蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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今日はあとがきで告知があります

ソウテン「ほ〜ん、期待していいんか?」

期待しなさい、多いに期待したまえ!

ソウテン「そうか。そいじゃあ、はじまるよん」


第九条 秋のフェスティバル!にゃんにゃん騒ぎでだいぼうそ〜〜?

「ねぇ、コト。ちょっとだけ聞いてもいい?」

 

「どしたん?スグ」

 

秋の日差しも穏やかな日。直葉はある目的の為に兄が通う帰還者学校に足を運んでいた。その隣には同様の目的を持つ幼馴染の琴音が好物のピーナッツバターサンドを頬張りながら、佇んでいた

 

「これってさ、文化祭だよね…?」

 

「そうなんじゃない?テンちゃんにはそう聞いてるし」

 

文化祭。秋で最も盛り上がる祭典、目の前に広がる光景に疑問があるのか、首を傾げる直葉。未だに好物を頬張る琴音は兄譲りの呑気な雰囲気で、その疑問に答えを返す

 

「じゃあ、どうして……文化祭のゲートに道化師フェスティバルとか書いてるの?明らかにあの迷子だよね、あの迷子が関係してるよ」

 

「まさかぁ〜さすがにテンちゃんでも、学校行事を牛耳るくらいの権力はな---なにあれ」

 

最早、あの胡散臭さの塊である幼馴染が関係しているに違いないと確信する直葉。流石に見当違いだと、笑い飛ばそうとした琴音は目を疑うような光景にピーナッツバターサンドを運ぶ手が止まる

 

「なぁ、深澄さんや」

 

「どうしたの?テン」

 

「何故に我が店は閑古鳥が鳴いてるんだろうか。教えてもらえるかにゃ?」

 

目を疑う光景、夏祭りにも出店していた焼き落花生屋の前で首を捻る癖毛の少年とその隣に立つポニーテールが特徴的な美少女。早速の身内の登場に直葉の顔から笑顔が消えた

 

「良い?テン。前にも言ったけど、焼き落花生は食えたものじゃないのよ。ということは売り上げが赤字なのも必然で当たり前なの。そんなことも分からないなんて、今日も頭の中まで迷子なのね」

 

por qué(何故)?あんなにも美味いのに。というか、誰が迷子だ。毎回のように言ってるが俺はリベロだ、人よりも少しだけ自由なだけで迷子じゃない」

 

「くださいな〜」

 

「ほら、見ろよ。開始から一時間経っての初めての客だ。おやまあ……誰かと思えば、我が愛妹のコトちゃんに幼馴染のスグっちじゃねぇの」

 

相も変わらずに、罵倒にも似た文句を吐く深澄。それに首を傾げる天哉であったが、ようやくのお客様第一号が双子の妹と幼馴染だったことに気付き、呑気に彼女達を呼ぶ

 

「さっすがはテンちゃんだね!文化祭で焼き落花生を売るなんて、誰も思いつかないよ!」

 

「そうだろう、そうだろう。流石はコトちゃんだ、この素晴らしさに気付くとはお目が高い」

 

「思いつかないんじゃなくて、やろうとしないだけよ。それよりも私の炊き込み土鍋ご飯を食べなさい」

 

「深澄さんも訳わかんないよ……ん?あれは…」

 

今日も今日とて、騒がしい蒼井さん一家に直葉は呆れながらも突っ込みを放つ。最近は割と暴走しがちな彼女だが、昔馴染みの前では今でも突っ込み役としての腕は健在である。そして、視線を巡らせた先に見覚えのある二つの影を見つけた

 

「菊丸。カレー焼き鳥が一つも売れない」

 

「由々しき事態ですね。日本とインドの最強コラボに目を向けない方々がいるとは……思いの外、深刻だったようです。若者のカレー離れ問題は」

 

「ないよ!そんな問題!?」

 

「おや?スグちゃん」

 

訳の分からない問題に深刻に頭を悩ませる菊丸を前に、直葉は今日一番とも言っては過言ではない突っ込みを放つ

 

「リーダーに深澄さん、コトちゃんもいる。おはよう」

 

「売り上げは順調かにゃ?彩葉」

 

「何故かは分からないけど、全く売れてない」

 

「きっとそりゃあ、落花生が入ってないからだな。どうだ?焼き落花生を挟んでみるか?」

 

「前にも言ったけど、迷子みたいな料理はいらない」

 

「彩葉は分かってないね。落花生ほどに栄養満点でわんだふるな食べ物はないよ」

 

「うむ、コトの言う通りだ。我が家で昔に飼ってた猫のリリアン・ニャミー・ブリティッシュ三世も大好物だったんよ」

 

琴音に共感しつつ、かつての愛猫の話を始める天哉。当時を懐かしむように想いを馳せる

 

「ティッシュちゃん…まさかあんなことになるなんて……」

 

「前々から気になってはいたけど、そのティッシュちゃん?はどうなったの?まさか、病気かなにかで?」

 

「あたしもお兄ちゃんも知らないから、メキシコにいた時の飼い猫だよね」

 

「うむ。ティッシュは飼い主もびっくりなバカ猫でな。にゃんとまぁ、きゃっと驚きの悪癖があったんよ」

 

