ソウテン「そいじゃあ、本編どうぞ」
「………………うーん」
「おろ?どしたんよ。珍しく悩んでるじゃねぇの、我が息子よ」
「何か分からない事があるなら、教えてあげるわよ」
12月24日。世界中が一つのイベントに浮き足立つ前日、いわゆるイブと呼ばれる日。家族水入らずの時間を過ごしていた道化師一家。その長男であるロトが何かに思い悩み、唸っていた
「サンタクロースって………どっから来るの?」
「「……………えっ」」
唐突な発言に、ソウテンも、ミトも声を合わせて驚き、固まる
「いや、クリスマスにプレゼントくれるんでしょ?ならどうやって来るのかなって。そもそも僕の欲しいものを知ってる理由は?」
「えっ〜〜〜と………それはアレよ。テンがサンタさんのお友達なのよ。ねぇ?テン」
「えっ!?あっ、うん!そうそう!サンタのヤツとはアイツがロトくらいの歳の時からの知り合いでなっ!其れはもう親友以上に親しい!もうこれは俺がサン----ぐもっ!?」
「おろ?とーさん。もう寝る時間か?」
「いや……これは床磨きだ……それはそうと、ミトてめぇぇ!!!」
ロトの呑気な問いに答えを返しながらも、自分の話を遮ったであろ人物、ミトに駆け寄り、涙目で頭の上の瘤を指差す
「貴方ねぇ……其れでも父親?可愛い一人息子の夢を秒速で壊そうとしてんじゃないわよ」
「いやでも、流石にどっかで夢から覚ましてやらにゃだろ」
「まだ早い。それはそうと……ロトは何をお願いしたのかしら?興味あるな〜、母さん」
「いいよ、ほらこれ」
そう言ってロトが取り出したのは一枚のチラシ。二人は愛息子が何を欲しがっているかを確認する為に視線を落とす
「一家で団欒……炬燵セット?」
「うん!これがあったら、とーさんもかーさんも、それに皆で鍋を囲めるから」
「うちの子………なんて良い子に育ってるの……明日はお赤飯よ」
「いや、ミトさん。明日はクリスマスだぞ」
「それもそうね。七面鳥の中に赤飯詰めましょう」
「変な創作料理生み出そうとしないでくれませんっ!?まぁ、プレゼントはどうにかするとして、行くか」
謎の創作料理を生み出そうとするミトに突っ込みを入れた後、徐にソウテンが立ち上がる
「おろ?何処か行くんか?とーさん」
「ちょっと、今日は明日のクリスマス用ディナーの準備を手伝ってくれる約束だったじゃない。私、嘘吐きなテンは嫌い」
「そーいや、ミト。この前見つけたおめぇさんに似合いそうな服をネット通販で自宅配送にしといたから、明日の夜に届くぞ」
「前言撤回、流石はテンね。気配りが出来る貴方が大好きよ」
(とーさん、かーさんの扱いが上手いなぁ)
嫌い発言からの変貌に、ロトはミトのちょろさを感じるが、声には出さない。ソウテンは、何時も通りの不敵な笑みを浮かべる
「そいじゃあ、行くとするか。クリスマスイベントに」
「レディ〜〜〜〜ス!ア〜〜〜ンド!ジェントルメ〜〜〜〜ン!!!白く降り注ぐは空からの贈り物、一面を彩るは銀幕の雪化粧!光り輝く星の下で、今宵限りの宴を始めようっ!さぁ、歌え!騒げ!叫べ!その翅を震わせろ!新生アインクラッド大クリスマスパーティのスタートだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
12月24日。ソウテンが12月中頃から受けていたイベント企画の依頼から生まれた大クリスマスパーティ、各種族の妖精達が見据える先には一つの舞台。その中央で、特徴的な猫耳をぴこぴこと動かし、愛らしい鍵尻尾をふりふりと揺らし、軽快なステップを繰り広げる少女の手にはマイクが握られ、ミニスカート風のサンタクロース衣装に身を包んでいる
『L・O・V・E!シリカ!がんばれ、がんばれ!シリカ!!』
「はーい!司会進行はあたし、泣く子も笑うのキャッチフレーズでお馴染みの《
『L・O・V・E!シリカ!がんばれ、がんばれ!シリカ!!』
沸き立つファンからの声援に応える様に慣れた対応を返すのはシリカ。最近はユニット活動からソロ活動まで、幅広い分野で活躍する言わずと知れたアイドル娘である
「毎度毎度、飽きないわね………」
「うんまぁ………好きだからね、宴会」
「グーくん!お姉ちゃんから等身大バナナ抱き枕カバーのプレゼントだ!」
「あのグリスさん!良かったらどうぞっ!最高級バナナの苗木ですっ!」
「おや、フィリアくん。私の愛弟に何かようかな?懲りない小娘だな、君も」
「ああ、居たんだ?サクヤさん。何ですか?今日もメロン持参ですか?芸がないですね」
「おいおい、めでたい日に喧嘩すんなよ。ほら、バナナケーキやるからよ」
((はうっ………!す、素敵すぎる…!))
