前回のイベント(スペース・オデュッセウス)の時に単発引いたら英雄王出ました。
〜 終 〜
15話です。
半ば強引な形で旅に同行することになった清姫に、とある質問を投げかけた。
「此処に来るまでの間に他のマスターには出会ったか?」
「いえ、
「別にそれは……まあいいや」
ボルドーに来るまでの間、ずっとカルデアとの通信を試みてはいたが未だに繋がる気配がしない様子に溜息が溢れる。
ロマニ達と連絡を取るのは勿論だが、そろそろあの三人と合流を考えなくてはならない。
「……あ、そういえば。
とても思慮深くて高潔なお方でしたので印象深かったのです。
剣を抜かれた時は背筋が凍りそうになりましたが」
思い出したかのようにサーヴァントの目撃情報を口にした清姫は、その時のことを物恐ろしげに語る。
「名を確か……ゲオルギウス、と仰いました。
その方は此処に来る前、モンリュソンに立ち寄った際に町が襲われていたところを共に戦いました」
ゲオルギウス。または聖ゲオルギオス。
聖人であると同時に「竜殺し」の逸話を持つ人物。
彼がこの特異点にカウンターとして呼ばれているのなら、最適解の一騎と言っても過言ではない。
清姫が恐れていた理由もよく分かった。
モンリュソン……次に向かうべき場所は決まった。
もしかするとオフェリア達とも合流できるかもしれないと一縷の望みを胸に足を動かす。
◆
ジャンヌが仲間になった、あの後のことを話そう。
まず私達は情報を集めるべくラ・シャリテへ向かったところ、既に竜の魔女によって壊滅し、そこで一度ジャンヌ・オルタと彼女に従うバーサーク・サーヴァントと相対した。
敵の力は強大で凶悪、数も多く撤退する余裕すらも与えなかった。
絶対絶命だった、そこにフランス王妃「マリー・アントワネット」と稀代の音楽家「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」の二騎の野良サーヴァントの手助けによってその場を切り抜けることができた。
追手としてやってきた聖女マルタを何とか撃退した私達は彼女から助言を得た。
「リヨンへ向かえ」
その最後の言葉を信じてリヨンへ向かった私達はそこで呪いに蝕まれた竜殺し・ジークフリートと出会った。
彼の呪いを癒すためには聖人二人による解呪が必要なのだとジャンヌは言った。
私達は手分けして聖人を探した。
立香とマシュはアマデウスと共にティエールへ。
私とシグルドはジャンヌとマリーとモンリュソンへ。
立香達の方は無事かしら? アマデウスは性格も悪ければ実力も戦闘向けのサーヴァントとは言えない。
もし捜索中にジャンヌ・オルタの手先が来てしまったらどうしたらいいのかしら?
未だ行方も分からず、連絡も取れない彼に代わって私がしっかりしなくちゃいけない……なのに。
「……オフェリア。私が言っても気休めにもならないかもしれませんが、きっと大丈夫です。ロイド・レオンハートという方はきっと生きています」
「ジャンヌの言う通りよ!貴女がそこまで深く想っている殿方なら、貴方を悲しませることはしない筈だわ。彼も同じ想いよ!」
「……ありがとう、気を遣わせてしまって。マスターとしてしっかり構えてないといけないのに……」
「(やはり……私達の言葉では効果は薄いですね。伝え聞いた通りのお方なら無事なのは確かでしょうが。
立香やマシュに負担をかけさせまいと奮起していますが、その分自分が無理をしている。とても危ない状態です……)」
無事モンリュソンへと辿り着くや否や、一人の男が街へ足を踏み入れるのを静止する。
おそらく彼が私達が捜していた聖人ゲオルギウスその人。
サーヴァント三騎を連れている私を警戒したのか、それともジャンヌを連れているからなのか、或いは両方か。
「止まりなさい。貴女達は何者ですか」
「私はサーヴァント、クラスはライダー。真名をマリー・アントワネットと申します」
「ふむ。見たところ狂化はされていないようですね。
……なるほど、貴女がかの聖女ですか。名は伏せていた方がよろしいでしょうね。そちらの方々は──」
「カルデアのマスター、オフェリアです。そして私のサーヴァント、シグルドです。
聖ゲオルギウス。訳あって私達は貴方を捜していました。実は──」
呪いに蝕まれたジークフリートの治療に力を貸してほしいと伝えると快く引き受けてくれた。
この街の市長から守護を頼まれた彼は、街の人間の避難が完了するまで離れられないがそれを無事終えたなら同行してくれるとの事。
けれど安心したのも束の間、災いはすぐそこまでやってきた。
《皆!今すぐそこから離れてくれ!