「テンちゃんってば、秋の夕暮れにも負けない風流な猫ギャグ連発だね!」

 

「はっはっはっ、コトみたいに小粋なジョークを見逃さんのは非常にポイントが高いぞ」

 

双子故に感性が似ているらしく、何処が?と突っ込む箇所が満載の迷子会話。しかし、その猫にあったとされる悪癖については深澄は勿論、直葉や菊丸、彩葉にも理解は出来ていた

 

((どーせ……迷子とかそんなオチだろうな))

 

「実はな……ティッシュは迷子癖があったんよ」

 

「可哀想なティッシュちゃん…!」

 

「思ってたとおりね」

 

「予想はしてた」

 

「そんなオチだよね」

 

「言わずもがなでしたね」

 

「テンちゃん!散々な言われようだよ!」

 

「うむ、時代か…これも」

 

「にゃふ」

 

散々な言われように染み染みと呟く天哉。その時だった、頭の上に何が乗り、鳴き声が耳に聞こえた

 

「今の間抜けな鳴き声は!ま、まさか!」

 

「にゃふ」

 

「おやまあ、久しぶりだな。ティッシュ」

 

「やっぱり!ティッシュちゃん!や〜ん!久しぶり〜!」

 

間抜けな鳴き声と共に姿を見せたのは黒い毛並みに跳ねた前髪に青い毛が目立ち、目の当たりに白い仮面のような模様がある一匹の猫。数年振りの再会に天哉は呑気に名を呼び、琴音は愛おしさの余りに猫吸いを始める

 

「メキシコ時代の猫よね?どうやって、海を越えたのよ」

 

「知らんのか?ティッシュはな、一昔前にアニメ界の礎を築いたとされるあるアイドルアニメに出ていた芸達者な猫並に色々と出来るんだ。看板での会話も可能なんよ、なぁ?ティッシュよ」

 

『テンちゃんとコトちゃんが迷惑かけてます』

 

何処から姿を見せたのか不明なティッシュに深澄が疑問をぶつける中で、天哉がその賢さをアピールしていると、ティッシュは何処かのパンダオヤジ並みの達筆さで看板に飼い主たちの非礼を詫びる文字を書き記す

 

「プルーよりも利口なのでは?」

 

「何を言う、プルーも賢いぞ。あのパスタバカは敵だと覚えてるくらいだからな」

 

『プルー?だれそれ、テンちゃん』

 

「ティッシュの弟の犬だ」

 

「今度、ティッシュちゃんにも会わせてあげないとね!」

 

「猫がVRMMOを出来るわけないじゃない」

 

プルーの存在を知らないティッシュに会わせてあげたいと言い放つ琴音に深澄は的を射た突っ込みを放つ

 

「和人くん!お願いだから、考え直して!無茶だよ!」

 

「止めるな!明日奈!」

 

「んむ?なにしてんだ、あのぼっちは」

 

突如、聞こえた声に振り向くと屋台の前で揉めている和人と明日奈の姿が視界に映る

 

「あら、明日奈。どうかしたの?」

 

「あっ!深澄!よかった!和人くんを止めて!わたしをミスコンに出すとかいうのよ!?」

 

「明日奈の魅力は国宝級だ。出ない方がおかしい」

 

「そうね、メイクは任せなさい。圭子!一流のメイクスタッフを手配するのよ」

 

ミスコンに明日奈を出すと聞かない和人を説得するように頼めば、深澄は手を叩き、バカドルと名高い一人の少女の名を呼び、指示を飛ばす

 

「任してください!あたしのアイドルメイクを伝授しましょう!!」

 

「深澄もそっち側!?というか、いつからそこにいたの!?圭子ちゃんは!?」

 

まさかの親友までもが乗り気な事実に突っ込みを放ち、更に姿を見せた圭子の存在にも驚くという二段構えを披露する明日奈。彼女の芸には更なる拍車が掛かっているのは火を見るよりもファイヤー!である

 

「なんでだぁぁ!!なんでボディビル大会がねぇんだ!!」

 

「純平さん!?どうしたんですか!」

 

「琴音か!すまねぇが俺と一緒にきてくれ!」

 

「一緒に!?ま、まさかハネムーンですか!?」

 

「おん?いや、運営委員に直談判しにいくだけだ。ボディビル大会が中止らしくてな」

 

「そんなっ!純平さんの筋肉を披露させないつもりか!!運営委員はわたしが始末します!」

 

「不本意だが今日は休戦だ!琴音くん!私も向かおう!」

 

「共に参ろう!我々の絆に奴等が泣いた!」

 

最早、突っ込む気にもなれない純平と取り巻きの三馬鹿が見ながら、天哉はティッシュを頭に乗せ、焼き落花生を口に運ぶ

 

「今日も騒がしいな……俺の周りは」

 

「類友だよ、リーダー」

 

「バカですからねぇ」

 

「ティッシュちゃん…ちょっと可愛いかも…」

 

「にゃふ」




スクワット・ジャム…それはGGOのチーム戦!遂に道化師と獣たちが大激突!!新章開幕!GGO Secondシリーズ!乞うご期待

NEXTヒント ジャムはジャムでも

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