2024年7月某日 第56層 聖竜連合本部
現在、この場には名だたる顔触れが一同に会している。ある共通の理由を前に聖竜連合と血盟騎士団、
「それでは、ラフィン・コフィン討伐作戦会議を始める。幹部プレイヤーの情報を皆に回すから確認してくれ」
今回の議題、其れは
「ラフィン・コフィンの根城が下層のある小さな洞窟と判明した」
シュミットが発した内容に辺りから、動揺の声が挙がる。その理由は彼等のアジトを探す為に、しらみ潰しの様に不動産ショップを探したが、その結果が空振りに終わっていたからだ
幾つかのオレンジギルドのアジトは発見できた。しかし、肝心の《
「見つからん筈だ。こいつは」
本来、ギルドという組織は主街区等の街中を拠点とするのが一般的だ。だが、《
展開されるマップを確認する限り、彼等のアジトは街中から離れた洞窟。これでは見つかる訳も無い、故に其れは絶好の隠れ家である事を意味する
「あくまでも目的は討伐であって殺戮じゃない。戦力を削ぎ、最終的には奴等を《黒鉄宮》に送るという事を忘れないでくれ」
「……生温りぃな」
「え…?」
聖竜連合の幹部プレイヤーの言葉、誰かが呟く。その声の先には仮面を冠った一人のプレイヤーが鎮座していた
殺気を感じさせる瞳に誰もが彼を見る。その顔に普段の不敵な笑みは見られない
「相手は人を殺すことに何の躊躇いも持たん殺戮者だ。人を人だとも思わんヤツは人じゃねぇ……一人残らず、“処分”するんが良いと俺は思う」
“処分”、其れは即ち、殺す側に廻るという事を意味する。その提案に誰もが息を呑んだが、提案者であるソウテンの眼は本気だった
「なっ……!テン!お前!自分が何を言ってるか、分かってるのか!?」
「
「リーダーらしくありませんね。恐れながら、僕は反対です」
「俺も…。いくら、リーダーの意見でも従えない」
「テンの字、今のお前はリーダーらしいと思えんぞ」
「職人の言う通りだ。テンらしくないぞ、どうしたんだ?」
キリト達からの意見にソウテンは何も語ろうとしない。椅子に座り、他のギルドリーダーからの解答を待つのみだ
「俺は反対だぜ。テン」
「私も一人残らずというのには反対だ。確かに、もしもの場合としての対策の一つに、そういった事を視野に入れるべきだろう。しかし……全てを処分して、我々に何のメリットがあるというのかね?ソウテン君」
「メリットなんかねぇ。俺は悪を裁きたいだけだ」
「其れが正義だって言うのかよっ!!お前は!」
「犠牲のない正義は正義じゃない」
「ふざけんなっ!!」
ソウテンの胸ぐらを掴み、キリトが怒鳴る。普段とは想像の付かない彼等の姿に誰もが黙り、その様子を見る事しか出来なかった
結局、決着は付かず、会議は終了。ソウテンは仲間たちの元にはいかず、一人で何処かに消える
「………くそっ」
「キリト」
「ミト……」
「お願い…、私に……私に、教えて!テンはどうしちゃったの!?さっきのテンはまるでテンじゃないみたいだった!本当にアレは私の知ってる
涙を溢れさせ、感情のままに叫ぶミト。彼女の姿にキリトは数秒の沈黙後に彼女を見据える
「あいつは確かに
「私たちの知るテンじゃない……?」
「ああ…あれはアイツの中にある心の闇だ。テンは“黒い衝動”って呼んでた」
「………あのテンに心の闇があるなんて…。そんなの!私、知らないっ!」
「知らなくて当たり前だよ。あのテンを知ってるのはメンバーでは俺だけだ……そう、アレはあの日、母親を失って、夜の街で只管に怒りをぶつけて、暴れていた頃のアイツだ。でも、ミトと出会って、アイツは今のアイツになれた…はずだった。少しだけ…昔話を聞いて欲しい…君の知らないテンについての、昔話を…」
キリトは語った。ミトが知らなかったソウテンの過去を、幼馴染である自分だからこそ知り得る限りの全てを。その全てを彼女は黙って聞いていた
やがて、全てが話し終わると、キリトは真っ直ぐにミトを見詰める
「ミト。今のアイツを止められるのはただ一人、お前だけだ。お願いだ……アイツを、俺の親友を救ってやってくれ」
そう言い、頭を下げるキリトの姿にミトは静かに佇むだけだった…。そして、二時間後、波乱の討伐作戦は幕を開ける
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気