蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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連日投稿!!やれば出来る!筆が乗らない時はこうもいかん……明日は何を書こうかなぁ〜


第二条 廻れ廻れ!大回転!回転寿司は魅力的♪

「いやぁ〜……なんとまぁ、良いんか?回転寿司を奢るだなんて」

 

「うむ、給料日で懐が暖かいからな!たまには贅沢するのも良いだろう!」

 

ある日の休日。空腹の音楽を奏でる時間帯、鳴り響く腹の虫の鳴き声を頼りに天哉たちは学校近くの繁華街を歩いていた

 

「しかしよぉ、回転寿司なんて何年振りだ?最近、行ったやついるか?」

 

「そーいや、ファミレスはあっても回転寿司はあんまり行かないな。なんでだ?」

 

「我々の欲を満たす好物が回転寿司には無いからでしょう。特にカレーは滅多にありませんからね」

 

「焼き鳥ある回転寿司見たことない」

 

「鍋があると嬉しいわ」

 

「ジャムに合う寿司もアリよね」

 

「深澄さんと里香さんは回転寿司に向いてないと思います。やはり、チーズケーキがあるのが大前提ですよ」

 

回転寿司を目指しながら、寿司よりも好物を優先しようとする面々。相変わらずといえば聞こえは良いが、それは裏を返せば、味覚破綻者しか存在しないという意味に他ならない

 

「「へい!ラッシャイ!」」

 

「ん?おぉ〜、なんだ。コンちゃんじゃねぇの、何してんだ?」

 

「げっ!?蒼井天哉!!なんでお前がっ!!」

 

暖簾を潜り、景気良く歓迎の言葉をかけてきた二人の店員。その一人を見た途端に、天哉は馴れ馴れしい態度で彼の名を呼ぶ

 

「あら、コンちゃん。芳子は一緒じゃないの?」

 

「お嬢は習い事だ。というか、なんでいる」

 

「夕飯を食べに来たに決まってんだろ?ここにいる高良先生ことバナナオヤジの奢りだ」

 

「誰がバナナオヤジだ。訴えるぞ、そして勝つぞ」

 

「なんでオメェ等のために握らなきゃいけねぇんだよっ!!おい、布里!塩撒け!塩!」

 

「これはこれは皆様。我が愚兄如きが握った残飯と大差ないお寿司を食す為にご来店いただきまして、誠にありがとうございます」

 

「今日も礼儀正しい!!って!違う違う!!追い出せって言ってんだよ!」

 

近藤の思惑などは聞く耳すら持たない布里は今日も今日とて、礼儀正しく会釈する。彼女の中で兄である近藤の優先順位はカースト最下位のようだ

 

「そんなに気を荒立てんなよ、コンちゃん。今日はタダ飯を食いに来たワケじゃねぇよ」

 

「あ?そうなのか?金があるんなら、客としては扱ってやる。でも!くれぐれも騒ぎは起こすなよ?この寿司屋で成功しねぇと、俺は執事に復帰出来ねぇんだからな」

 

「分かった、騒ぎは起こさんと約束しよう」

 

((いや無理だろ))

 

近藤の社会復帰を賭けた回転寿司、其れに騒ぎは起こさないと約束する天哉。しかし、誰もが歩く天災と呼ばれる道化師を前に心の中で突っ込みを放ったのは、言わずもがなだ

 

「最初はタマゴを食べるべきだと思う。タマゴの味で店の質が分かる」

 

「では僕は無難にカレイの縁側を」

 

「俺はコハダにするぜ、男は黙ってコハダだ!」

 

「分かってない、純平は。最初はマグロだろ」

 

「そーいや、ネギトロってのはネギとトロって意味じゃねぇんよな。身からねぎりとるから、ネギトロって言うんだとよ」

 

「お寿司を食べるなんて久しぶりです!あたし!」

 

「圭子、行儀が悪いわよ。きちんと座りなさい。ほら、カッパ巻きが流れてくるわよ」

 

回転する皿に心を踊らす天哉たち、各々が好きなネタを手に取ろうと手を伸ばす。しかし、その手に目的のネタが来ることはなかった

 

「…………………ちょいと待て」

 

「なんだ、遠慮なく食えよ。俺の自身さ----ぐおっ!?」

 

「「舐めんなゴラァ!!!」」

 

待ったを掛けた天哉に何かを言い掛けた近藤に飛び蹴りが放たれ、彼は床に叩きつけられた

 

