ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回で、人界編は終わりです。


第47話 戦いの終結と新たな始まり

カルムside

 

 最高司祭アドミニストレータは、チュデルキンの纏う炎に焼かれて、消えた。

 

キリト「アリス………イーディス………カーディナル………ユーリ…………。」

アリス「はい。」

イーディス「うん。」

カルム「俺たち、勝ったんだよな?最高司祭アドミニストレータに。」

カーディナル「うむ。」

ユーリ「ああ。」

 

 そう言ったカーディナルは、術式を唱えていく。

 すると、俺とキリトが持っていた雷鳴剣黄雷と青薔薇の剣が光りだし、ケントとユージオが分離する。

 

キリト「ユージオ、ケント!大丈夫なのか?」

ユージオ「キリト、カルム。僕は大丈夫だよ。」

ケント「ありがとうございます、カーディナルさん。」

カルム「ケント………!」

アリス「良かったわ………!」

イーディス「ええ………!」

ユージオ「アリス………!?」

ケント「イーディスも、口調が少し変わったか………!?」

 

 アリスとイーディスの口調が少し変わった事に驚く、ユージオとケント。

 俺は、2人に事情を説明する。

 それは、ソードゴーレムへと変えられた人を救う際に、記憶の欠片の幼い2人が、整合騎士としての2人と融合する事を提案して、整合騎士の方のアリスとイーディスも了承して、融合した事を。

 

カルム「つまり、今の2人は、ルーリッド村での記憶が残りつつ、整合騎士としての記憶もある状態って事だ。」

ユージオ「そうなのか………!」

ケント「ありがとう、カルム………!」

アリス「8年ぶりね、ユージオ、ケント。」

イーディス「ただいま!」

 

 そう言って、アリスはユージオに、イーディスはケントに抱きついて、ユージオとケントは泣いていた。

 

キリト「そうだ、カーディナル………!俺たちは、ここに来た理由が………!」

カーディナル「落ち着けい、キリト。ほら、見てみるのじゃ。」

ユーリ「お前達が守った世界だ。」

 

 そう言って、窓のほうを指差す。

 どうやら、アドミニストレータの術は解除された様で、外には、夜の人界が映っていた。

 

「「俺たちが………。」」

「「守った…………。」」

「「世界…………。」」

 

 俺とキリト、アリスとイーディス、ユージオとケントの順番で言うと、俺とキリトの目からは、涙が溢れてくる。

 

ユージオ「キリト、カルム………?」

ケント「もしかして、泣いてるのか?」

キリト「泣いてなんかないよ!大体、誰のせいだと思ってるんだ………!」

カルム「もし、2人が死んだり、剣になったまま戻れなかったらって思うと………!」

キリト「だから、勝手に行こうとするなよ!」

ユージオ「大丈夫だよ、キリト、カルム。」

ケント「ああ。俺たちは、ここに居る。それに、2人が俺たちと一緒に戦ってくれた。だから、アドミニストレータを倒せたんだ。」

カルム「当たり前だろ。いつだって、俺とケント、キリトとユージオは一緒に冒険してたんだから………!」

 

 俺は、そう言って泣いてしまう。

 その後の言葉は、キリトが引き取ってくれた。

 

キリト「これまでも、これからも、変わらないんだ。」

ユージオ「そうだね。」

ケント「こうして見ると、毎晩見ていた夜空の星を思い出すな。ここから見る星空も、変わらないんだな。」

アリス「うん。」

イーディス「綺麗よね………。」

 

 ケントの言葉に、アリスとイーディスが頷く。

 

ユージオ「世界は僕が思っている以上に小さくて………。例え離れていても、この夜空で繋がっているんだ。」

キリト「ああ…………。」

ケント「どんな時も、見上げれば夜空はそこにあって、俺たちを優しく見守って、包んでくれたんだ。」

ユージオ「何だか、キリトの剣の輝きにも似てるなぁ………。そうだ!キリトの黒い剣、《夜空の剣》って名前がいいな………。どうだい?」

ケント「確かに、キリトとその剣なら、出来るのかもしれないな。この小さな世界を、夜空の様に優しく包み込む事が。」

カルム「《夜空の剣》か………。良い名前だな。」

キリト「ああ………!ありがとう、ユージオ、ケント。」

アリス「どうやら、ユージオには命名の才能があるみたいね。」

イーディス「確かに、キリトと違って。」

キリト「おい。何で最初から俺に命名の才能が無いって、決めつけて掛かってくるんだよ。」

カルム「だって、キリトに命名の才能が無いのは、分かってる事だろ。当初は、黒いのとしか呼んでなかったんだから。」

キリト「解せぬ…………。」

 

