ウルトラマンギンガ Adventure Chronicle 作:火野ミライ
「うぉおおお!」
迫りくるロボットの拳。その一撃を超獣【ドラゴニー】にライブした俺が受け止める。互いの力が均衡しどちらも一歩も引かない押し合い。その中で俺は誰がロボット【ジャンキラー】にライブているのか見極めようと試みるもこれまでとは勝手が違い、見通す事は出来なかった。
「ギュゥゥラァァ!」
その事に困惑する俺の腕を振り払うジャンキラー。その後腹部に蹴りの一撃を受ける。超獣の力に物を言わせ、何度も頭から突撃しジャンキラーを押し倒し動きを封じた。
「お前は誰だ?目的は何だ?」
『許せないだけです……… 叶いもしない夢を軽々口にする人間が』
俺の問いに無感情に返すジャンキラーの搭乗者。そのまま有無を言わせず胸部の訪問から放たれた攻撃で吹き飛ばされる。なんとか立ち上がった所に振るわれる拳。反撃に拳を振るうがたいして効いておらず、むしろその反動で半回転ともに放たれた拳が腹部に突き刺さる。
続けて振るわれた拳を腕で必死にガードしたのは良い物の、相手のペースに飲まれ有効打を与える事が出来ずにいた。顔に何度も鋼鉄の拳が突き刺さる中、俺は痛みよりも先程の奴の言葉が何度も頭の中で繰り返されてる。
「叶いもしない夢だと… 勝手に決めつけるな!?」
俺の爆発する感情に呼応して手に持つギンガスパークのブレードが展開される。出現したギンガのスパークドールを左手で掴み取り、足裏の紋章をギンガスパークの先端でリード。
《 ウルトラァーイブ!ウルトラマンギンガ! 》
柄部分の【スパークフェイスカバー】がスライドしギンガの顔を想起させる【スパークフェイス】が出現。ギンガスパークから鳴り響く音声と共に光の渦からウルトラマンギンガが姿を現す。
『待っていましたよ、ウルトラマンギンガ』
ジャンキラーはその姿を移動戦艦【ジャンスター】へと変形し空へと飛び立つ。それを追い、俺も空へ!戦いの舞台は地球の外、宇宙へと変わる。Uターンで迫りながら絶え間なく放たれるレーザー。その包囲網から逃れようと試みるが背部に直撃。俺とギンガは炎に包まれる。
「うぉぉーーーー! ギンガスラッシュ!」
銀河を焼き尽くさんと燃える炎の中を気合で抜けた俺は全身のクリスタルを紫に染め、頭部のクリスタルから放つ奇襲の一撃【ギンガスラッシュ】。頭部のクリスタルを模した光刃がジャンスターの軌道を抑え命中した。
「ヒカル! 私が乗っている事を忘れるな!」
「タロウ!?」
しかしそれは戦いの中で冷静さを失っていた証拠でもあった。ジャンスターのコックピットには人形の姿となったウルトラマンタロウが捕らえられていたんだ。下手に攻撃してしまえばタロウはもちろん、ジャンキラーにダークライブしている奴の命がヤバい!
思うように手が出せず動きを止める俺を他所に人型ロボットへと再び変形したジャンキラーは足裏のブースターを用いてギンガに飛び掛かる。そのまま俺は奴と絡み合いながら地球めがけて落下していく。上手く拘束を外せずにいたその時、ギンガの胸部にある【カラータイマー】が赤く点滅。
俺はこの時初めて知ったんだが、ギンガを含めたウルトラマンへのライブは怪獣とは違い時間制限があるんだ。その残り時間が残り僅かになった時に点滅をし始める。何とか地上へ戻ろうと模索する俺。
しかし現実は非常にもカラータイマーは輝きを失い、ギンガの肉体は光の粒子となり風に飛ばされた。そして俺は生身で上空高く投げ出される。
「………………え?」
しかしそんな俺の命を救ってくれたのは意外にもジャンキラーだった。俺を掌に載せたまま地面に着地するジャンキラー。しかしそれを許さぬ影がいた。その影の刺客、黒いウルトラマンの一撃が俺たちに迫る!
