ルーデウスが死んだ。
そんな事があっていいはずがない。
「離して!」
わたしは全力で拘束を振りほどこうとした。
「おっと」
ルーデウスが倒れ、油断したのか拘束が緩む。
その隙をつきわたしは腕をはねのけて、ルーデウスの元に駆け寄った。
「ルディっ!しっかりしてください!」
即死で無ければ、まだ救う事が出来る筈だ。
早く治癒をしなければ!
「は、母なる……あ、あれっ」
声が震えて言葉が詰まる。
何をしているのだ、わたしは。
冒険者の死など今まで日常茶飯事だったはずだ。
それなのにどうしてこんなに動揺しているというのか。
「すー、はー。母なる慈愛の女神よ」
ああ、認めよう。
わたしはルーデウスの事が好きだ。
だからこんなにも激しく錯乱してしまっている。
ルーデウスに死んで欲しくない。
まだまだ許されるのなら一緒に居たい。
一緒にラノア魔法大学に行くのだ。
わたしが教師になって、彼が生徒になるというのは、昔みたいできっと楽しい事だろう。
「だから!」
溢れる涙を拭いて、わたしはルーデウスの傷を探る。
大丈夫まだ、息はある。
諦めてたまるものですか。
だが、悠長に待ってくれる者などいなかった。
「確かな手応えはあったはずだがな」
「駄目だ。奴は無詠唱だ。回復する可能性もある。いつも師匠に言われているだろが、確実に息の根を止めろと」
「へいへい、剣でだな」
テッドが剣を一振りし、近づいてきた。
わたしは振り返って、杖を構える。
治癒魔術は一旦、中断するしかない。
「来ないで下さい!」
わたしはルーデウスを後ろに引きずろうとした。
無理だ。わたしでは非力すぎて動かせない。
彼らを倒して、それから治療するしか手はないのだ。
しかし、相手は北聖二人。
それもこの距離だ。
生き残れる保証はない。
「ルディ……」
それならせめて。
最後の別れにと、ルーデウスの顔を見ようとした。
「えっ?」
だから気付いてしまった。
彼の顔がにやっと笑っているのを。
「「グフォアヌプッ!!」」
突然、リアードとテッドがこの世のものとは思えない悲鳴を上げた。
見れば地面から突き上がった土の槍が、彼らの股間を強打しているのだ。
何かが潰れる嫌な音が響いた。
そして、わたしは力強い腕に抱かれる。
魔術師らしくない鍛えられた腕だ。
「だから言ったでしょう。大丈夫ですって」
ルーデウスが笑顔で立ち上がっていた。
俺は最高に気分が高揚している。
最高にハイってやつだ!
「ふはは!ふははははッ!!ははははッ!!」
思わず高笑いが出るね。
俺の笑い声は、迷宮に高らかに響き渡った。
何だろう、この笑い方誰かの真似な様な気がする。
バサッ!
そしてローブを格好良く音をさせ裾を翻す。
「ル、ルディ?」
片腕にはヒロインを。
もう片腕は格好良く杖を構え、悪の総統ポーズだ。
や、やばい。最高に気分が良い。
この際、左肩の痛みは無視だ。
オシャレは我慢だしな。
「な、なんでてめえ!生きてる!?」
女装野郎らしく内股になったテッドは唸ってきた。
その通り。斬られた左肩以外はピンピンしてる。
「ルディ!怪我は大丈夫なんですか!?」
「こいつのお陰でね」
俺は手に隠し持っていた物を見せた。
「それは……吸魔石」
説明しよう!
