ドミニク・モリアーティ
イレギュラー戦争、レプリロイドたちの反乱はそう呼ばれ、人類とレプリロイド双方に多大な犠牲を出した戦争は、『ロックマンエックス』と『ロックマンゼロ』の活躍によって終結した。
その後も平和を脅かす争いは何年も続いたもの、ようやく落ち着きを見せた何百年、その間の争いは民族紛争程度だった。
仮初の平和、牧歌的な時間が約束された人類とレプリロイドは、再び平和への道を歩んだかのように思えた。
黒いスーツにマントという変わった出で立ちの少年、ドミニク・モリアーティと輸送ヘリに乗っている中東系・アフリカ系移民の失業者たちを除外して。
先祖は裏でイギリスの犯罪ネットワークを操り、人々を恐怖に陥れたジェームズ・モリアーティ、しかしドミニクはその先祖の因縁をシャーロック・ホームズの自伝で悪く言われながらも、友人関係は良好で、両親もテロで亡くなるまでは良好な関係だった。
天涯孤独になったある日、ドミニクはイスラム系過激派集団に目をつけられ、スカウトされる。
別に先祖のように野心があるつもりはない。
レプリロイドから、世界を守ろうというつもりも毛頭ない。
孤独になり、住む場所、明日のパンをタダ同然で提供してくれるという甘い誘いに付き従い、今はイギリスの農村地帯を飛行している。
向かうは周辺に歓楽街はない、畑しかないイギリス『レプリロイド研究所』だ。
結成は戦争終結から5年後、イギリス政府主導の多国籍研究機関として、世界各国の技術者・研究者を集め、産業用レプリロイドから各国の自衛用レプリロイドを手掛けており、その影響は計り知れない。
この研究所には、イギリス政府が極秘に開発・研究している軍用レプリロイドが存在するとの噂がある。
テロリストたちはそれを盗むことを目的としていた。
盗めないレプリロイドはすべて破壊、関係者は皆殺し、如何にも楽な仕事と言えるであろう。
民間の輸送ヘリに偽装した大型ヘリで基地施設に強行着陸し、降りたら関係者やレプリロイドを一網打尽にし、盗めるレプリロイドは盗んで、技術をテロ目的に利用するとのことであった。
ボスのドライゼは計画を察知していた。
幻のレプリロイド『ストライカー・アイリス』と呼ばれるレプリロイドを。
可能ならその他の試作レプリロイドも強奪しようという作戦だ。
困難もある。
しかし明日のパンのためにはやるしかない。
ドライゼに目をつけられ、幹部の一人として認められたドミニク、刀のみで正規軍や警察隊を瞬殺し、数多くの破壊工作を成功させた実績を認められ、最年少幹部としてドライゼに迎い入れられた。
ヘリは研究所内のヘリポートに着地する。
テロリストたちはAK47カラシニコフを手にし、牙を向ける準備を整えていた。
無論、ドミニクもこの時のために、厳しい鍛錬を乗り越え、あの『ロックマン』に匹敵するほどの強靭な肉体を手に入れたのだから。
外には強行着陸したヘリを調べようとする警備レプリロイド五人がクリスヴェクター・サブマシンガンを手に、所属不明機を調べようとする。
しかしヘリが扉を開けた瞬間、銃声が響く。
警備レプリロイドは悲鳴を上げることなく、ただ目の前で起きたことを理解できぬまま唖然とした表情で死んでいく。
いくら旧式のアサルトライフルのデッドコピーであっても、レプリロイドの装甲を貫くことぐらいはできる。
ドミニクも降りた。
問題は、お目当てのレプリロイドが本当にいるのだろうか。
そんな疑問を胸にドミニクは、白銀のように輝く刀を抜き、レプリロイドの警備兵を迎撃する。