「カッパ巻きしか流れてねぇじゃん!!なんだこの終わりの見えないデスゲームは!!茅場でもやらんだろ!?ケチらずにトロとかウニ出せや!!何のために寿司屋に来たと思ってんだ!!!」

 

延々と流れるカッパ巻き、正に終わりのないデスゲームに痺れを切らした天哉が本音を吐き出す

 

「仕方ねーじゃん!!カッパ巻きしか握れねぇんだから!!つーか料理なんかしたことねぇし!!」

 

「おめぇさん……それでよく執事になれたな」

 

「我が家は代々、後沢家に仕える家系にありまして、兄は長男であるために経験もへったくれもないクセに執事になりました。故に基本的なスタイルは炒飯をマトモに作れない母ちゃんと大差ありません」

 

「布里はなんだ、俺に恨みがあんのか?最近のお前は辛辣だぞ」

 

「つまりはテンちゃんと同じだね、分かるよ。兄がアホンダラだと苦労するよね」

 

「琴音、お前の夕飯はこれからピーマンだけだ」

 

「お兄ちゃんも気を付けなよ、威厳がないとああなるからね」

 

「スグ、お前は俺をなんだと思ってるんだ。流石に俺もあそこまでは落ちぶれてないぞ」

 

「鼻からワサビねじ込むぞ、ぼっち」

 

「やれもんなら、やってみろよ」

 

「あっはっはっはっ」

 

「ふっふっふっふっ」

 

「あっはっはっはっ」

 

「ふっふっふっふっ」

 

「あっはっはっはっ」

 

互いに軽口を叩き合い、笑い合う天哉と和人。しかし、数秒の沈黙が訪れ、一時の間、静寂が支配する

 

「「………やんのかっ!!!」」

 

「なんで喧嘩になってるのよっ!?」

 

胸倉を掴み、いがみ合いを始める二人に深澄が突っ込みを入れる。尚、本編では主に和人を相手にこのやり取りを行うが数多の世界線が混じり合うとキャラ崩壊した変わり者たちとのやり取りになるのだが、今はこれといって関係ないので割愛しておく

 

「取り敢えずだ、カウンターは茉人と里香に任せた!俺たちはコンちゃんの手伝いだ!」

 

「「了解!リーダー!!」」

 

「オメェら………嫌いだったけど、なんか今日から好きになれそうだ……ありがとよォォォォ!」

 

「持つべきものは逞しいご友人ですね、兄さま」

 

決まり文句と共に的確な指示を飛ばす天哉。しかし、その指示が明らかな人選ミスであることに気付くのはまだ先の話だ

 

「でもよぉ、どうすんだ?寿司なんか握れねぇぞ」

 

「純平の言う通りだぞ、テン。それに頼みの綱の明日奈は御両親や浩一郎くんと出かけてるから、合流には小一時間は掛かるみたいだ」

 

「メイリンさんも実家の手伝いで来るには暫く掛かるみたいよ」

 

「う〜む……ソイツはなんとまぁ…どうしよう」

 

「「なんも考えてなかったんかよ!!こんのバカリーダー!!」」

 

「ぐもっ!?」

 

元より他力本願だった天哉が動揺した瞬間に、本日二度目の全員突っ込みという名の飛び蹴りが放たれる

 

「安心して!料理ならコトちゃんにおまかせだよっ!こー見えても、蒼井家と竹宮家両方の台所を任されてるからねっ!」

 

「うむ、流石はコトちゃんだ。出来る妹は違うな」

 

「あたしもお兄ちゃんがパスタばっかり作るから、大抵の料理は出来るよ」

 

「なんだ、スグは反抗期か?」

 

「料理だと?ならば、私に任せると良い!!話は聞いていたぞ!」

 

「姉貴!来てくれたのか!」

 

「当たり前だろう?我が愛弟である純くんからの願いを私が断るハズがない……お姉ちゃんに任せろ!」

 

「ねぇ、毎度のことだけどさ、何故に胡咲さんは普通に溶け込んでんの?メンバーにしてないんだが」

 

「気にするな、些細なことだ」

 

「気になるわっ!!!」

 

料理自慢の琴音と直葉に続き、姿を見せたのはメンバーでないにも関わらず、誰よりも天哉たちと絡みがあると思われる胡咲。相も変わらずに弟の純平以外は眼中にない彼女は何も気にしないが、納得のいかない天哉が吠える

 

「取り敢えずだ、手本を見せるから見てろ。先ずはシャリを取り、強すぎず弱すぎない微妙な力加減で握っていく。この時に空気が入らないようにしてくれ」

 

