「攻略を進めて良かったな……また、この景色を見る日が来るなんて……第75層主街区《コリニア》か」
「わたしも覚えてる……此処でキリトくんは団長……ううん、茅場明彦と最初に戦ったんだよね」
ローマ風の造りが特徴的な街並みが特徴的な主街区、その名を《コリニア》。かつて、キリトが血盟騎士団団長であるヒースクリフ基茅場明彦と最初に剣を交えた因縁の場所、攻略を進めた彼等は遂に懐かしいの場所に足を踏み入れていた
「火噴きコーン十コル! 十コル!」
「黒エール冷えているよ~」
懐かしのコロシアム入り口には、口々にわめき立てる商人プレイヤーの露店がずらりと並び見物人に怪しげな食い物を売り付けている。以前にも見たことがある光景にキリトは顳顬を引くつかせ、アスナは苦笑し、ユイはきらきらと瞳を輝かせる
「よし……アスナ。家に帰るぞ」
「そうだね、それが良いよ」
厄介毎に巻き込まれる前に、自宅に帰ろうとするキリトに追随し、アスナが歩き出そうとした瞬間、彼女の手をユイが握った
「そんな!わたしはお祭りを楽しみたいです!あっちにあるクッキーサンドが食べたいです!」
「う〜ん……どうする?キリトくん」
「…………ユイがそんなに言うなら……少しだけ見てみるか……気は進まないけどな」
流石に娘からの願いを無碍に出来る程、キリトも人の心を忘れていないらしく、渋々ではあるが出店を回ることを快諾する
「あら?キーくんにアーちゃん…其れにユイちゃん」
不意に呼び掛けられ、振り返ると鉄板の上で焼きそば的な料理を炒めるチャイナドレスの女性、メイリンが其処にいた
「メイリンさん……やっぱり居たのか……」
「なんだろう……前にも見たよ……この光景…」
「んちゃ!です!メイリンさん!」
近視眼を覚える光景、両親の事情を知らないユイは呑気に挨拶し、メイリンの方に駆け寄っていく
「はぁ〜い、んちゃ。ユイちゃん」
「ユイちゃん?挨拶はきちんとしなさい」
「え〜?略語の方が今時ですよ?ママ。因みに今の挨拶はテンにぃに教えてもらいました」
「あの迷子はあとでシバいておく」
「お願いするよ」
娘の挨拶にアスナは母親としての指導をするが彼女は口を尖らせ、反抗的な意見を放ち、その挨拶の発端が言わずと知れた愉快な仮面の迷子である事を告げた。即座にキリトは父として、余計な知識を吹き込んだ張本人に粛正を固く誓う
「そうそう、今日は新作のクッキーパスタがあるんだけど」
「いただくよ」
「いただきましょう」
「変なものを食べないの!其処の似たもの親子!!あれ?ねぇ!キリトくん!あそこ!」
似たもの親子なキリトとユイに突っ込みを入れていたアスナ。刹那、コロシアムの前から煙が上がっているのが目に入る
「煙………なんだ……この嫌な予感は……」
「わたしもなんかデジャブを感じる……前にもあったよね……」
「花火大会ですか?」
表情を引き攣らせるキリトとアスナ。しかし、ユイは呑気に首を傾げ、素っ頓狂な答えを言い放つ
「あの……お客様?バーベキューはちょっと……」
「ああ?炎天下で待たされてんのにバーベキューするなたぁ、随分と舐めたヤローだな。風情を知らんのか?おめぇさんは」
「いや!風情以前に軽いボヤ騒ぎになってるんで、バーベキューは勘弁してくれませんか?」
「偏見は良くない、穏やかな心を持つべき。その先に進化の兆しがある。其れ即ち身勝手の極意」
「うむ、流石はヒイロだ。良いことを言うじゃねぇの…なぁ?プルー」
「ぷぷ〜ん」
「いやだから、みんな、並んでるんですから……そういうのは…ゲホッ!ゲホッ!勘弁してもらえませんか?てか!その変な生物はなにっ!?」
「ああ?犬だろ」
「ぷぷ〜ん」
「ヤキトリは鳥」
「ぴよぴよ」
「犬じゃねェェェ!!何処が!?てか鳴き声がおかしいだろ!その鳥!!」
