ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、ケントの想いが少し明かされます。


第19話 剣士としての決意

カルムside

 

人界暦380年 5月17日

 

 俺、ケント、ユージオの3人で、上級修剣士の修練場へと来ていた。

 キリトがいない理由は、ユージオ曰く、上級神聖術の試験に対する一夜漬けを敢行するらしい。

 アイツ、試験勉強はちゃんとすべきだろう。

 やれやれ…………。

 修練場でやる事は、丸太への打ち込みと、模擬試合での特訓だ。

 今は、ユージオが丸太への打ち込みをしていて、俺とケントで模擬試合をしていた。

 

カルム「懐かしいな。ルーリッドやザッカリアでも、こうして、剣をぶつけ合ったな。」

ケント「あの時はこんな風に戦えるようになるなんて思ってもみてなかったがな。」

カルム「そうだな。あの時なんて、稽古中にしゃべる余裕なんてなかったしね。」

ケント「それでも!今でも、お前やキリトに剣が届くイメージが全くないがな!」

 

 そう言っているが、ケントは笑いながら木剣を振るう。

 俺も木剣でそれを受け止める。

 ケントとユージオの2人は本当に成長速度が速い。

 俺も、今はまだ勝てているが、本気で戦うことになったら、勝てるのかどうか分からない。

 若干戦慄するな。

 

ケント「バーチカル!」

カルム「甘い!」

 

 ケントのソードスキルに対して、俺は、カスケードを放ち、迎撃する。

 その際に込めた想いは、『大切な人の笑顔を守る。』事。

 これだけは、これからも変わらない。

 

カルム「俺の勝ちだ。師匠として、まだまだ弟子に負ける訳にはいかないんでね。」

ケント「………降参だ。」

 

 ケントのスラントを模造剣ごと弾き飛ばし、俺はケントの眉間に模造剣を突き付けた。

 両手を上げ、降参の意を示したケントに俺は笑みを浮かべながらそう告げるのだった。

 その後、ユージオとも戦い、俺が勝利した。

 模擬試合を終え、シラル水を飲んでいると、ケントとユージオが尋ねてくる。

 

ユージオ「ねぇ、カルム。」

カルム「うん?」

ケント「カルムは、剣にどういった想いを乗せているんだ?」

 

 どういう事だ?

 俺が首を傾げると、2人は目を伏せながら答える。

 

ユージオ「前にキリトが言ってたよね?」

ケント「この世界じゃ、剣に自身の想いを乗せることが大事、剣の重さが戦いの全てを左右するって。」

カルム「ああ。ウォロ主席との懲罰試合の後に言ってたことか。」

 

 そういえば、そんな事を言ってたな。

 キリトが言っていたのは、心意………剣を振るう時に乗せる覚悟や決意のことを指していた。

 例えば、ウォロ主席であれば『騎士団指南役の家に生まれたという誇りと重責』、ゴルゴロッソ先輩は『鍛え上げられた自身の肉体への自信』、リーナ先輩は『積み重ね、研ぎ澄まされてきた剣術の冴え』、タカトラ先輩は『迫り来る闇の国の侵攻に、力無き民を守る決意』、ユア先輩は『己の剣術を研ぎ澄まし、人を守る意志』というものだ。

 キリト曰く、ウォロ主席と戦っている時、アスナや俺、ミトを始めとする仲間達をイメージして、引き分けに持ち込めたらしい。

 

ユージオ「キリトは、僕ら自身が見つけないといけないって言ってたけど………。」

ケント「貴族でも剣士でもない俺たちに見つけられるかと思ってな………。」

カルム「なるほどね…………。」

 

 ケントもユージオも、悩んでいるんだな。

 俺はどう返すべきか考えて、答えた。

 

カルム「俺は、絶対に守りたい人の泣いてる姿を見たくない想いを乗せているな。」

ユージオ「えっ?」

ケント「どういう事だ?」

カルム「その人はな、強いけど、自分の弱さを内に秘めてる。だから、その人を泣かせたくないという気持ちだな。」

ユージオ「凄いね、カルムは。」

ケント「そこまではっきりと言い切れるなんてな。」

カルム「俺から言わせると、2人も凄いと思うぜ。」

「「えっ?」」

 

