混ぜるな危険どころじゃない!最凶のカオスが今年もやってきた!年末のしみったれた毎日を吹っ飛ばす勢いのifの話……皆様の御眼鏡に敵いますかは見てのお楽しみに御座います。其れでは、この辺りで幕引きと致しましょう
「よ〜し、おめぇさんたち。今日は無礼講ってヤツだ。じゃんじゃん、流すから覚悟しな」
師走の年の瀬、誰もが仕事納めを目標に走り回る一年の書き入れ時にギルドホームからは高らかに声が響き渡る。その声の主であるソウテンの前にあるのは長い竹を利用した急流滑りのような装置、更にその手には白い麺のような物が握られていた
「自慢じゃないが、俺はこう見えても流しそうめん界のお兄ちゃんと呼ばれた男だ。お前たちに食わせるそうめんはねぇ!」
「お前みたいなゲーマヨラー似非お兄ちゃんに負けるか!俺はゲームには容赦しない!それが流しそうめんだとしてもな!」
「ヴェルデ。流しそうめんはゲーム?」
「違いますね。やれやれ、今日もカイさんとキリトさんのイカれ具合には呆れますねぇ」
真っ先に反応を示したキリトとカイの発言に疑問符を浮かべるヒイロ、その疑問に答えを返したヴェルデは呆れ気味に肩を竦める
「というか、どーして、道化師さんは流しそうめんなんかをしようとしてるの?今は冬だよ?季節外れにも程があるよ」
その様子に口を開いたのは、カイと親密な仲にある同盟ギルドのリーダーであるユウキ。深くはない付き合いの為にソウテンたちの脈絡もない行いに真面な意見を放つ
「ユウキ。細かいことは気にしないのよ、流しそうめんは年中無休で楽しめるエンターテイメントよ」
「ミト、ユウキに変なことを教えないで。この子があのバカたちみたいに季節感と情緒を重んじなくなったら、わたしは貴女の親友をやめるわよ」
「……………季節感は大事にしなきゃよね!」
余計な知識を入れ知恵をしようとしていたミトは、親友からの冷たい眼差しと辛辣な言葉に掌を返し、真面な意見に鞍替えする。それだけ、彼女の中でのアスナの存在は大きいということだ
「そいじゃあ、流すぞ?おりゃああああ!!」
「「なんでそうめんを流すのに振りかぶってんだ!!てめぇ!!」」
流すと言いながらも、野球選手も驚きの強肩で振りかぶったソウテンに全員からの突っ込みが飛ぶ。しかし、本人は気にせずに力の限りにそうめんを明後日の方向に放り投げた、彼の悪癖は投げるものにまで作用されるようだ
「ニハハハハ!一年振りに遊び来たぜ〜?ソウテンさんよぉ〜………ぐもっ!?」
「ゼットが死んだ!?コラボ開始早々になんかに被弾した!?えっ?ちょっ!なに?なにがあったの!?」
運悪く、その先に登場した赤いマフラーが特徴的なヘルメットの少年基ゼットの顔面にそうめんが命中。余りにも唐突な展開に後から姿を見せたエースは驚きを隠せずに、特徴である焦茶色の尻尾を揺らす
「おやまあ、此奴は久しぶりだな。お隣にあるクラン《A to Z》のエースちゃんじゃねぇか。お元気?」
「えっ?うん、まぁ、私は元気だけど……なんか、ゼットが死んだ」
呑気に挨拶してきたソウテンに釣られ、挨拶を返すエースだったが床に倒れているゼットを指差し、彼が動かないことを指摘する
「なんとまぁ可哀想に………誰にやられたんだろうね、こいつは」
「ニハハハハ……こいつは素敵な歓迎だなぁ〜?迷子なヤツは投げるものも迷子かぁ?」
「迷子じゃない」
「そうだよ、テンちゃんは迷子じゃないよ!リベロだよ!」
「なんかソウテンに似た子がいる!?誰!?」
「あの子はフィリアよ、テンの双子の妹でグリスみたいなゴリラと付き合ってて、飼い猫を病的に溺愛してて、お宝に目がない迷子娘よ。私たちはフィーって呼んでるわ」
迷子発言に敏感なソウテン、更に何時の間にか参加していたフィリア。その登場に驚くエースにミトは冷静な様子で彼女の紹介を始める
「ゼットくんと言ったかな?そこのへちゃむくれ迷子娘は私が引き受けよう!なに、礼には及ばない。それと、私はグリス親衛隊隊長のサクヤだ」
「お〜ん?誰かは知らないが、ありがとさん」
次に姿を見せたのは、フィリアという宿敵の存在を嗅ぎつけたサクヤ。彼女はまさかのゼットに協力を申し出るという暴挙に打って出る
「テンちゃん!へちゃむくれって言われた!メンバーじゃない人に!」
「うむ、落ち着きなフィーちゃん。おめぇさんは入間市随一の美少女だ」
「規模ちっちゃっ!?」
悪口を言われ、涙目のフィリアの頭を優しく撫でながらも彼女を褒めるソウテン。しかし、その褒め方は彼の器並みに小さかった
「コラボ開始早々に揉めてる……はぁ……ゼットは…ホントに…」
「悪いな、エース。あの二人は迷子発言に容赦がないんだ。それとサクヤさんは弟のグリスの恋人であるフィリアを敵視しているらしくてな……お兄ちゃんである俺がキツく言い聞かせておく」
「アスナ、アスナ。カイが訳わかんない」
