人類最強の騎士と悪役令嬢は恋に落ちるか?以上の問いに答えよ。   作:ミストルティ

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問0:ギャルゲーの世界に転生したと思ったら乙女ゲー世界だった時の筆者の気持ちを答えよ。配点5点

 ヒロイック・ルミナリアをご存知だろうか?

 

 2000年代に発売された『ハイスピードマジックアクションラブコメ』まあ、言ってしまえばギャルゲーである。

 

 主人公は魔術外装(スペルメイル)というパワードスーツを纏う騎士の育成学校に入学し、幼馴染系姫騎士ヒロイン、高飛車貴族女子、隣国のパワフルロリお姫様、ボクっ娘男装女子、傭兵系クールビューティなど、魅力的なヒロインを攻略して行くのだ。

 

 このギャルゲーが売れたのはヒロインだけではない。スペルメイルの男の子ってこういうのが好きでしょ?のようなデザインや、熱いバトルパート、自身が仕える王国の王子や、教官などの男性陣がコミカルかつカッコいいからだ。

 

 俺自身もスペルメイルのデザインに惚れ込みプレイを始めたゲーマーの一人である。

 

 『ボクはね……多分あの日から、キミの事が好きだったんだ』

 

 プレイ中の画面にはボクっ娘ヒロインである金髪の少女が映し出されていた。

 

 何度やってもこのストーリーは良いな、なんて思いながら周回している。流石は人気投票一位のヒロインである。

 

 「やっぱりシャーリーしか勝たん」

 

 告白パートが終了し、一先ずセーブをして力を抜く。なんどもプレイしているが、やはり良い……語彙が死んでいるのはオタク故にだろう。

 

 「そう言えばファンディスクの発表、もう終わってるんだよな」

 

 思い出したように俺はスマホを取り出し公式サイトを確認する。

 

 サイトにはデカデカと祝シャーリーafter開発決定の文字があり、思わずガッツポーズをとってしまう。

 

 僅差で傭兵系ヒロイン、トーレが2位、危なかった。

 

 そのままスクロールしていると3位に姫騎士、4位には見知らぬ美少女がいた。

 

 「誰だ? こんな子ヒロイック・ルミナリアには……」

 

 疑問符を浮かべながら見知らぬ美少女の箇所をタップし、個別ページに飛ぶ。

 

 マリーベル・クリムガルデと立ち絵の横には書かれており、専用のスペルメイル姿もデザインされている事からメインキャラである事がわかる。

 

 プロフィール欄の下には出典、ヒロインズ・ルミナリアと書かれており、俺は一人納得した。

 

 ヒロイック・ルミナリアのガールズサイド、ようは乙女ゲー版、それがヒロインズ・ルミナリアだった。

 

 何となくの概要こそ知っているが、キャラまでは知らなかったのである。

 

 「外伝キャラまで対象だったのか……」

 

 マリーベルのイベントCGを見るからに主人公のライバルキャラ、ヒロイック・ルミナリアでいう王子枠なんだろう。

 

 真紅のスペルメイルに身を包む彼女のCGはカッコよく、美しかった。

 

 「てか珍しい! ビットがついてるじゃんこのスペルメイル!」

 

 俺はバトルCGを見つけ大興奮である。やはりスペルメイルが好きでこのゲームに手を出したのだ。かっこいい機体は気になってしまう。

 

 と、いけない。興奮していて忘れていたが、さっき途中でゲームをセーブしたのは用事があるからである。

 

 俺はスマホを仕舞い、ハンガーからジャケットを取ると部屋を後にする。

 

 マンションの2階にある俺の部屋はエレベーターを使うよりも階段の方が圧倒的に早いため階段を駆け降りようとする。

 

 だが、前日の雨のせいか、一段踏み外してしまう。

 

 次の瞬間、滑り落ちるように階段を降り、頭を打ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳥の鳴き声と川のせせらぎ、そして俺【ルージュ・メテオール】を覗き込む金髪の少女【マリーベル・クリムガルデ】の顔をみて激しい頭痛に襲われていた。

 

 激しく痛む頭を押さえながら俺はマリー様に大丈夫ですよと声をかけて起き上がる。

 

 珍しい俺の姿にマリー様はオロオロと不安げにこちらを見ていた。

 

 「ルー、ほんとに大丈夫よね? もしかして私が木の実が見てみたいって言ったから木に登ったのね?」

 

 マリー様は申し訳なさそうに木を見上げる。

 

 ここはクリムガルデ公爵領にある森である。

 

 屋敷から近く、マリー様の護衛として俺はついて来ていたのだ。

 

 まだ歳も10になったばかりだが、これでも正式な魔装騎士(スペルナイト)である。

 

 太陽が一瞬だけ陰りを見せた。

 

 上空で、マリー様直掩のスペルメイルが空を駆けていた。

 

 いつも見慣れたはずのそれを見て、俺は動揺が隠しきれなかった。

 

 空を駆けるパワードスーツ。そうここは……ヒロイック・ルミナリアの……ん? マリー様……?

 

 「ちょっとルー! ほんとに大丈夫よね!?貴方すごい顔してるわよ! スターク! スターク!! ルーが頭を打ったのだわ!!」

 

 直掩の騎士を呼ぶマリー様の顔を見ながら多分俺は宇宙猫みたいな顔をしていた。

 

 降りてきた騎士は俺とマリー様を抱いて飛び立つとお屋敷の方へと飛んでいった。

 

 俺、頭を打って転生したらしい。ギャルゲーじゃなくて、乙女ゲーの世界に。

 

 いや、世界観は一緒だからギャルゲーの世界なのか???

 

 俺は考えるのをやめた。

 




ヒロイック・ルミナリア設定資料01
魔術外装(スペルメイル)
オリオンズ大陸で運用される魔術外骨格。鎧に魔術的な加工を施したそれは単騎で一騎当千の実力を発揮する。
スペルメイルは待機状態があり、主人公ある貴方は剣の形、ヒロインの一人であるマリアは指輪の方で保持している。形は持ち主によって様々である。

オリオンズ大陸
アルルメイヤ王国、ランカリア帝国、テンペスタリア公国の三大国家とその他小国によって治められた大陸である。主人公である貴方はアルルメイヤ王国の騎士候補生である。
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