 俺の言葉に驚くユージオとケントだが、俺は構わずに言葉を紡ぐ。

 

カルム「多分、2人には、自信が足りないからだと思うんだ。」

ユージオ「自信………?」

カルム「いやさ、剣士でもない2人が、こうして修剣学院に通っている。ギガスシダーに斧しか振わなかった二人が。さっきの試合も、手加減出来なかったし。」

ケント「だが…………。」

カルム「もう分かっているはずだ。2人が誰の為にその剣を振るうのか。」

「「!!」」

 

 多分、2人の行動源は、紛れもなく、イーディスとアリスの為だ。

 だからこそ、ここまで来れたんだ。

 俺は2人に手を差し伸べる。

 

カルム「その想いを剣に込めろ。俺やキリトだって、1人だったら、ここまで強くはない。2人が居たからこそだ。2人の守りたい者の為に、その剣を振れば十分だと思うよ。」

ユージオ「僕たちの…………。」

ケント「守りたい人…………。」

 

 まあ、これぐらいのヒントは必要かもな。

 後は、2人が見つけてくれれば。

 すると、ケントが尋ねてくる。

 

ユージオ「あれ?笑顔を守りたい人?」

ケント「まさか!記憶が戻ったのか!?」

カルム「え!?……あ〜。なんとなく、そんな気がするんだ!それを思い出してさ!アハハハハ……!」

ユージオ「そっか!」

ケント「なら、記憶を取り戻すのも時間の問題かもしれないな!」

カルム「そ、そうだね………!(ウッ!)」

 

 そういえば、記憶喪失だった設定があったな。

 ヤバい、このままじゃ、純粋な2人に根負けして、本当の事を暴露しそうだ。

 罪悪感が………!

 そんな風に考えていると、変な匂いがしてきた。

 なんか、べとつくような嫌な匂いが………。

 そんな匂いを撒き散らすのは、とある四人組以外には知らない。

 すると。

 

ライオス「おや?和やかな声がしたと思ったら。」

ベル「ユージオ………修剣士、ケント………修剣士、カルム………修剣士ではないか。」

 

 振り返ると、そこには、やっぱりと言うべきか、ライオス、ウンベール、ベル、ナツジの悪意の貴族組が居た。

 ベルが、わざと名前と修剣士の間に間を入れたのは、性を持たない事への嫌味だろう。

 飽きないな、お前ら………。

 ただ、4人は、俺に対する視線が強い。

 理由は、ゼフィリアの花関連だろう。

 自分達が無惨にも散らしたのにも関わらず、何事も無かったかのようにゼフィリアの花を渡すのを見て、驚愕していたからな。

 恐らく、俺を化け物か何かと思っているのかな?

 

カルム「ライオス殿にウンベール殿、ベル殿、ナツジ殿も修練に来たのですか?」

ベル「ええ。まあ、そちらは、談笑するくらいには暇を持て余しているようですが?」

カルム「丁度、修練が終わり、休憩していた所なので。どうぞ、ご自由に。」

「「………チッ。」」

 

 おい、ウンベールにナツジ、舌打ちぐらいは隠せよ。

 そんなに俺が挑発に乗らないのがつまらないのかよ。

 

カルム「2人とも。」

ユージオ「うん。」

ケント「ああ。」

 

 コイツらといると碌な事にならなそうだ。

 2人とアイコンタクトを取り、木剣の手入れをして、撤収準備を始める。

 ただ、そんな俺たちを、アイツらが無視する筈もなく。

 

ライオス「おや、もう鍛錬は宜しいのですか?」

ベル「辺境の田舎に住んでいたあなた方は疲れたのか?」

ウンベール「まあまあ、ライオス殿にベル殿。」

ナツジ「聞けば、ユージオ殿とケント殿は元は木こり。丸太程度の技しかご存知ないのでは?」

ライオス「ほう!それはそれは!」

ベル「これは、同じ寮に住む者として、型の一つでもご教授すべきかな?」

ウンベール「おー!ライオス殿とベル殿の寛大さたるや、まさしく爵士の鏡ですな!」

ナツジ「そうは思わんか?ユージオ殿、ケント殿、カルム殿。」

カルム「(お前らが言うな。)………はあ。」

「「……………。」」

 

 そんな風に呼び止められたので、心の中で毒づきながら、覇気のない声で答える。

 爵士の鏡?