「ユウキ。恋愛にはね、諦めが大切なのよ。わたしも昔はキリトくんをなんとか更生させようとしたの。でもね?無駄なことをしても、所詮は変わらないってことを悟ったの。そうでもしないと……」
相方の傍若無人振りに呆れ果てるエースに似非お兄ちゃん全開のカイは教育不十分であることを詫びるが、その姿にユウキは困惑気味にアスナに疑問を打つけるが、全てを悟ったが故に諦めの境地に達してしまった彼女は窓から流れ行く雲を眺める
「取り敢えず、テンが流しそうめんの趣旨を理解していなかった訳だから、もう一度、同じことを繰り返すのは負のループにも等しいわ。ここは折衷案で私がにゅうめんを作ることにするわね」
「何が取り敢えずだ、未だにアプリゲームにしか実装されてねぇのに、勝手に流しそうめんパーリィを中断するとはどんな了見だ」
「ごめんなさいね、ゲームにも出れない人の意見は聞いてないの。ちょっとだけ黙っててくれる?」
「はっはっはっ。その鎌、だいぶ傷んでるな?貸してみな、手入れしてやろう」
「い・や♪」
両手をわきわきさせ、詰め寄るソウテンを綺麗な笑顔で拒絶するミト。仲睦まじくはあるが、その争い理由は由々しき問題である事は明白だ。しかし、今はコラボ中故に特に気には止めないで頂けると有り難い
「よっ!相変わらず、暇そうだな?テン」
「なんだ、一年振りに見たかと思えば、今日も一人か。キリト並みに友だちにおらんヤツだな」
「悪かったな!?」
一年振りの再会であるにも関わらず、辛辣な発言を繰り出された少年基カルムは両目を見開き、突っ込みを放つと同時に自らの友人の少なさを染み染みと感じていた
「おいコラ、遠回しに俺にも飛び火させなかったか?答えろや、迷子」
「迷子じゃない」
そして、ぼっち扱いに敏感なキリトは自分に飛び火した事に気付き、ソウテンと二回戦に突入する。見慣れ過ぎた光景を気に留める者は誰も居らず、その光景は日常に成り果ててしまっているのは言わずもがなだ
「すまないな、カルム。お兄ちゃんである俺の教育不足だ」
「ユウキ。恋人にするヤツは選んだ方が良いぞ?」
「うん、ボクもちょっとだけ不安になってきた。早まったかな」
「ユウキは反抗期らしいな」
「カイくんはちょっとでも良いから、ユウキの手本になるようなことをしてくれるかな」
「なんか、アスナが辛辣なんだけど」
「うむ、アスナはちょいと親の煮付けがなってねぇからな」
「煮付けじゃないわよ、しつけよ。というか、話がややこしくなるから、二人はあっちで煎餅を齧ってなさい」
話を脱線させようとする迷子と似非お兄ちゃんを引っ張り、ミトは隅っこで彼等に煎餅を齧っているように命じる。その際に其々の好物であるピーナッツバターとマヨネーズで味を台無しにしていたのは語るまでも無く、理解出来る
「テンさ〜ん、なんか面白い依頼とかない?ちょっと金欠気味でさぁ」
「おやまあ、こいつは未だにコラボが出来てないルゼっちか。久しぶりだな」
「うん、久しぶり。それでなんかない?」
二度あることは三度ある、それを体現するかのように姿を見せたルゼは金欠を解消する為にソウテンに何らかの依頼はないか?と問う
「あると思うか?年末に。今は流しそうめんパーリィの時間だ」
「流しそうめんパーリィ!?なにそれ…!?」
「ぷぷ〜ん」
「うむ?ほう、ルゼっちにプルーが懐いてる。微笑ましいな」
「あら、プルーは人懐っこいわね」
「それだけ、人懐っこいのになんで俺には懐かないんだ」
「犬はちょっと………苦手なんだけどなぁ…」
人懐っこい愛犬を微笑ましそうに見守るソウテンとミト。一方でキリトは自分に懐かない事に不満を募らせ、ルゼは苦手な犬に分類されるプルーを前に苦笑している
「流しそうめんパーリィか。ぽん酢を持参してよかった」
「エースちゃん。なんか出汁は?」
「出汁?んなものがあるわけないでしょ、生で行きなさいよ。ゼットなら不可能じゃないでしょ」
「エースちゃん、ソイツは揉んでくれという意味と捉えていいのか?いーんだよな?」
「いーわけあるかぁ!!」
そうめんパーリィと聞き、何処からかぽん酢を取り出した用意周到なカルム。彼とは対照的に何も用意していなかったゼットはエースの胸を揉もうとするが物理的に無力化される
「よし、親睦を深める為に今日はかるたをやろうと思います!どーですかっ!」
「「やればいいじゃない」」
「やればいいじゃないとはなんだコラァ!!」
「「ぐもっ!?」」
かくして、一年の時を経て、始まるは最凶のかるた大会。言わずもがなであるがここから先に起こる惨劇を今はまだ誰も知らないのは、火を見るよりも明らかだ
次回は後編!波乱のかるた大会はどーなる!?
NEXTヒント 波乱なんぞ知らん
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気