蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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ギャグ回です!あの有名なギャグ漫画を題材にしてます!
あれ?予告と違う……何故だ?


第三十三幕 行列

2024年10月20日 第50層主街区アルゲード 彩りの道化(カラーズ・クラウン)ギルドホーム

 

 

「なるほど、其れでヒースクリフと決闘することになった訳ね。で?他のギルドの本部で、然も……あのヒースクリフの前で揉めたって言うのは本当なの?」

 

柔かな笑顔を浮かべ、問いかけるミトの前には正座をするソウテンとキリトの姿があった。尚、彼等の背後にはアスナが仁王立ちしている

 

「ああ、本当だ。このぼっちが人を迷子呼ばわりするもんだから」

 

「俺は事実を言ったまでだ。あと、ぼっちじゃない」

 

「まあ、売り言葉に買い言葉ってヤツだから……仕方ないわね、其れは。でもね?」

 

「「ぐもっ!?」」

 

ソウテンとキリトの頭上に御約束が決まり、ミトの表情が笑顔から、怒りを含んだ物に変わる

 

「どうして、私も呼ばないのよっ!ヒースクリフと闘うチャンスだったのに!」

 

『そっちかよっ!?』

 

まさかの発言にグリス達からの突っ込みが飛ぶ。当の本人は未だに怒りが冷めておらず、鎌を肩に担いでいる

 

「殴るわよっ!」

 

「いやもう殴ってますが」

 

さぁ(ふぁ)……頑張ろう(ふぁんふぁふぉう)…“ゲームクリア(へーむふぃりあ)”…目指して(めふぁふぃへ)

 

『前途真っ暗だよっ!!!』

 

頭に瘤、更に顔面が膨れ上がったソウテンが意気込みを掲げるが、安心出来ない状態故に突っ込みが入る

 

「で?キリト。正直言ってよ、勝てるのか?ヒースクリフに」

 

「………其れなんだよな。ヒースクリフの無敵さは攻略の時に何度も見てるけど、ゲームバランスを超えてる。正々堂々と立ち回って、勝てるかどうかは微妙だ」

 

「なるほど……ということは残る手段は“あれ”か」

 

「ええ…“あれ”しか、ありません」

 

「“あれ”なら、キリトさんでもヒースクリフに勝てる」

 

「“あれ”って言うと、“あれ”か」

 

『K・O』

 

「真面目に考えなさい!バカどもっ!」

 

『ぐもっ!?』

 

ソウテン達の頭上に鎌が振り下ろされ、アスナもため息を吐き、シリカは何時もと同じように苦笑を浮かべる

 

「ほ、ホントに……勝てるのかなぁ?キリトくんは…」

 

「どんまいですよ!アスナさん!」

 

「仕方ないわね。やっぱり、私が闘うわ!アスナの為に!」

 

「ミト……って!闘いたいだけじゃない!ミトの場合はっ!」

 

「……バレた?」

 

アスナからの指摘を受け、舌を出し、ミトは悪戯っぽく笑う

 

「ミトさん、戦闘狂ですもんね」

 

「せんときょー?それなにー?シリカー」

 

「えっと、ロトくんにわかりやすく説明するとね。ミトさんみたいに闘い好きな人のことだよ」

 

「かーさんのことかー」

 

「私は戦闘狂じゃないわ」

 

「人を鎌で殴るけどねぇ」

 

「直ぐに手が出るけどな」

 

「鍋しか作らねぇけどな」

 

「リーダーみたいな迷子を好きになったりしますがね」

 

「結論、ミトさんも根本的には俺たちと変わらない」

 

「私を皆みたいな変人と一括りにしないで」

 

ソウテン達と言い合うミトの姿にアスナは安堵すると同時に苦笑する

 

「ミトも割と変人になりつつあるけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年10月20日 第75層主街区コリニア

 

ローマ風の造りが特徴的な街並みが特徴的な主街区は、四角く切り出した白亜の巨石を使用している。そして、この《コリニア》が誇る最大の目玉が転移門前に聳え立つ巨大なコロシアムである

 

「火噴きコーン十コル! 十コル!」

 

「黒エール冷えているよ~」

 

コロシアム入り口には、口々にわめき立てる商人プレイヤーの露店がずらりと並び見物人に怪しげな食い物を売り付けている

 

「どうなってんだ……」

 

「わたしにも何が何だか……」

 

街に降り立ったキリトとアスナは唖然としながら、佇む

 

「あら?誰かと思ったら、キーくん」

 

不意に呼び掛けられ、振り返ると鉄板の上でお好み焼き的な料理をひっくり返す女性の姿があった

 

「ん?あっ!メイリンさん!」

 

「ふふっ、そっちの子がアスナちゃんね」

 

「は、はい……えっと、キリトくんとお知り合いの方ですか?」

 