OP「Legend of Galaxy 〜銀河の覇者」
何処からか放たれた一撃を受け背中で大きな爆発、体制を崩たジャンキラー。その影響で俺は地面を転がり、ジャンキラーは粒子となりライブが切れた。その影響でタロウを捕らえていた鳥籠は壊れ、ライブしていた人間【
「お前だったのか……」
「ヒカル、さっきの攻撃はいったい………?」
以前、学校の廊下でぶつかった顔見知りの登場に無意識に言葉を溢す。俺の言葉に視線を逸らす友也。一方、タロウを受け俺は先程までジャンキラーが立っていた方へと顔を向ける。
そこに立っていたのは黒い身体に暗い銀の模様。肩から胸にかけプロテクターを付け、しずくの様なカラータイマー。3千万前から蘇った巨人【ウルトラマンティガ】が闇に染まった姿、【ティガダーク】が俺達を睨みつけていた。
ティガダークから放たれる闇のエネルギーが俺と友也を襲う。もう駄目だ、そう思い咄嗟に友也の肩を掴みしゃがむ。視界が紫に染まった次の瞬間、俺達は降星小学校の職員室、この時の俺が寝泊まりしている部屋にいた。後から聞いた事だが、タロウがテレポーテーションで助けてくれたんだぜ!
「なんとか、助かったようだな……」
「タロウ……ッ!」
緊張の糸が切れ倒れる友也。そのすぐあとエネルギーを使いすぎたのか、はたまた俺達と違って先の一撃を受けたのか熱を出して倒れたタロウ。こうしてジャンキラーこと友也との戦いは一端の幕引きとなった。
夏特有のセミの大合唱をBGMに気絶した友也を簡易ベットに寝かせ、タロウの頭に氷を乗せながら俺達は会話する。その内容は先の戦いで起きた事だ。
「___そんな事が……」
「しかしショックだぜ。友也が俺を利用してたなんて」
健太の視線につられ俺達も友也を見つめる。腕で顔を覆っているため、その顔色をうかがう事は出来ない。何とも言えない空気が支配する中、タロウが静かに口を開く。
「それ以上にショックなのは、すでに敵がウルトラマンの人形を手に入れていた事だ」
「………タロウ」
心の底から出たその言葉に俺達は慰める事も出来ずただタロウを見つめていた。その時だった、友也が目を覚ましたのは…… 目覚めた友也は何も言わず、この場を立ち去ろうとする。
「どこ行く気だよ」
そんな友也を俺は呼び止める。
「待てよ! お前が言ったんだよな、叶いもしない夢を軽々口にする人間が許せないって。どうして叶いもしないって決めつけちまんだ?」
「…………………」
俺質問に答えず、視線をこちらを向けてだんまりを決め込んでいた友也。セミが静寂を許さんと鳴き続ける中、扉の向こうから第三者の声が語りかけてくる。
「お父様のせいではありませんか?」
その声の主は白井校長先生。俺達の視線を一身に受けながらも校長先生は友也の境遇を語りだす。
【一条寺コンツェルン】と呼ばれる後に【UPG】にも多額の支援をする事となる大企業の御曹司として生まれてきた友也。彼は生まれながら何でもできる天才で努力する楽しさや苦しさを経験した事無く、親から会社を受け継ぐ事が運命づけられていると将来の夢を持っていなかった。
ウルトラマン達の故郷【ウルトラの星】の一角でタロウとその父親、今は宇宙警備隊大隊長の肩書を持つ【ウルトラの父】が向き合っていた。当時の幼きタロウの一言を受け厳しい表情を浮かべウルトラの父はタロウに背を向ける。
「お父さん!」
去っていく父の背に手を伸ばすタロウ。その声になんの反応を示すことなく父はこの場から姿を消し、目元に涙を浮かべたタロウはその場に座りこむ。一人嗚咽を溢すタロウの元にやって来た影、その正体はタロウの母親であり銀十字軍隊長【ウルトラの母】。
「将来はお父さんのようになりたい。そう言ったら叱られたの?」
ウルトラの母の言葉にタロウは頷く。
「お父さんはあなたに、お父さんみたいになって欲しいとは思ってないから、叱ったんじゃないかしら?」
「…………え?」
タロウの手を優しく包み込みながらウルトラの母は自分の見解を述べる。
