ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回はシリカ回の続きです。
ヒロミ君も根性を魅せてくれますよ。


第9話 紫紺の剣士と黒の剣士(後編)

ヒロミside

 

第47層 フローリア

 

 第35層から、転移門を通ってきて、たどり着いたのは、辺り一面が花で覆われたフィールドだった。

 

シリカ「凄い……!夢の国みたい……!!」

カルム「辺り一面が花で覆われているから、通称フラワーガーデンなんて呼ばれている。」

キリト「時間があれば、北の端にある『巨大花の森』にも行けるんだけどな。」

ヒロミ「そうなんですか。それは、もう少しレベルが上がってからにします。」

 

 周りを見ると、カップルが多かった。

 どうやらここは、カップルのデートスポットみたいだ。

 いつか、僕もシリカと一緒に来れるかなと考えてしまう。

 でも、シリカは僕の事を異性として見てるのか分からない。

 

カルム「どうした、ヒロミ?」

ヒロミ「あ、考え事をしてただけです。」

キリト「そうか。なら、シリカにも声をかけてくれ。」

ヒロミ「分かりました。」

 

 僕は、シリカの元へ。

 

ヒロミ「シリカ。」

シリカ「な、何っ!?」

 

 シリカは、顔を赤くしながら慌てて反応した。

 

ヒロミ「カルムとキリトさんがそろそろ出発しようって。あれ、顔が赤いけど、大丈夫?」

シリカ「な、何でもないよ!!」(あのカップルみたいに、ヒロミ君と2人きりでここに来たいなんて思った事、バレてないよね?)

 

 まさか、シリカも……。

 いや、考えすぎか。

 

キリト「さて、出発するんだが。2人にはこれを渡しておく。」

 

 そう言ってキリトさんが渡したのは、転移結晶だった。

 

キリト「2人のレベルと俺達が渡した装備なら、問題は無い。だけど、フィールドでは何が起こるか分からない。だからこそ、俺達が逃げろと言ったらそれで逃げてくれ。」

カルム「何、俺達はヤワじゃ無いからな。」

 

 2人は真剣な表情でそう言ったので、ベルトポーチに入れる。

 その後、戦闘になったが、キリトさんとカルムの2人が前衛を受けてくれて、僕とシリカのレベル上げを手伝ってくれた。

 だけど、あの2人って、一体何者なんだろ?

 もしかして、攻略組?

 だけど、攻略組がこんな中層フロアにいる筈が無いか。

 しばらくして。

 

カルム「到着だ。」

キリト「ここが、思い出の丘だ。」

シリカ「ここにピナを復活させる花が……!」

カルム「あぁ。あの丘の天辺に咲くらしい。」

 

 天辺に行くと、花が咲いていた。

 

ヒロミ「これが………!」

カルム「あぁ。プネウマの花だ。」

キリト「ピナの心に花の中に溜まってる雫を振りかけると復活する。でも、主街区でいいだろう。ピナもその方が良いに決まってる。」

シリカ「はい!」

 

 その後、僕達は帰ることに。

 モンスターにもそこまで遭遇しなかった。

 だけど、橋に掛かった所でカルムとキリトさんが立ち止まった。

 

キリト「そこで待ち伏せてる奴、出てこいよ!」

 

 キリトさんがそう言うと出てきたのは、ロザリアだった。

 

シリカ「ロ、ロザリアさん!?」

ロザリア「その様子だと、プネウマの花をGET出来たみたいね。なら、早速寄越しなさい。」

 

 この人は何を言い出すんだ?