 俺の追い討ちに、キリトは少し拗ねてしまう。

 それを見て、穏やかな雰囲気になる。

 

ユージオ「それにしても、君達はずっと、この夜空みたいに僕達のそばにいてくれたんだね。」

ケント「確かにな。俺たちの魂には、カルムとイーディス、キリト、アリスの思い出が刻まれていた。だから、俺たちは孤独じゃなかったんだな。」

キリト「…………ああ。思い出が消え去る事はないんだ。」

カルム「ああ。思い出は、ずっと魂の中にあるからな。」

アリス「そうね。私とイーディスも、ずっとあなた達を見守ってたんだから。」

イーディス「そうね。」

 

 その後、俺たちは、一番光る星を探している中、俺はとある事を思っていた。

 俺たちは、確かにアドミニストレータを倒した。

 だからといって、最終負荷実験が止まる事は無い。

 これから先に何が待ち受けているのかは分からない。

 それでも、この世界は、確実に変わっていくのだろう。

 人々の魂が悩み、迷いながらも、輝く事が出来る世界へと。

 すると、カーディナルに声をかけられた。

 

カーディナル「キリト、カルム。いつまで呆けてるつもりじゃ。お主らにはまだ、やるべき事があるじゃろ?」

キリト「やるべき事………。」

カルム「そうだな…………。」

 

 俺とキリトは、アドミニストレータが出したシステム・コンソールの前へと来る。

 

アリス「これは一体………?」

イーディス「なんなの…………?」

キリト「これは………外の世界と繋がる為の道具だ。」

ユージオ「外の世界…………。」

ケント「アドミニストレータは、お前達の事を、向こう側の人間と言っていた。教えてくれ。お前達は何者なんだ?」

 

 ケントの質問に、俺とキリトは顔を見合わせて、俺が代表で答える。

 

カルム「俺たちは…………アドミニストレータの言う通り、この世界の人間じゃ無い。この世界の外側にある別の世界………リアルワールドという場所からやって来たんだ。」

ケント「つまり、記憶がないっていうのは………。」

カルム「ごめん、嘘だ。」

キリト「………でも、どうして俺たちがこの世界に連れて来られたのか、それについては、俺たちも分からないんだ。だから、リアルワールドと繋がるこの道具…………システム・コンソールを目指して、ここまでやって来た。」

カルム「ケント、ユージオ…………今まで黙ってきて、済まなかった!!」

 

 俺とキリトは、2人に頭を下げる。

 すると、ユージオの声が聞こえる。

 

ユージオ「…………いいよ、許す。」

キリト「ユージオ…………。」

ケント「2人がどこから来たかなんて、俺たちには関係ない。2人がいなかったら、俺たちはルーリッドの村を出ずに、イーディスとアリスを助けられなかった。ありがとうな、カルム、キリト。」

カルム「………こちらこそ、ありがとうな。2人が居なかったら、俺たちもここまで来られなかったよ。」

ユーリ「話は済んだのか?」

カーディナル「問題はまだまだあるぞ。」

 

 そうだ、問題はまだある。

 最終負荷実験の事に関してもだ。

 俺とキリトは、システム・コンソールの前に立ち、キリトがコンソールを起動して、ラースのスタッフを呼び出す。

 

キリト「菊岡さん………!!」

カルム「早く出ろ!!」

 

 だが、変な音が流れて来た。

 それは、カタタタ、カタタタタ、という、歯切れの良い破裂音。

 この音は、GGOで聞いた、サブマシンガンかアサルトライフルの音だ。

 誰かが、戦争系の映画でも見ているのか?