「タロウ、あなたはこの宇宙にたった一人の存在です。もちろんお父さんも。それはあなたが、あなたでしかないと言う事です。あなたがお父さんみたいになる事は絶対に出来ません。ですが、超える事は出来ます」
「____ッ!」
「お父さんはあなたに、将来はお父さんを超えたい。そう言ってほしかったんだと、お母さんは思います」
「将来はお父さんを……!」
俺達の元を去って行った友也にタロウは幼き日の思い出を語っていた。
「将来の夢、そんなのただの欲望にすぎません」
「え……?」
タロウの話を聞き、友也は自分の内に秘めた思いを語った。
「それは…………これまで怪獣にライブした人を見れば明らかです。彼らは欲望を、極めて醜い手段で実現しようとしました。ですが、僕らは彼らとは違う。だから冷静な心を保ってられる」
「けどそれじゃ楽しくねぇだろ!」
そんな友也の言葉に物陰に隠れて二人のやり取りを聞いていた俺が思わず言葉を発していた。それを気に二人の前に姿を現した俺達。タロウに詫びを入れながらも友也と会話を続ける。
「知らないようだから教えてやるけどさ、将来の事を考えるとさなんかこう……… ドキドキしたり、ワクワクしたり、時には叶うかどうか不安で胸が苦しくなったりするけど、そういうの含めて他のなに考える時より楽しんだよ!」
「私もそう思う」
「俺もだ!」
「_____うん。胸が苦しくなるのも楽しい」
俺の言葉にくるみと健太、そして最近夢で苦しんだばかりのサラが同意する。
「くだらない。アイドル、カメラマン、和菓子職人、そして冒険家。僕に言わせればそんなの夢でもなんでもありません」
「なに……」
しかし友也は俺達の言葉を切り捨てた。
「僕ならその程度、努力せずとも叶えられますから」
「マジやな奴…」
「ならお前の夢、俺が決めてやる」
友也の言葉に健太が嫌悪感を見せる中、無表情で語って見せた友也に俺は告げる。
「……………は?」
「ウルトラマンギンガを倒すことだ!」
「ヒカル君!?」
「この程度の事なら努力せずとも簡単に叶えられるよなぁ?」
「えぇ、すぐに」
くるみの心配する声を他所に俺は友也を挑発。それに乗った友也は校舎の外へと赴きジャンキラーを呼び出す。そしてギンガもまた俺の思いに答えてくれた。
《 ウルトラァーイブ!ウルトラマンギンガ! 》
手の甲に紋章が浮かぶと共に展開したギンガスパークから出現したスパークドールズを手に取り、足裏の紋章【ライブサイン】をリード。ギンガスパークの全面カバーが展開しギンガの顔が出現。音声が響き渡る中、銀河の状の光の渦に身を包んだ俺はギンガへとその姿を変える。
「行くぜギンガ!」
閃光と共にその大きさを周囲の木々よりも頭一つ分ぐらいへと変えた俺は拳を構えながらジャンキラーへと駆ける。そんな俺の姿を見たジャンキラーも拳を構えて走り出す。やがて互いの拳が届く距離になるとほぼ同時に腕を伸ばし互いの頬に一撃を与え、クロスカウンターの状態へ。
「ウォォォーーーーーッ!!!」
どちらともなく体勢を立て直すと防御を捨て互いの胸部目掛けて拳のラッシュ。その勢いのまま手と手を合わせ今度は力任せに押し合う。互いの力は互角、どちらとも一歩も下がらずしばらく訪れた沈黙を打ち破ったのは友也だった。
突然腕を振り払い棒立ちになるジャンキラー。そのまま動かぬジャンキラーへ向けて跳び上がり蹴りをお見舞いしようとしたその時、エネルギーを溜め赤く熱を帯びていた胸部に付いた6つの砲門から次々と放たれる光弾【ジャンフラッシャー】が絶え間なくギンガを襲う。
「負ける訳にはいかないんだ! 世の中にはそう簡単に叶えられ無い事があるんだって、だからこそ夢だって、俺は………お前に知って欲しいっ!!」
そのあまりの威力に大きく後方へと吹き飛ばされた俺。だがバク宙の要領で態勢を立て直して着地。胸に渦巻く思いの丈を叫び、再び友也が乗るジャンキラー目掛け一気に走り出す!