 カルムとキリトさんが僕達の前に立ち、口を開いた。

 

キリト「そうは行かないな、おばさん。いや、オレンジギルド『タイタンズハンド』のリーダーさん?」

ロザリア「へぇ……。」

シリカ「オレンジギルド!?でも、ロザリアさんはグリーンじゃ………!?」

カルム「オレンジギルドは、全員がオレンジカーソルって訳じゃ無い。グリーンの奴もいて、そいつが情報収集を担当する。オレンジカーソルの奴は、圏内村には入れないからな。」

ヒロミ「じゃあ、この2週間に、一緒のパーティーに居たのは………!!」

ロザリア「そうよ。本当なら、今日殺る予定だったけど、本命のシリカが居なくなっちゃったけどレアアイテムを取りに行くじゃない。でも、そんな事が分かっててその2人に付き合うなんてアンタ達バカなの?女の子2人にカッコつけたいからなの?」

カルム「ヒロミを男だって分かってて言うか。なら、お前は性悪おばさんだな。」

 

 カルムの雰囲気が変わった。

 いつもの優しい雰囲気が消えて、怒りの雰囲気が出ていた。

 

キリト「俺達はアンタを探してたんだ。アンタ、10日前に『シルバーフラグス』っていうギルドを襲ったな。」

ロザリア「あぁ、あの貧乏な連中ね。」

カルム「リーダーの男はな。最前線の転移門広場で泣きながら仇討ちをしてくれる人を探してた。でも、彼はアンタらを牢獄に入れてくれと言っていた。アンタに奴の気持ちが分かるか?」

 

 ロザリアは、面倒臭そうに答えた。

 

ロザリア「分かるわけないでしょ。マジになってバカみたい。」

カルム「そうか。なら、お前は最低のクズ野郎だな。同情の余地が無い。」

 

 カルムの怒気も更に高まっていた。

 

ロザリア「自分達がどんな状況なのか分からないで止めちゃったの?」

 

 その時、ロザリアの周辺から、オレンジプレイヤーが大量に出て来た。

 つまり、コイツらが、タイタンズハンドのメンバーという事だ。

 完全に挟み撃ちにされた。

 

ヒロミ「キリトさん、カルム!形勢が不利です!一旦撤退しましょう!!」

キリト「大丈夫。俺かカルムのどちらかが逃げろって言うまでは、転移結晶を用意しながら見ててくれ。カルム、後ろの奴は任せた。」

カルム「あいよ、キリト連中を殺すなよ。あとヒロミ、シリカをちゃんと守ってやれ。」

キリト「分かってる。」

 

 僕にもそんな風に言って、2人は前と後ろの敵に向かっていった。

 

「「キリトさん!!カルム(さん)!!」」

 

 僕達が名前を呼ぶと、タイタンズハンドの1人が反応した。

 

冒険者「キリト、カルム?黒ずくめの服に盾無しの片手剣、紫紺のコートに胸当てに籠手、膝当てをつけた片刃の剣士、まさか『黒の剣士』と『紫紺の剣士』!?ロザリアさん、あの黒ずくめはソロで前線に挑んでるビーターの攻略組だ!それに紫紺の剣士の方は、今、勢いづいてるソロの攻略組だって言われてる!!」

 

 え?2人が攻略組?

 それなら、あの2人の強さに納得がいく。

 

ロザリア「攻略組がこんなところにいる訳ないじゃない!ホラ、とっとと始末して身包み剥いちゃいな!!」

 

 ロザリアの声と共に、オレンジプレイヤー達が2人に襲い掛かる。

 カルムは回避したり、剣で防御しているが、キリトさんは、ただ攻撃を受けている。

 

シリカ「やめて!2人が死んじゃう!」

ヒロミ「シリカ!今、助け………!?」

 

 シリカが苦しんでるのを見て、『ランスラウザー』を取り出すが、信じられない物が映った。

 

ヒロミ「HPが減ってない……!?」

シリカ「どういう事………!?」

 

 キリトさんのHPが減っても、すぐに回復した。

 カルムさんも、あっさり躱していて、オレンジプレイヤーの方が息が荒くなっていた。

 

ロザリア「何してんだ!?さっさと殺しな!!」

冒険者「それが、コイツ幾ら攻撃しても、HPが減らないんです!!」

冒険者「紫紺の剣士には、避けられたり、防御されたりで、一撃も当たってません……!」

 

 オレンジプレイヤーも疲労が溜まったのか、動きを止めた。

 