「ええ、彼のことはよーく知ってるわ」

 

「ふぅん………キ・リ・ト・く〜〜〜〜ん?」

 

女性、メイリンの発言に黒い笑みでアスナがキリトに視線を向ける

 

「ご、誤解だ!メイリンさんは行きつけの定食屋さんの娘さんなだけだ!こっちに来てからは自分の店をやってるから、テン達と頻繁に食べに行くだけであって!アスナが思ってるような関係じゃない!俺が大切なのはアスナだけだ!」

 

「そ、それなら……良いんだけど」

 

キリトの言葉にアスナは顔を紅潮させ、恥ずかしそうに俯く

 

「にしても、メイリンさん。今日はちゃんとした料理を売ってるんだな。何時もは変なのばっかなのに」

 

「あら、あるわよ?キーくんの大好きな激辛ブラックパスタ」

 

「いただくよ」

 

「どういうパスタなのっ!?あれ?ねぇ!キリトくん!あそこ!」

 

聞いたこともない料理名に思わず、アスナが突っ込みを入れる。すると、コロシアムの前から煙が上がっているのが目に入る

 

「煙……?火事か?いや……VRMMOで火事なんて…聞いたことないぞ?」

 

「とにかく!言ってみましょ!メイリンさん!失礼します!」

 

「頑張ってねー」

 

「ああっ!俺のパスタがっ!!!」

 

「後にしなさいっ!」

 

パスタが食べれず、残念がるキリトを引き摺りながら、アスナは煙が上がる方に足を走らせる。そして、辿り着いた先には見知った仮面のプレイヤーが視界に映る

 

「あの…お客様?焚き火はちょっと」

 

「ああ?いいじゃねぇの、焚き火くらい。暖を取らしてくれよ。最近、寒いんよ」

 

「いや!暖を取る以前に軽いボヤ騒ぎになってるんで、焚き火は勘弁してくれませんか?」

 

「何ですか、其れでは貴方は我々に世紀の対決を観戦するなと仰る訳ですか?これは然るべき案件ですね、リーダー」

 

「全くだ。事と次第によっては血盟騎士団本部に苦情を入れなきゃなんねぇな」

 

「いやだから、みんな、並んでるんですから……そういうのは…ゲホッ!ゲホッ!勘弁してもらえませんか?」

 

「よーし、テーン、ヴェルデー。準備できたぞ。ほーら、バームクーヘンだ」

 

「おおっ!さすがはベルさんだ」

 

「ディアベルさんのバームクーヘンは美味ですからね。いただけるのは大変、喜ばしいことです」

 

「バームクーヘン!?何で今食べるのっ!?ていうか、無駄に美味そうだしっ!!」

 

「はっはっはっ、今更になってもあげんよ?少年。此れは俺たちのバームクーヘンだ。君にはこのピーナッツ----ぐもっ!」

 

焚き火を囲み、バームクーヘンを食べようとしていたソウテン達を背後から、キリトが蹴り付ける

 

「悪いな。このバカ達には後で言い聞かせておくよ」

 

「ごめんね?ノーチラス。この人達はバカなのよ」

 

「副団長のお知り合いなんですか…?」

 

「ま、まぁ……知り合いかな?」

 

ノーチラス、そう呼ばれた青年が問いかけるとアスナは苦笑気味に返答する。一方、キリトは、ソウテンに対し、哀れむような視線を送っている

 

「お前……何してんだ?」

 

「ふっ……見て分からねぇんか?」

 

「分からん、微塵も分からん。というか、分かりたくもない」

 

「攻略組の間で流行ってるゲームを買いに来たんだ。そう……ツインファミコンを」

 

「そういう列じゃねぇよっ!これは!そもそもコロシアムにゲームを買いに来るとか、どんだけ迷子なんだよっ!だいたい!VRMMOの世界にゲームが売ってる訳あるか!あったとしても、そんなん既に売ってねぇよ!バカテン!!」

 

「えっ?じゃあ、どうやってあの配管工に会うんだ?二度と会えねぇじゃねぇの、せっかく再会出来ると思ってたのに…」

 

「気を落とさないでください、リーダー。彼に会える日は必ず、訪れますよ」

 

「そうだぞ、テン。前に進もう、彼と再び会える日を信じて」

 

「再びどころか何十回も蘇ってるぞ、あのオッさん」

 

再会できないと聞き、落胆していたソウテンにキリトが告げると彼は嬉しそうに顔を上げる

 

「そうか……良かった。で?あの双子なのに、主人公には未だに抜擢されるシリーズ少ない弟の方も健在なんか?」

 

「いやなこと言ってやんなよっ!お前に弟さんの何が分かるんだよっ!そもそも、仕事はどうしたんだよ?お前。色々とやらなきゃならない依頼とかあるだろ」

 

「安心しろ。俺たちがいなくても、ミト達がいんだろ?」

 