『僕の夢は、ウルトラマンギンガを倒す事。そして、君を超える』
「そういうのはそんなに気張らずに、笑顔で語るもんだ」
普段と変わらない友也の言葉で紡がれた夢。その事に俺はいろんな感情が胸の中を駆け巡り、嬉しい様な可笑しい様な不思議な感じがして思わずギンガ達とライブしている時に立っている超空間、後に【インナースペース】と呼ばれることに場所で笑みを浮かべる。
「デェヤァッ!」
ジャンキラーの頭部にめけて放った拳は鋼鉄の顔面を傷つける事無く友也のいるコックピットまですり抜ける。その事に驚愕し固まる友也の姿を他所に拳を開いた俺は、コックピット内で浮かび上がるダミースパークを握りつぶした。
「……ジャンキラー」
エネルギーの元となっていたダミースパークが破壊された事により、機能を停止し瞳の輝きを失ったジャンキラー。それに伴い友也はコックピットから弾かれるように地を転がる。目は口程に物を言うとはよく言ったもので動く事ないジャンキラーを見つめる友也の姿は痛ましげだ。
そんな友也にこの後なんて声を掛けようかと考えるよりも先に胸部のカラータイマーが点滅を始める。
「ヒカル!」
「___やっぱ、何も見えないか… けどすげぇー、やな感じだ」
だがジャンキラーとの戦いでエネルギーを消費した今がギンガを倒す絶好のチャンスだと、闇の支配者容赦なくティガダークとバルキー星人を送り出してきたんだ。ティガダークにライブした人物を見ようとするも予想通り何も見えない。
だけども視線を躱すだけで全身を襲う阿寒。その覇気とも言えるオーラーに当てられた俺に容赦なく飛び蹴りが迫りくる。
「ッフ!」
その一撃を後退する事で回避。着地と共に放たれ蹴りをしゃがむ事で回避したものの、続けざまの蹴りを防ぐことが出来ず、一方的にペースを握られる俺。
「ちゅも~~~っく!」
「バルキー星人」
一方くるみ達に迫る何故か工場現場のおっちゃんのような恰好しつるはしを肩にかけるバルキー星人。その姿を目にした健太が近くにあったシャベルを、サラがカラーコーンを手に持ちビビり腰に成りながらも構える。
「怪我したくなかったらやめときな~ あいたっ!」
つるはしを背後へと投げ捨てくるみ達に近寄りながら警告するバルキー星人。その後すぐに足元にあった工事現場の備品に足を引っかけ、顔面からこけたが為に格好は付かなかったが……
「にしても惚れぼろするほど、ベリーストロングだな~ ウルトラマンって言うのは」
「ウルトラー念力!」
ティガダークに押される俺の姿を見ながらしみじみと呟くバルキー星人。その隙を突いて念力によるタロウの一撃がバルキー星人をダウンさせる。そこに追撃しようとする健太達に慌てて止めに入るバルキー星人。
「アンタの言う通り、ウルトラマンはベリーストロングね」
「聞こえるか!ティガダークを操っている者よ! バルキー星人を無事に返してほしければ今すぐティガダークに攻撃をやめさせろ!!」
先のバルキー星人の言葉に意表返しのように呟たくるみを他所に、タロウが警告する。そのやり方にバルキー星人が異を唱える中、ティガダークは瞳から闇のエネルギーをバルキー星人へ送り身に着けたタオルとヘルメットごと巨大化させた。
「どうするんだよ、敵を増やしちゃって……」
「ウルトラマンタロウさん!」
「早く、大きくなりない…」
狼狽える健太とサラの言葉に、タロウはしみじみと胸の中の感情を溢す。そんな幼馴染達の姿を気にする余裕もなく、1対2の戦いを繰り広げる。いくらギンガにライブしているとはいえ、この状況はキツイぜ…
正直に言ってバルキー星人単体なら大した脅威じゃないが、ティガダークの正確無比な連撃をさばきながらとなるとかなり凶悪になる。更に先にジャンキラーと戦っているから大技で無理やりこっちの流れに持ち込むエネルギーも残っておらず、前途多難。次第に防ぐ事すらままならなくなり、一方的にされるがままに。
「僕には無理なのか、ギンガを倒してあいつを超える事は…」
戦いの余波で横たわるジャンキラーを目にし友也が呟く。その瞳から一滴の涙が流れた時、奇跡が起きた。友也の流した涙が新たな【ガンパッド】を生み出したんだ! 新たなガンパッドを操作しコクピットの中へ戻って来た友也は愛機へと告げる。
「僕に戦えと言うんだなジャンキラー。 ………いや、【ジャンナイン】!」
友也の声に呼応するかのように再起動した鋼鉄のロボット。その瞳は赤から黄色へと変わり、その名もジャンナインへと変化する。