 知らないな、ただのガキの鏡の間違いでは?

 そんな皮肉も思う。

 

ウンベール「ライオス殿とベル殿のお言葉に甘えて、指導を受けてみてはいがかかな?」

ナツジ「このような機会、二度とないかもしれませんよ。」

カルム(要するに、ユージオとケントを故意的に怪我させようとするんだろうな。)

 

 思わず盛大なため息が出そうになるが、ぐっと飲み込んで俺はユージオとケントの2人に判断を委ねた。

 ちなみに俺は断る一択だったが、ユージオとケントはどうかと思ったのだ。

 

ケント「それでは、お言葉に甘えて。」

ユージオ「一手ご教授願えますか?」

カルム「…………!」

ウンベール「………ほほう。」

ナツジ「へぇ…………。」

 

 ケントとユージオの目は、覚悟が決まっている顔だった。

 俺は少し驚いて、ウンベールとナツジの2人は、嘲笑うかの様な表情を見せる。

 

ウンベール「ユージオ修剣士、ケント修剣士。」

ナツジ「それは本気かい?」

ユージオ「はい。次席であるウンベール・ジーゼック殿と4位であるナツジ・キャンサー殿の高貴なる剣を、この身に直接ご指導頂ければと………お願いできますか?」

ウンベール「な、なんだと!?」

ナツジ「何!?」

 

 ユージオの言葉が本気である事が分かり、2人の表情が怒りに染まる。

 恐らく、逃げると思ってたんだな。

 ただ、ライオスとベルの2人は妙に冷静だ。

 

ライオス「それはつまり。」

ベル「2人はウンベールとナツジの剣に打たれたいという事か?」

ケント「もちろん寸止めでお願いしたいですが………。しかし、こちらは指導を乞う立場。この上注文するのは無礼というものでしょう」

 

 ケントとユージオは、落ち着いていた。

 そんな2人の姿が気に入らなかったのか、はたまた事故に見せかけて怪我を負わせられることを喜んでいるのか、ウンベールとナツジは木剣を抜きながら2人へと言葉を掛けた。

 

ウンベール「良いだろう!貴殿らのその向上心に免じ、真の剣術となるものを教えてやろう!」

ナツジ「カルム殿も、宜しいかな?」

 

 ナツジが確認を取ってきたので、俺はユージオとケントに確認を取る。

 

カルム「2人とも、本当に良いのか?」

ユージオ「うん。良い機会だと思うんだ。あの4人の自尊心が生み出す力がどういうものかを知ってみたくて。」

カルム(確かに、その点に関しては、俺たちよりも優れているだろうけど………。)

ケント「それに、信じてみようと思うんだ。」

カルム「え?」

ケント「カルムが言う強さが、想いが彼らにどこまで通用するのか。………今度こそ、俺たちの剣が、2人を守れるのかを試したい。」

カルム「…………分かった。油断するな。」

 

 どうやら、迷いはないみたいだな。

 俺は、壁際にまで下がって、事の成り行きを見守る事に。

 

ウンベール「そろそろいいかな?では、参るぞ!」

ナツジ「ハイ・ノルキア流の真髄………!その身をもって学ぶがよい!!」

カルム「ノルキア流剣術〈雷閃斬〉か。」

 

 雷閃斬………バーチカルの構えを取ったウンベールとナツジに対して、ユージオとケントは半身を引いて、右手で剣を掴む。

 

ウンベール「参る!」

ナツジ「行きますよ!」

「「!!」」

 

 掛け声と共にウンベールとナツジは雷閃斬を放ち、ユージオとケントはスラントで迎え撃った。

 修錬場に秘奥義の衝突音と衝撃による突風が吹くも、目を反らすことなく俺はどうなったのかを見続けていた。

 

ウンベール「なっ!?」

ナツジ「何ッ!?」

 

 ウンベールとナツジは、自分の秘奥義が相殺された事に驚愕していた。

 対するユージオとケントは冷静だった。

 すかさず剣をずらし、ユージオとケントの体勢を崩したところで追撃をかけたウンベールとナツジだったが、それすらも2人は即座に反応し防ぎ切った。

 

カルム「流石だ。」

ライオス「ほう。」

ベル「少しはやるではないか。」

 

 やはり剣の腕だけでいえばユージオとケントの方に軍配が上がるといってもいいようだ。

 秘奥義越しの鍔競り合いから、じりじりとウンベールとナツジの剣を押し返していくユージオとケント。

 しかし…………。

 

ウンベール「っ………平民が!」

ナツジ「調子に乗るなぁぁ!」

ユージオ「っ!?」

ケント「なんだ!?」

カルム(………!?奴らの心意か!?)

