2025年1月20日 埼玉県入間市ゲームセンター“ファミリア”
「チクショーォォォォォォ!やっぱり、二ヶ月で、ピーマンを克服するのは無理だった!」
『其処じゃねぇわっ!!!バカリーダー!!!』
「ぐもっ!?」
ピーマンを克服出来なかった自分を責め、床を殴り付ける天哉であったが、その姿に納得のいかない深澄達の鉄拳が飛ぶ
因みに鉄拳というのは例えで、深澄はハリセンで頭を引っ叩き、和人は口に辣油を押し込み、純平はバナナを鼻の穴にぶち込み、菊丸はカレーを両眼に流し込み、彩葉に至っては焼き鳥の串で腕を刺しまくっていた
「ったく……こっちは、お前が記憶から消えた違和感に悩まされてたってのに…」
「そうよ。そもそも、私達の記憶を消したりして、何がしたかったのよ。テン」
「その説明はわたしがするよ」
「えっと……貴女は?」
瀕死の天哉に代わり、名乗り出たのは一人の少女。彼女の顔は、髪色などの違いは見受けられるが天哉と瓜二つである
「わたしは琴音。苗字は違うけど、テンちゃんとは双子よ」
『双子っ!?』
「あれ?知らんかったの?琴音の存在」
「常識だよな。今更感が半端ないよ」
『お前らは知ってるだろうなっ!!!そりゃあ!!!』
琴音の正体に、驚愕する深澄達を他所にあくまでも冷静な天哉と和人。彼等はソファーに腰掛け、アフタヌーンティーに興じていた
「兎に角、説明するね。お茶を用意するから、残りカスのみなさんも寛いでください」
『残りカスっ!!?』
「おうおうコラ、テンの妹かなんかしらねぇがな。人を残りかす呼ばわりすんじゃねぇよ、いいか?俺たちはカスはカスでも天かすだ!!」
『違うわっ!!!このアホゴリラ!!!』
琴音の言葉に対し、純平が睨みを効かせながら、詰め寄るが明らかに意味不明な事を口走る彼に深澄、菊丸、彩葉からの突っ込みが飛ぶ
「ご…ごめんなさい…(ワイルドな人…落花生とか好きかな…)」
「琴音!?許さんよっ!お兄ちゃんは許さんからなっ!!!おめぇさんに恋はまだ早いっ!」
「仮想世界で子どもまでこさえたヤツが何を言ってんだよ」
「全くですね。家、奥さん、子ども、犬という正に理想的な家族設計をしていたリーダーが言っても、説得力はありませんよ」
「焼き鳥食べたい。買ってきて、リーダー」
「テンはバカそうにみえて、実はすごいの。SAO時代はロトを交えて、三人でよくハジケたわ、鍋しながら」
「テンちゃん。ロクな友達いないね、相変わらず」
「ゴリラに惚れるような琴音には言われたくないかな」
全員がソファーに腰掛けるのを確認し、天哉は久しぶりに揃う仲間たちの姿を眺める。後の四人は不在ではあるが、この場には昔から知るメンバーが勢揃いしていた
「んじゃあ、話してやるよ。俺がおめぇさん達から記憶を消した理由は、茅場に頼んだからだ」
『茅場に?』
「ああ。あの世界が仮想世界だからって、俺が人を殺したことは紛れもない真実だ。この汚れた手は、きっとまた誰かを傷付けちまう…。あの討伐作戦の時に生き残った二人の女プレイヤーを覚えてるか?」
「女プレイヤー……確か、グウェンにルクスだったか?その二人がどうしたんだ?」
「76層に向かう二日前、俺はあの二人に会った。最初は俺を警戒して、話も聞いてくれんかった……当然だよな、あの二人からすりゃあ、俺は殺戮者だ。自分も殺される、そう思ったんだろうな。でもなぁ………暫くして、ルクスが言ったんよ」
『私たちは確かに……間違ったことをしたかもしれない…。それでも……私たちには、このやり方しかなかった……だから、だから……アナタにもしも……人を想う気持ちがあるのなら……その罪を忘れないで……ください……』
罪、そう呼ぶのは天哉が仮想世界で葬った数多の命。ルクスのその言葉は、道化師に誰かを想う心を、再確認させたのだ