『ジャンキャノン!』
ガンパッドを【パットモード】から【ガンモード】へと瞬く間に変形させた友也は、アイコンをタップしてジャンナイン操作。友也がトリガーを引くのに合わせ、ティガダークへと向けられていた腕の砲門から青白いビームを放つ。突然の攻撃に対処できず吹き飛ぶティガダーク。
『ジャンバスター!』
先程と同じようにガンパッドを操作。電子音が鳴り響く中、バルキー星人へと向けて引き金を引く。するとジャンナインが両腕を左右に広げ腰部分ダイヤの様な部分から、先程とは比べ物にならない威力のビームがバルキー星人を襲う。
どちらの敵もダウンした事を確認するとギンガの肩に一度手を添え、握るように掌を差し出してくる。差し出されたその手を握りしめ、ジャンナインの力を借りながら立ち上がった俺。そのまま言葉を交わすことなく、それぞれ止めの一撃を放つための準備を始めた。
俺は両腕を正面でクロスさせ、全身のクリスタルを青く輝かせる。そのまま両腕で大きく円を描きながら腕を左右に広げ、左腕の拳を右腕の肘に当てるようにL字に組む。
一方の友也はガンパッドを三度操作。ジャンナインサイズの巨大なガンパッドを召還、コックピットに立つ友也の動きそのままに構える。
『ジャンスターダスト!』
「ギンガクロスシュート!」
ガンパッドから次々と放たれる光弾【ジャンスターダスト】がティガダークを、ギンガの腕から放たれる必殺光線【ギンガクロスシュート】がバルキー星人を撃つ抜く。爆炎を上げ、元のスパークドールズへと戻った。
『ジャンキラーがジャンナインになるとは… 彼の思いが奇跡を起こしたようだな』
「ギンガ?!」
勝利の余韻に浸る中、初めてギンガがテレパシーで語りかけてきた。
『だが、それを導いたのは君の思いの強さだ』
「ウルトラマンギンガ、君は何者なのだ? 人形にされていながらなぜ、私にだけ意識が?いや、君にもあるのか?」
ギンガの声を聞いたのは俺だけでは無かった。同じウルトラ戦士であるタロウにも居ていたんだ。しかしギンガは多くを語らず、俺やタロウの疑問に答える事は無かった。
ギンガとのライブを解いた俺は真っ先に白煙を上げるスパークドールズの回収に向かった。落ち場所にたどり着くとティガのスパークドールズを手にする。
「これで一先ず安心だな」
懐に大事にしまうと今度はバルキー星人を手にする。
「やれやれだぜ… たく、迷惑かけやがって」
これまでの苦労させられてきた恨みをわずかに込め、バルキー星人のスパークドールズ目掛けて左手でデコピン。ちょうど額の部分に命中した。
そう言えば、こいつの性で俺が寝泊まりしていた部屋が火事になったんだよな。あの時の事後処理も大変だったし、いろいろ燃えてなくなったんだよな~ …………もう一発ぐらい殴っても良いだろう。
「イタ~ッ! あうち……」
「なんかブツクサ聞こえる気がするけど…… 気のせいか?」
なんか、もう一発デコピンをお見舞いしたら、バルキー星人の声が聞こえて気がして耳元に持っていくが特に何も聞こえない。多分幻聴だったんだろう。
「おぉ~い!ヒカル~~!!」「「ヒカルく~~ん!」」
「くるみ~!健太~!サラ~!」
そんな事茶番めいた事をしていたらくるみ達が駆け寄って来た。彼女達の声に答えるように手を大きく振り、声を出す。そしてくるみ達とは反対の方向、つまり背後からジャンナインを宇宙へ置いてきた友也が足音を立てながら近づいてくる。計らずしも一か所に集まった俺達は、4人そろって友也へと視線を向けた。
「___ありがとな!お前が加勢してくれなきゃ、今頃「礼など必要ありません」」
俺の言葉を遮る友也。そのまま俺の目を見て続きを語る。
「ギンガが僕以外の誰かに倒されるのが許せなかっただけです。君が言ったんですよ、それが僕の夢だって」
言うだけ言って背を向ける友也に向け、俺も語りかける。
「俺も言ったよな! そう言うのはそんなに気張らずに、笑顔で語るもんだって。なぁ、友也!」
俺の言葉を受けて友也はどう思ったのか? こちらに背を向けているが故に友也の表情は分からない。だけど、きっといい刺激になったはずだ。
ー次回予告ー
次回はワイらスパークドールズ劇団がハーメルンでナビゲータや! ただその関係で台本形式になってしまうが、読者の皆はちゃんと見てな~
次回、ウルトラマンギンガ Adventure Chronicle
第3話「スパークドールズ劇場7ファイト!!」