ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、アリスとイーディスが漸くの再登場です。


第23話 まさかの再会

カルムside

 

 俺が、ベルを殺してしまった。

 そんな事を考えながら、懲罰房にて夜を過ごしている。

 

カルム(これは、しばらくは引き摺りそうだな。)

 

 ケント達を守るためとはいえ、人界に生きる人を1人殺してしまったのだ。

 無論、後悔はしていない。

 アイツらが、ケントを嵌めて殺そうとしたのだ。

 ただ、そう思っていないと、心が狂いそうになる。

 

キリト「カルム?」

カルム「キリトか。」

 

 そう、現在、俺たちは、一つの懲罰房へとぶち込まれていた。

 まあ、当然の措置か。

 

キリト「大丈夫か?」

カルム「大丈夫………とは言えないな。」

キリト「そうか…………。」

カルム「俺さ、ベルを殺してしまった。」

キリト「……………。」

カルム「勿論、ケントを守る為さ。だけど、今になって、事の重大さに気づいてね………。」

キリト「俺も、ライオスを殺した。」

カルム「そうか…………。一つ、気になることがあるんだ。」

キリト「俺も、気になる事がある。」

カルム「なら、聞こう。」

 

 俺たちは、ライオスとベルの死に方に関して話し合う。

 

カルム「実はな、ベルの奴、フラクトライトが崩壊した様な気がするんだ。」

キリト「ライオスもだ。」

カルム「という事は………。」

キリト「ああ。」

「「天命と禁忌目録を天秤に乗せた結果、フラクトライトが崩壊した。」」

 

 そういう結論に至った。

 

キリト「あり得るよな。」

カルム「ああ。2人は極端な自尊心を抱えている。天命は大切だけど、禁忌目録もまた、守らなければならない法。」

キリト「だから、崩壊したんだな。」

カルム「ああ。」

 

 だが、どうしてそうなったのか。

 そして、話は、ユージオとケントの右眼に関する話になった。

 先ほどまで、2人の眼を治そうとしたが、神聖力が足りず、断念した。

 

キリト「2人の右眼は、吹き飛んだって言ってたよな。」

カルム「ああ。だが、それは、菊岡達の計画とは、少し違う気がするんだ。」

キリト「それは?」

カルム「菊岡達は、真正汎用性人工知能を作ろうとしている。だけど、その………仮にも右眼の封印としよう。痛覚を与えるのは、計画には必要ないんじゃないか?」

キリト「確かに………。まさか!?」

カルム「うん。多分、ラースの中に、何かを企んでいる人がいる。」

キリト「それを伝えようがないからな………。だから、カセドラルに行こうって事か。」

カルム「うん。最終手段だけど、これしかもう手はない。」

キリト「分かった。」

 

 そうして、俺たちは眠りについた。

 すると、9時の鐘の音が鳴り、俺たちは起きる。

 ああ、この学院生活も、これで終わりか。

 タカトラ先輩に、申し訳ないなぁ。

 すると、扉が開いて、アズリカ先生が入ってくる。

 

カルム「アズリカ先生。」

アズリカ「4人とも、出なさい。」

 

 その声に従い、俺たちは外へと出る。

 

アズリカ「…………残念です。とても。今年度の学院代表剣士は、あなた方4人だと確信していたのですが。」

キリト「俺もそのつもりだったんですけどね。」

カルム「右に同じく。」

 

 アズリカ先生の言葉に、俺たちはそう返す。

 すると、アズリカ先生がユージオとケントに声をかける。

 

アズリカ「ユージオ修剣士、ケント修剣士、こちらへ。」

ユージオ「えっ…………。」

ケント「はい…………。」

 

 アズリカ先生に呼ばれ、一歩前と出たユージオとケント。

 そんな2人に、アズリカ先生は神聖力が込められた結晶(神聖結晶という貴重な物だと記憶している)から高濃度の神聖力を抽出し、まずはユージオの右目に手を当てた。

 

アズリカ「システムコール…ジェネレート・ルミナス・エレメント…リコンストラクト・オーガ。」

 

 すると、ユージオの右眼に、術が発動する。

 

