森林地帯アルン高原北西部《蝶の谷》
「サクヤーっ!!!」
会談場に響き渡るのは、リーファの声。名を呼ばれ、サクヤは振り向く
「リーファ!?どうして此処にっ!其れに、この突き刺さった
「あ〜一言では、説明できないの。まぁ、あの
「そ、そうなのか?しかし……一体、何が起きているんだ……」
リーファの説明に一度は納得しかけるが、状況を把握出来ず、サクヤは疑問符を浮かべる。彼女の隣に居るアリシャも同様の表情を、浮かべているのを見る限り、彼女も把握出来ていないことは、明白である
「其れに関しては、僕が御説明致しましょう」
「これは御丁寧にどうも……って!誰だっ!?キミはっ!!!」
「申し遅れました、僕はヴェルデと申します。ギルド《
「「ゴリラじゃねぇ!!」」
「………取り敢えず、サクヤさんにアリシャ・ルーさんでしたよね?貴方たちは逃げてください、此方へ、
「
「ホントなの?それは」
「うん、本当。あっ、提供してくれた人は信頼できる筋の人だよ……まあ、人間的には……ちょっと不安な部分も…あるけど…」
「そうなんダ。良かったね、サクヤちゃ………って!なにしてるノォォォ!?」
アリシャは、リーファの発言に安堵しながら、サクヤの方を振り向く。しかし、其処に居たのは、目を疑いたくなるような行動を取る親友の姿であった
「見て分からないか?」
「分からないから、聞いてるんだヨっ!?」
「私には分かるっ!この可愛い小猿くんは、愛しの純くんだっ!お姉ちゃんだぞっー!」
「ぎゃぁぁぁぁ!すりすりすんなぁぁぁぁっ!!」
「頬擦りしすぎて、火が出てるーーーっ!?」
突き刺さっていたグリスを引き抜き、自分の弟だと断定するや否や、彼に頬擦りを始めるサクヤ。高速の頬擦りは、次第に勢いを増し、摩擦熱が火に変化し、黙々と煙をあげる
「グリスさんに抱きつくなぁぁぁぁーーーっ!」
「ぐもっ!?」
『どっから来たのっ!?この迷子はっ…!』
突如、現れたのは、明後日の方向に走り出し、行方不明になっていたフィリア。彼女の側には他のバカ二人は見受けられないのを見ると、恋い焦がれるグリスの危機を察知し、彼女だけが、此処へ来たようだ
「急になんだっ!!私と純くんの触れ合いを邪魔するんじゃないっ!」
「姉弟だかなんだか知らないけど、私の目が黒い内はグリスさんには、触れさせないんだからっ!」
「………グリス、アンタはあの二人の相手をしなさい」
「ゔぇっ!?俺がっ!?」
「当然じゃない、アンタのお姉さんとガールフレンドなんだから」
「だからって---ぐもっ!?」
「答えは聞いてないわ。はぁ…ん?」
口答えしようとしたグリスを、物理的に黙らせ、ミトが呆れた眼差しで、肩に愛鎌を担ぎ直すと、彼女の袖を誰かが引っ張た
「ミトさん、ミトさん。あれ見て」
「あれ?……ふぅん、おいでなすったみたいね」
ヒイロに促され、上空に視線を向けたミトの視界に、飛来する無数の黒い影。目を疑うような光景に、恋人譲りの不適な笑みを浮かべ、その様子を視姦する
「あ!流れ星!」
「願い事しなきゃ!」
「敵でしょ!!!どう見ても!」
飛来する軍勢を、流れ星だと勘違いするシリカとディアベルにリーファが突っ込みにを放つ
(シンデレラガール!シンデレラガール!シンデレラガール!)
(一生ナイトでいたい!一生ナイトでいたい!一生ナイトでいたい!)
(バナナが主食になりますように!バナナが主食になりますように!バナナが主食になりますように!)
(焼き鳥屋!焼き鳥屋!焼き鳥屋!)
