ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、カルムが試練を受けます。


第54話 カルムの決意

カルムside

 

 俺は、カーディナルとユーリの元に向かっていた。

 ある事を相談する為だ。

 

カーディナル「どうした、カルム。」

ユーリ「どうしたんだ?」

カルム「カーディナル、ユーリ。俺、強くなりたいんだ。」

カーディナル「どうした、藪から棒に。」

ユーリ「…………キリトの事を気にしてるのか?」

カルム「ああ…………。」

 

 そう、俺だけが助かった事を悔いている。

 なんで、俺だけが助かったんだ。

 キリトは、俺と同じぐらいに戦って、倒れたというのに。

 俺の表情を見たカーディナルとユーリは、不安げな表情を浮かべる。

 

カルム「悪いな、心配かけて。」

ユーリ「問題ない。…………カーディナル。」

カーディナル「うむ。カルム。お主には、行ってもらいたい場所があるのじゃ。」

カルム「行ってもらいたい場所?」

ユーリ「ああ。そこに居るとある神獣と会ってこい。」

カルム「とある神獣?」

カーディナル「ああ。漆黒に染まりし、究極の神獣がな。」

カルム「それは良いけど、どうしてだ?アドミニストレータによって、神獣の類は狩られたんじゃないのか?」

 

 一瞬、厨二病みたいな名前だなと思ったが、話が脱線するとめんどくさい。

 

カーディナル「この神獣はな、火炎剣烈火に反応する場所におってな。」

カルム「ああ、火炎剣烈火がないアドミニストレータからしたら、手が出せないもんな。」

ユーリ「そうだ。だからこそ、その神獣に挑み、答えを見つけ出せ。」

カルム「分かった。」

 

 俺は、カーディナルとユーリからそう言われて、その場所に行く事に。

 ちなみに、持って行くのは、火炎剣烈火のみだ。

 刃王剣十聖刃は、あの戦い以来、どういう訳か、抜刀出来なくなった。

 それをカーディナル達に見せると、俺に迷いがあると言われたのだ。

 そんな事を考えながらしばらく準備をして、旅立とうとした瞬間、ミトに声をかけられる。

 

ミト「カルム。」

カルム「ミト……………。」

 

 なんでミトがここに居るんだ?

 そう考えていると、ミトは理由を話す。

 

ミト「カーディナルとユーリから頼まれたのよ。カルムの助けになって欲しいって。」

カルム「なるほど……………。」

 

 やっぱりかぁ………。

 カーディナルとユーリの事だから、ミトには伝えそうな気がしたからなぁ。

 

ミト「それに、君には話があるのよ。」

カルム「…………分かった。」

 

 そうして、俺とミトは、ユーリが教えてくれた洞窟へと向かう。

 アンダーワールドは、モンスターの類は出てこないので、何事もなく進んでいく。

 流石に、少し休憩する事になって、俺とミトは座る。

 

カルム「やっぱり、アンダーワールドには、モンスターの類は出てこないな。」

ミト「そうね。…………ねぇ、カルム。」

カルム「うん?」

ミト「無理してるでしょ。」

カルム「…………何が?」

ミト「キリトの事に関して。」

カルム「………………。」

 

 やっぱり、お見通しか。

 ミトに隠し事は一切出来ないのかもしれないな。

 

カルム「…………キリトだけあんな状態になったのに、アスナは、俺の事を責めなかった。『何でキリト君を守ってくれなかったの。』って、罵られる事を覚悟してたんだがな。」

ミト「……………。」

カルム「俺は、アイツの隣で戦っていいのかな。………なんてな。」

ミト「…………そんな事を言わないでよ。」

カルム「え…………?」

 

 いきなりそんな事を言われて、俺が横を向くと、目に大粒の涙を浮かべたミトの顔が目に入る。

 

カルム「ミト…………。」

ミト「アスナがカルムを責めなかったのは、カルムのせいじゃないって分かってたからよ。そもそも、柳井のせいなんだし。」

カルム「そうだな…………。」

ミト「だからさ、1人で背負おうとしないでよ!何で1人で背負おうとするの!」

カルム「………………。」

ミト「いつもの前向きさは、どこに行ったのよ!?あなたは、そんな前向きの所がいい所だったでしょ!」

カルム「ミト…………。悪い、心配かけた。」

ミト「…………本当にそうよ。心配かけさせたんだから、埋め合わせしてもらわないと困るわ。」

カルム「分かった、分かった。」

 

