転生系騎士団長とお屋敷組交流記 作:とおりすがりのふに族団長
~騎士団[プロミネンス]詰所医務室にて~
団長がデンドロビウムに秒殺された後、治癒魔法のおかげで怪我は癒えているけど念の為に今日は絶対安静と医療担当の花騎士の指示を受けた為に団長はカトレアに介抱されていた。
最初のうちはいつも通りじゃれ合っていた二人だが、どちらともなく睡魔が襲ってきたらしく今はベッドで眠る団長のお腹あたりに椅子に座ったカトレアが覆いかぶさる様に寝ている。
「zzz・・・師匠め~zzz次は勝つ~zzz」
「zzz・・・団長、ちゃんとしなさいよ~zzz」
そんな医務室に二人の花騎士が入ってくる。
一人は団長をノックアウトしたデンドロビウム。もう一人はウインターロースで大きな影響力を持つ花騎士「ブラックバッカラ」である。
この二人はかつて魔力が大きすぎるが故に赤子でも抹殺されそうになったカトレアを幼いころから今まで表と裏から保護してきた。本来ブラックバッカラはめったにお屋敷に姿を見せないが、
今回は団長に興味が出たのか、ここを訪れたようである。
「おいおい、随分とぐっすり寝てるけどやり過ぎたんじゃないのかい?」
「そこまで強くはやっていません。女王様も一緒に寝てる所を見ると連日の執務と任務に向けた訓練計画の作成で二人共疲労が溜まっていたようです。」
ブラックバッカラの問いをデンドロビウムは即座に否定する。現に団長にやられてダウンしていたオンシジュームら前衛の花騎士達は既に回復して自主練習を始めている。
「うぉぉぉ!!次は団長をボッコボコにしてやるー-!!」
「オンシジュームちゃん。加護全開の技(スキル)使ったら団長さんでも死んじゃうよ(汗」
ブラックバッカラは団長の寝顔を一瞥すると率直な感想を漏らす。
「さっきまで素手とはいえ花騎士を制圧してた男とは思えないね。頼りなさそうな面だけとホントに使い物になるのか?」
「見た目以上に優秀な人物であることは確かです。私なりに何度か試しましたが団長さんは全てクリアしました。何より女王様の信頼を勝ち取っています。」
「そうかい・・・あの子が信頼とはね。目の前でこんな光景見せられたら信じるしかないけどさ」
膨大な魔力が原因でほとんど他人と触れ合う事ができなかったカトレアの人生を知る二人にとっては今団長に完全に体を預けて寝入っているカトレアの姿は信じがたいものだった。
「そういえばもうすぐ初任務だろう?あんたは討伐メンバーに入ってないと聞くけど大丈夫なのか?」
「団長に釘を刺されてしまいまして・・・最初から私が参加してはお嬢の世間での評価が上がらないと言われてしまいました。」
「そりゃ団長に一本取られたね。もっともそれで引き下がる辺りあんたも短期間の間に団長に絆されてるね~。最初は間者じゃないかって疑いまくってた癖に」
「・・・疑うのはもう諦めました。本当に女王様との約束を果たすために行動しているのが分かりますから」
「『まずはこのお屋敷、次はスプリングガーデン全土、君が望むならスプリングガーデンの外にまで連れてく』だっけか?」
「はい、彼は本気でこの約束を実行するつもりの様です。これで突拍子もない行動や軽薄に思える行動が減ってくれれば私ももっと協力的に慣れるんですけどね」
少し愚痴をこぼすデンドロビウムの姿にブラックバッカラの表情が徐々ににやけていく。
「何ですか?その顔は?」
「べつにー、騎士団団長ってのはどいつもモテルな~っておもっただけだよ」
「べ、別にわたしは団長を男性としてどうこうとは思ってません!!団長も元々全くモテていなかったと断言してます!そもそもあの軽薄さが治らない限りry」
「あーはいはい。これ以上他人の愚痴聞く趣味は無いから帰らせて貰うよ」
「ま、まだ話は終わってませんよ!!」
「続きは初任務終わった後に聞きに来るわ。じゃーなー」
デンドロビウムの文句をあしらう様にそう言うとブラックバッカラは窓を開けあっというまに飛び去ってお屋敷前の森の中に消えていった。
そして窓が開け放たれた医務室では・・・
『さっぶ、滅茶苦茶さっぶ!?』
運悪く舞い込んだ冷気の突風が団長とカトレアを襲い突然起こされた二人はパニック状態になる。
「めっちゃ寒いからお嬢の体で温めて!!」
「何言ってるのよ!男ならまず冷え切った私を温めなさいよ!」
寝起きで回ってない頭でぎゃいのぎゃいの言ってる二人にデンドロビウムは何やら疲れた顔になり、窓をそっと閉めて医務室から退室した。
10分後
「団長!?なんて医務室で寝てたはずなのに行く前より酷い有様になってるの?」
「オンシジュームよ・・・男には・・・理不尽と思っても耐えねばならぬ時があるのだ・・・・パタリ」
「だんちょー!!!衛生兵!急いで来てー-!」
団長は医務室に逆戻りになった。
今度はオンシジュームが介抱をかって出た。⇒翌日またイチャトラブル発生⇒団長は医務室を出禁になった。