転生系騎士団長とお屋敷組交流記 作:とおりすがりのふに族団長
~ウインターローズ外れの巨大な屋敷 横の騎士団[プロミネンス]詰所訓練所にて~
七つの世界花を生命の源とし様々な花と人々が生きる豊かな世界。その名を「スプリングガーデン」
その世界を脅かす脅威「害虫」から世界を守る人類唯一の戦力「花騎士」が日夜厳しい訓練を行う訓練場。
日夜花騎士達が無限に湧き出るカカシ相手に鍛錬を積む訓練場にて、その場にそぐわない白球を打つ音が響いている。
カキーン!!
白球が勢いよく空を切り裂き、訓練場の結界にぶつかって地面に落ちてくる。単純なシールドではなく、柔軟性をもっているのか地面に落ちたボールはちゃんと原型を保っている。
「またホームラン♪ほらほら団長~そんな直球じゃこのオンシジュームちゃんから三振は取れないよ~♪」
快活な声でマウンドの青年を挑発するのはドでかいロッド(泡立て器をイメージしたものらしい)を構えるオンシジュームである。
この騎士団所属の花騎士にして副団長である花騎士カトレアに直接雇われている使用人でもある。(本人に使用人という自覚は薄いが)
「やかましいわ!人がちょっと本気で投げ始めたら世界花の加護全開にしたやつが威張るな!」
一方、ホームランを打たれた青年はぐぬぬといった表情でオンシジュームに毒づく。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。」
そんなふたりの様子をキャッチャー役をやっていた眼鏡少女。こちらも騎士団所属の花騎士「シンビジューム」がたしなめる。
「あんたたち他の娘たちが来る前から元気ねー。」
続いて審判役をやっていた少女。騎士団「プロミネンス」の副団長「カトレア」が呆れたように続ける。
「だいたい最初に団長が最初に変化球連発してオンシジュームを三振させまくって調子にのったのが悪いんでしょ。『パンモロトリプルアクセル』って表現は笑わせてもらったけど」
「そーだ、そーだ!団長じゃなかったらハバネロちゃんに逮捕されてるところだぞ~♪」
カトレアの後ろに回って口撃を続けるオンシジューム。よほどフォークボールや高速スライダーによる空振りを笑われたのを根に持っているらしい。
世界花の加護を受けた花騎士は様々な超常現象じみた現象を現実に出来るため、ベイサボールにおいては「ジグザクにボールを動かす」、「ボールが炎を纏っている」、「球速がガチで変化する」
等々のボールが投げられ、オンシジューム。のように巨大なロッドや酒瓶でそれらを打ち返すという我々の世界の野球とにて非なる攻防が行われている。
「最初に変化球見たいって言ったのはオンシジュームだろーが!!」
「いったけどパンツ見た挙句笑い転げて良いなんて言ってないもん!」
ずずいっと団長の前に出てきたオンシジュームと団量が顔を近づけ合って火花を散らすが一瞬でシンビジュームとカトレアによって引き剝がされる。
「シンビジュームちゃん放してよ~団長と決着つけてやるんだから~」
「でもそろそろ他の子もくるから今は我慢して~ 」
「離せお嬢~世界花の加護を使いまくってるチート娘を俺の石井●久のスライダーで三振に切って取ってくれる!!」
「はいはい、一●が誰だか知らないけど団長の変化球がすごいのは良く分かったから。団長はこれから私と書類仕事よ」
団長はなんとか逃れようとするが、花騎士の力に叶うはずもなく、母親に引きずられる駄々っ子のような有様でカトレアに腕を引っ張られて執務室に連行される。
「くっそー!ここまでか。シンビジューム!昨日頼んだフォーメーション訓練たのむぞ~。オンシジューム!てめーは次こそ決着つけてやるからおぼえてろ~~」
「はい承りました。団長さん」
「にっひひ~またベイサボールやろうね♪」
連行されながら団長が二人に言葉とかけるのと同時に訓練所の入り口からぞろぞろと騎士団所属の花騎士や見習の準騎士たちが顔を出す。
「団長、カトレアちゃん。おはようございまーす。」
「団長またカトレアさんに引きずられてる 」
「団長、お痛ばっかりしてるとカトレアお姉ちゃんに見捨てられちゃいますよ~♪」
引きずられる団長に出勤してきた花騎士たちがそれぞれ挨拶やらイジリやら好き勝手言ってくる。
「だー、あいつらも好き勝手言いやがって!つーかそろそろ無理やる連行するの止めてくれ~二階に上がるとき痛いから~~」
これがウィンターローズに幽閉されていた花騎士「カトレア」を副団長とする騎士団「プロミネンス」の日常である。