日奈は謝罪を述べる

 

「はぁ………分かったわ。偶には二人で協力プレイを楽しみましょう?これもゲームの醍醐味でしょ」

 

「ストップ!二人じゃないよ!わたしもいるし!」

 

久方ぶりの親友との協力プレイに胸を躍らせた深澄が目的地に足を進める為に一歩を踏み出した時、聞き覚えのある声が耳に届く

 

「琴音じゃない。なに?迷子?」

 

振り返った先には、恋人に似た不敵な笑みを見せる茶髪の少女が佇んでいた。見覚えのある彼女は義妹の竹宮琴音、天哉の双子の妹に当たる存在だ

 

「違うよっ!今日はちょっとお義父さんに用事があったんだよ。で、今はその帰り」

 

「琴音ちゃんの家って………埼玉県川越市じゃなかった?」

 

「えっ?東京と埼玉は親戚みたいなものでしょ?」

 

真顔で言い放つ彼女に、双子は普通の兄妹よりも似る箇所が多いと聞くが、それすらも遥かに超越した彼の兄と同じ思考回路をした彼女に深澄はため息を吐き、明日奈も苦笑を浮かべるしかなかった

 

「それで?テンはどうしたの?まーた…なんか動いてるみたいだけど」

 

「あー……それはちょっと分かんない。肝心な事は何にも言わないし、あのバカ兄。スグが言うにはカズも一緒に動いてるみたいなんだよね……アルゴとか、ディアベル、クラディール、菊丸辺りも別に動いてるとか彩葉は言ってた」

 

「ふぅ〜ん………情報集めに特化した面子ね…。まぁ、良いわ。兎に角!今はクラインのとこに向かいましょ」

 

煮え切らない態度の琴音の発言に深澄は疑いながらも、深くは掘り下げずに目的の場所に移動を始める。数十分もすると《オーディナル・スケール》のボス戦が行われる場所に辿り着き、クライン率いる風林火山並びに見知った顔を見つける

 

「明音さん。待たせたわね」

 

「いいのよ〜、ミトちゃん。偶には体を動かすのも刺激になるもの〜」

 

「感激っす……!メイリンさんが一緒にボス戦してくれるだなんて……ありがとよ!ミト!おめぇ!やっぱり良いヤローだな!」

 

「私は女よ?ヤローじゃないわ」

 

明音が参加する事に涙を流すクライン、彼が彼女を誘った張本人である深澄を讃えれば、ヤローという呼び方が気に入らなかったらしく、優しくも瞳の奥が笑っていない笑みで威圧する

 

「明音さんとリアルで会うのは久しぶりだねー。町会長は元気?」

 

「あらぁ〜琴音ちゃんじゃないの〜。お父さんなら元気よ〜。今日も明日の仕込みに使うメンマを作る為に裏山に筍堀に行ってるわ〜」

 

「町会長のメンマ!美味しいよね!あれ!」

 

一方、明音と世間話に花を咲かせる琴音は彼女の父である町会長が作るメンマの話に食い付いていた

 

「生憎と、こっちはまだ全員じゃなくてな。其方はおめぇらだけか?」

 

「純平と高良先生がジム帰りで直行してるはずよ……あっ、噂をすれば来たわ」

 

残りのメンバーを問われ、辺りを見回していた深澄は此方に走ってくる純平と高良を視界に捉える

 

「すまねぇ!待たせた!いやぁ……横浜から走るのも悪くねぇけど、やっぱり疲れるな!」

 

「うむ!少しばかりの疲労感は否めないな!」

 

「バカなの?アンタたち」

 

「はうっ………な、なんて……素敵なの……夜風に滴る爽やかな汗!純平さん!プロイテインです♪」

 

「おう、すまねぇな」

 

ありえない距離を走ってきたと語る二人に深澄が真顔で突っ込む横を通り過ぎた琴音は、何処からか取り出したプロテインを純平に差し出し、彼の筋肉に見惚れていた

 

「じゃあ、私たちは先に行くわ」

 

「私はクライン殿たちと待機しておこう。いざという時の道案内が必要だからな」

 

「いや…一本道だぞ…」

 

高良とクラインたちを残し、深澄たちはボス戦の会場に向かう。数秒もしない内に辿り着いた会場には何時もよりも集まりが少なく、少数のプレイヤーしか集まっていない

 

「………集まりが悪いわ、それに来てるのはミーハーなプレイヤーばっかり……」

 

「イベント効果ってヤツかな?これも。コアなハードプレイヤーたちは別のボス戦に向かってるんじゃないかな?《オーディナル・スケール》は範囲が広いみたいだから」

 

「確かにそうかもしれないわね〜、うちの店に来るお客さんもボス戦がどうとか言ってたけど、見当たらないもの〜」

 

「今は目の前の事に集中しようよ。さぁ!戦闘開始よ!」

 

《オーディナル・スケール》を起動させ、AR世界に身を投じるミトたち。今回の相手はグリフォン、以前の様に《SAO》の階層ボスではなさそうだが油断は禁物。故にミトは冷静に思考を巡らせる

 

