ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、タイトルの通り、前編です。
今回は、ロニエ達が連れて行って貰える様になるまでです。


第52話 集いし剣士たち(前編)

リョウガside

 

 俺たちの今後の動きが決まり、俺たちは、ノーランガルス北帝国の皇帝の下へ。

 一応、カルムも罪を減刑するという名目で、兵士達の実戦訓練を担当して貰っている。

 当の本人は、複雑そうな表情を浮かべていたのだが。

 そんな事を考えていたうちに、クルーガ・ノーランガルスの下へと着いた。

 

ベルクーリ「クルーガ・ノーランガルス皇帝。人界軍に協力して欲しい。」

リョウガ「闇の軍勢に備える為にも、頼む。」

クルーガ「ふぅむ。」

 

 俺たちは、クルーガ・ノーランガルスに協力を頼んだ。

 だが。

 

クルーガ「それは、無理な相談だな。」

ベルクーリ「何故だ………!?」

クルーガ「ノーランガルスを守る事こそが、我が軍の使命であり、いざという時には、最後の砦となる所存だ。」

リョウガ「…………。」

クルーガ「という事で、お引き取り願おう。」

 

 ダメか…………。

 俺とベルクーリは、仕方なく諦めた。

 

ベルクーリ「まあ、予想通りだったな。」

リョウガ「仕方あるまい。次は、ノーランガルスの修剣学院に向かうぞ。」

 

 俺とベルクーリは、ノーランガルス帝立修剣学院へと赴いた。

 俺たちが客室に通され、少し待っていると、教官がやって来た。

 アズリカと名乗った教官が、話しかけてくる。

 

アズリカ「お待たせ致しました。整合騎士ベルクーリ殿とリョウガ殿がどの様なご用件でしょうか?」

ベルクーリ「いや、何。大した事じゃねぇよ。」

リョウガ「少しばかり、協力して欲しい。……人界軍の結成にな。」

男性教官「じ、人界軍!?」

女性教官「一体どういう事ですか?戦が始まるとでも………!?」

 

 アズリカのすぐ近くにいる2人の教官が驚く様な声を上げる。

 当然の反応だと思い、気にしないでおく。

 

ベルクーリ「まあ、そういう事だ。人界を守る為には、アンタらの力を借りなきゃならねぇ。」

女性教官「そ、それでしたら………皇帝陛下にお頼み申し上げればいいのでは……?」

男性教官「そうですよ!我々は、ただの修剣学院の教師です!」

リョウガ「無論、頼んでみた。だが、断られてしまってな。」

ベルクーリ「ノーランガルスを守る事こそが我が軍の使命であり、いざという時には最後の砦となる所存、だそうだ。」

リョウガ「筋は通っているがな。」

 

 そんな風に肩をすくめていると、教官達が言葉を紡いでいく。

 

男性教官「そ、そもそも人界の平和は………。」

女性教官「ええ、そうです。その為に公理教会が………。」

リョウガ「…………ああ。それは本来、俺たち整合騎士の仕事だ。」

女性教官「いえ、その………整合騎士の皆さんを責めている訳ではないのです!」

ベルクーリ「良いって事よ。それは俺たちも分かってる。」

リョウガ「ただ、現実問題として、闇の軍勢は、俺たちの力では対抗しきれない。」

ベルクーリ「どうしても、軍隊…………人界軍を結成する必要があるんだ。」

 

 そう語ると、これまでずっと黙っていたアズリカが口を開く。

 

アズリカ「それで、この修剣学院にいらした。そういう訳ですね。」

ベルクーリ「ああ、その通りだ。情けねぇ話だがな。」

リョウガ「ここは、青薔薇の剣を持つユージオに、雷鳴剣黄雷を持つケント、刃王剣十聖刃を持つカルム、そして、黒い剣士キリトが剣の腕を磨いていた場所なのだろう?」

アズリカ「なるほど、やはりあの4人に会われたのですね。当学院自慢の修剣士です。」

ベルクーリ「ああ、そうだろうとも。………本来なら、一緒に来たかったぜ。」

アズリカ「そうですか…………。」

 

 アズリカは、何かを想う様な表情を浮かべていた。

 本当に、心の底から4人を想っていたんだろうな。

 

ベルクーリ「それでだ、ここの卒業生には腕利きが多いと聞いてな。」

リョウガ「だから、協力を頼みたい。その為にここに来たのだ。」

アズリカ「分かりました。そういう事でしたら、私から声をかけましょう。」

男性教官「アズリカ寮監!?何を言っているのですか!?」

女性教官「そうですよ!幾らあなたが爵士でも、我々の同意なしに………!」

アズリカ「人界の危機なのでしょう?責任は私が取ります。」

男性教官「責任を取ると言っても………!」

アズリカ「…………ベルクーリ様、リョウガ様、ちょっと………。」

ベルクーリ「ん?何だ?」

 