「だから、あの崩壊する《アインクラッド》を見ながら、茅場に頼んだ。『罪を背負うのは、俺だけでいい。もしも、アンタに罪を償う気があるなら、この世界で俺に関わった全ての人の記憶から、俺の存在を消してほしい』ってな。なのに……おめぇさん達ときたら、思い出すだもんなぁ……」
「当たり前じゃない。だって、私はテンの恋人よ」
「俺は親友だからな」
「俺は弟分」
「右に同じく」
「俺は--」
『ペットのゴリラ』
「誰がだっ!!!人間だっ!!!」
『えっ……』
「真顔で驚いてんじゃねぇっ!!」
真顔で驚愕する天哉達に純平の突っ込みが飛ぶ。その光景を眺め、琴音はカップを口に運び、微笑する
「良かったね、テンちゃん。居場所が見つかって、今のテンちゃんはあの頃よりも、ずっと楽しそうだよ」
「ねぇ、琴音さん」
「あっ、はい。えっと……深澄さんだよね?どうかした?」
隣に座っていた深澄に呼び掛けられ、琴音は彼女に視線を向ける。すると、彼女は優しい笑みで、微笑んでいた
「琴音って呼んでもいい?私のことは深澄もしくはミトって呼んで」
「分かった。それで、どうしたの?ミト」
「小さい頃のテンって、どんな感じだった?私が知ってるのは、10歳くらいからのテンだから、私の知らないテンを教えてくれない?」
「そのくらい、お安い御用だよ。兎に角、昔からテンちゃんはピーナッツバターばっかり食べててね。いっつも和人と喧嘩してた、ピーナッツバターと辣油の何方が最高の調味料なのかを巡って」
「ふふっ、なにそれ…。今と全然変わってないじゃない」
「そうだね。ねぇ、ミトが知ってるテンちゃんはどんな人?」
「う〜ん……そうねぇ。やっぱり、ピーナッツバターばっかり食べてて、和人達と馬鹿騒ぎしてるかな」
「やっぱり……」
「でもね……」
呆れる琴音の横で、深澄は柔らかい笑みを浮かべ、和人達と騒ぐ天哉の方に視線を向ける
「テンには、人を惹きつける不思議な魅力があるの。その魅力に本人は気付いてないかもしれないけど、私も、和人も、それに純平達は知ってるわ。テンの手はいつだって、誰かに差し出されるの。何度、振り払っても、結局最後はみんなが、テンの色に染まっちゃうのよ。あの
「テンちゃんの色……なんだろ、わたしも染まってみたいな。ちょっと」
「染まれるわよ、琴音なら。だって、テンの妹なワケだし」
「ええっ……そう言われると、染まりたくないかも……」
露骨に嫌そうな顔する琴音、その表情に天哉の面影を重ねた深澄は僅かに吹き出す
刹那、和人の携帯が着信音を響かせた。徐に携帯に視線を落とす和人、其れを囲うように、天哉達も携帯に視線を向ける
From:Agil
タイトル:なし
本文:俺の店に来てくれ、ミト達と一緒に。あと昨日の夜に夕飯でピーナッツバターが出たから、思い出したんだが、あの
添付ファイル:1件
「だとよ」
「よし、見んかったことにしよう」
「いやいや見なさいよ」
「おや?何やら、添付ファイルがありますね。カズさん、少し携帯を貸してくれますか?そのファイルをパソコンに転送して、見やすくしてみますので」
エギルからのメールを見なかったことにしようとする天哉を他所に、菊丸が和人から携帯を預かり、パソコンへと添付ファイルを転送する
『なっ……!こ、これは…!!!』
開かれた添付ファイルの中身に、深澄達は驚愕する。しかし、天哉だけは疑問符を浮かべている
「フラミンゴのいる鳥籠……?」
『アスナだろっ!!!どう見てもっ!バカリーダー!!!』
突拍子もない発言を繰り出す天哉の顔面に物理的な突っ込みが放たれた
「これって……ALOの世界樹?でも、こんな鳥籠あったかなぁ?」
一方で、琴音は人知れず意味深な事を呟きながら、首を傾げていた
エギルの店を訪れた天哉達、其処で聞かされたのはアスナの居場所…新たなゲームを前に彼等はどうする?
NEXTヒント 道化の音楽妖精と回復しない水妖精
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気