蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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えっと……お待たせしまして申し訳ありませんでしたぁぁぁ!違うんです!サボってた訳じゃないんです!ちょっと体調を崩してだけなんです!!指骨折したりとかで!

ソウテン「そうか、そうか。ソイツは仕方ねーな」

ほっ………分かってくれたのなら何より……アレ?何故に吊るされてるの?ねぇ?ちょいと?テンさん?毎度のことだけど、何故に?

ソウテン「利き手の小指以外は無事なことはネタが上がってるんよ?色々な小説を更新してたもんなぁ?よって、今からお前にアボカドとニンニクの炒め物を食わせる」

ひぎゃぁぁぁぁぁぁ!!やめてェェェェ!!そのコンボだけは!!

ミト「はじまるわよ♪」


幕間 彩りの道化と愉快な仲間たちDOS(2)
第一条 虫取りしよーぜ!巨大カブトムシをゲットだぜ!!


「今日は天気が良いので、虫取りに行こうと思います!どーですかっ!」

 

ある日の昼下がり。ギルドホームで寛ぐソウテン達を前にユイが高らかに宣言する

 

「どーですかって行けばいいじゃない」

 

「行けばいいじゃないとは何ですかっ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!目がァァァ!!!」

 

投げやり気味に放たれたソウテンの発言に対し、ユイが容赦無く目潰しを繰り出す。最早、恒例の風物詩と化した日常的な風景に溶け込む迷子を気に留める者は誰も居ない

 

「良いですか。虫取りは言わば、夏の風物詩!暑い夏にこそ虫を取らねばいけないんです。つまり、クッキーが季節問わずに美味しいのとおんなじですね」

 

「なるほど、流石は俺とアスナの娘だ。立派に育ってくれて、パパは嬉しいぞ」

 

「キリトくん、今のどこに共感する要素があったのかを教えてもらえる?わたしには微塵も理解出来ないよ」

 

「何事にも真摯に取り組む姿勢……流石は僕の姪っ子ですね。スグちゃんも見習わなくてはいけませんよ?なにせ、キミは脳筋で考えるよりも先に行動してしまいますからね」

 

「そうそう、脳筋なあたしは頭より先に手が…………って!!誰が脳筋よっ!!!」

 

「更新が滞り気味で忘れてしまっていないかが、心配でしたが……やはり、ノリツッコミがお上手ですね」

 

「だから褒められても嬉しくないよっ!?というか更新ってなんのハナシっ!?」

 

ユイの成長を誇らしく思いながらもリーファを弄る事を忘れないヴェルデの姿も見慣れた光景だ。因みにさらりと放たれた姪っ子発言にキリトが敵意を露わにするが、アスナの素早い行動により、彼は簀巻きにされた

 

「でも、ユイちゃん。虫取りって具体的に何を捕まえたいの?」

 

「良い質問ですね、ママ。わたしはカブトムシを捕まえたいです!なんか強そうですから!」

 

「ユイよ、クワガタの方が強いぞ!なにせ、邪悪の王だからな!」

 

「いんや、トンボだろ。あれは良い……誰にも媚びない、へつらわない、誰が相手だろうと意地とドタマでぶっちぎるんだからな」

 

「キリトさんもリーダーも分かってない、だから二人はぼっちと迷子なんだよ。虫の中で最強なのは蜂だよ。誰かのために泥にまみれて、手を汚す、正に王様」

 

「俺としては蝶がオススメだ。蝶とは何があろうと揺るがない不動の虫……正に法のようだ」

 

「やれやれ、モノを知らない人たちですね。最強はカマキリですよ!ただ我がままに、我が道をゆき、散る事を知らぬ花、その気高さは正に女王!」

 

「生憎ですが、みなさんの意見には賛同しかねますね。虫最強は蜘蛛一択です、定めを定め、あらゆる伝承を語り継ぐ語り部……正に我が理想です」

 

「何を言ってんだ、虫といやぁ!やっぱオオクワガタだろ!でけぇし、強ェからな!それに何かを守る為に何かを犠牲にする姿勢は見習うモンがあるぜ!」

 

「………えっ?虫の話だよね?何を言ってるの?みんなは」

 

虫の話をしていた筈なのに、意味不明な事を口走る面々にリーファは疑問符を浮かべながら、突っ込みを投げ掛ける

 

「リーファ。気にするだけ無駄よ、このバカたちを相手にしてたら」

 

「ミトの言う通りよ。ほっときなさい、そんなバカども」

 

「ミトもリズも言い過ぎだよ……というか、二人は何をしてるの?」

 

安定のソウテンたちのバカを極めた行動に余裕のある態度のミトとリズベット、その姿に唯一の常識人であるアスナは哀れむような視線で彼女たちに問い掛けた

 

「あら、見て分からない?」

 

「分からない、微塵も分からない。というか、分かりたくもない」

 