アズリカ「目を開けてみなさい」

ユージオ「……っ!あ、ありがとうございます、アズリカ先生!」

アズリカ「次は、ケント修剣士です。」

 

 ケントにも、先ほどの術を発動して、ケントの右眼も回復させる。

 

ケント「ありがとうございます、アズリカ先生。」

アズリカ「いえ………。それよりも貴方方4人をこれから迎えの者に引き渡せねばなりません。その前にこれだけは伝えておこうと思い、私はここに来ました。」

「「「「………………。」」」」

 

 そう告げたアズリカ先生の言葉に覚悟していた俺たちはさほど驚いてはいなかった。

 そして、アズリカ先生は言葉を続けた。

 

アズリカ「ユージオ修剣士、ケント修剣士……。貴方達は私に破れなかった封印を破った。ならば、私が行けなかったところに貴方達はきっと行くことが出来る筈です。その剣と、そして友を信じなさい。」

ユージオ「はい!」

ケント「分かりました。」

 

 すると、次はこちらを見てくる。

 

アズリカ「…………キリト修剣士、カルム修剣士。貴方方が何者なのかは、遂には私にも分かりませんでした。ですが、貴方方があのカセドラルに行った時には何かが起きる……。だからこそ、その先に光があることを私はここから祈っています…………。ずっと…………。」

キリト「これまで大変お世話になりました、アズリカ先生。」

カルム「………そして、すみませんでした。期待を裏切るような結果になってしまって。」

アズリカ「………結果はどうあれ、貴方方が自分の信じる道を歩んだのでしょう?ならば、その気持ちを忘れることなく前を見据えることです………。」

 

 そんなアドバイスを受けて、俺たちは、その整合騎士の元へと向かう。

 どうやら、2人いるらしく、1人は金の鎧に青のマント、長い金髪のロングヘアで、もう1人は、灰色の鎧とマント、そして、灰色の髪を、ポニーテールにしている。

 両方とも女性だろう。

 俺たちがある程度近づくと、その2人は言葉を発しながら振り返る。

 

アリス「セントリア地域統括公理教会整合騎士……アリス・シンセシス・サーティです。」

イーディス「同じく整合騎士、イーディス・シンセシス・テンよ。」

ユージオ「………ア、アリス………?」

ケント「………イ、イーディス………?」

キリト「えっ…………?」

カルム「何…………!?」

 

 まさか、ユージオとケントが探していた2人って、あの整合騎士が!?

 どうなってんだ………!?

 

アリス「その様な口調は謹んでください。罪人に舐められてもしたらどうするのですか?」

イーディス「その時はアリスが罪人をぶっ飛ばすんでしょ?」

 

 そんな風に話しているのを見て、俺は呆然としていた。

 どういう事だ?

 処刑されたと言っていたな。

 そんな風に考えていると、ユージオとケントが、アリスとイーディスに剣で殴られていた。

 

キリト「ユージオ!」

カルム「ケント!大丈夫か!?」

ユージオ「う、うん…………。」

ケント「ああ…………。」

アリス「言動には気を付けなさい。私にはお前たちの天命を7割まで奪う権限があります。次に許可なく触れようとすれば、その手を切り落とします。」

イーディス「へぇ……天命を三割は減らしたつもりだったのに、身のこなしで咄嗟にその半分に抑えるなんてね。流石は上級修剣士………いや、あるいは殺人の大罪を犯すだけの事はあるって事かしら?」

 

 アリスとイーディスの発言を聞いて、冷や汗が流れる。

 冷酷だ。

 ユージオとケントから聞いた2人の印象とは全く異なる。

 

キリト「あの2人の騎士が、お前達が探してたアリスとイーディスか?」

ユージオ「う、うん。」

カルム「なら、ここは従っておこう。カセドラルに行けば、何か分かるかもしれない。」

ケント「分かった…………。」

 

 俺とキリトの言葉に、戸惑いつつも、従う2人。

 本当に、どうなってんだ?