「はっはっはっ、おめぇさんの目は節穴か?まごう事なき犬じゃねぇの。なぁ?プ----ぐもっ!?」
バーベキューコンロの上であらゆる肉を焼き、談笑していたソウテンとヒイロを背後から、キリトが蹴り付ける
「悪いな、係員さん。このバカ達には後で言い聞かせておくよ」
「ごめんなさい、係員さん。本当にウチのバカどもが」
「んちゃ!テンにぃ!ヒイロさん!」
「おやまあ、ユイちゃん。元気そうだな」
「んちゃ」
係員に詫びるキリトとアスナを他所に元気に挨拶ユイと世間話を始める二人のバカ。じろりと動いた視線は余りにも馬鹿を極めた行動に哀れみの視線となっていた
「お前……何してんだ?」
「ふっ……見て分からねぇんか?」
「分からん、微塵も分からん。というか、分かりたくもない」
「実はな……最近巷で噂のゲームを買いに来たんだ。そう……ニンテンドー64を」
「だから、そういう列じゃねぇよっ!これは!というか!お前は毎度毎度、なにをどうしたら、コロシアムにゲームを買いに来ちゃうんだよっ!?迷子も大概にしやがれ!こんのバカテン!!」
「何を言う、ニンテンドー64を舐めるなよ?俺は○ア社の出すゲームがなによりも好きでな。特にアカリスの一日はオススメだ、あれはユーモアがある」
「俺はクマとトリの冒険が好き。二位一体な感じがすごく斬新」
「一生、クリア不可能と言われたコングの続編を待ってろ。バカども」
有名ゲーム企業が生み出した数々の対策を口にするソウテンとヒイロに冷たい瞳にキリトは言い放つ
「あれはどーでもいい、スーファミで三回は見た。バナナでも食わしとけ」
「どんだけ興味ねぇんだよっ!?メジャーなゲームだぞっ!?そもそも!何してんだ!?お前は!ミトたちもいるのか?まさか…」
「あー、そーいや見たぞ?俺たちよりも前の方だ」
「シリカとフィリア、ロトとエストレージャもいた」
「ロトくんが!?会いに行きましょう!エスちゃんに抜け駆けはさせまん!!」
「パパは許さん」
「はいはい、キリトくんは落ち着こうね。それでミトたちは何処に………ん?なにあれ」
安定の親馬鹿のキリトを宥めながら、アスナは親友の姿を探す。その時だった、彼女は視界に見覚えのある
「あの、お客さん。申し訳ないんですが……他のお客様の迷惑になりますので、ビーチパラソルはちょっと…」
「すいません、ちょっと待ってもらえます?まだ、息子と義妹に妹分が食べてるんで」
「美味いねぇ」
「う〜ん、さっすがはわたしの義姉。料理上手なミトさんにフィリアさんも言うことナッシングだよ」
「鍋で蒸したチーズケーキも悪くないですね」
「美味です。ミトさま」
「ふっふっふっ、理解出来た?鍋の偉大さが」
「きゅる〜」
「あの、でしたら…列を離れて」
「ちょっと待ってくださいって、だから」
「いや、ちょっと」
「いや、む……」
「いえ、ちょっ」
「だーかーら!まだ息子と義妹と妹分が食べてるしょぉーが!!!きゃっ!」
騒ぎの中心となっていたビーチパラソルの下で、鍋を囲んでいたミトたちにキリトの蹴りが叩き込まれる
「ミト………やっぱ、お前もか」
「あら、キリトにアスナ。随分と重役出勤ね」
「毎度のことだけど、鍋の出汁を頭からかぶった状態で挨拶されても普通に出来ないんだけど…ミト」
「バカね、アスナ。暑い時に鍋を囲むのは銀河系の摂理よ」
「いや、知らないから、そんな摂理。そもそも、ミトは何してるの?ここで」
「決まってるじゃない、ゲームキューブを買いに来たのよ。私は」
「「お前もかいっ!!!」」
意味が分からないと言わんばかりの表情で首を傾げるミトにキリト、アスナの突っ込みが飛ぶ。当の本人はソウテンたちと談笑している