 

 ウンベールの剣に禍々しいオーラが宿ったかと思えば、一気に剣圧が強まった。

 アレが、心意なのだろう。

 

カルム(アレが、あの2人の自尊心が生み出す心意か………!?)

ウンベール「その無様な姿に、流派の卑しさがにじみ出ているぞ?」

ユージオ「くっ………うう!?」

 

 剣圧に押され膝を突くユージオとケント。

 そんな2人に止めを刺さんとばかりにウンベールとナツジが剣に力を込める。

 

ナツジ「君達の右肩を砕いて、剣を振るえなくさせてやろう!」

カルム「不味い………!」

 

 このままじゃ、ユージオとケントが負傷して、連中の思惑通りになってしまう!

 加勢しようとすると、まさかの光景が目に入ってきた。

 

ユージオ「ハァァ!!」

ケント「そこだ!」

ウンベール「なあッ!?」

ナツジ「何ッ!?」

 

 剣を僅かにずらし、ウンベールとナツジの秘奥義をユージオとケントは紙一重で回避したのだ。

 流石のアイツらも力を込めていたことが仇となり、重心が前へと取られてしまう。そして、背後を取ったユージオとケントが放ったのは、バーチカルだった。

 

「「ハァァァァ!!!」」

ウンベール「うわぁぁ!!」

ナツジ「クッ!」

カルム(アレは、スキルコネクト!?)

 

 だが、スキルコネクトは、俺とキリトがスリュムヘイムで行ってはいるが、アレは2本剣があるからできる事で、剣一本で出来るとは知らなかった。

 ウンベールとナツジが大きく吹き飛ばされ、ユージオとケントが追撃しようとするが。

 

ライオス「そこまで。」

ベル「この立ち合いは、引き分けだ。」

 

 確かに。

 ウンベールとナツジは、吹っ飛ばされつつも、倒れていないのだ。

 それは正しい。

 俺がユージオとケントの元に向かうと、ウンベールとナツジが不満そうな顔で抗議する。

 

ウンベール「ライオス殿!ベル殿!」

ナツジ「この私が、あのような田舎剣士と引き分けるなど!?」

ライオス「ウンベール、ナツジ。」

ベル「俺たちの言う事が聞けないのか?」

 

 その言葉で、抗議することを諦めたウンベールとナツジは口を閉ざした。

 互いに剣を収め、礼をしているところに、ライオスとベルがユージオとケントへと声を掛けていた。

 

ライオス「貴殿の珍なる技、大いに楽しめたぞ、ユージオ修剣士、ケント修剣士。」

ベル「貴殿も主席殿も卒業後には、帝立曲芸団辺りにでも天職を求めては如何かな?」

ユージオ「………お気遣い痛み入ります。ライオス・アンティノス修剣士、ベル・アバドン修剣士。」

ベル「次は、私たちが貴族の力とやらをお見せしましょうか?」

ケント「………俺は今でも構いませんが。」

ライオス「剣を振り回すばかりが戦いではないぞ、平民!」

 

 怒りが込められた視線を俺たちにぶつけて、奴らは退散した。

 

ユージオ「ハァ……。」

カルム「お疲れ。」

ケント「心配かけて悪かったな。」

カルム「大丈夫だ。それに、秘奥義連携も見れた事だしな。」

ユージオ「秘奥義連携って、さっきの?」

ケント「俺も、出来るとは思わなかった。」

 

 そんな風に話している中、2つの懸念が脳裏を過ぎる。

 一つ目は、先ほどのライオスの言葉だ。

 もしかしたら、更に挑発をしてくるかもしれない。

 二つ目は、ユージオとケントの成長速度の速さだ。

 