 

アリス「さて…上級修剣士ユージオ並びにキリト並びにケント、そしてカルム。そなた等を禁忌条項抵触の咎により捕縛・連行し、審問の後に処刑します。」

イーディス「大人しくしなさいよ。」

 

 そう告げてからの2人の行動はとても速かった。

 俺たちの手に手錠を填め、外へと連れ出した。

 校舎の外には2人が乗ってきた飛竜が待機しており、飛竜の体に繋がれた拘束具で更に体を拘束されてしまった。

 後は連行されるのを待つだけかと思っている時だった。

 校舎から誰かが駆けてくるのが見え、視線を向けると。

 

カルム「シオリ!?」

ケント「えっ………ルナ!?」

ユージオ「ティーゼ!?」

キリト「ロニエまで!?」

 

 その人物は、シオリ達だった。

 それぞれ、シオリは刃王剣十聖刃、ルナは雷鳴剣黄雷、ティーゼは青薔薇の剣、ロニエはあの黒い剣を持ってきていた。

 そんな彼女達に、アリスとイーディスが対応する。

 

シオリ「整合騎士様!」

ルナ「お願いがあります!」

ティーゼ「私たちに…ユージオ先輩の剣を………!」

ロニエ「先輩たちに剣をお返しする時間を頂けませんか!?」

アリス「………いいでしょう。但し、罪人たちに剣を帯びさせるわけにもいきません。これは私達が預かりますがよろしいですね。」

 

 アリスはそう言って、片方の飛竜にキリトとユージオの剣を、イーディスは自分の飛竜に、俺とケントの剣を入れる。

 

イーディス「………会話をするなら、一分間に限っては許可するわ。行きなさい。」

「「「「…………!」」」」

 

 恐らく、イーディスなりの温情だろう。

 すると、それぞれの傍付きは、俺たちの元へと向かう。

 俺の目の前に、シオリが来る。

 

シオリ「先輩………!私の、私のせいで、こんな事に………!」

カルム「泣くなって。それに、シオリのせいじゃないって。」

シオリ「…………私、強くなる。整合騎士になって、先輩を助けに行きます!」

カルム「そっか………。」

シオリ「あの、これ、お弁当です。」

 

 そう言って、俺の縛られた手に、お弁当が渡される。

 

アリス「時間です。」

イーディス「危ないから離れて。」

 

 アリスとイーディスは、いつの間にか飛竜に跨っていて、飛竜が脚を動かす。

 そして、飛んで、俺たちはセントラル・カセドラルへと向かっていく。

 

カルム(まあ、罪人としてだけど。)

 

 なるべくは、堂々と、セントラル・カセドラルに向かいたかったがな。

 

ユーリside

 

 俺は、セントラル・カセドラルの中にある大図書室に着いて、カーディナルと話をする。

 

カーディナル「そうか。もうすぐ、その者達がカセドラルに着くというわけか。」

ユーリ「ああ。どうやら、ついさっき、アリスとイーディスという整合騎士が、その4人を連れてきているようだ。」

カーディナル「うむ。」

 

 カーディナルが向けた先には、火炎剣烈火、水勢剣流水、土豪剣激土、風双剣翠風、音銃剣錫音、闇黒剣月闇、無銘剣虚無があった。

 

カーディナル「まさか、雷鳴剣黄雷と、刃王剣十聖刃の担い手が、こちらに来るとはな。」

ユーリ「これまでの過ちは繰り返さない。絶対にこちら側に入れるぞ。」

カーディナル「ああ。…………恐らく、あの女は気付いている可能性があるな。」

ユーリ「ケントとカルムが、雷鳴剣黄雷と刃王剣十聖刃を持っている事に関してか?」

カーディナル「うむ。兎に角、わしらがどうにか保護をしないとな。」

ユーリ「まあ、大人しくしている可能性は低そうだがな。」

カーディナル「それは、こちらにとっても好都合じゃ。」

 

 そんな風に話す。

 兎に角、あの女に、あの4人を渡すわけにはいかない。

 




今回はここまでです。
カーディナルを登場させました。
何故、時国剣界時と煙睿剣狼煙がないのかは、いずれ明かされます。
そして、カルムは、心身喪失状態にするかは考え中です。
次回は、現実での話です。
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