転生系騎士団長とお屋敷組交流記 作:とおりすがりのふに族団長
新任の花騎士団長とウインターローズの森深くに幽閉されていた花騎士「カトレア」が結成した騎士団『プロミネンス』。
初の任務に気合を入れる一同の前に、不測の事態が立ちはだかる。斥候部隊からの信じがたい報告に、テントで休んでいた部隊全体に衝撃が走る。
「何でこんな所に『極限指定害虫』がいるのよ!?」
『極限指定害虫』それは一部隊で対処するにはあまりに凶悪な『害虫』でありトップクラスの花騎士が率いる部隊4つ以上で対処することが推奨されている。
この部隊でトップクラスと言えるのはカトレアとオンシジュームのみ。
シンビジュームとデンドロビウムはお屋敷に残して2部隊は実力が少し劣る花騎士で編成してきたのである。
「そんな・・・街道の害虫を倒す普通の任務だった筈なのに・・」
「死にたくない・・・死にたくないよぉ!!」
「団長!?撤退しましょうよ」
想定外の事態に動揺する団員の様子をひとしきり眺めた上で、一つの決断を下す。
「いや、こいつは俺達で倒す。俺達のすぐ後ろには村が点在していることを忘れるな。下がったら彼らは非常に危険な状態になる」
彼らを移動させて一緒に撤退というのも現実的ではない。
「私達でやるって・・・何か手があるの?」
カトレアからの質問に団長は椅子から立ち上がって応える。
「お嬢の遠距離部隊は少し先の崖の上に陣取って魔力を溜めて攻撃準備。狙撃ポイントから斜め45度の位置に害虫を俺とオンシジュームで引き付ける。オンシジューム配下と第三部隊は指定ポイントに俺達が入る為の塹壕を掘れ」
「第四部隊は?」
「この状況をデンドロビウムに伝えろ。24時間以内に誰も帰還しない場合は俺達は全滅したものとして扱えと伝えてくれ。異論が無ければ準備して30分後に作戦を開始する。帰りたい奴は第四部隊と一緒に帰れ。特別に許可する」
『撤退しません!!戦います!!』
第四部隊以外に撤退するものはいなかった。
「なら全員準備に入れ!!」
「了解!!」
準備をしてたらお嬢が近づいてきた。
「どったのお嬢?緊張して震えてるなら俺が抱きしめて」
言葉の途中で拳が綺麗にボディにめり込んだ。防寒服越しなのに超いてぇ!
「平和な世界から来たという割にはホントいつでも変わらないのね。世界に愛される私が失敗しないのは当然だけど、しくじって私の大切な人を二人も奪ったら許さないからね」
言うだけ言って、何故か顔を真っ赤にして去って行くお嬢。ん?二人!?ってことは・・・
「だんちょ~こっちは準備できたよ~!!」
入れ替わりで入って来たオンシジュームが抱き着いてきたせいで思考が途切れる。
普段ならまぁまぁの柔らかい感触が味わえるのだが、残念ながら今は防寒装備なので望むべくもない。
「おれも出来てるよ。オンシジューム。遊んでばっかじゃないって所を見せろよ。お前が頼りなんだからな」
「団長こそ。あれだけ見得切ったんだからカッコ良い所見せてよ~」
いつも通りのイタズラ娘の顔で斜め下から煽って来たと思ったら唐突に抱き着いてきて耳元に口を近づけて、さっきのとは全然違う色っぽい声で囁いて来た。
「良い所見せてくれたら・・・『ご褒美』あげるね♡」
あまりのギャップにドキマギしてたら、あっという間に離れるオンシジューム。離れて着地したその顔はいつも通りの顔だ・・・女ってすげー。
「じゃあ出口で待ってるね♪」
「あぁ、すぐ行く」
そう返すのがやっとだった。
「イカン、イカン。戦いに集中しないと」
手の中に『剣』をイメージして『太陽の剣』を作り出す。でかさも切れ味もほぼ最高レベル。これなら行ける。
団長用スペースを出ると第四部隊以外全員が集合していた。
「これより『騎士団プロミネンス』初任務を開始する!」
『はい!!』
次回『プロミネンス大勝利! 希望の未来へレディ・ゴー!!』
「いや、大体合ってるけど報告書っていうのはそういうもんじゃ無いわよ」
「え!?違うの!?そこを何とかお願いしますお嬢!!」
「ていうか恥ずかしいから私のささやきの下り消してよ~あれだけ乙女から『ご褒美』ぶんどったら十分でしょ~!!」
「・・・お願いですから、報告書位はちゃんと書いてくれませんかね?」
第四部隊の報告を聞いてから気が気じゃなかったらしく寝不足気味のデンドロビウムが拳を震わせながらため息を吐いた。
団長はオンシからどれだけ『ご褒美』搾り取ったんですかねぇ?(ゲス顏