中抜き行進曲~アイドルファンですが、アイドル事務所社長に転生してしまいました   作:ひいちゃ

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#04『ニャンのイケナイ営業』

 2ndシングルが出て、ライブをやっても、我が中貫事務所の懐は寒い状態だった。

 シングルを出しても、使った分を埋め合わせるだけで精一杯。いっこうに我が暮らし、楽にならざり。

 

 もう、ニャンをクビにして、新たなアイドルを探すべきか? と思ったそんな時だった、ある依頼がやってきたのだ!

 

「えええええ!? 地下カジノで歌う依頼!?」

「あぁ」

 

 びっくりするニャンに俺はこっくりとうなずく。

 

「でででも、捕まったりしませんか?」

「向こうの話では、脱出ルートは確保してる、というから大丈夫だと思うぞ。そうそう、なんだったらカジノで稼いで来い」

「そんなぁ……」

「うちの事務所は火の車なんだ。こんなやばい営業でもこなさなきゃならないんだ」

 

 そういうが、やはりニャンは腰が引け気味な様子。仕方ないので、でっち上げな話をしてみることにする。

 

「それにだ。新人の頃は、こんな暗い仕事にも手をつけなくちゃならん。これも経験だ。どんなアイドルも、このような後ろ暗い仕事をしてきて、ビッグになったんだ(大嘘」

「そ、そうなのですか……?」

「そうだ。ビッグアイドルになりたいんだろ? だったら、これは避けて通れない道なんだ」

 

 俺がそう言うと、ニャンの表情が引き締まった。これは覚悟を決めた女の顔だ。

 

「わかりました……行ってきます!」

 

 そしてニャンは勢いよく、社長室を出て行った。

 ……ってこら! 勢いよくドアを開けるな! 壊れたらどうする!!

 

 ……

 ………

 …………

 

 その日の夜、ニャンは帰ってきた。……ズタボロな姿で。

 一体なにがあった!?

 

 そしてファンが減った。

 

 どうしてだろう……。

 

* * * * *

 

 私……松浦ニャンの3rdシングルが出ることになった。

 そこで私はある希望があり、それを伝えてみることにした。

 

「社長、私、自分で作詞作曲がしたいです!」

「さて、今回もあいつに頼むことにするか」

「ぴえん」

 

 そして出来上がった3rdシングルのタイトルは……。

 

『売れなかったらポールダンス』

 

「なんでこんなタイトルにするんですかぁ!?」

 

* * * * *

 

 気が付かなかったのだが、少しずつ売れてきてはいるらしい。

 2年目4月~6月のロイヤリティは1347万円で、会社の資金も5000万円を突破した。

 ニャンの歌声も、いくらかよくなってきたっぽい。

 

 そこでまたアイドルを雇いたいんだが、こんな弱小事務所ではその余裕がないのがつらいところだ。

 

 そんな中、4thシングルを発売。タイトルは……

 

『スマイルは基本無料』

 

「どうだ、いいタイトルだろ?」

「どこがですかぁ!?」

 

 不評だった。なぜだろう……。

 

 まぁ、それはともあれ、そろそろステップアップする時ではなかろうか。

 

「なぁ、ニャン。さらに上のレコード会社に挑戦してみないか?」

「え、いいんですか!? やりますやらせてくださいむしろやらせろ!!」

「わかった、わかったからそんなに瞳を燃やして乗り出してくるな!」

 

 そして送り出したのだが……。

 

 たそがれレコード……失格。

 山本レコード……失格。

 

 ここまで貯めていた3000万円が溶けた。

 

「てへぺろ」

「ふざけんなよ!!」

 

 しかし、この後、ついにニャンの花開く時がやってくる……!!

 




次回、いよいよ(とりあえずの)最終話です。
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