モンリュソン付近に大量のワイバーンと複数のサーヴァントの反応が接近している!
この反応は……間違いない!ジャンヌ・オルタだ!》
「何ですと……!」
いち早く接近に気付いたドクターは急ぎ逃げるよう促すがそういう訳にもいかなかった。
街の守護を任されているゲオルギウスは彼らを見捨てて逃げることなどできる筈がない。
残れば死ぬ、自明の理だ。
選択が迫られる中、マリーは微笑みながら口を開いた。
「いいえゲオルギウス様。貴方の力は竜の魔女を倒すのに必要なもの、ここで死んではならないお方。
だからその役目、私がお譲りくださいな」
「えっ……?」
マリーの提案に誰しもが呆然とする。
ゲオルギウスの代わりに彼女が残ってしまえば殺されるのはマリーになってしまう。
そんなのは駄目、別れ際にアマデウスにピアノの演奏を約束したじゃないですか……!
「まあ、いけないわ二人共。オフェリアに至っては今にも泣いてしまいそうな顔をしてるわ。
でも仕方ないわ。彼にしかできないことがあるように、貴女達にしかできない務めがある。
私の務めは……きっと
多くの人から恨まれ、多くの民に死を望まれた愚かな王妃だったけれど、国と民を愛したことは本当。
マリー・アントワネットの名にかけて。この街は、私が必ず守りますから」
そう語る彼女の目には死に対する恐怖はなかった。
真にフランスを想うからこそ、彼女はこの地に呼ばれ、フランスの人々を守るために現界したのだと。
自身が犠牲になることが、この地を救えるならば喜んでその身を差し出せる。
それでも……私には彼女を置いていくことができない……。
「マスター」
「シグルド……?」
今まで口を閉ざしていたシグルドがこちらに語りかけてくる。
「貴殿の成したいことを。
当方は貴殿の願いを尊重し、そして応えよう。
その為に当方の剣はある。時間がない、決断を。マスター」
私の、成したいこと……。
………………。
もう、大事な人が死ぬのは、見たくない。
あの時、所長が死んだ、あの時。
私は何もできなかった。
所長がカルデアスに呑み込まれていくのを、ただ黙って見ていることしかできなかった。
でも、今は違う。
目の前の自分を見据える騎士を見る。
騎士は無言だが、私に何を告げたいのかが分かる。
「何を弱気になっていたのかしら……。私には最強の竜殺しがいるのに」
まったく、自分の心の弱さに呆れるばかりね。
「マリー。悪いけど貴女のそのお願いは聞けない。
私達は全員生きてここから脱出します。だから──ここで敵を迎え撃つわ!」
《なっ…!む、無茶だオフェリア!
いくらシグルドがいるといってもワイバーンも多いし敵サーヴァントは一体じゃないんだぞ!無謀すぎる!》
「ごめんなさいドクター。でも、もう決めたことだから。
誰かの死を黙って見ているなんて嫌なんです。
心配せずとも住民が避難が完了したら私達も撤退しますから」
私のこの判断が間違っているかなんて分からない。
「行くわよ皆。全力でモンリュソンを守り通してみせる!」
英雄王、引いたはいいが、素材なし
スキル素材なくてスキルLvMAXにできないの悲しいなぁ……。