「広範囲攻撃に注意して!グリス!タンク隊に指示を飛ばせるわね!?」

 

「あたぼーよ!タンクとしての実力はちり紙付きの骨折りだからなっ!俺は!」

 

「グリスくん。言いたいことはわかるけど、言い間違えてるからね?」

 

「やっぱり素敵……!」

 

「フィリアちゃんは変わった趣味してるわねぇ〜」

 

的確に攻撃を叩き込みながらも、会話を止めないのは普段からの慣れなのたが、他のプレイヤーからしてみれば驚きの光景。然し、これがミトたちの普段のやり方なのはVRMMO界隈では周知の事実だ

 

「おっ〜ほっほっほっほっ!ラストアタックはわたくしがいただきますわっ!!」

 

「しまった…アスナ!」

 

グリフォンをダウンさせた僅かな隙を狙い、後方から響いた高笑い。それと同時に前線に躍り出たのは、金髪に縦ロールヘアの如何にもという雰囲気のプレイヤー、誰よりも早くに反応したミトはパーティーメンバーの中で絶対的な速度を誇るアスナに呼び掛ける

 

「せぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「我が剣の前に平伏なさいっ!」

 

アスナとほぼ同時に金髪少女はグリフォンに一撃を叩き込む。しかし、ミトの眼が見た限りは彼女よりも後者の少女の方が逸早く一撃を入れた様に映った。それが何を意味するのかは分からないが、ミトの脳裏に浮かんだのは似た動きを見せたエイジというプレイヤーを見た時の恋人の反応だった。あの時、彼は何かに気付き、瞬時に的確な指示を出していた。それが何かは知らないが裏で動く此処にはいない彼に報告せねばならないと直感的に感じたのだ

 

「お久しぶりですわね?兎沢さん」

 

「…………………あなたは!もしかして!姉さん!!」

 

「そう、わたくしは…………って!違いますわよっ!!急になんですのっ!?」

 

《オーグマー》を取った深澄は自分に呼び掛けてきた金髪少女に衝撃の呼称をするが、彼女は肯定仕掛けたが瞬時に否定する

 

「ふふっ…今のは誰だか思い出せない人に名前を呼ばれた時の挨拶よ」

 

「やめた方がよろしくてよ?その挨拶は……わたくしをお忘れかしら?私立エナテル女子学院で同じクラスだった後沢ですわ」

 

「後沢……………ああ!確か………下の名前は与太郎?」

 

「芳子ですわ!なんですのっ!?与太郎って!」

 

適当に呼んだ名前は違ったらしく、後沢芳子と名乗った少女。彼女の名を知った瞬間に先程までのやり取りは何だったのだ?と言うレベルで急激に冷めた深澄は真顔になる

 

「ああ、なんだ芳子か。久しぶりね」

 

「なんというか………貴女。以前とは随分違った雰囲気になりましたわね……」

 

「そう?前と変わらないと思うけど」

 

「いえ……以前の貴女は孤高を体現した方でしたわ」

 

「ふぅ〜ん…それで?私に何の用事があるの?芳子」

 

かつての自分のイメージを聞き流しながら、深澄は毛先を弄り、忌々しそうに枝毛を見る

 

「……………お願いがありますわ。お兄さま(・・・・)を止めてほしいんですの」

 

「……………は?お兄さま?」

 

そして、この夜。兎沢深澄は知られざる陰謀に巻き込まれることになる。その裏で動く巨大な何かが何であるかを知らずに、彼女も動き始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オジキ。昨日の話はホントか?此処に高良先生たちが担ぎ込まれたってのは」

 

翌日。東京都内の大学病院を訪れた天哉は白衣にアロハシャツという医師には見えない男性と対峙していた。彼の名は竹宮久道、その名から解るように琴音を引き取った養父で天哉の叔父である

 

「ああ、一昨日の夜に一人、昨日の夜に高良さんたちが運び込まれた………見てもらいたいのは、これだけの大人が運び込まれるレベルの深傷を負っていることだ。喧嘩が身近なお前なら、これを誰がやったかを分かるんじゃないかと思ってな」

 

「………知り合いにここまでの傷を負わせるヤツは一人いるけど…其奴は関係ない人を無闇矢鱈に傷付けたりしない。狙うなら、タイマンを好む硬派なヤツだよ。まぁ……好きな人の尻を見る悪癖がなけりゃの話だけど…」

 

「いや誰だよ、その変なヤツは」

 

悩みながらも意味不明な解答を導き出す天哉に、空かさず久道が突っ込みを放つと彼は徐に立ち上がり、愛用の羽織に袖を通す

 

「…………犯人探しはこっちでやるから、オジキは意識が戻った時に連絡をくれ」

 

彼もまた単身で、動き出す。仲間たちを傷付けた誰かを白日の元に引き摺り出す為に、道化師は動き出した




仲間を傷つけられ、怒りに燃える天哉。そして深澄は友人の芳子から衝撃の事実を耳にする

NEXTヒント 失われた記憶

ソウテンたちの愉快さに笑ってもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす(コラボする方は事前にキャラ崩壊の承諾を願います♪シリアスな雰囲気とか書けるタイプじゃないんで♪)

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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