"元"執行者が逝く人理修復の旅   作:アポロ231号

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ワイ「バレンタインイベにバレンタイン番外編投稿したかったンゴねぇ……(後悔)」

14話です。



第14話 情念の蛇姫

薄暗い雰囲気漂う砦の廊下を一人の男が歩いている。

眼を広く剥いた異相の男の真名()は『ジル・ド・レェ』。

かつてジャンヌ・ダルクと共に戦い、元帥の称号を与えられ英雄と讃えられた騎士であり──そして後に、非道なる殺人鬼として処刑されることとなる怪物の名である。

 

ジル・ド・レェは幾重にも重ねたロープを引き摺りながら歩き、大きな扉の前で立ち止まり、その扉を開ける。

部屋には玉座に鎮座する一人の黒い少女と、何かが焼けたような(あと)が一つ。

 

 

「ジャンヌ。バーサーク・アーチャーが消滅しました」

 

 

ジャンヌ(・・・・)、ジル・ド・レェは確かにそう呼んだ。

そう、この少女こそがカルデアの敵であり、このフランス特異点を蹂躙する竜の魔女。

もう一人のジャンヌ・ダルクであった。

 

 

「前日、ラ・シャリテにて我らが敵カルデアを追ったバーサーク・ライダーに続き消滅してしまいました。

アーチャーを討った者は恐らくカルデアに味方するはぐれ(・・・)の英霊共でありましょう。未だ我らを倒そうとするなど、愚かの極み……。

しかし現に屈強な英霊二騎は失い、彼女らは更なる戦力を得てしまった。如何されましょう、我が聖女」

 

 

ジル・ド・レェの淡々とした報告を黙々と聞いた魔女(ジャンヌ)は目を開き、歪な笑みを浮かべる。

 

 

「如何されましょう、ですって? 手駒を一気に二人も失ったのは痛い、それは認めましょう。

で、それがどうだと言うの? 元々あの二人は私に対して反抗的でしたし、いずれこうなると思っていたわ。

でもね、ジル。私たちが負けることなんて有り得ないわ。あいつらがどれだけ戦力を補給しようが関係ない。圧倒的な力の差が私たちとあいつらにはあるのだもの」

 

「では新たなサーヴァントの召喚は」

 

「しないわ。する必要がないわ。……でも、そうね」

 

 

勝利を確信したジャンヌは旗を手に取り立ち上がる。

 

 

「少し出撃()てくるわ。これ以上調子づかせる訳にはいかないわ」

 

「おお!ジャンヌ自ら向かわれるのですね!では不肖ながらこのジル・ド・レェ、ジャンヌと共に出撃の許可をいただきたく……」

 

「ダメよ。ジルまで出たら面白くないでしょう?そうね……アサシン、処刑人の方とバーサーカーを連れて行きます。貴方はこの砦に残りなさい。留守は任せたわよ?」

 

「ははっ!」

 

 

ジャンヌは砦を後にし、先のサーヴァント2騎を引き連れてファブニールの背に乗り飛び立つ。

 

 

「さて、近くにサーヴァントがいる場所はっと……あっちね」

 

 

ルーラーの能力であるサーヴァント探知能力を使い、白い聖女がいるであろう方角へ向かうよう邪竜に命令する。

目指す場所は──モンリュソン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好き!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「落ち着け」

 

 

玉藻と似た服装、日本の「着物」…だったろうか?白を基調とした着物を着た少女に大胆にも告白されてしまった。

なぜこんなことになってしまったのかと言うと、それを語るには少しだけ時を遡る必要がある──

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

昨夜アタランテを撃破した後、近くの森で野営をしていた時にエリザベートからはぐれサーヴァントの情報を聞いたのだ。

 

 

「アタシのことを竜の魔女の手先だー!とか怪しい奴だー!なんとか言って襲いかかってきた奴らから(ボコボコにした後に)聞いたんだけど、以前ワイバーンに襲われてたところを女の子に助けられたんですって。

助けてもらった礼をしようとしたんだけど「探し人がいるから〜」って言ってボルドーの方角に歩いていったって言ってたわ。

え?ボコボコにした奴ら?殺してないわよ!アタシのこと何だと思ってんのよ!」

 

「貴女ご自分の逸話ご存知で?」

 

 

エリザベートが兵士から聞いた話を信じ、夜が明けると同時にボルドーへ向かって歩き出し、つい先程到着した。

人々は家に立て篭っているのか、それとも別の場所に避難しているのか、町は閑散としていた。

おかげですぐに見つけることができた。

 