「ほう……手慣れたもんだな。そいで?それは何処にストレッチパワーが溜まるんだ?」

 

「コンちゃん、この迷子は気にしないでもらえるとありがたいわ」

 

「ああ…そうする。次はシャリにワサビを付け、ネタを乗せて、ひと握り……完成だ」

 

手際良く寿司を握る近藤に横槍を入れる天哉の頭を深澄が引っ叩く。そのやり取りを尻目に進んでいく作業、何もおかしいところはなく、進むが完成した皿に天哉たちは目を疑う

 

「何故に?何故にカッパ巻き!?今の語りの文を挟む間に何があったん!?」

 

「すまねぇ……俺にはカッパ巻きを握るのが精一杯だ……」

 

「なんなん、アンタ!?先祖がカッパに恨まれてんのっ!?」

 

「カッパですと!?今誰か、カッパの話をしましたかなっ!?」

 

「どっからわきやがった!!カッパオヤジ!!!」

 

語り文と台詞の間にカッパ巻きを生み出すという超能力を見せた近藤に天哉が突っ込んでいると、呼んでもいないのに姿を見せた西田に更なる突っ込みを放つ天哉。何時も以上に周りがボケばかりである

 

「雰囲気は理解したわ、私に任せて」

 

「深澄さん。鍋以外も作れるの?意外」

 

「彩葉、あまり私をみくびらないでもらえる?こー見えても、義理の親子だけど一児の母よ。手順は完璧よ、形さえ間違えなければ、簡単よ………ほらね」

 

見かねた深澄が近藤の見せた手順通りに寿司を握る新鮮な様子に興味を見せた彩葉は彼女の手元を覗き込むが、完成した皿に天哉たちは二度目の驚きにまたしても目を疑う

 

「どうやったら、寿司がオジヤになるんだよっ!?形云々の前にどのタイミングで火を入れた!?」

 

「おかしいわね?手順は守ったのよ?分かったわ、コレがヒートアイランド現象ね」

 

「おかしいのはおめぇさんだ………やれやれ、こうなったら、俺がやるしかねぇか……スペイン仕込みの手際の良さを見せてやんよ!!!」

 

三度目の正直、天哉は気合いを込め、誠心誠意、寿司を握っていく。しかし、良い意味で期待を裏切らない、悪い意味で二度あることは三度ある、その御約束が大好きな天哉が普通の物を作る筈がなかった。完成したモノに深澄たちはあんぐりと口を空ける

 

「ねぇ、テン?怒らないから教えて……なにこれ」

 

「おろ?見て分からんか?パエリアだ」

 

「「なんでだぁぁぁぁ!!」」

 

当然と言わんばかりにパエリアを生み出した天哉に全員が突っ込みを放つ。作るもの全てがスペイン料理又はメキシコ料理に変化し、更にピーナッツバターを媒体に新たな料理を生み出す錬金術師、それが蒼井天哉である

 

「笑えないジョークだ……俺に任せてもらおうか!」

 

次に名乗りを挙げたのは、騒ぎに参加せずに人知れずに寿司作りに没頭していた阿来。機械工学系に師事する彼は意外にも物作りに関しては高い技術を持つ、普段がパンツ姿の彼からは想像も付かないほどに彼は高い才能の持ち主なのだ

 

「さぁ!食え!バームクーヘン寿司だ!」

 

「「だからなんでだぁぁぁぁぁ!!」」

 

「貴様等………何をふざけている………覚悟は出来ているな?」

 

突っ込みを放っていたのも束の間、悍ましい気配と共にバカたちの前にその人物は姿を現した

 

「「「ひぃぃぃぃぃぃ!!!しょ、職人さんっ!?」」」

 

「覚悟しろよ?バカどもっ!!」

 

「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」

 

その人物、茉人がプラスチック製包丁を片手に乱心、その様子に天哉達は逃げ惑う。その光景に用事を終えた明日奈と明音は苦笑する

 

「里香………聞くまでないけど、何があったの?これは」

 

「私も聞きたいわ〜」

 

「決まってんじゃない……何時もと変わんない馬鹿騒ぎよ」

 

「やっぱり……嫌いだ!コイツら!!」

 

「類友ですよ?兄さま」




今、語られる天哉と和人の出会い。それは遡ること……十三年前!更に満を持して、生前の天哉ママも大活躍!?

NEXTヒント おふくろの味

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