 そう思ったが、聞こえて来た声で、違うと思った。

 

???『…………ダメです、A6通路、侵入者に占領されました!後退します!!』

???『A7で何とか応戦しろ!システムをロックする時間を稼げ!!』

 

 何が起こっている、ラースで?

 俺が首を傾げる中、知らない声が、知っている名前を出す。

 

???『菊岡二佐、もう限界です!メインコンは破棄して、耐圧隔壁を閉鎖します!!』

菊岡『すまん、あと2分耐えてくれ!今、ここを奪われるわけにはいかん!!』

 

 本当に、何が起こってるんだ?

 俺とキリトが顔を見合わせて動揺する中、再び菊岡の声がする。

 

菊岡『比嘉くん、安田くん、ロックはまだ終わらないのか!?』

比嘉『あと八…………いや、七十秒ッス………。』

安田『これは………!菊岡さん!中から呼び出しだ!違う!アンダーワールドからだ!これは………!桐ヶ谷君と小野君だ!!』

菊岡『な………何ぃっ!?』

 

 そう言って、菊岡がマイクを掴んで、叫ぶ。

 

菊岡『キリト君、カルム君、いるのか!?そこに居るのか!?』

キリト「そうだ!いいか菊岡………!あんたは………あんたのした事は………!!」

菊岡『謗りは後で幾らでも受ける!今は僕の言葉を聞いてくれ!!』

カルム「俺も、言いたい事は山ほどありますけど、ひとまず、そっちはどう言う状況なんですか!?」

 

 俺がそう叫ぶ。

 本当にどういう状況だ………!?

 

菊岡『済まないが、時間がない!キリト君にカルム君、アリスとイーディスという名の少女と、ユージオにケントという少年を探して保護してくれ!そして………!』

キリト「探すも何も、今ここに居る!」

カルム「ああ!俺たちと一緒に居る!」

菊岡『何だって………!?』

比嘉『奇跡ッス!!』

安田『嘘だろ………!?』

 

 俺たちから、アリスにイーディス、ユージオ、ケントと一緒に居るという事を菊岡に伝えると、更なる指示が飛んでくる。

 

菊岡『よし………この通信が切れ次第、FLAを1000倍に戻すから、4人を連れてワールドエンドオールターを目指してくれ!』

キリト「目指してくれって………!」

カルム「いきなりそんなことを言われても…………!?」

菊岡『時間がないんだ!いいか!オールターは東の大門から出て、ずっと南へ………!』

???『不味い!!』

 

 菊岡の指示を遮った男の人の声は、逼迫していた。

 

男の人『奴ら、電気室へ侵入しようとしています!?』

菊岡『何ィ!?』

比嘉『ヤバいッスよ、菊さん!?もし奴らが主電源ラインを切断したら、サージが起きる!ライトキューブクラスターは保護されてますが、サブコンの桐ヶ谷君と小野君のSTLに過電流が流れ込んで………このままじゃフラクトライトが焼かれちまいます!?』

カルム「おい、何か不穏な単語が聞こえたぞ!」

菊岡『っ………!ここのロック作業は僕がやる!2人は、神代博士と明日奈君、深澄君を連れて、アッパーシャフトに退避して、2人を保護してくれ!!』

キリト「アスナ………?」

カルム「ミト………!?」

 

 まさか、ラースに来てたのか!?

 どういう事かと首を傾げると。

 

男の人『ダメだ………電源、切れます!!スクリューが止まります!!』

 

 すると、カセドラルの天蓋を突き抜けて、無数の光が落ちてくる。

 何か嫌な予感がする。

 それが当たると、何か、魂に攻撃をくらった様な感じがする。

 すると、刃王剣十聖刃が光り、魂への攻撃が柔らぐ。

 何が起こってんだ………!?

 そういえば、さっき比嘉さんが、俺たちのフラクトライトが焼かれるとか言ってたな…………!

 横を見ると、キリトが倒れていた。

 だが、俺も意識を失って倒れる。




今回はここまでです。
キリトは、心身喪失状態に………。
カルムは、刃王剣十聖刃のおかげで助かりました。
何故、キリトが心身喪失状態になったのかは、今後明らかになっていきます。
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