「鼻血出しとるっ!!!」
「マスターとサクヤ様は平常運転ですね」
グリスの優しさに鼻血を出すサクヤとフィリアにリーファが驚愕し、エストレージャの毒舌が冴え渡る
「騎士の腕の見せ所だ!キッド!これが俺の力作だ!!!」
「ディアベルちゃん、バームクーヘンを作るのは構わねぇけどよ。彼女の前で半裸はやめてくれるか?」
「…………何か問題が?パンツは履いてるだろ」
「脱ぎ方が足りないって意味じゃねぇわ!!!」
「うむ、ヒイロよ。キッドがいると突っ込みが楽だな」
「うん。その前にコーバッツ、その大量のバナナは何処から持ってきたの?」
「あっちの生ハムメロンの隣だ。然しあれだな、果物の王様はやはりバナナだな!」
「バナナ好きも大概にしやがれ、バナナオヤジ」
パンツ姿でバームクーヘンを調理するディアベルに恋人のキッドが突っ込みを放つ様子を見ていたコーバッツ。その手に握られた大量のバナナを前に乱暴な突っ込みをヒイロが放つ
「スグちゃん。クリスマスプレゼントをどうぞ」
「えっ…!あ、ありがとう!きっくん!…………なにこれ」
「プロテインシェイカーです」
「わぁ!脳筋なあたしにはやっぱり、プロテインシェイカーが一番のプレゼント…………って!!誰が脳筋よっ!!!」
「クリスマスバージョンのノリツッコミがお上手ですね」
「褒められても嬉しくないっ!!というかクリスマスバージョンでもないわっ!!!」
プレゼントを贈る時も恒例のリーファ弄りを忘れないヴェルデにキレのあるノリ突っ込みを放つリーファ。その仲睦まじい姿を睨みつける者が居た
「止めるなよ、アスナ。俺はヴェルデを今から焼き討ちにする。可愛い妹に手を出した罪をその身で償えェェェ!!!」
「ユイちゃん」
「はい?」
「リーファちゃんの恋を邪魔するパパって、どう思う?」
「きらいです」
「………はぐっ!!!」
「超きらいです」
「二回言われたーーーっ!!!」
追い討ちをかける様に放たれたユイからの発言にキリトは雪景色顔負けのに真っ白な灰のように燃え尽き、崩れ落ちる
「大変よ、テン。うちのトナカイさんとサンタさんがものすごく可愛いわ」
「うーむ、こいつは恐ろしいな」
セクシーサンタ姿のミトが見詰める先には、トナカイ姿の愛犬とサンタクロース姿の愛息子の姿がある。ソウテンもその愛くるしい姿に恐ろしさを感じている
「ププ〜ン」
「おろ?プルーがトナカイに。新しいフォルム?」
「…………私ね、奇跡の写真家って人に弟子入りしようと思うの」
「ミトさんや、毎度のことだけど早まるんじゃないよ」
「そうね、取り乱したわ。で?テン。私のサンタコスプレはどう?」
「似合う似合う、超似合う」
「
「いや、俺はコスプレしてない」
プルーとロトの写真を撮りまくるサンタコスプレ姿のミト、その様子を普段からコスプレ的な姿のソウテンが見守る
「何時も通りね」
「だな」
「シノン……良い尻だな!やっぱり!」
「ふふっ♪」
「…………」
傍観するリズベットとアマツの隣では、相変わらずの尻褒めしかしないツキシロの脳天にシノンが火矢を放ち、物言わぬ屍にしていた
この日、新生アインクラッドには笑い声が絶えなかったのは言うまでない
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気