 本当に、ミトには頭が上がらないな。

 そうだな、いつまでもクヨクヨ悩んでるんじゃ、キリトへの侮辱になるよな。

 俺とミトは、洞窟の最深部へと向かって歩いて行く。

 最深部に着くと、火炎剣烈火が光り、壁と思われた所が開く。

 俺とミトが慎重に進むと、最奥に突然炎が灯されて、奥に漆黒の龍がいた。

 

ミト「アレなのかな?その、漆黒に染まりし、究極の神獣ってのは?」

カルム「多分な…………。」

???「何者だ………?」

 

 すると、龍が喋った。

 恐らく、シャーロットと同様に、AIを積んでいるのだろう。

 

神獣「なるほどな。光の剣士が言っていた、火炎剣烈火に選ばれた男とは、貴様の事の様だな。」

カルム「そうだ。」

神獣「そうか。ここに来たという事は、何かの目的があるのだろう?」

カルム「…………闇の国の侵攻がすぐに迫ってるんだ。頼む!力を貸して欲しい!」

神獣「…………ならん。」

カルム「何故ですか………!?」

神獣「貴様は、心の内にまだ迷いを抱いている。その様な者に、力を貸すわけにはいかん!」

カルム「……………。」

 

 まだ、迷いは晴れていないみたいだな。

 だからと言って、ここで引き下がる訳には行かない。

 

カルム「俺だって、迷いに迷ってるさ。でも、この世界を守りたい気持ちに、迷いはない!だから、アンタが認めないのなら、俺が認めさせてやる!!」

ミト「カルム…………。」

神獣「なるほどな………。その心意気や良し!受けて立とう!」

ミト「なら、私にも手伝わせて!」

カルム「分かった。」

 

 そうして、俺とミトVS神獣の戦いが始まる。

 神獣は、炎を吐いてきて、俺は火炎剣烈火でその炎を斬り裂く。

 

神獣「ほう、我が炎を打ち消すとは、やるではないか。」

カルム「俺だって、キリトの為にも、ここで立ち止まってられないんだ………!」

神獣「少しはやるな。だが、我も負けてはられないな!」

ミト「私を忘れないでよね!」

 

 ミトのクレセント・ムーンを使った斬撃が、神獣に当たる。

 だが、少し怯んだくらいで、大したダメージになっていない。

 

神獣「まさか、ここまで追い詰められるとはな。なら、我も本気で行こうか!」

カルム「…………ッ!」

 

 パターンが変わるな、これ!

 すると、更に強い炎を吐き出してきて、触れると、火傷状態になる。

 

カルム「熱っ………!」

神獣「どうした?先ほどまでの威勢はどこに行ったのだ?」

カルム「うるせぇ!」

 

 俺は、思わず声を荒げて返したが、この火傷は、通常の火傷とは訳が違う。

 何せ、未だに燃えているのだ。

 このままでは、火が全身に回る。

 すると、ミトが前線に出て、その炎を一身に受けたのだ。

 

ミトside

 

 このままじゃ、カルムが死んじゃう!

 それだけは、絶対に避けないと!

 私は、ルナリアのアカウントに付与されている状態異常を一時的に効かない力を使う。

 その力を使い、神獣が放つ炎をその一身に受ける。

 

カルム「ミト!?」

ミト「大丈夫!私のこの体は、状態異常が一時的に効かないから!」

神獣「貴様!?」

ミト「ううう………!」

カルム「やめろ………!俺が受けるから……!やめてくれ………!」

ミト「カルム!」

カルム「!?」

ミト「何をウジウジ悩んでんのよ!私が抑えてる間に、神獣を!!」

 

 私は、カルムに発破をかける。

 状態異常が一時的に効かなくても、火傷する様な感覚は感じる。

 これがルナリアのアカウントの欠点なのだろう。

 例え効かなくても、感覚は感じてしまうのだ。

 これは、普通だったら、精神が狂いそうな痛みだ。

 だけど、カルムを守る為なら、精神が狂っても構わない!