吸魔石とは転移の迷宮の戦利品である。
その正体とは迷宮守護者、マナタイトヒュドラの鱗である。
裏面に魔力を送ると、表面から魔力を吸収する能力があり、それにより俺を襲った岩砲弾は消え去ったのだ。
いざという時の為、常に懐に装備していて良かった。
「し、心配したんですよ!」
ロキシーは俺の腕の中で涙を浮かべながら怒っている。
えっと、心配させてごめんなさい。
相手を油断させる必要があったからね。
案の定、狙い通りに油断してくれたよ。
「でも、もう二度とあんな事しないで下さい」
「はい、すみません」
ロキシーはそれから俺の腕にすり寄ってきた。
あれ、なんか凄くいい雰囲気だ。
そういう場合ではないのだが。
「そ、そういうカラクリかよ。情報不足だったぜ」
「俺達もまだまだだな」
「やっぱり、剣に限るぜ」
リアードとテッドは臨戦態勢に入っていた。
すげえ、流石片腕を失っても闘える北神流だ。
金的からもう回復しやがった。
ならば、
「泥沼」
俺は自分の代名詞を即、唱えた。
剣士相手の対策なら研鑽を積んでいるのだ。
かなりの広範囲を泥沼に変えてやる。
「リアード!」
「おうよっ!」
だが奴らも女装しても北聖だ。
リアードはずぶずぶと泥沼に沈む前に土台となってテッドを押し上げた。
やるな。
すぐさま岩砲弾を両者に撃ち込むが、テッドは剣で両方とも弾き飛ばした。
ちっ、この距離なら剣士の方が速いか!
「動かないで下さい!」
だが、俺が次の手を打つ前にロキシーが警告を飛ばした。
見ればリアードとテッドの頭上には、氷の槍が形成されている。
ロキシーの一声で、そいつは発射されるだろう。
テッドはともかく、泥沼にいて身動きが取れないリアードは串刺しだ。
「形成逆転だな」
俺の言葉にテッドは舌打ちを返した。
「さて、まずはお前らが誰に雇われたか吐いてもらおうか」
俺はとりあえず悪役面を浮かべてみた。
今までの暗殺者はギレーヌの一睨みで全てをゲロったものだ。
といってもほとんどが下っ端で、俺を狙う大元ははっきりとはわからないままだったが。
「誰が言うか!」
暗殺者は皆そう言うんだよな。
「うーん。もしかしてヒがつく全身白タイツの男の夢を見ました?」
「は、何だそりゃ」
思いっきり怪訝な顔をされた。
演技かどうか、今までが名演技すぎて分からない。
アスラ王国で俺が指名手配されている要因はヒトガミにあると思っている。
奴を裏切り、龍神の配下となった俺をヒトガミが使徒を使って殺そうとしているのだろう。
恐らく首謀者は、貴族のお偉い誰かだとは思うのだが突き止めれていない。
「では質問を変えましょう。いくらで雇われたのかね?んん?」
黙りこくった所を見るとかなりの額の様だ。
「俺ならその三倍払いましょう。どうです? それで依頼主に殺したとでも嘘の報告をしてくれたらいいのですよ」
「そ、そういう問題じゃねえんだよ!!」
声が震えていらっしゃる。
うーむ、小切手に言い値を書いてもいいのだけどな。
これで墜ちた暗殺者も前にいたのだが、こいつらは結構粘るな。
「てめえが邪魔なんだよ!」
「そうだ!てめえがデッドエンドだからだ!」
おや、懐かしい名前だ。
リアードとテッドはそれから口々に俺を罵ってきた。
何やら随分と鬱憤が溜まっているらしい。
とりあえず支離滅裂な奴らの言葉を要約してみる。
どうもこいつらの依頼主は、祖父サウロスの事が邪魔らしい。
元々、難癖つけて処刑する運びになっていたのだが、陣営の貴族が消息不明になったり、発狂して廃人となったりして計画はおじゃんになったそうな。
きっと、あの時のオルステッドの仕業だな。
それでもまだサウロスを裏工作で引摺り下ろす働きをしていたのだが、サウロスはなかなか強かだった。
フィットア領再建にあたって、数多くの貴族に投資を持ちかけ、債権をばらまき、裏金工作をしたらしい。
そしてそれらの闇資金を下支えしたのがデッドエンドだ。
お、ようやくデッドエンドの話が出てきた。
アスラ王国ではデッドエンドは自身の存在を隠し、王国の闇に溶け込んでいったのだ。
そして闇の組織でデッドエンドは、直ぐにその頭角を現したそうだ。
まずは手始めに盗賊団、暗殺者ギルドをぶっ潰し、邪悪な奴らは排除していった。
それらを下支えしたのは、魔大陸での過酷な生存競争に耐えた転移被害者達、それに魔大陸で勧誘した強者。
それからルード傭兵団なる徹底的に組織化された武装集団だ。
うーん、聞き覚えがある名前が出てきたぞ。
普通なら巨大化した組織は腐敗し、瓦解していくものだ。
だが奴らは脅しにも賄賂にも屈しないのだそうだ。
何故なら奴らには教義デッドエンド教が根底にあるからだ。
一つ、悪を見過ごさぬ!