「今朝ね、市場で新鮮なフグ鯨を手に入れたの。だから、今日はてっちりに挑戦してるのよ」

 

「特殊調理食材は油断が出来ないわ、アスナも手伝いなさいよ」

 

「特殊調理食材ってなにっ!?というか、市場にそんなのが出回ってるなんて知らないんだけど!?」

 

「俺は個人的にBBコーンが良い、あれで作るポップコーンにピーナッツバターがベストマッチでな」

 

「さっすがはテンちゃん!ポップコーンといえばピーナッツバターだよね!」

 

「「んな変味あるかっ!!迷双子!!」」

 

「「迷双子じゃない」」

 

特殊調理食材と呼ばれる食材が何であるかは不明だが、安定の味覚破綻気味の双子に全員からの突っ込みが飛んだのは言うまでもない

 

「おろ?なんだこれ」

 

「どうしました?ロトさま」

 

掲示板を閲覧していたロトの呟きを聞いたエストレージャは彼の背後から、画面を覗き込む

 

「いやね、なんか第22層南西エリア南岸の森林に巨大なカブトムシが出るらしいんよ。賞金は二千万ユルドだって」

 

「「に………二千万………?」」

 

巨額の大金を耳にした瞬間、その場にいた《彩りの道化(バカたち)》の瞳が¥マークになり、輝きを放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てことで、俺たちはこれよりカブトムシ取りを始める!!ぜったいにあのバカたちに負けるな!ユイ!アスナ!リーファ!」

 

翌日の早朝、第22層南西エリア南岸の森林にキリトの声が響き渡る。彼の視線の先にはきらきらと瞳を輝かせる愛娘(ユイ)、大きなため息を吐く恋人(アスナ)、興味がないと言わんばかりに欠伸をする(リーファ)が居る

 

「はい!パパ!質問です!クッキーはおやつに入りますか?」

 

「うむ、パスタもおやつになるからな。クッキーはおやつだ」

 

「いやパスタはおやつじゃないでしょ」

 

「リーファちゃん、突っ込むだけ無駄よ」

 

諦めの境地に達したアスナは最早、突っ込みすらも無駄だと口にする。彼女の中でキリトの存在はソウテン並みに雑な扱いとなっているようだ

 

「ですけど、カブトムシさんはどこに居るんでしょうか」

 

「やっぱり、出鱈目なんだよ。大きなカブトムシなんて居るわけないよ」

 

「いやいや、テンのホラ話よりは信憑性あるだろ。なぁ?スグ」

 

「う〜ん、そうなのかなぁ………ん?」

 

キリトの言葉に疑い気味の表情で、首を何度も捻るリーファ。その時、視界に妙な物が映り込む。その妙な物もとい仮面の道化師とその妹は木にペースト状の何かを塗りたくっていた

 

「キリトくん、帰りましょう。この森怖いわ、木にピーナッツバター塗りたくってたわよ」

 

「気にするな、前にも言ったがあれは妖精だ。二人に増えてるけど、気のせいだ。ああやって森を守ってるんだよ」

 

「でも明らかに見覚えのある人たちだったよ、あたしたちの知り合いだよ。仮面冠ってたもの、間違いないよ、お兄ちゃん。あれはまごう事なき迷双子だよ」

 

「なら、妖怪迷子仮面バカピーナッツに妖怪迷子ハンターだ。ああやって、ピーナッツバターを守ってるんだよ」

 

「いや、どういうこと?ピーナッツバターを守るって意味が………」

 

更に道を進め、歩くとまたしてもアスナの視界に妙な物が映り込んだ。その妙な物もとい青年は木に水色のペーストを塗りたくる少女の臀部を眺めながら、絞り袋に入った白いクリームを吸っている

 

「キリトくん。やっぱり怖いわ、この森。木にチョコミントを塗りたくる女の子を眺めながら、生クリームを直飲みしてるわ」

 

「気にするな、犬科に属するシリアンスキーだ。好物は生クリームだから、ああやって直飲みしてるんだよ」

 

「でも明らかに見たことある人たちだったよ、お兄ちゃん。ケダモノとスナイパーだよ、ケダモノとスナイパーだったよ」

 

「じゃあ、ケダモノフレンズと飼育員の方だ。何時も変態ケダモノを飼育してるんだ」

 

「いや……ケダモノフレンズってなに……」

 

更に歩みを進めると三度、アスナの視界に妙な物が映り込んだ。妙な物もといその二匹は上半身裸でバナナを体に括り付け、仁王立ちしており、その側では和装の女性が両手に扇子を持ち、シルフ領名物風乞いダンスを踊っている

 

「キリトくん、あのゴリラたちは何をしてるの?」

 

「知らなくていいこともある」

 

「ねぇ、なんか見たことあるんだけど……あの変な踊りの人」

 

「スグ。見てみないふりも友人の勤めだ」

 

「パパ!あそこに誰かいます!」

 

