「貴様が元凶だな。大人しく結界の中にいるべきだったものを。」
「あんたは、往生堂の」
「鍾離だ。これ以上、璃月への狼藉はやめてもらいたい。」
「あんたのことはよく知らないけど、邪魔をするなら容赦はしない。」
悪霊は、半分以上塩の魔神の能力を扱えていた。
いつでも目の前の男を塩の彫像に変えられる。
「貴様は魔神の力を使う時に、魔神と契約を交わしたな。それはなんだ。」
「知れたこと、塩の魔神を殺したモラクスへの復讐として、奴の愛した璃月港を滅ぼすことだ。」
「抜いたのか、封印の剣を。」
「ああ、そうだ。恐ろしいほどの力を感じた。その力をただで乗っとるほど、馬鹿ではない。もし契約を結べば、こちらが乗っ取られることもない。魔神でさえ、璃月で契約を反故にすることはできないからな。」
「なるほど、まずそこが間違いだったな。」
「知ったような口を!凡人風情が!」
「凡人、なるほど凡人か。」
「ああそうだ!そのような粗末な神の目の模造品で、騙されると思うたか!」
「そんなに凡人を憎むのか。」
「そうだ!苦しみを知らず、悲しみを知らず、勝手に無かったことにした貴様ら凡人が憎い!今も璃月では才人によって凡人が守られているのだろう!全てを過ぎたものとし、自分とは関係ないと言って、無視するのであろう!」
「そうだな、確かに、彼らは事件の真相について、追及しようとはしなかった。そこには保身もあったかもしれない。だとしてもこのようなことを許すわけにはいかないな。」
「ではどうしろと!何も残さず、身代わりに殺された私は!何もせずに消えろというのか!」
「璃月には、民を守る幽霊だっている。自分と同じ悲劇が起きぬよう、貴様もそうなればよかったのだ。」
「勝手なこと言うな!あんた、貴様!人の心をなんだと……」
「そうか、凡人と呼ばれ喜んだが、やはり只人になるのは難しいらしい。作法は完璧なはずだが、心からただの人間になるのに一体どれほどかかることやら。」
「まさか……」
「先程述べていた一方的な契約だが、もし塩の魔神を殺したのが岩神では無かったら、その契約は矛盾するな。」
「岩王……帝……」
「貴様も璃月に住んでいたのなら、岩神が何に重きをおくか知っているはずだ。」
「や……め……」
「悠久の苦しみこそ、貴様の罰にふさわしい。」
「て……」
「貴様を、岩食いの刑に処す。」
「ふぅ、なんとかこじつけられたな。」
「あの霊がもしオセルなどと契約を交わしたとしたら、一大事だった。」
「そうならないように、あえて黙って契約に乗じてくれたのだろう。俺に依頼を出したのも、お前だったのか。」
「感謝するぞ。璃月を愛する同士よ。」
一応本筋としては、ここで完結です。
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