カルム(これは、すぐにでも追い抜かれそうな気がするな。)

 

 そんな危機感を抱いていた。

 しかし、何事もなく、3日が過ぎた。

 その日、俺たちは、キリトとユージオの部屋に集まっていた。

 

ユージオ「アレから3日経つけど………。」

ケント「嫌がらせの予告をしておいて、何もしてこないとはな。」

 

 それを聞いたキリトが、コヒル茶を飲みながら、答えた。

 

キリト「禁忌目録も、学院規則もあるんだし、厳しんだろう。」

カルム「まあ、それは裏を返せば、禁忌にならなければ、何をしてきてもおかしくないって事だな。」

 

 それを聞いたユージオとケントは、少し吹き出して、聞いてくる。

 

ユージオ「禁忌に触れない?」

ケント「どういう意味だ?」

カルム「う〜ん。俺たちにそう思わせて、気疲れさせる作戦かもしれないな。」

キリト「平常心を忘れないように、ステイ・クールで行こうぜ。」

ユージオ「何だって?」

ケント「す………すて………?」

カルム「…………。」

 

 変なこと言いやがって。

 ユージオとケントが混乱してるだろ。

 

キリト「あっ、ええっとだな………!アインクラッド流剣術極意その1だよ!『落ち着いて行こうぜ』みたいな意味かな。なっ、カルム!」

カルム「そうだな。(極意なんて、初耳なんだがな。)」

キリト「それと別れの挨拶でも『じゃあ、またな』」みたいな感じで使うこともあるな。」

ユージオ「へぇ〜………。分かった、覚えておくよ。」

ケント「ああ。ステイクール?」

 

 アンダーワールドの人は、英語………もとい神聖語には慣れてないんだから、あんまりそんな事を言うなよ。

 そんな想いをジト目に込めて、キリトを睨んでいると、苦笑しながら立つ。

 

カルム「さて、俺とケントはお暇するよ。」

キリト「そうだな。さて、俺たちもそろそろ寝るか。………んで、明日だが、ユージオ君、ケント君、カルム君。俺はちょっと用事が出来て………。」

ユージオ「ダメだよ、キリト!」

ケント「明日の安息日は、ルナとシオリとティーゼとロニエと、親睦会も兼ねて、森に行く予定だろ?」

カルム「逃げるなよ、キリト君。後、さっきのキリトの喋り方、なんかムカつく。」

キリト「分かったよ。じゃあ、8時に起こしてくれ。おやすみ。」

ユージオ「8時じゃ遅いよ!7時半に起こすからね!」

 

 そうして、俺とケントは、キリトとユージオの部屋から退室し、自分達の部屋に戻る。

 

ケントside

 

 キリトとユージオの部屋から退室して、自分達の部屋に戻ってきた俺たちは、もう寝る事にする。

 

カルム「じゃあ、7時半には起きるから。」

ケント「分かった。ステイ・クール。」

カルム「いや、その言葉は、そう頻繁に使うものじゃないんだ。なんて言うか………長いお別れになる時に使う言葉だと思ってもらえばいいのかな。」

ケント「………そうなんだな。少し、ややこしいな。」

カルム「そうだな。それじゃ、おやすみ。」

 

 改めて、ステイ・クールという言葉の使い方を理解して、俺は自分の布団に入る。

 だが、俺はカルムのとある言葉が、脳裏から離れない。

 

カルム『まあ、それは裏を返せば、禁忌にならなければ、何をしてきてもおかしくないって事だな。』

 

 カルムの言う通りなら、ライオスにウンベール、ベル、ナツジは、公理教会が定めた法に、嫌々従っているのか?

 禁忌目録は絶対だ。

 しかし、その考えが許されるのなら、イーディスが攫われたあの時に、動けなかった俺は、一体何を、何の為に守ってきたんだ?

 禁忌目録について考えると、右目が痛む。

 なんでだかは分からない。

 しかし………。

 

ケント「イーディス…………。」

 

 俺は、イーディスの名前を口にして、そのまま寝る事にした。

 




今回はここまでです。
これが、運命が動き出すきっかけになるという。
復活のコアメダルを見ましたが、アレは、もう少し時間があれば、もっと良い映画になってたと思いました。
まあ、普通に良いと思いますが。
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