(インドにカレー修行!インドにカレー修行!インドにカレー修行!)
(バナナ食いたい!バナナ食いたい!バナナ食いたい!)
(新品の包丁、新品の包丁、新品の包丁)
(ずっとグリスさんと一緒に…ずっと一緒に…ずっと…)
(アスナに会えますように、アスナに会えますように、アスナに会えますように)
「ミトさんの以外、ロクな願い事が無いっ!!!」
「ていうか、敵を前に願い事してる時点でおかしいよネっ!?」
流れ星基軍勢に、願うミト達であったが、その願い事は碌でもないモノばかりで、唯一まともなのは、親友と再会を願うミトだけである
「却下する!!!」
『ぎゃぁぁぁぁ!!!』
突如、飛来した
「ユージーン将軍、こんな所に何のようだ」
「サクヤか。用件は理解しているのだろう?」
「ああ、大筋はリーファとヴェルデくんから聞いた。我々を襲撃しに来たとな」
「話が早くて、助かる。それで?お前たちは、何者だ」
ユージーン、と呼ばれた男は、視界に映り込む見覚えのない多数の種族で構成された団体、つまりは《
「私たちは、ギルド《
「僕はヴェルデ、このギルドに於ける頭脳です」
「ヒイロ、ギルドの切り込み隊長?とかいうのをやってるつもり」
「気持ち的にナイトやらせてもらってます!ディアベルですっ!」
「私は農業担当のコーバッツ!人は私を、バナナの伝道師と呼ぶっ!」
「俺はグリスだぜっ!人は俺を、無敵のパワーファイターって呼んでるかもしれねぇ!」
「アマツだ。字名は職人、職業は見ての通り鍛冶屋を生業としている。そこでだ、お前の武器を見せろ、若しくは鍛え直させろ」
「最後はあたしですね。あたしは……人気急上昇中の新進気鋭のVRアイドル!シリカです!どうです?あたしの曲を聞いていきませんか?」
ミトに続き、矢継ぎ早に自己紹介する面々に、ユージーンは苦笑を浮かべる
「うぅむ……中々にキャラの濃いメンツだな……。どうだ?ミトとやら、お前が俺の攻撃に三十秒耐え切ったら、この件から手を引いてやろう。まあ、出来ればの話だがな」
「……………こほん、ユージーンさんだったわね?」
意気揚々と提案を持ち掛けるユージーンに対し、軽く咳払いをした後、ミトは彼に向き直り、愛鎌を構え、不敵に笑う
「貴方の
決め台詞を発すると同時に、彼女は空高く跳び上がった。其れは、仮想世界に、その名を轟かせた《紫の死喰い》が、表舞台に舞い戻った歴史的な瞬間であった事は、言うまでもない
その頃、未だに行方不明なバカ二人は、逸れたフィリアを探そうともせずに、鍋を煮ていた
「夜食は火薬御飯だ」
「わぁ!美味しそうです!見てください!ロトくん!ロウソクが刺さってます!」
「おろ?なんかパチパチ言ってるねぇ」
ソウテンの手の中には、火花を散らす土鍋に盛られた大量の白米があった
「おいコラ、何を入れたんだ?お前」
未だかつてない一皿を前に、キリトは顳顬をヒクつかせ、親友に問いを投げ掛ける
「爆竹とダイナマイト」
「具材ですらねぇだろうが!!!」
「ぐもっ!?」
果たして、彼等がミト達と合流するのは何時になるのだろうか……其れを知る者は、誰もいない
最強の将軍を前に、鎌を振り抜くミト!彼女は、その果てに、何を刈り取る……?
NEXTヒント 裏切り者
はい、久しぶりにシリアス?的な展開を入れました。次回はカッコいいミトが書けるといいなぁ……というか、テンとキリトはいつ合流するんだろうか…
もしも、そーどあーと・おふらいんを書くなら…
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ソウテンとミトが司会の賑やかな雰囲気
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キリトとアスナが司会の正規の雰囲気