 アズリカ寮監に連れられて、少し部屋の隅の所に向かう。

 すると、とんでもない事を言ったのだ。

 

アズリカ「…………最高司祭様は、身罷られたのですか?」

ベルクーリ「………!?」

リョウガ「な…………!?」

アズリカ「…………。」

ベルクーリ「…………よし、今後の事は、こちらのアズリカ寮監と話す。他の者は退室してくれ。」

男性教官「そ、そんな勝手な…………!」

リョウガ「退出してくれ。」

女性教官「わ、分かりました!アズリカ寮監、責任はあなたにありますからね!」

 

 そう言って、2人の教官は退室した。

 俺とベルクーリは、アズリカ寮監に訳を聞く事にする。

 

ベルクーリ「で…………何故分かった?」

アズリカ「最高司祭様が生きておられるのであれば、あなた達がこちらにいらっしゃる事はないでしょう。そもそも、人界軍の結成などという話にはならないはずです。ですので、最高司祭様は既に亡く、あなた達が統率しているのだろうと考えました。」

リョウガ「確かに、今の公理教会を仕切っているのは、もう1人の最高司祭様だが、それは出来る限り漏れない様にしている。」

ベルクーリ「………お前さん、何を知っている?」

アズリカ「私が知っている事は、ほんの僅かの事実です。整合騎士の皆さんや、公理教会の方に及ぶべくもない。ですが、それを話すと存外に長くなってしまいます。それに、もう1人の最高司祭様がいる事は知りませんでした。」

 

 どうやら、カーディナルの事は知らない様だな。

 だが、何故それを知っているのかは気になるな。

 

リョウガ「なるほどな。それは相当に気になるのだが………。」

ベルクーリ「今はゆっくりと語り合ってる暇はねぇ。」

アズリカ「無論、この事を私から話す事は、三神に誓って絶対にありません。」

ベルクーリ「ああ、信用するぜ。」

リョウガ「だが、時が来たら教えてほしい。」

アズリカ「はい。」

 

 ひとまず、この話は終わりにして、本題に入る事にする。

 

ベルクーリ「さて、じゃあ、本題に入るとするか。」

アズリカ「承知しました。」

リョウガ「先ほど話した人界軍の結成についてだが………。」

アズリカ「ノーランガルス内で、協力してくれそうな貴族は既に選定しております。後ほど、一覧にしてお渡し致します。」

ベルクーリ「そいつは手回しが良いな。助かるぜ。」

アズリカ「また、既に協力を申し出てくれた者達も居ます。」

リョウガ「それは、手回しが良すぎるぞ。……本当に漏れてないのだろうな?」

 

 その言葉に、アズリカ寮監は頷き、声を出す。

 

アズリカ「セルルト衛士長、ウェインライト衛士長、バルトー衛士、バルキリア衛士、こちらへ!」

ソルティリーナ「はっ!ソルティリーナ・セルルト、入室致します!」

タカトラ「タカトラ・ウェインライト、入室致します!」

ゴルゴロッソ「ゴルゴロッソ・バルトー、失礼します!」

ユア「ユア・バルキリア、失礼します!」

 

 そう言って、2人の男性に2人の女性が入室して来た。

 

ベルクーリ「この4人が?」

アズリカ「この方達は、当学院の卒業生です。剣の腕は、私が保証致します。4人は既に従軍しておりましたが、今回話をした所、喜んで人界軍に参加してくれるとの事でした。」

リョウガ「そうか。俺はリョウガ・シンセシス・スリーで、コイツはベルクーリ・シンセシス・ワンだ。よろしく頼む。」

ソルティリーナ「ソルティリーナ・セルルト衛士長であります!お目にかかれて光栄です、整合騎士様!」

タカトラ「同じく、タカトラ・ウェインライト衛士長であります!整合騎士様!」

ゴルゴロッソ「ゴルゴロッソ・バルトーです!よろしくお願いします、整合騎士様!」

ユア「ユア・バルキリアです!よろしくお願いします!」

 

 そう言ってくるので、俺とベルクーリは苦笑しながら、答える。

 

ベルクーリ「その、整合騎士様ってのは、やめてくれ。」

リョウガ「俺たちには、リョウガとベルクーリという名前がある。」

ソルティリーナ「はっ!では、ベルクーリ様、リョウガ様!」

タカトラ「我らの軍は、武装を整え、いつでも出撃できる状態です!」

リョウガ「それはまた、手際が良すぎるくらいだな。」

 