 そんな決意をしてる中、突然、背後に押されて、カルムが前線に出て、私の代わりに炎を受け止める。

 

カルムside

 

 もうこれ以上、大切な人にそんな事をさせたくなかった。

 俺は火炎剣烈火で炎を受け止め、色んな箇所に火傷が出来る。

 

ミト「やめて………!やめてよ!このままじゃ、カルムが死んじゃう!」

神獣「そこで死ぬのなら、そこまでなだけだ。」

カルム「うるさい………!勝手に人を殺すんじゃない………!俺は、俺は………!もう、これ以上誰かの涙は見たくないんだ!」

ミト「カルム………。」

カルム「だから、俺は、アンタを倒して、認めてもらって、この世界を守ってみせる!リリース・リコレクション!!」

神獣「何っ!?」

 

 俺は、火炎剣烈火の記憶解放術を使い、勇気を司る竜、竜巻を起こす大鷲、とある冒険をする猿、竜騎士、原始の竜、四属性を司る竜、勇気、愛、誇りという3つの感情を司る竜の力を引き出し、神獣を思い切り斬り裂く。

 神獣は大きく怯み、その場に崩折れる。

 俺が息を乱していると、神獣が呻き声を出す。

 

神獣「なるほどな…………。ユーリの奴、とんでもない男に火炎剣烈火を託したものだ……。」

カルム「認めて貰えますかね………?」

神獣「…………ならば、一度問おう。貴様は、何の為にわしの力を求める。」

カルム「…………親友と俺が愛している、この美しい世界を守る為に。」

神獣「なるほどな…………。よかろう。わしの天命はもうすぐ尽きる。カーディナルにわしの体の一部を託し、どうにかしてもらえ。」

カルム「分かりました。」

神獣「うむ。では、頼んだぞ。若き、炎の聖剣と刃王剣を操りし、剣士よ…………。」

 

 その言葉と共に、神獣は目を瞑り、そのまま消えていった。

 そこには、その神獣の鱗が残されていて、俺はそれを拾う。

 ホッと一息ついていると、ミトが俺に向かって駆け寄り、抱きつく。

 

カルム「ミト…………?」

ミト「バカッ!!あんな無茶して!!」

カルム「すまない、これしか思いつかなかったから…………。」

ミト「…………本当に何度も何度も心配かけて!でも、良かったぁ………。生きてて……。」

カルム「本当に、すまない。」

ミト「心配かけたんだから、しばらくこのままでいさせて。」

カルム「ああ…………。」

 

 ミトは啜り泣きながら、俺に抱きついている。

 心配かけたのは、悪かったな………。

 今度、ちゃんと埋め合わせをしよう。

 そう決意する。

 しばらくして、ミトは満足したのか離れ、俺たちはカセドラルへと帰還した。

 そして、カーディナルとユーリの元へと向かう。

 

カルム「カーディナル、これを。」

カーディナル「これは、あの神獣の鱗か………!?」

ユーリ「なるほどな。認めた様だな。」

カルム「はい。」

ユーリ「それにしても、酷い火傷だな。ミトと一緒に治してやろう。」

 

 そう言って、俺とミトは、ユーリに火傷を治して貰った。

 鱗を検分していたカーディナルが、口を開く。

 

カーディナル「この鱗だけでも、相当の力を感じるの。ただ、神器は作れなくて、鎧になってしまうが、良いか?」

カルム「ああ。俺には、火炎剣烈火と刃王剣十聖刃がある。」

カーディナル「分かった。では、行くぞ。システム・コール!」

 

 カーディナルの術式と共に、鎧が生成されていき、俺はそれを装着する。

 右肩、胸、左肩に、3つの竜の顔の装飾がついた漆黒の鎧とマントになった。

 

カーディナル「ほれ、出来たぞ。」

カルム「ありがとうございます!」

ミト「たまには、カルムも黒で悪くないのかもね。」

ユーリ「ああ、これは最高だな!」

カルム「でも、何で3つの顔が出たんだ?」

カーディナル「その神獣は、3体の竜が一つになった神獣じゃ。」

カルム「なるほどな………。」

 

 これがあれば、この世界を守れるかもしれない。

 闇の軍勢が相手でも、負ける訳にはいかないんだ。

 絶対に、守ってみせる。

 俺は、そう決意する。

 




今回はここまでです。
火炎剣烈火の記憶解放術は、ブレイブドラゴン、ストームイーグル、西遊ジャーニー、ドラゴニックナイト、プリミティブドラゴン、エレメンタルドラゴン、エモーショナルドラゴンの力を使って相手を斬る技です。
イメージとしては、習得一閃技です。
次回は、ケントとイーディスの話にする予定です。
ユージオが存命の為、キリトは青薔薇の剣を使う事はもう無いですが、代わりに、別の剣を使わせようと考えています。
候補として考えているのは、水勢剣流水、闇黒剣月闇、無銘剣虚無のどれかを考えています。

キリトに持たせる剣は何が良いか

  • 水勢剣流水
  • 闇黒剣月闇
  • 無銘剣虚無
  • その他(その場合は活動報告に入れる事。)
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