二つ、困った人がいれば必ず助ける!
三つ、正義の味方!
しかしそんなお子様経典が闇の組織に浸透しては困る訳で。
そんなこんなでデッドエンドと闇陣営の熾烈な人知れぬ戦いが勃発したらしい。
ちなみに戦いは決着がついていないそうだ。
何故なら奴らは一人を潰しても、また湧き出てくる。
そして奴らは狂ったように一人の名を讃えるのだ。
全ては現人神ルーデウス様の為にと。
うわあい。ついに俺、新世界の神になっちゃったよ。
そして誰もが悟ったそうだ。
デッドエンドをこの世から抹殺するにはルーデウスを消すしかないと。
「それで今に繫がるのか……」
謎は全て解けた!
ああ、そういう事だったのね。
依頼にかこつけて邪魔な俺も消そうってわけか。
「何がデッドエンドだよ馬鹿馬鹿しい」
「俺達おまんま食い上げなんだよ!」
本当に申し訳ない。
などと言うとでも思っているのか!
別にいいじゃないか、闇の組織(笑)が仲良しこよしクラブになろうとも。
お前らも暗殺者なんてやめて、オ○マバーでも開けばいいんだ。
「わたしからも質問があります」
ロキシーがそこで声を掛けてきた。
「あん!?」
「んだよ!」
言いたい事言ってスッキリしている二人は噛み付いてきた。
ちょっとその姿にロキシーは引いている。
「聞きたいのはこの迷宮の事です。ここは守護者の間だと思うのですが、守護者はどこでしょうか?」
え、そうなの。
それにしては守護者も魔物もいないけど。
あ、いや。
奥の方に何やら迷宮の核らしきものが見えた。
台座に据え付けられ、壁際に設置されている。
デカいな。
どこぞの厶がつく大佐が喜びそうな形をしている。
あれ。なんか段々、赤く光ってきてないか。
「知らねえよ。門の前には魔物がいたけどな」
「色違いのスノウドレイクだったが、俺達の敵じゃなかったぜ」
二人は鼻高々に話す。
だが、ロキシーの表情はおもんばしくない。
「そんな……あれだけの迷宮の核です。守護者がいないはずはないのですが」
迷宮に詳しいロキシーが言うのだ。
何かがおかしいのだろう。
「あっつ!」
その時、思わず俺は叫んでしまった。
手に持っている吸魔石が熱い。
まるで何かの危険を知らせるように。
「グギャァァアアッ!」
そして頭上から咆哮が響き渡った。
上を全員で恐る恐る見上げる。
いた。
いや、今まさに降りてきている。
「あ、あれは……」
ロキシーは動揺した声を上げている。
俺はつばを飲み込み、杖を握りしめた。
そして奴は重量音を響かせ、目の前に降り立った。
「赤竜!!」
中央大陸最強とされる魔物が俺達の前に立ち塞がったのだ。
正確には赤龍だったものだが。
巨体の一部は腐り落ち、すでに骨が覗いている。
そして欠け、不足した部分を氷が覆う。
不死の氷の魔物と化しているのだ。
「こいつが守護者か!」
きっとこの赤竜は、はぐれ竜だ。
運悪く平地に落ち、隠れ家にでもしようとしたのか、俺達と同じくこの迷宮に囚われ死んだのだろう。
それにしても赤竜のファイアブレスでも脱出できないとは、この迷宮の魔力は凄まじいな。
「グルァァアッ!!」
赤竜の目が抜け落ちた眼孔に嵌った氷の水晶が俺達を捉えた。
ぼうっとしてる場合じゃない。
逃げるんだよォ!
