うたわれるもの 夢幻の旅人   作:ライム酒

3 / 6
 
aikawazutinohuminasi

utawarerumono ituwarinokamen detukawareteita moziwotourokusimasita
zehitukattemitekudasai
 


歴史の説明

 

 

【挿絵表示】

 

 

「マシロ様、本日の勉強を始めるです」

 

「………………」

 

「文字が読めることは大切なのです」

 

「そう……だな……」

 

「嫌な顔をされてもダメなのです。

 今後、マシロ様にしか見せられない文章も出てくるです。

 ご自身のためにも、周りのためにもお願いするのです」

 

「……はい」

 

「ありがとうなのです。

 では今回の読み物は大いなる父(オンヴィタイカヤン)と解放者(ウィツアルネミテア)のお話なのです」

 

「大いなる父(オンヴィタイカヤン)と解放者(ウィツアルネミテア)のお話、ね。

 ……うえ、この文字を見ると目が疲れるんだよな」

 

『mukasimukasi aru tokoro ni tougenkyou ga ari masi ta 』

 

「読めるとこまでどうぞなのです」

 

「……ええと、『ムカ、シムカシ、……アヌ、トコロ、リ……トウゲ、ン、キョウガ、アニマシ、タ』っと」

 

「さすがなのです!もうほとんど読めるようになっているのです。

 ちなみに、ここは『る』でここは『に』、ここは『り』なのです」

 

「『る』と『に』と『り』、か。

 随分とありきたりな始まり方だな」

 

「昔からある童話なのです。

 続きをどうぞなのです」

 

『 tougenkyou de ha titi to hito ga heiwa ni kurasi te i masi ta 』

 

「……『トウゲンキョウデ、……ハチチ、トヒトガヘイ、ワニク……ラ、シテイ、マシタ』だな」

 

「全部あってるのです」

 

「チチトヒトってのは何だ?」

 

「チチは大いなる父(オンヴィタイカヤン)のことです。ヒトはわたし達のご先祖のことなのです。

 それと桃源郷とは、かつて人が暮らした原初の極楽のことです。

 その場所は大いなる父(オンヴィタイカヤン)の御業によって、争いも何も無く平和に暮らしていたとされているのです」

 

「………………」

 

「どうかしたのですか?」

 

「いや、なんでもない。

 続きだな……」

 

『 sika si aru toki maga tu hino kami ga araware masi ta 』

 

「『シカ、シアルト、キ……マ、ガツヒ、ノカミ、ガ……アラワ、レマシタ』か。

 マガツヒノカミ?禍津日神のことか?」

 

「禍日神(ヌグィソムカミ)のことなのです。

 災厄をもたらす神を表しているです」

 

「同系統の意味合いだな」

 

『 maga tu hino kami ha zisin wo kaihou sya to na nori masi ta 』

 

「ええっと……『マガツ、ヒノカミ、ハジシン、ヲカイホウ、シャトナ、ノリ、マシタ』。

 このカイホウシャは解放者(ウィツアルネミテア)のことか?

 解放者(ウィツアルネミテア) は禍日神(ヌグィソムカミ)だったのか?」

 

「そうですね。

 地域によっては解放者(ウィツアルネミテア)を信仰しているところもあるのですが、ヤマトでは禍日神(ヌグィソムカミ)と考えられているのです」

 

「ということは、この物語はヤマトで作られた物語なんだな」

 

「そこは学説が分かれているところなのです。

 ヤマト建國前からこの物語はあったのではとも考えられているのです」

 

『 kaihou sya ha tougenkyou ni ue to kuru simi wo atae masi ta 』

 

「……『カイホウ、シャハトウゲン、キョウ、ニウエトク、ルシミヲ、アタエマシタ』だな。

 何だ、ウエトクルシミ?」

 

「餓えと苦しみの事なのです。

 桃源郷にいた人は欲求がなく何もしなくても平和に暮らせたそうなのです」

 

「……なるほどな」

 

『 ue to kuru simi ni yottu te titi ha arasou you ni nari masi ta 』

 

「次は……『ウエトクルシミ、ニヨッテ……チチハアラ、ソウヨウ、ニ……ナリマシタ』か。

 父は争いを始めた……これについてネコネは何か知っているか?」

 

「その節はよくわかってないのです。

 大いなる父(オンヴィタイカヤン)同士が争ったのか、解放者(ウィツアルネミテア)と争ったのか、それとも他のナニかと争ったのか、今でも議論が続けられているです」

 

「……そうか。

 何か関係してそうだな」

 

『 ooinaru isi ha titi wo kesi te simai masi ta 』

 

「ええと、『オオイナ、ルイシハ、チチヲケシ、テシマイマシタ』……だと?

 オオイナルイシ?どういう意味だ?」

 

「大いなる意思のことです。

 根源の力ことだと考えられているですが、詳しいことは何もわかっていないのです」

 

「大いなる意思……。

 見えざる手みたいな集合的無意識のようなものか……?

 ……解放者と呼ばれる何かがあって旧人類は滅んだと見て間違いなさそう、だな」

 

『 ooinaru isi ha hito wo tougenkyou kara tui hou si masi ta 』

 

「『オオイナルイシハ、ヒトヲトウゲンキョウ、カラツイホ、ウシマシタ』、だな。

 典型的な楽園追放だな」

 

「他にも同じお話を知ってるのですか?」

 

「旧人類も同じようなことを考えていたからな。

 この物語もその話が影響しているのかもしれん」

 

「うなっ!?

 あっ、あとで大いなる父(オンヴィタイカヤン)のお話も聞きたいのです!」

 

「……時間があればな」

 

「次の節でこの物語はお終いなのです!

 早く読んで欲しいのです!」

 

「ああ、わかったわかった」

 

『 hito ha a re ta daiti de iki te iku koto ni nari masi ta 』

 

「……『ヒトハア、レタ……ダイチデイ、キテイク……コトニナ、リマシタ』か。

 これで終わりなのか?」

 

「この後に大いなる父(オンヴィタイカヤン)の霊から農業や文字を教えてもらったり、いくつもの小國が生まれたり、そして帝の誕生とヤマト建國の話があるのです」

 

「大いなる父(オンヴィタイカヤン)の霊?

 生き残りでもいたのか?」

 

「よくわかっていないのです。

 大いなる父(オンヴィタイカヤン)の遺跡……施設に残った技術を学んだのではと考えられているです」

 

「そう、か。

 ……まあ、可もなく不可もなくな物語だったな」

 

「語り継がれてきた物語なのでこんなものなのです。

 親によっては内容が変わってたりするのです」

 

「まあ……数百年も前の物語だからな」

 

「………………」

 

「あー、わかったわかった。

 ……そうだな、適当に浦島太郎でも話すとするか」

 

「楽しみなのですっ!」

 

 

 

 




 
アイカワラズチノフミナシ

ウタワレルモノ イツワリノカメン デツカワレテイタ モジヲトウロクシマシタ
ゼヒツカッテミテクダサイ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。