序幕 プロローグ
『くだらねぇ…。どいつもこいつも人を社会のクズ呼ばわりしやがって』
悪態を吐き捨て、無造作に頭を掻き乱す一人の少年。彼は絶望していた、大人という存在に。普段は子どもの世界に見向きもしない癖に、一度でも道を踏み外せば、社会のクズ呼ばわりする大人たち。彼はそんな世界を嫌っていた
誰からも相手にされず、只管に怒りを打つける毎日。繰り返される日々は、少年の世界に、白と黒の二色の景色を映す
『………』
その時だった。一人で寂しそうにゲーム機と睨めっこする彼女に出会ったのは。自分とは異なる寂しさを抱えた彼女に少年は声を掛けずにはいられなかった
『おい』
『………な、なに?』
突然の少年からの呼び掛けに少女は俯いていた顔を上げる。目の前に立つのは青いメッシュ入りの黒髪を無造作に掻き乱す少年の姿。若干の不信感は否めないが不思議と彼は信用できる、少女はそう感じていた
『一人でゲームか?ガキはガキらしく、元気に遊べ』
『君も子どもじゃない』
『俺をそこいらのガキと同じにすんな。こー見えても、カラーギャングのリーダーやってんだ。その辺の奴らとは、鍛え方が違げぇんだよ』
『カラー……ギャング…?』
聞きなれない言葉に少女は首を傾げた。よく見ると目の前の少年はクラスメイトの男子達とは異なり、妙な逞しさを感じる
生傷だらけの体に、冷めた瞳、着古したGジャン。その出立ちに、少女の瞳は、彼がまるで、別世界からきた異邦人の様に映った
『言ってみりゃ、悪さばっかしてる社会から炙れたガキの集まりだ。この前なんか、俺らのことを社会のクズとか言ったおっさんや敵対してるバカどもをボコボコにしてやった』
『悪いことは駄目だよ。いつか、きっと後悔する日が来るんだよ』
『……だとしても、俺たちはそういうやり方しか知らねぇんだよ』
『……でも良くないよ、やっぱり。それで君の気分が晴れるなら、私は何も言わないけど。違うよね?だって……今の君は寂しそうに見える』
『……寂しそうねぇ。だとしても、さっきも言ったが俺はそういうやり方しか知らねぇんだよ。気に食わないことに対して、怒りを打つけることしか出来ねぇんだよ。確かに間違ってるかもしれねぇがよ。でもな、俺はそうやって生きてきたんだ、だからこれからもその生き方を曲げるつもりはねぇ。まあ……少しだけなら、お前の意見を尊重してやってもいいけどよ、あくまでも少しだからな?』
少年の問いに少女は顔を上げ、嬉しそうに頷いた。調子が狂う…と罰が悪そうに少年は肩を竦める
『そういえば……君はこんなとこでなにしてるの?』
『実はよ、ダチと一緒に逃げてたんだけどよ。どーも…俺だけが逸れちまったみたいでな。入間市はどっちだ?』
『ここは、所沢市だよ?どれだけ迷子なの?バカなの?キミは』
『俺は迷子じゃない。其れにバカなんは、迷子になってるあのバカたちだ』
『やっぱり迷子だよね』
『違う。迷子じゃない』
『いや迷子だね』
『迷子って言うヤツが迷子だ』
『なるほど、迷子なんだね。えっと…迷子くんって呼べばいい?迷子くんはどうして迷子になったの?』
『やめろ、迷子を連発するな。それだと俺が迷子みたいだろ。あと、俺には
迷子呼ばわりされたのが余程、不服だったのか少年もとい天哉は自らの名を少女に告げる
すると、彼女は優しく笑い、天哉の眼前に顔を接近させる
『私は兎沢深澄だよ。気軽にミトって呼んでね』
『なっ!いきなり顔を近づけんな!俺のことはテンで良い、よろしくな…ミト』
『わかった。よろしくね、テン』
『よし…じゃあ、行くか。ミト』
『え…私も?』
咄嗟に腕を掴まれ、深澄は困惑した表情を見せる。それもその筈、天哉の友人達を探すのに自分も同行するとは思っていなかったからだ
『そのゲームの相手が出来そうなヤツがダチに居るから、紹介してやるよ。アイツ、ゲームだと容赦なくてよ、俺たちだと相手にならねぇんだ。たまにはその鼻をへし折ってやりたい訳だ、協力してくれるか?ミト』
『ゲームで負ける訳にはいかないね。テンの為に協力するよ』
『なっ!べ、別に俺のことは良いんだよ!お前はソイツに勝てばいいだけだ!』
『テン。もしかして、照れてるの?可愛とこあるね。迷子だけど』
『可愛いとか言うな!あと迷子じゃない!』
幼き日の出会い。世界を嫌う少年とゲームを愛する少女
『蒼の道化師』と『紫の死喰い』
最強のトッププレイヤー夫婦
二人は後にゲームでの死が現実の物となる恐ろしきデスゲーム、VRMMORPG《ソードアート・オンライン》の世界で、その名を轟かせることとなる
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気