カルム「ジャガーアンデッドよりは遅いな。」

キリト「10秒あたり400ってところか。それがアンタらが俺に与えるダメージ量だ。俺のレベルは78、HPは14500。『バトルヒーリング』スキルによる自動回復が、10秒で600ポイントある。何回攻撃しても無駄だ。」

冒険者「そんなのありかよ!?」

キリト「ありなんだよ。たかが数字が増えるだけで、そこまで無茶な差がつく。それがレベル制MMOの理不尽さだ!」

 

 そして、キリトさんは、転移結晶よりも色が濃い結晶を取り出した。

 

キリト「これは俺の依頼人が全財産を叩いて買った回廊結晶だ。監獄エリアを出口に指定してる。これで全員監獄に飛んでもらう!」

ロザリア「やるじゃない。でも、ここにいるのが全員だと思わないでね。」

 

 そう言うと、1人のプレイヤーが、シリカに襲い掛かった。

 

シリカ「きゃあっ!」

ヒロミ「シリカ!」

 

 僕はすぐさまシリカの前に出て、ランスラウザーで攻撃を受け止める。

 

冒険者「コイツ!!」

ヒロミ「ウォォォ!!」

 

 僕は、スパイラルゲートを発動させて、カウンターを叩き込む。

 すると、武器は破壊されて、その折れた刃は、ロザリアの足元に。

 

ロザリア「ヒィッ!!」

ヒロミ「これ以上、シリカを悲しませるのなら、僕は許さない!!」

 

 その気迫に、オレンジプレイヤーは戦意喪失する。

 

カルム「武器破壊か!ナイスガッツを見せたな!ヒロミ!!」

 

 カルムがそう声をかけて、キリトさんがロザリアに近づいて、首元に剣を突きつける。

 

ロザリア「グリーンの私を攻撃したら、アンタまでオレンジに……!」

キリト「言っておくが俺はソロだ。1日2日くらいオレンジになるのなら、問題無い。」

 

 キリトさんが回廊結晶を使って、カルムと一緒にタイタンズハンドのメンバーを次々と送り込む。

 ロザリアを送り込む直前に、カルムが話しかけた。

 

カルム「監獄に送る前に一つ言っておく。ヒロミは芯があって強い奴だ。次に俺の友達を馬鹿にしてみろ。そん時はお前をぶっ潰す……!」

 

 ロザリアは、その言葉に恐怖した。

 これにて、タイタンズハンドは監獄に送り込まれた。

 

シリカ「ピナ!」

 

 僕達は宿に戻って、ピナを復活させた。

 シリカが笑顔になっているのを見て、僕も嬉しくなってくる。

 

シリカ「キリトさん、カルムさん、ありがとうございます!」

キリト「別に良いよ。」

カルム「最後は少し危険な目に遭わせちゃったからな。」

ヒロミ「あの、キリトさんとカルムは、もう前線に戻るんですか?」

キリト「ああ。5日も離れちゃったからな。」

カルム「早く戻らないとな。」

ヒロミ「攻略組って凄いですね。僕とは違って、あんなに強いですし。」

 

 今回、ピナを復活出来たのは、カルムとキリトさんがいたからだ。

 でも、僕は何も出来てない。

 だけど、3人が声を掛けた。

 

キリト「そんなことはない。ヒロミは、シリカを守ったじゃないか。」

カルム「あの時のヒロミは男らしくてカッコよかったぜ。」

シリカ「ヒロミ君が助けてくれたから、花を奪われずにすんで、ピナを生き返らせた事が出来たんだよ。ありがとうね、ヒロミ君!」

 

 3人が言ってくれた事が嬉しくて、泣いてしまった。

 3人が慰めてくれるけど、それでも涙が止まらない。

 この日、想いを寄せているシリカを守る事が出来て、少しは強くなれたかな?




今回はここまでです。
ちなみに、カルムは、既にJ、Q、K以外のアンデッドと遭遇して撃破しています。
その為、スキルとして、技を使用出来ます。
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