そんなことより!物語もいよいよ終盤!だが!この作品はタダでは終わらせないっ!やっぱり、ギャグを入れてこそ!
2024年11月7日 第75層迷宮区
「綺麗……」
75層の迷宮区は、僅かに透き通るような黒曜石に似た素材で組み上げられており、まるで鏡を彷彿させるように敷き詰められたその光景に、シリカはうっとりしていた
「シリカ。この湿った空間で、よくその答えが出るね」
「あはは、そうだよね。今、あたしたちはボス部屋の前にいるんだよね」
「そうです。いくら、シリカさんが強くなってからとはいえ、攻略戦への参加はこれが四回目なんですから、気を引き締めてください」
「う、うん。分かってるよ…ヴェルデ。でも……アレを見てたら、緊張感もへったくれもないんだよね……」
「「アレって……ああ、アレ」」
呆れたようなシリカの視線を、ヒイロとヴェルデが追う。その先には、ボス部屋にも関わらず、緊張の欠片が微塵も見受けられない
「この扉、現実にあったら、どんくらいの値段すんだろうねぇ」
「ふむ、そうだな。実物を見た訳ではない故に断言は出来んが……かなりの値段はするだろう。テンの字にも分かり易く言うなら、ピーナッツバターが箱で大人買い出来るくらいの値段だ」
「マジでかっ!!」
「其れに、パスタやバナナ、バームクーヘンでもだ」
「「「なにぃっー!!すんげぇっ!!!」」」
「ミトくん、彼等はボスを倒すという意識があるのかね?」
「あると思うわよ。あとコーバッツさん、攻略前にバナナを食べるのはよしなさい」
「安心したまえ、此れは私が自作したバフ効果のあるバナナだ。この攻略で、役に立ってみせる」
「あら、そうなの?だったら、このピーナッツバターを塗る?」
「いや、やめておこう。其れはバナナに失礼だ」
「バナナに失礼って、何処の国の言葉よっ!?それっ!!」
攻略前であり、尚且つボス部屋の前であるにも関わらず、平常運転の
その光景に、多少の変化が見受けられるも、真剣な表情のヒースクリフが鎧を鳴らし、注目を自分に向ける
「皆、準備はいいかな。今回、ボスの攻撃パターンに関しては情報が無い。 基本的にはKoBが前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限りパターンを身切り、柔軟に反撃をして欲しい」
「柔軟………はっ!洗濯物干したままだっ!!」
「大丈夫よ、取り込んでおいたから」
「なに、そいつはありがてぇ。ホントにミトは出来た嫁だ」
「そう?ありがと」
⦅緊張感ねぇのかよっ!!!コイツらっ!⦆
最早、攻略以前の会話を始めるソウテンかミトに対し、全員が心の中で、全力の突っ込みを入れた。其れでも、表情を変えなかったヒースクリフは、軽く咳払いをする
「こほん。では――行こうか」
黒曜石の大扉に歩み寄り、中央に手を掛ける。重い腰をあげるように、開きゆく扉に、緊張が走り、全員が息を呑む
「さて……そいじゃあ、何時も通りで行くとするかね」
「ああ、そうだな」
「腹が鳴るぜっ!」
「其れを言うなら、腕が鳴るかと思いますが?」
「仕方ないよ、グリスさんはゴリラだから」
「シリカ。これに関しては、バカなだけだよ」
「物を知らないのね、ホントに」
「バナナでも食べるといい」
「コーバッツさん、其れは後にした方がいいんじゃないか?」
「ディアベルの言う通りだ、攻略前に食べるのは良くない。食べるなら、この戦いに勝利してからだ……という訳で、リーダー。例のアレを頼む、士気を高めるためにもな」
「あいよ。派手に行くぜっ!野郎ども!」
『了解!リーダー!!』
決まり文句で、一瞬の内に普段の騒がしさから、空気が一変。三大攻略ギルドに於いて、最強の座を持つ《