「出口はっ!?」
振り返るとお約束通り、きっちり氷で閉ざされている。
手が早い。
「リアード、逃げるぞ!」
「おい、泥沼を解除してけよっ!」
一人埋まったままのリアードが悲鳴を上げた。
そう言えば忘れていた。
いくら俺を殺そうとしたからといえ、見捨てるのは寝覚めが悪い。
そう思った時だった。
「伏せて下さいッ!」
ロキシーの、神の言葉だ。
すぐさま実行に移す。
頭上を何かが轟音を立てて通り過ぎた。
「テッドォ!!」
リアードが悲痛な叫び声上げている。
顔を上げると、リアードを泥沼から引っ張り上げようとしていたテッドの姿はない。
そして遠く離れた壁には赤い花が咲いている。
その下には見るも無惨な姿のテッドが倒れていた。
そういう事か。
今のは、赤竜が尻尾を振り抜いたのだ。
尻尾の骨に纏わりついた氷は、掠っただけで致命傷で、直に受けたテッドは生きていないだろう。
「助かりました。ロキシー」
「集中して下さいルディ。私達だけで倒さなければならないのですから!」
俺とロキシーは距離を取るため、壁際まで下がる。
そして埋まっていた為に、急死に一生を得た者も一人いる。
だが、逆にそれが命取りとなった。
「うっそ」
泥沼ごと赤竜の鉤爪に掴まれたリアードは、逃げれなかった。
そのまま、口に運ばれ立派な顎で真っ二つに噛み砕かれる。
「うっぷ……」
見ていて気持ちの良いものではない。
まあ、見捨てた感はあるが、元々お前らのせいだ。
さらば。
「どうしましょう!?」
俺もロキシーも消化される訳でも無いのに食われるのはごめんだ。
「迷宮の核を壊しましょう!きっとそれしかあの赤竜を止める手立てはありません」
「わかりました!」
だが、今は真っ赤に輝く迷宮の核は赤竜の反対側だ。
なんとかして赤竜を退かさなければ。
「泥沼!」
出し惜しみなしの全力全開の泥沼だ。
辺り一面の泥沼に赤竜が徐々に沈み始める。
動かなくなれば後は、タコ殴り出来る筈だ。
しかし、沈んでいくはずの赤竜の動きが止まった。
その代わり響くのは泥沼がピキピキと凍っていく音だ。
見る見る内に泥沼が白くなっていく。
「レジストされた!?」
ぬぁんてインチキ!
赤竜はシャーベットと化した泥沼を掻き分けて、出てこようとしてくる。
こうなったら泥仕合だ。
俺とお前、どっちの魔力が持つか勝負してやる。
などとあほな事を考えている場合ではなかった。
足を止めた赤竜が体を仰け反らせる。
「ブレスがきます!」
ロキシーの警告で、俺は慌てて水の壁を出そうとした。
きっと手持ちの吸魔石では、こいつのブレスは吸収しきれないだろう。
だが、おかしいな。赤竜の口に炎は見えない。
代わりに見えるのは……なんだあれ。
「熾烈なる炎の精霊にして焦土の母よ!」
ロキシーの詠唱が耳に届いた。
俺は直前で意識を切り替えて、炎の壁を作る。
「「ファイアーウォール!!」」
赤竜からは火炎ではなく、凍てつく冷気が吐き出された。
ファイアブレスではなくアイスブレスである。
そりゃそうだ。
死んでいるのに、火が吹けるはずがない。
「また、助けられました。ロキシー」
「ではこれで貸し借りなしですね」
沸騰した湯でずぶ濡れになりながら、ロキシーは笑顔を浮かべた。
流石、とても頼りになります。
「余り火系統は得意ではないのですが、やるしかないようですね」
ロキシーは杖を前に構えた。
なら俺もそれを全力で補助しよう。
「小さな燻りが巨大なる恵みを焼きつくさん!」
ロキシーが広範囲に火を放つのに合わせて、俺は風の竜巻を作り上げた。
魔力を制御し、火を巻き込んだ竜巻を成長させる。
そして、竜巻の目にいるのは赤竜だ。
熱にやられて体表の氷がどんどん解けていく。
名付けて混合魔術フレイムトルネードだ。
「グオォォォォオッ!!」
だが、赤竜が最後の足掻きとばかりに咆哮を発した。
文字通り腐っても大陸最強の生き物だ。
氷の翼を広げた勢いで炎の竜巻は掻き消される。
「今です!」
だがロキシーが好機とばかり叫んだ。
赤竜は氷の体表をほとんど失い、氷の泥沼に沈んでいく。
射線が開いた!
