蒼の道化師は笑う。   作:田中滅

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どもっ!いやぁ、ポケモンレジェンズを買ったんですが……金曜の夜にやり出したら、止まらなくなって、気づいたら土曜の朝六時までプレイしてました……ゲームって、怖いなと思う今日この頃です

そんなことより!物語もいよいよ終盤!だが!この作品はタダでは終わらせないっ!やっぱり、ギャグを入れてこそ!


第四十七幕 骸骨の狩り手

2024年11月7日 第75層迷宮区

 

 

「綺麗……」

 

75層の迷宮区は、僅かに透き通るような黒曜石に似た素材で組み上げられており、まるで鏡を彷彿させるように敷き詰められたその光景に、シリカはうっとりしていた

 

「シリカ。この湿った空間で、よくその答えが出るね」

 

「あはは、そうだよね。今、あたしたちはボス部屋の前にいるんだよね」

 

「そうです。いくら、シリカさんが強くなってからとはいえ、攻略戦への参加はこれが四回目なんですから、気を引き締めてください」

 

「う、うん。分かってるよ…ヴェルデ。でも……アレを見てたら、緊張感もへったくれもないんだよね……」

 

「「アレって……ああ、アレ」」

 

呆れたようなシリカの視線を、ヒイロとヴェルデが追う。その先には、ボス部屋にも関わらず、緊張の欠片が微塵も見受けられないソウテンたち(バカたち)の姿があった

 

「この扉、現実にあったら、どんくらいの値段すんだろうねぇ」

 

「ふむ、そうだな。実物を見た訳ではない故に断言は出来んが……かなりの値段はするだろう。テンの字にも分かり易く言うなら、ピーナッツバターが箱で大人買い出来るくらいの値段だ」

 

「マジでかっ!!」

 

「其れに、パスタやバナナ、バームクーヘンでもだ」

 

「「「なにぃっー!!すんげぇっ!!!」」」

 

「ミトくん、彼等はボスを倒すという意識があるのかね?」

 

「あると思うわよ。あとコーバッツさん、攻略前にバナナを食べるのはよしなさい」

 

「安心したまえ、此れは私が自作したバフ効果のあるバナナだ。この攻略で、役に立ってみせる」

 

「あら、そうなの?だったら、このピーナッツバターを塗る?」

 

「いや、やめておこう。其れはバナナに失礼だ」

 

「バナナに失礼って、何処の国の言葉よっ!?それっ!!」

 

攻略前であり、尚且つボス部屋の前であるにも関わらず、平常運転のソウテンたち(バカたち)に年少メンバーは勿論ながら、アスナも苦笑を浮かべている

その光景に、多少の変化が見受けられるも、真剣な表情のヒースクリフが鎧を鳴らし、注目を自分に向ける

 

「皆、準備はいいかな。今回、ボスの攻撃パターンに関しては情報が無い。 基本的にはKoBが前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限りパターンを身切り、柔軟に反撃をして欲しい」

 

「柔軟………はっ!洗濯物干したままだっ!!」

 

「大丈夫よ、取り込んでおいたから」

 

「なに、そいつはありがてぇ。ホントにミトは出来た嫁だ」

 

「そう?ありがと」

 

⦅緊張感ねぇのかよっ!!!コイツらっ!⦆

 

最早、攻略以前の会話を始めるソウテンかミトに対し、全員が心の中で、全力の突っ込みを入れた。其れでも、表情を変えなかったヒースクリフは、軽く咳払いをする

 

「こほん。では――行こうか」

 

黒曜石の大扉に歩み寄り、中央に手を掛ける。重い腰をあげるように、開きゆく扉に、緊張が走り、全員が息を呑む

 

「さて……そいじゃあ、何時も通りで行くとするかね」

 

「ああ、そうだな」

 

「腹が鳴るぜっ!」

 

「其れを言うなら、腕が鳴るかと思いますが?」

 

「仕方ないよ、グリスさんはゴリラだから」

 

「シリカ。これに関しては、バカなだけだよ」

 

「物を知らないのね、ホントに」

 

「バナナでも食べるといい」

 

「コーバッツさん、其れは後にした方がいいんじゃないか?」

 

「ディアベルの言う通りだ、攻略前に食べるのは良くない。食べるなら、この戦いに勝利してからだ……という訳で、リーダー。例のアレを頼む、士気を高めるためにもな」

 

「あいよ。派手に行くぜっ!野郎ども!」

 

『了解!リーダー!!』

 

決まり文句で、一瞬の内に普段の騒がしさから、空気が一変。三大攻略ギルドに於いて、最強の座を持つ《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》が足踏みを揃え、其々の得物に手を掛け、開ききった扉の中へ、走り出した