「戦闘、開始!」
ヒースクリフの号令で、残りの者達もソウテン達に続き、中に走り出す。広いドーム状の部屋の中で、自然な陣形を作って立ち止まる
刹那、轟音を立て、扉が閉まり、完全に退路が断たれる
「あん?ボスは何処だ?」
「見当たりませんね。ティーパーティーでもしてるんでしょうか」
「いや、もしかしたらタコパかもしれない」
「パーリィ!?司会とかいるかなっ!」
「そこぉ!!!目をキラキラさせないっ!!」
「少しは緊張感持ちなさいっ!!」
一向に姿を見せないボスに、静寂にも似た沈黙に耐えかねたグリス、ヴェルデ、ヒイロ、シリカが能天気発言するのを、ミトとアスナが咎める
「テン……気付いてるか?」
「ああ…いるな、上に」
『上……って、上かぁぁぁぁぁ!!!』
ソウテンの発言に、首を傾げた後、全員が叫び声と共に頭上を見上げた。ドームの天井部に、貼り付いた”其れ”は、円筒形をした体の一つ一つからは、剝き出しの鋭い骨脚が伸びている
その体を、追うように視線を動かす。徐々に、太さを増す先端、その先にあるのは、凶悪さと不気味さを併せ持つ頭蓋骨があった
名は、《The Skullreaper》――骸骨の狩り手。そして、その死神は頭上へと落下を始める
「固まるな! 距離を取れ!!」
素早く指示を飛ばすヒースクリフ、落下予測地点から、誰もが飛び退く。しかし、落下するスカルリーパーの真下にいた三名の動きが僅かに遅れた
「不味いっ!職人!ロープ出せっ!あとグリス、コーバッツのダンナ!!引っ張っれ!!!」
「「「了解!リーダー!!」」」
ソウテンの叫び声にも似た指示で、アマツがストレージからロープを取り出し、三人目掛け、投擲する。そのロープを、グリスとコーバッツのパワフルコンビが引っ張っり、彼等を救出しようどするが、その背後に、地響きと共に、スカルリーパーが落下し、床全体を震撼させた
刹那、ロープからグリスとコーバッツが手を離すと同時だった。三人の命を狩り取る大鎌が、横薙ぎに振り下ろされ、切り飛ばされた
「なっ……!!!」
「諦めるなっ!グリス少年!!!まだロープは繋がっているっ!!!」
「言われなくてもっ!!!」
コーバッツが怒号にも似た叫びを挙げ、グリスが引っ張る力をより一層に強くするも、激しい勢いで、減少を始めたHPバーは一瞬で、ゼロを示す。空中にあった三人の体が、無数の結晶となり、四散した
「……一撃で……死亡……だなんて」
「こんなの……無茶苦茶だわ……」
ミト、アスナがその光景に掠れた声で、絞り出すように呟く。其れもその筈、以前の攻略時に遭遇した悪魔モンスターも、強敵であったが、今回は、その出来事さえも、霞むような事例だ
「さて、キリト。どうだい、この光景に怖気付いたか?まっ、おめぇさんのことだ……そいつはねぇよな?勿論」
「ああ、寧ろ、その逆だよ、親友。今、俺は燃えてるよ、煮えたぎるマグマのようにな。其れにだ、不謹慎かもしれないけど、改めて、このゲームが死んだら、終わりのデーズゲームってことを自覚した。だからこそ、あの三人の無念を晴らす為にも、何としても、アイツに持ちうる全ての実力を行使し、この層を突破しなきゃいけない。其れが、助けてやれなかった三人への、せめてもの償いだ。違うか?テン」
「
命を狩り取りし、骸骨の死神と未来という明日を目指し、戦う色彩の道化たちの戦いの火蓋が切って落とされた。其れが、世界への終焉を告げる鐘の音であることは、まだ誰も知らない
死神と道化、二つの混じり合う色。その先で、栄光を掴み取るのは、何方なのだろうか
NEXTヒント 真相
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気