 俺がそう呟きながらアズリカ寮監を見ると、アズリカ寮監が答えた。

 

アズリカ「整合騎士の方々が、皇帝陛下の元へ行かれた、という話は聞いておりました。その後、修剣学院にいらっしゃるとなれば………推察するのは容易です。」

ベルクーリ「ありがとうよ、そっちの4人もな。」

ソルティリーナ「いえ、人界の危機となれば、そちらに従軍するのは、貴族の務めであります!」

タカトラ「セルルト衛士長と同じです!」

ゴルゴロッソ「俺たちは貴族じゃねぇ………いや、無いですが。」

ユア「ソルティリーナとタカトラと同じです、ベルクーリ様!」

アズリカ「セルルト三等爵士はキリトの、タカトラ三等爵士はカルムの、ゴルゴロッソ衛士はユージオの、ユア衛士はケントの上級修剣士でした。彼らの剣技と精神は、この方達が鍛え上げたのです。」

 

 なるほどな。

 それなら、大丈夫だろうな。

 

ベルクーリ「ほう、あの4人の………。そいつは期待出来そうだな。」

リョウガ「厳しい戦いになると思うが、頼むぞ。」

「「はっ!」」

ゴルゴロッソ「喜んで!」

ユア「この人界を守ってみせます!」

ソルティリーナ「では、これから出撃を伝えて参ります。」

タカトラ「失礼します、ベルクーリ様、リョウガ様!」

 

 そう言って、4人は退室していく。

 すると、アズリカ寮監が話しかける。

 

アズリカ「それと………可能であれば、後4人従軍させたい者がいるのですが。」

ベルクーリ「ほう…………。」

リョウガ「その者達も、卒業生なのか?」

アズリカ「いえ、そうでは無いですが………。入りなさい、4人とも。」

ティーゼ「失礼します!ティーゼ・シュトリーネン修剣士、入ります!」

ロニエ「同じくロニエ・アラベル修剣士、入ります!」

ルナ「同じくルナ・カウマン修剣士、入ります!」

シオリ「同じくシオリ・ヒューレット修剣士、入ります!」

ベルクーリ「おいおい、修剣士ってまさか………!」

 

 すると、4人の少女が入ってくる。

 

アズリカ「はい、当学院の初等錬士です。」

ベルクーリ「…………幾ら人員が不足してるといっても、初等錬士を動員するほど人でなしじゃねぇ。」

リョウガ「ダークテリトリーとの戦争は、訓練とは訳が違うぞ!」

アズリカ「その4人は成長著しく、既に上級修剣士に迫るほどの剣を使えます。」

ベルクーリ「そうは言ってもなぁ………。」

ロニエ「お………お願いします、整合騎士様!」

シオリ「どうか、どうか連れて行って下さい!」

ティーゼ「私たち、先輩達を助けに行くって誓ったんです!その戦場には、きっと、ユージオ先輩達も居るんですよね!?」

ルナ「アズリカ先生が仰っていました。きっと、この戦争でも先輩達は戦うはずだって。」

ベルクーリ「ユージオ先輩………。そうか、お前さんらもあの少年達の………。」

リョウガ「なるほどな…………。」

 

 確かに、あの4人の後輩なら、大丈夫な様な気もするが………。

 

ベルクーリ「よし、分かった。」

ティーゼ「えっ!?」

ルナ「それじゃあ………!」

リョウガ「早とちりするな。まずはお前達の剣の腕を見てからだ。自分の身を守れない者を、戦場に連れていくわけにはいかないからな。」

ロニエ「腕を見る………。ええと、誰かと立ち会うのでしょうか?」

シオリ「私たち4人で………?」

ベルクーリ「いや、俺たちと立ち会ってもらう。まあ木剣で、だけどな。」

ティーゼ「ええっ!?」

 

 そう決まり、俺、ベルクーリ、アズリカ寮監、ロニエ、ティーゼ、シオリ、ルナは、修練場へと向かう。

 

ロニエ「せ、整合騎士様と…………手合わせなんて………。」

ルナ「まさか………。」

ベルクーリ「遠慮する事はねぇ。刃向かったら禁忌目録違反、なんて事は言わねぇよ。」

シオリ「で、ですが………。」

ティーゼ「私たちではとても………!」

リョウガ「俺たちがこれから向かうのは、戦場だ。敵は、こちらを殺しにかかってくる。俺たちには怖気付くのなら、連れて行く話は無しだ。」

「「…………。」」

ティーゼ「…………やろう、ロニエ、シオリ、ルナ。」

ロニエ「うん。皆で、先輩達の所に行こう。」

シオリ「お願いします!」

ルナ「お願いします!」

 