 

「戦闘、開始!」

 

ヒースクリフの号令で、残りの者達もソウテン達に続き、中に走り出す。広いドーム状の部屋の中で、自然な陣形を作って立ち止まる

刹那、轟音を立て、扉が閉まり、完全に退路が断たれる

 

「あん?ボスは何処だ?」

 

「見当たりませんね。ティーパーティーでもしてるんでしょうか」

 

「いや、もしかしたらタコパかもしれない」

 

「パーリィ!?司会とかいるかなっ!」

 

「そこぉ!!!目をキラキラさせないっ!!」

 

「少しは緊張感持ちなさいっ!!」

 

一向に姿を見せないボスに、静寂にも似た沈黙に耐えかねたグリス、ヴェルデ、ヒイロ、シリカが能天気発言するのを、ミトとアスナが咎める

 

「テン……気付いてるか?」

 

「ああ…いるな、上に」

 

『上……って、上かぁぁぁぁぁ!!!』

 

ソウテンの発言に、首を傾げた後、全員が叫び声と共に頭上を見上げた。ドームの天井部に、貼り付いた”其れ”は、円筒形をした体の一つ一つからは、剝き出しの鋭い骨脚が伸びている

その体を、追うように視線を動かす。徐々に、太さを増す先端、その先にあるのは、凶悪さと不気味さを併せ持つ頭蓋骨があった

名は、《The Skullreaper》――骸骨の狩り手。そして、その死神は頭上へと落下を始める

 

「固まるな! 距離を取れ!!」

 

素早く指示を飛ばすヒースクリフ、落下予測地点から、誰もが飛び退く。しかし、落下するスカルリーパーの真下にいた三名の動きが僅かに遅れた

 

「不味いっ!職人!ロープ出せっ!あとグリス、コーバッツのダンナ!!引っ張っれ!!!」

 

「「「了解!リーダー!!」」」

 

ソウテンの叫び声にも似た指示で、アマツがストレージからロープを取り出し、三人目掛け、投擲する。そのロープを、グリスとコーバッツのパワフルコンビが引っ張っり、彼等を救出しようどするが、その背後に、地響きと共に、スカルリーパーが落下し、床全体を震撼させた

刹那、ロープからグリスとコーバッツが手を離すと同時だった。三人の命を狩り取る大鎌が、横薙ぎに振り下ろされ、切り飛ばされた

 

「なっ……!!!」

 

「諦めるなっ!グリス少年!!!まだロープは繋がっているっ!!!」

 

「言われなくてもっ!!!」

 

コーバッツが怒号にも似た叫びを挙げ、グリスが引っ張る力をより一層に強くするも、激しい勢いで、減少を始めたHPバーは一瞬で、ゼロを示す。空中にあった三人の体が、無数の結晶となり、四散した

 

「……一撃で……死亡……だなんて」

 

「こんなの……無茶苦茶だわ……」

 

ミト、アスナがその光景に掠れた声で、絞り出すように呟く。其れもその筈、以前の攻略時に遭遇した悪魔モンスターも、強敵であったが、今回は、その出来事さえも、霞むような事例だ

 

「さて、キリト。どうだい、この光景に怖気付いたか?まっ、おめぇさんのことだ……そいつはねぇよな?勿論」

 

「ああ、寧ろ、その逆だよ、親友。今、俺は燃えてるよ、煮えたぎるマグマのようにな。其れにだ、不謹慎かもしれないけど、改めて、このゲームが死んだら、終わりのデーズゲームってことを自覚した。だからこそ、あの三人の無念を晴らす為にも、何としても、アイツに持ちうる全ての実力を行使し、この層を突破しなきゃいけない。其れが、助けてやれなかった三人への、せめてもの償いだ。違うか?テン」

 

Así es(その通りだ)。そういう訳だからよ、言ってもわかんねぇと思うが、骸骨さん?予告しといてやるよ、アンタの命は、我々、《彩りの道化(カラーズ・クラウン)》が戴くよ。故に、Tener una relación por un tiempo.(暫しのお付き合いを)

 

命を狩り取りし、骸骨の死神と未来という明日を目指し、戦う色彩の道化たちの戦いの火蓋が切って落とされた。其れが、世界への終焉を告げる鐘の音であることは、まだ誰も知らない




死神と道化、二つの混じり合う色。その先で、栄光を掴み取るのは、何方なのだろうか

NEXTヒント 真相

もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…

  • ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
  • キリトとアスナが司会の正規の雰囲気
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