「
「な、なんですっ!?この光はっ!!」
「空間が歪んでるですって!?私のゲーム盤を塗り替えているというのっ!?」
真剣な雰囲気を真っ先に打ち壊したのは、我等が蒼の道化師ことソウテン。彼の宣言と共に、歪んだ空間はシカイシャのゲーム盤を塗り替え、白い砂浜と青い空が広がる常夏の空間に変化していく
「こ、これは……!!」
「まさかお目に掛かる日が来ようとは……!!」
「驚いた」
変化した空間を前に、驚きの余りに雄叫びを挙げるグリス、ヴェルデ、表情を変えないながらも驚きを見せるヒイロ。この空間が余程のモノである事は火を見るよりもファイヤー!な事は言わずもがなである
「なにがどうなったの?テンが叫んだ瞬間に景色が激変したんだけど」
「テンさんの魔法か何か?」
「魔法じゃないわ、アレはテンがハジケリストたる所以にして、得意とするハジケ奥義。そして、この空間はテン自身の頭の中を忠実に再現した最強空間………ハジケリストの中でも空間を創り出す力を持つ者を人々はこう呼ぶ!〝キング・オブ・ハジケリスト〟!!!」
「聞いたことないけどっ!?」
「そもそもハジケリストってなにっ!?」
疑問を抱くエースとヒイロ(女)の問いに答えたのはミト。空間さえも創り変える力を持つ〝キング・オブ・ハジケリスト〟を知らない彼女たちは驚愕する
「この空間では如何なるスキルも意味を成さない………唯一の対抗手段は自分自身を解放すること!つまりはテンションマックスボルテージ!テンションをあげられない場合は、最悪…………死にます」
「死ぬっ!?どんだけ危険な技だよっ!?」
「えっ?危険?キリト、これって危険なの?」
まさかの発言にカルムは驚愕し、技の危険性を訴えるが当の本人は何を言ってるんだ?と言わんばかりの表情で首を傾げ、隣の親友に問う
「知らね。死ぬくらい日常生活の一部だろ」
「ありふれた光景とも言えるよな、テンと一緒にいると死ぬ確率が格段に上昇するから、常に死と隣り合わせなんだ」
「誰が死神やねん。魂魄抜いたろか」
「でも、テンションをあげるって……具体的にはどうやるんだ?」
最もな疑問を投げかけるルゼ、確かに言われてみると普段から馬鹿騒ぎが当たり前の日常を過ごしているソウテンたちとは異なり、彼等は其々に適応した環境の中にいる。故に彼等にとっては正に異質な世界、異世界と言っても過言ではないのだ。然し、其れは約一名を除いての話だ
「ニハハハハ!テンションをあげる?そのくらいはパーペキにお任せってもんだっ!来い!
そう、この男。仮面ライダーを名乗るゼットという男はハジケリスト予備軍、ソウテンにも引けを取らない彼は誰よりも早くに
「ヒャッーホッーーー!」
「ぐもっ!?」
突如、空間を突き破り、爆速で駆け抜けるオートバイにゼットは飛び乗ると、勢いという名の体当たりでソウテンを轢いた。御決まりの叫びと共にタイヤの下敷きなった迷子を気に留める者は誰もいない
「毎度毎度なんなんよっ!?おめぇさんは俺を轢かないといけない呪いにでも掛かってるんかっ!」
「残念だったな、俺に掛かっている呪いはエースちゃんにセクハラしたくなる呪いだけだ。お前を轢いたのは御約束だ☆」
「分かった………バイクよりもデケェのを呼び出してやんよ。アマツ!」
「準備は出来ている。好きにしろ」
ソウテンの中で何かが切れた、怒りをテンションに変えた彼はアマツに呼び掛けた。すると、その呼び掛けだけで全てを理解し、後は好きにしろと答えを返される
「其れではご唱和ください!桃栗三年柿八年!」
「タヌキ寝入り狐の嫁入り!来たりて姿を見せたもう!」
「「おいでませませ!!ウィンド・フルレー号!!!」」
「「「機関車が出たーーーーっ!?」」」
「流石はテンにキリト。機関車を呼び出すとはな、成長したじゃないか。お兄ちゃんは嬉しく思うぞ」
口上と呼ぶには余りにも締まりと纏まりがない謎口上に導かれ、時空の壁を破壊するかの様に機関車が出現する。驚くゼット、カルム、ルゼを他所にカイは弟分たちの成長に涙を流す
「機関車!?どんなメカニズムだよっ!?」
「GGOをプレイした時に職人のプレイヤーデータに付いてきたんよ。今ではギルドメンバーの呼び掛けには答えるよ、カイはコラボ限定のメンバーだから無理だけど」
「くっ……コラボ限定メンバーの壁が!これがマルチバースの壁かっ!!」
何でもありな世界線にカルムは突っ込みを放ち、マルチバース、平行世界であるが故に起きたイレギュラーな現象にカイは悔しそうに嘆きの叫びを挙げる
「ハジケリストって何でもありなんだな……カルムさん、突っ込むだけ無駄じゃないか?これって」
「いやいや、この状況で冷静なルゼがおかし………あれ?ゼットは?」
「おろ?そーいや、静かだな」
状況を理解しているかも疑わしいルゼの発言に、突っ込みを放つカルムは騒がしかったゼットの声が聞こないことに気付く。其れに反応したソウテンも思い出したように周辺を見渡す
「あっはっはっはっ、人に機関車をぶつけといて何を呑気に談笑してるんですかねぇ?」
「えっ?下に機関銃をぶっ放しといて何を楽器とダンスしてる?何を言ってんの?おめぇさんは?バカなの?」
機関車の下敷きになっていたと思われるゼットの発言を聞き間違い以前に意味不明な解釈に上書きする