 

「いたわよ子イヌ!多分あいつじゃないかしら?」

 

「……んん?あの特徴的な角はもしや……清姫さん!? 清姫さんじゃないですか!?」

 

 

清姫と呼ばれた少女はその声に気付き振り向く。

幼い外見ながら緑髪の美しい髪を靡かせるその姿は、少女ながらにして艶やかであり、穏やかさと淑やかさを兼ね備えた人物であると感じさせる。

 

 

「おや、お久しぶりです玉藻さん。どうしてこんなところに?」

 

「それはこちらの台詞ですよ。まさかエリザベートさんが仰っていた方が貴女とは思いませんでした。ていうかこの特異点(わたくし)の知り合い多すぎでは?

あぁ、ご紹介しますマスター。彼女は清姫さん、(わたくし)のメル友です」

 

 

メル友ってなんだよ。

サーヴァント界でもそういうのはあるのか……。

 

「………………(ジーッ)」

 

そんな清姫はなぜがこちらを凝視している。

なぜこんなにも見られているのか、俺の顔に何かついているのだろうか?

凝視するだけでなくついには顔を近付けてきた。

近くで見ると本当に整った顔をしている。

 

 

「あぁ……ようやく、ようやくお会いできました……。(わたくし)、この日を待ち侘びていました」

 

 

うん?

なんか悪寒がしてきたな……。

 

 

「貴方が(わたくし)旦那様(ますたぁ)ですね」

 

 

なんでさ。

 

 

──────────────────────

 

 

────という経緯である。

今振り返ってみてもまったく意味が分からない。

一体全体どういう事なのだろうか。

 

 

「玉藻、説明頼む」

 

「あー……その前にマスター。清姫さんについてご存知ですか?」

 

 

別に俺は日本の歴史について造詣が深いわけではなく、むしろ知らないことの方が圧倒的に多いだろう。

玉藻の反応からするととんでもない人物であるのは大体察した。

 

玉藻の話によると、彼女は参詣に来たある一人の僧に恋をしたそうだ。

その僧の名は安珍。

その僧は大変美形であり、宿を借りに来訪してきた彼を見た清姫は一目惚れし、その夜に夜這いをかけて迫った。

しかし彼は僧の身ゆえに当惑し、熊野詣の帰りにまた会おうと約束をした。

だが清姫を恐れた安珍はその約束を破り、彼女に会うことなく旅立ってしまう。

想いを馳せた男に裏切られたことに絶望し、悲嘆に暮れ、そして憤怒した彼女は安珍を追った。

追って、追って、追いかけて。

────そして焼き殺した(・・・・・・・・)

 

激情と憎悪、執念だけで蛇のように安珍を追い、そしてついには巨大な竜と成って(・・・・・・・・)寺の鐘に隠れていた彼を焼き殺した。

 

以上が玉藻から聞いた清姫伝説の内容。

誰だ、穏やかさと淑やかさを兼ね備えた人物って言った奴。

俺だわ。

 

 

(わたくし)には分かります……貴方様は間違いなくあのお方の生まれ変わり。だって私が安珍様以外に好意を抱くなどありません。つまり……ね?」

 

「「ね?」じゃないが?」

 

「英霊の座に刻まれ、見知らぬ異国の地に召喚され彷徨い幾星霜、ようやく私たちは邂逅を果たしました。さぁ旦那様(ますたぁ)、今すぐ私と契約(こんやく)を!さあ、さあ!」

 

「待て待て待て!とりあえず落ち着け!

俺は安珍って奴の生まれ変わりじゃないし、好意を抱かれるような男でもない!

あと焼かれるのは流石に勘弁願うぞ俺は!」

 

「焼きませんよ。私は旦那様(ますたぁ)に忠実にお仕えいたします。──嘘さえつかなければ、ですが」

 

「ねえ子イヌ。アタシこいつのクラス分かった気がするわ」

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

 

そんなわけで清姫を仲間に加えたのだった。

 




大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
いやホント……申し訳ないです。
色々忙しすぎてFGOイベギリギリでコマンドカードとか礼装とか回収しました。
皆さんはバゼットさん引きましたか?僕は引けませんでした(涙)
ホワイトデーはオルジュナ引いてるから「別にいいや」の精神でスルーしますが後が怖いんよな…
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