森の中は既にバカたちの魔窟と化しており、何が起きても驚かない。ユイの声に視線を向けた先にはジャムを木に塗りたくる少女と、カレーを池に流し込む眼鏡、焼き鳥を木に突き刺すチビッコ、チーズケーキを釣り竿に吊り下げたバカドルがいた

 

「アスナ、スグ、ユイ。カブトムシはな樹液を好むんだ」

 

「キリトくん、現実を見ようよ。わたしたちは魔窟に迷い込んでるんだよ」

 

「俺は何も見てない」

 

「お兄ちゃんがぼっち特有のスルースキルをフル活用してる」

 

「とーぜんです!パパはリアルソロプレイヤーですからね!」

 

「ユイちゃん?それは褒め言葉じゃないのよ………」

 

娘の発言に優しく突っ込みを放つアスナの視界に映り込んだのは、見覚えのある薄紫のポニーテール。その親友は息子と木の前に座り、何時も通りに鍋が煮えるのを只管に待っていた

 

「キリトくん、あっちに良さげなクヌギの木があったよ」

 

「そうか、狙いはそれにしよう」

 

「お兄ちゃんもアスナさんも現実逃避しないでよ」

 

「そうよ、人の横を何も言わずに通り過ぎるなんて非常識にも程があるわよ」

 

「おやまあ、家族お揃いですな」

 

「おはようございます!ロトくん!」

 

「おはようさん、ユイ」

 

「何がしたいんだ?お前は。バカか?バカなのか?鍋女」

 

「私は今、カブトムシ取りの真っ最中なのが分からないの?」

 

「ミト。カブトムシ取りに鍋はおかしいよ」

 

「おやまあ、なんだ。揉め事は良くねぇよ?」

 

騒ぎを聞き付け、キリト達の元に《彩りの道化(バカたち)》が集まり始める

最早、その光景に呆れ果てたアスナは全てを諦めたような視線で空を見上げる

 

「おお、キリトにアスナではないか」

 

「ユイにリーファもいやがるな」

 

「はっはっはっ、今日はどうした?家族でピクニックか?」

 

「お前らは何をやってんだ?体にバナナ括り付けてんだろ」

 

「カブトムシ取りに決まってんだろ!なぁ!オッさんに姉貴!」

 

「うむ、その通りだ」

 

「カブトムシにはこの組み合わせがよく効くのを知らないのか?キリトくん」

 

「知らん」

 

「まぁ、キリト。可燃性の烏龍茶でも呑めよ」

 

「ベルさん。火が点く時点で烏龍茶じゃねぇよ、それ」

 

「キリトちゃん、すまん。このバカレシはあとでシバいとく」

 

「シノケツに合うカブトムシは何処にいるんだ?」

 

「ツキ?あとでアンタには風穴を空けて、その穴に大量のカブトムシを突き刺すわね」

 

「アバンギャルド!!なんだその意味不明な芸術はっ!?」

 

最早、矢継ぎ早に当然と言わんばかりに姿を見せるバカたちを前にキリトは突っ込む気すらも次第に無くし始める

 

「で?そこのバカ双子は何がしたいんだ?カブトムシ取りではないよな?」

 

「いんや、カブトムシ取りだ」

 

「カブトムシはピーナッツバターが好物なのを知らないの?キリト」

 

「聞いたこともねぇわ!!」

 

「テン?カブトムシが好きなのは鍋よ、ハチミツを大量に使用した甘い鍋が好物なのよ」

 

「ミトも違うよ」

 

「そうよ!ジャムよ!」

 

「違います、カレーです」

 

「いや、焼き鳥」

 

「チーズケーキ以外に相応しいものがあるわけないです」

 

「バナナだろ!果物の王様だからな!」

 

「その通りだ。よく言った、グリス!」

 

「カッコいいぞ!グーくん!」

 

「違うわ、チョコミントよ」

 

「いんやシノケツ生クリーム仕----………」

 

「バームクーヘン一択だ。なぁ?キッド」

 

「白米だろ」

 

「違いますよ、クッキーです」

 

「相も変わらずにふざけた奴等だな。あとで説教だ」

 

「はぁ………もう………………えっ?ちょっと!アレ!!!」

 

カブトムシ取り関係無しに何時も通りの騒ぎが始まっていく。アスナは遠い眼をしながら、騒ぎに混じる恋人と愛娘、義妹と親友に呆れ果てていたが、何かに気付き、叫んだ

 

「「あ……あれは……!」」

 

「…………茶色の雪だるま?」

 

「「カブトムシだろっ!どう見てもっ!バカリーダー!!!」」

 

ソウテンの発言に全員の突っ込みが飛ぶ。この後、巨大カブトムシ取りが白熱化するのだが、それはまた別の話である




休日に高良の奢りで回転寿司屋に来た天哉たちであったが、廻っているのは河童巻きだけ?店長を呼べば、出てきたのはフリーター元執事と兄想いな元メイド!?

NEXTヒント 回転寿司屋

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