「ミトさ〜〜ん、この迷子の耳はどうなってんのかなぁ?」
「気にしないでいいわよ、何時もだから。其れよりもテン?あとでハナシがあるわ」
「あい……」
観客席にいる彼の恋人に呼び掛ければ、彼女は綺麗な笑顔を見せた後に、瞳の奥が笑っていない笑顔でソウテンに笑い掛けた。その一瞬で何かを理解したのだろう、これは死んだな…と彼は密かに思っていた
「あの機関車は前に我がレースサーキットに甚大た被害をもたらした憎むべき敵!!」
「なんだアレは!我がレンタルショップでも扱っていない!是非とも手に入れたい!」
「私よりも目立つだなんて!ありえんてぃだわ!!お覚悟はよろしくて!」
「料理を振る舞うだけではなく、機関車を呼び出すとは……流石は我がライバル!おやりになりますねぇ。そうなれば、私も本気を出しましょう……さぁ!我々の料理をお食べなさい!」
「お見事です!流石はリョウリチョウ様!さぁ!道化師どもよ!心して喰らいなさい!」
「リョウリチョウ様の料理を食せる事が如何に名誉あることかを理解するがいい!!」
「「いらん。というか超いらん」」
忘れていたというか忘却の彼方に消し去っていたリョウリチョウたちの存在。料理を完成させた彼等の声に反応した六人の勇士、彼等は一言一句違わない返答を食い気味に返した
「……は?今なんと?私も耳が悪くなりましたかね?」
「前にも言ったけど、良く知らない人から食べ物をもらうなってのが死んだオフクロの遺言でな」
「テンの家もか?俺の家もだ。得体の知れない食べ物は食べないようにしてる、マヨネーズが掛かっていれば別だけどな」
「知らない人の作った食べ物は食べたくないな…流石に。ぽん酢も掛かってないし」
「なんだか分からないものを食べる程に落ちぶれてないぞ、俺は」
「ニハハハハ!満場一致だな!結論は……」
「「究極いらん」」
聞き返すリョウリチョウに対し、知らない人から貰うわけにはいかないと遠慮し、極め付けには先程の返答に超を超えた究極を足した更なる否定を返す
「遊びはここまでにしといて、退場手続きと参りましょうか?」
不敵に笑い、仮面越しに覗く蒼き双眸をぎらりと光らせる道化師。肩に担いだ槍を手に笑う彼は誰よりも不敵、正に道化師と呼ぶに相応しい姿で佇んでいた
「テン!準備完了だ!!飛べっ!!」
「
「
キリトの交差した二つの刃に飛び乗り、空高くに打ち上げられるソウテン。その瞬間、彼は高く、誰よりも高く、飛んだ
「負けてられっか!!カルム!飛び乗れっ!一気に加速すんぜっ!!」
「ウェイ!任せたぞっ!ゼット!」
「さてと、俺は壁を駆け上がるとするか。やるか?ルゼ」
「乗った。そういうのは大好きだよ、カイさん」
一足先に飛び上がった道化師を皮切りに、仮面ライダーと剣士、剣聖、双剣士も其々の方法で彼を追随する
『往けっ!!!』
その姿を、五人の姿を見た全員が不敵な笑みを浮かべ、背中を押す言葉を放った。その言葉を背に受け、不敵な笑みを浮かべ、蒼き衣を棚引かせ、誰よりも高く舞い、彼は口を開く
「永遠にadieu」
仮面越しの不敵な笑みと別れの言葉。その二つはリョウリチョウたちの視界に鮮明に焼き付き、無限の槍が降り注ぎ、赤き刃は骨すらも灰にする強烈な焔を帯び、片手刃は紫色の光を放ち、片手剣と短剣は淡い青き流星となり、キックは跳躍力も重なることで苛烈さを増し、正に五味一体の合体技を前に成す術もなくリョウリチョウたちはその姿を四散させていく
「これにて幕引きと致しましょう」
「その痛みと熱を忘れるな」
「…………ゼット。お前、締まらないなぁ…」
「たすけてくれ〜」
「なんて言ってるか分からないんだけど……エースさん、翻訳を」
深々と頭を下げる道化師、刀を鞘に仕舞うカイ。そして、カルムは頭から地面に突き刺さったゼットに呆れ、何かを言う彼の言葉をルゼはエースに翻訳するように頼む
「たすけてくれ〜だって。全く……ゼットは…」
「どうやったら、突き刺さるの?理解出来ないわね…」
「退屈しないわねぇ……テンの周りは」
「とーさんは誰からも好かれるねぇ」
「マルチバースだからこそだな」
恋人に笑い掛け、息子の頭を優しく撫でると道化師は不敵な笑みを浮かべ、深々と頭を下げる
「歯車の噛み合いによっては、あり得たかもしれない、もしもの世界線に於ける誰も知らない出会いの物語。…お楽しみいただけましたか?皆様の御眼鏡に称う日々を彩れておりましたら、拍手御喝采の程、御願い申し上げます。其れでは、今宵の舞台は……此れにて、幕引きと致しましょう。またあるかも知れぬ、もしもの物語まで、暫しのお別れに御座います。
此れは歯車の噛み合いによって、あり得たかもしれない、もう一つの世界の物語
《焔の剣聖》、《シン・仮面ライダー》、《紫紺の剣士》、《青藍の双剣士》
世界が違えば、環境も違う、その彼等が混じり合う世界線
其れ即ち、《マルチバース》也
再び、感謝の意を。ミトっていいよねさん、ポンコツNOさん、仮面大佐さん、木漏日レンさん、本当にありがとうございます!こんなアホみたいな作品にコラボをしてくださるとは……これから先もギャグの街道を爆進爆進!大爆進!!していきましょう!
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気