迷宮の核を攻撃するなら今しかない。
「岩砲弾!」
真っ直ぐ核に向けて撃ち込んだ。
狙いは正確な筈だ。
撃ち抜ける!
「くそっ」
だが、俺は思わず悪態をついた。
迷宮の核は岩砲弾に当たる寸前、氷の結界を張ったのだ。
氷に阻まれ、岩砲弾は弾け飛ぶ。
ここから破壊するのなら、もっと威力を高めないと駄目だ。
それか、直接近づいて叩くかだ。
いや、それももう無理に近い。
剣士ならともかく魔術師である俺達では、あの赤竜の攻撃を躱し、迷宮の核に近づくなど出来ようもない。
「また赤竜は復活してきます。もう一度です!」
ロキシーは荒い息をしながら、杖を寄りかかる。
俺はまだ大丈夫だが、ロキシーの魔力量が心配だ。
最悪、ロキシーだけでもなんとかして助けれないものか。
「こんな時に不謹慎ですが、わたし結構楽しいです」
「え?」
突然ロキシーが言い出した。
苦しそうな声とは裏腹にその表情は輝いている。
「こんな風にルディと二人で冒険できて、一緒に戦えて」
「……そうですね。俺もなんだか楽しいです」
「生きて帰れればもっと嬉しいですけどね」
その通りだ。
絶対に生きて帰ろう。
そして帰ってエリスに自慢してやるのだ。
赤竜を倒してやったぞと。
きっと悔しがるだろう。
その光景がありありと目に浮かんだ。
「必ずそうしましょう!」
「はい!」
もう一度、俺は竜巻を起こそうとした。
俺一人でも、フレイムトルネードは再現可能な筈だ。
今度こそあの赤竜をほねほねザウルスに変えてやる。
その間にロキシーには強力な術で、核を叩いて欲しい。
だが、二度同じ手は食わんとばかり、迷宮の核が怪しく光った。
「なんだ?」
どこからか呻き声する。
それも二箇所からだ。
「う、うあ……ああ、あ」
他に生物などいないはずなのだが。
いや、いたな。元生物なら。
テッドと半分になったリアードが魔物と化していた。
これこそ正真正銘のゾンビだ。
魔術師相手にゾンビ剣士とは、迷宮の粋な計らいだ。
「ロキシーは赤竜をお願いします!」
リア/ードはともかく、テッドは生前の記憶があるのか、剣を振りかぶってやってくる。
首が明後日な方向に捻れているのが怖い。
誰かが前衛に立たなければならない。
となると俺しかいネんだわ。
「ルディ、気を付けて!相手は死んでも北聖です」
「はい。では、ロキシーはこれを使って下さい!」
俺は傲慢なる水竜王をロキシーに投げ渡した。
そして土の剣を作り出し、両手で構える。
「こ、これは……!」
ロキシーが俺の杖を受け取り、感嘆している。
何せ水魔術5倍だ。
水王級のロキシーが使うとどうなる事やら。
元々持ってるロキシーの杖、そして中級剣士の俺を合わせて、俺達は1+1で200、1000倍だぞ1000倍!
「雄大なる水の精霊にして、天に上がりし雷帝の王子よ!」
ロキシーは両手の杖を掲げた。
キュムロニンバス!?こんな序盤で!?
などと驚いている場合ではない。
俺は、このかゆうま共の相手をしなければ。
「神なる金槌を金床に打ち付けて畏怖を示し、大地を水で埋め尽くせ!」
ああ、それにしてもロキシーの姿。
魔法杖W装備verだ。
是非、フィギュア化したいね!
ロキシーって傲慢なる水竜王使った事ありましたっけ。
とにかくロキシー回が書きたかったのもので。