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悲劇の終わりと、新たな希望 ~why am I here?~
……こえが、……聞こえる。
「…………さま……お嬢さま!」
その声は私にとって、もう会うこともないはずの人のもの。
「お嬢さま!朝食の時間に遅れてしまいますよ!」
なのに意識がはっきりしていくにつれ、その声もはっきりと聞こえるようになっていく。
……どうして?
サローネがここに、名もなき島にいるはずがないのに。
…………いいえ、そんなことより。
そもそも、私が生きていること自体がおかしいわ。
……私は確かに、3年前に全てを一人で背負っていなくなった先生を見つけだして、剣を折ろうとして殺されたのだから。
第0話 悲劇の終わりと、新たな希望 ~Why am I here?~
「……皆さまは既に席にいらしております。
お嬢さまもお急ぎ下さいませ」
「え、……えぇ。わかったわ、ばあや」
私が起き上がると、サローネはそう言い残して部屋をでていく。
返事はしたものの……訳が分からない。
何で私はマルティーニのお屋敷の自分の部屋にいるの?
……一瞬、死の淵にいる私が走馬灯でも見ているのかしら、とも思ったけれど、
それにしては意識や感覚がはっきりしすぎている。
多分、これは現実。
じゃあ今までの出来事が全部夢?……そんな訳ない。
あの島での日々……カイル達一家や
……なら、どうして?
疑問は解けないけれど、これが夢や走馬灯でないなら、そろそろ食堂に行かないとサローネに叱られてしまうわ。
とりあえず髪だけでも整えようと鏡台に向うと、そこに映った私の顔は……
「………………え?」
最後に鏡を見た……私の記憶では2日前に見たときと比べて、5才分は若かった。