「テンにヒイロ、それにプルーじゃない。見ないと思ったら、こんなとこに居たのね。テンたちもゲームキューブを買いに?」
「いんや64だ」
「まぁ!64だなんて通ね。私、大乱闘なら負けないわよ」
「ふっ…大乱闘の神プレイヤーとは俺のこと…俺のプリンに敵うか?」
「言うわね、私がネスを使う時が貴方の最後に見る景色よ」
「でも、これは64でもゲームキューブの列でもないってキリトさんが言ってた」
「えっ……?じゃあ、私はどうやって激闘忍者対戦をプレイすればいいの?自慢じゃないけど、私が使うサ◯ラは超強いわよ」
「伏せ字にすんな。というか、あのゲームは既に誰もやってねぇよ、今はトリロジーとかだ」
「そう……それで主人公の恩師でスケベな仙人は出るの?やっぱり」
「やめてやれ!確かにスケベだけど、すんごい忍者なんだぞっ!?あの人は!」
「…………なんだろ……あれは」
最早、地の底まで落下を果たした親友のバカさに呆れたアスナが遠い目をしていると、三度、視界に何かが飛び込んできた
「いらっしゃい!いらっしゃい!焼きカレーにバームクーヘン!安いよ!」
「なんとまぁ、これは実に美味しそうだ。ねぇ?スグちゃん」
「そうだね、きっくん。すっごく美味しそうだね。こんなに至れり尽くせりなのに、たったの150ユルドだなんて驚きだね」
「一ついただけま---ぐもっ!?」
列から外れた出店でバームクーヘンと焼きカレーの抱き合わせを売るディアベル、更にサクラとして棒読みな説明を叫ぶヴェルデとリーファの頭に本日三度目の蹴りをキリトが放つ
「そこのパンツにメガネ、人の妹を妙なことに巻き込むのはやめろ」
「おや、これはよく見えませんがキリトさん。こんにちは」
「きっくん……頭からカレーがしたり落ちてるよ?暑くない?それ」
「生まれた時はみんな裸だ。気にするな」
「羞恥心を産道に忘れてきたのか?お前は」
「はっはっはっ、今日も賑やかだなぁ?我が家族は………おろ?」
相変わらずな光景に愉快そうに笑っていたソウテンであったが、先頭付近から、何やら声が聞こえた事に気付く
「申し訳ありません、お客様。他のお客様のご迷惑になりますので……ボディビルはちょっと…」
「なんだと!?俺の肉体美にケチつけんのか!」
「そうだ!グーくんの筋肉は披露してこその価値があるのが分からんのか!」
「やめるんだ、グリスにサクヤ殿。すまない、直ぐに点数を付ける。ちょっと待ってくれないだろうか」
「いや、もう…」
「いや…点数を」
「だから……」
「ちょっ…ちょっ…!まだ、点数をつけてないでしょぉーがぁぁぁぁ!!あべしっ!?」
ボディビルを行なっていた
「喜べよ?お前たち。遂に真打の御登場だ」
「「真打……?」」
「ふざけるのも大概にしろよ?バカども……今日という今日は許さんぞ」
キリトの言葉に首を傾げていたのも束の間、悍ましい気配と共にバカたちの前にその人物は姿を現した
「「「ひぃぃぃぃぃぃ!!!しょ、職人さんっ!?」」」
「覚悟しろよ?バカどもっ!!」
「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」
その人物、アマツが大量の出刃包丁を片手に乱心、その様子にソウテンたちは逃げ惑う
「うんまいわね、このジャムパン。また腕を上げたんじゃない?メイリンさん」
「そう?嬉しいわ〜」
「なんでキリトくんも追いかけられてるんだろう……」
「ママ。それはパパがおバカさんだからですよ」
「平和だねぇ」
「はい、お茶が美味しいです」
娯楽に飢えた新生アインクラッドは今日も新たなイベントが発生!レースだって?ならば、チキチキいこーぜ!
NEXTヒント バカバカ猛レース
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