「まあ…確かに」

 

「ミト達なら、テンくんよりは安心ね」

 

「アスナさん?おめぇさん、最近ちょいと俺の扱いが雑くない?んむ……?」

 

アスナの辛辣な物言いに、物申すソウテンであったが列の中間で何やら、声が聞こえた事に気付く

 

「あの、お客さん。申し訳ないんですが……他のお客様の迷惑になりますので、こたつはちょっと…」

 

「すいません、ちょっと待ってもらえます?まだ、ロト達が食べてるんで」

 

「おいしー」

 

「焼き鳥うまうま」

 

「美味しいですねっ!チーズフォンデュ!」

 

「きゅる〜」

 

「ぴよぴよ」

 

「あの、でしたら…列を離れて」

 

「ちょっと待ってくださいって、だから」

 

「いや、ちょっと」

 

「いや、ロ……」

 

「いえ、ちょっ」

 

「だーかーら!まだロト達が食べてるしょぉーが!!!きゃっ!」

 

騒ぎの中心となっていた炬燵に入り、鍋を囲んでいたミト達にキリトの蹴りが叩き込まれる

 

「ミト……お前もか」

 

「あら、キリトにアスナ。遅かったわね」

 

「いや、そんなチーズフォンデュを頭からかぶった状態で挨拶されても普通に出来ないんだけど…ミト」

 

「バカね、アスナ。寒い時に鍋を囲むのは宇宙の常識よ」

 

「いや、知らないから、そんな常識。そもそも、ミトは何してるの?ここで」

 

「決まってるじゃない、スーパーファミコンを買いに来たのよ。私は」

 

「「お前もかいっ!!!」」

 

意味が分からないと言わんばかりの表情で首を傾げるミトにキリト、アスナの突っ込みが飛ぶ。当の本人はソウテン達と談笑している

 

「テンにベルさん、それにヴェルデじゃない。三人もスーパーファミコンを買いに?」

 

「いや、ツインファミコンだ」

 

「つ、ツインファミコン!?まさか!あの伝説の!?ファミコンとディスクシステムが一体化したアレを買いに来たのっ!?」

 

「ああ。でも、キリトは曰く此れはそういう列じゃないらしいんよ」

 

「えっ……?じゃあ、スーパーファミコンもないの?私は魔王を倒して、ハイラル王国に平和を(もた)らしてあげることが出来ないの…?」

 

「安心しろ、お前がやらなくてもハイラルは平和だ」

 

「そう…良かった。それで?あの囚われまくりのお姫さまも健在なの?やっぱり」

 

「やめてやれ!好きで囚われてる訳じゃないんだから!ていうか!仮にも姫さまだぞ!」

 

「ああ……親友がテンくんに毒されていく…」

 

「ねぇ?アスナさん?何で、おめぇさんは俺に対しては辛辣なの?恨みでもあんの?んむ?」

 

やはり、辛辣なアスナに突っ込むソウテンであったが、またしても異変に気付く。先頭付近から、何やら声が聞こえてくる

 

「申し訳ありません、お客様。他のお客様のご迷惑になりますので……バナナの出荷作業はちょっと…」

 

「なんだと!てめぇ!全国のバナナを待つバナナ愛好家を敵に回すつもりか!」

 

「やめるんだ、グリス少年。すまない、直ぐに梱包作業を済ませるんで。ちょっと待ってくれないだろうか」

 

「いや、もう…」

 

「いや…バナナ」

 

「だから……」

 

「ちょっ…ちょっ…!まだ、バナナ梱包してないでしょぉーがぁぁぁぁ!!あべしっ!?」

 

バナナ梱包作業に勤しんでいた二匹のゴリラ(グリスとコーバッツ)を背後から、キリトと男性プレイヤーが蹴り付ける

 

「おいコラ、ゴリラ。先頭で何してんだ」

 

「見て分からねぇか?バナナの出荷準備だ」

 

「隊長……いえ、コーバッツさん。軍を抜けて何をしてるんですか?アンタは」

 

「おお!副隊長のコジロウか!久しぶりだな!見ての通りだ、バナナを梱包している!」

 

「………キリトさん。このバカを借りていきますね?あっ、俺はコジロウと言います」

 

コジロウと名乗った男性はコーバッツを引き摺り、キリトに会釈する

 

「ご丁寧にどうもです、コジロウさん。こっちのゴリラは引き受けます」

 

「誰がゴリラだ!!」

 

「うるさいよ、ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」

 

「てめっ!学名で呼ぶんじゃねぇ!」

 

言い争うキリトとグリスを見ながら、アスナは心の中で思う、切実に

 

(結局……これは…どういう集まりなの…?)




いよいよ、幕を開けるキリトとヒースクリフの戦い。果たして、勝利は何方の手に!

NEXTヒント 道化師

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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