 どうやら、覚悟は決まったみたいだな。

 なら、俺たちも行くとしよう。

 

ベルクーリ「よし、良い目だ。」

リョウガ「アズリカ寮監。少し木剣を借ります。」

アズリカ「どうぞ、お使い下さい。」

 

 俺とベルクーリは、木剣を握る。

 

ベルクーリ「こういう剣を持つのは、久しぶりだな………。」

リョウガ「それじゃあ、遠慮なくかかって来い!」

「「「「はい!」」」」

 

 ロニエとティーゼは、ベルクーリの方に、シオリとルナは俺の方に向かってくる。

 俺とベルクーリは、4人の攻撃を捌いて行く。

 確かに、あの4人が教えていたという事もあって、実力はあるな。

 俺たちと初等錬士4人組は、距離をとる。

 

ベルクーリ「どうした?そんなもんじゃ無いだろう?」

リョウガ「もっと全力で来い。」

 

 俺とベルクーリの言葉に4人は頷き、ほぼ同時に駆け出して行く。

 俺とベルクーリは、4人の同時攻撃を、回転斬りで防ぐ。

 

ベルクーリ「同時ってのは、悪く無いが………。」

リョウガ「身の程知らずの力押しは躊躇いを生み、無駄死にするぞ!………何っ!?」

 

 俺とベルクーリは、ルナとティーゼと鍔迫り合いをしていたが、2人は秘奥義を放ち、俺たちは後ろへと下がる。

 すると。

 

「「システム・コール。ジェネレート・サーマル・エレメント。フライ・ストレート!ディスチャージ!」」

ベルクーリ「何っ!?」

リョウガ「しまっ………!」

 

 背後から、神聖術の詠唱が聞こえてきて、周囲が煙に包まれる。

 俺とベルクーリはすぐに煙に紛れて、4人の狙いを悟る。

 片方が引きつけている間に、もう片方が目眩しを行い、そこから一気に止めを刺すという事か。

 だが、詰めが甘い。

 俺とベルクーリが居ないことに呆然としているシオリとロニエの背後に回り、木剣を頭に当てる。

 

リョウガ「まだまだ荒削りだな。」

ベルクーリ「だが、これなら連れて行っても問題ないだろう。」

 

 俺とベルクーリの近くに、ロニエ、ティーゼ、シオリ、ルナが近づく。

 

ティーゼ「ど、どうして………?」

ロニエ「捉えた、と思ったのに………。」

ベルクーリ「ああ、今のは危なかったぜ。良い剣筋だった。まさか、俺とリョウガの剣を真っ向から弾くとは思わなかったぜ。」

ルナ「あ、ありがとうございます!」

リョウガ「だが、そっちの2人の熱素術、あれはダメだったな。」

シオリ「す、すいません!」

ベルクーリ「作戦としては悪くねぇ。いきなり炎が来れば、誰でも驚くからな。」

リョウガ「だが、最初から目眩しのつもりで、威力を抑えて撃ったのだろう?」

ロニエ「は、はい………。」

シオリ「そうです………。」

ベルクーリ「相棒達が斬り込むところまで想定しての事だろうが…………。」

リョウガ「訓練で上手くいっても、実際には上手くは行かない。次からは威力を込めて撃て!それなら、勝負は違ったのかもしれないからな。」

「「は、はいっ!」」

ベルクーリ「それじゃ、準備してきな。」

「「はい!」」

ロニエ「やったね、ティーゼ、ルナ、シオリ!」

 

 4人が喜び合っているのを眺めていると、アズリカ教官がやって来た。

 俺とベルクーリは、尋ねた。

 

ベルクーリ「…………あの4人は、ユージオとケントとキリトとカルムの後輩って事かい?」

アズリカ「そうです。愛弟子、と言った所でしょうか。一緒にいたのは短い間でしたが、随分と懐いていたようです。」

リョウガ「そうか………。あいつらは、上にも下にも恵まれていたのだな。」

アズリカ「ええ。本当に素晴らしい修剣士でした、彼らは。」

 

 本当に、良き剣士だったのだな、あの4人は。




今回はここまでです。
最初の方にほんの少しだけですが、クルーガが、そして、カルム達の先輩と後輩が登場しました。
次回は、後編です。
あれ、誰かいる?
そこに居たのは、MORE DEBANと書かれた看板を持ったシリカにヒロミにリズベットにラット………?
しかも、MORE DEBAN村に、リーファ、ハヤト、シノン、チェイス、ユウキ、ノーチラス、ユナ、クライン、エギル、フィリア、レイン、レイモンド、フィリップ、パラド、ユイ、カナが入った………?
大丈夫ですよ!
これから出番がありますから!
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